佐賀県立宇宙科学館《ゆめぎんが》館長が語る 劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』

2025年10月に公開された劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス(以下、劇場版『ゾンビランドサガ』)』。本作では、佐賀県立宇宙科学館《ゆめぎんが》が重要な舞台として登場しています。また《ゆめぎんが》側でも、館内での劇場版『ゾンビランドサガ』キャラクターの等身大パネル展示や劇中の舞台を紹介する動画の公開など、作品と連動した取り組みが継続的に行われてきました。
今回は《ゆめぎんが》館長の鈴木明子さんに、劇場版『ゾンビランドサガ』との関わりや制作への印象、そして作品への想いについてお話を伺いました。

佐賀県立宇宙科学館《ゆめぎんが》館長鈴木 明子 さん
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長年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に在籍し、広報部長などを歴任。2023年に《ゆめぎんが》の館長に就任した。現在は佐賀と横浜の二拠点生活を送っている。

「ゆめぎんがパラダイス」という
なんでもありの面白さを体現するサブタイトル

映画公開からしばらく経ちました。現在はどのようなお気持ちですか?

公開から時間が経った今も、「とにかく楽しかった」という記憶が強く残っています。映画は地域愛に満ちた作品に仕上がっていて、とても感銘を受けました。また、アニメ制作陣と《ゆめぎんが》のスタッフが準備段階から活き活きと活動していたのも印象的でした。プロフェッショナルとして真剣に仕事に向き合い、その結果として楽しいものが出来上がる。そんな経験ができたことをうれしく感じています。

▲館内に設置した劇場版『ゾンビランドサガ』ポスターを前にポーズをとる《ゆめぎんが》スタッフのみなさん

サイゲームスから《ゆめぎんが》を舞台にしたいとオファーされる前から、アニメ『ゾンビランドサガ(以下、ゾンビランドサガ)』はご存知でしたか?

アニメ『ゾンビランドサガ』の存在は《ゆめぎんが》館長に就任してから知りました。館長になって間もない2023年5月頃にオファーをいただきました。

館長に就任されてすぐのタイミングだったのですね。この時期は劇場版『ゾンビランドサガ』の脚本を作っている段階で、お話の具体的な内容もお伝えできなかったと聞いています。判断材料も少ない中、どのような想いでオファーを受けてくださったのでしょうか?

ロケハンの後にラフな絵コンテを見せていただいたのですが、それがとても印象的で、思わず引き込まれてしまいました。もちろん、当時はまだ具体的な内容が見えない部分もありましたが、それ以上に「きっと楽しいものになるだろう」という直感があり、お受けすることにしたんです。新しい企画を持ち寄って、ブレストしながら前向きに形にしていくプロセスは、宇宙開発にも通じるところがあり、個人的にも親しみを感じました。

サブタイトルに《ゆめぎんが》が採用されると知った時の想いを教えていただけますか?

とても良いサブタイトルだと感じましたし、《ゆめぎんが》との相性も自然だと思いました。
《ゆめぎんが》は宇宙・地球・佐賀などの幅広いテーマを扱い、子どもから大人まで多くの方に楽しんでいただいている施設です。様々なものを受け入れられる懐の深さがあるので、ゾンビでアイドルのフランシュシュが登場しても、違和感なく受け止められると感じました。
また、「パラダイス」という言葉にも「楽しいことならなんでもあり」というイメージがあり、《ゆめぎんが》のコンセプトにもよく合っていると思います。
そもそも《ゆめぎんが》という名前自体は、25年前に付けられたものです。流行に左右されない唯一無二の響きがあり、あらためて良い名前だと感じています。

■インタビューの途中ですが……サブタイトル関連の裏話をご紹介!

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取材スタッフ
「ゆめぎんがパラダイス」というサブタイトルが決まったのは、《ゆめぎんが》さんへの最初のオファーからおよそ1年後、2024年頃のことだったそう。このネーミングには、「子どもたちもタイトルコールできるような、親しみやすいものにしたい」というプロデューサー陣の想いが込められています!

唯一の要望は「ルールの遵守」
制作陣の再現力に驚き

劇場版『ゾンビランドサガ』に舞台を提供するにあたり、《ゆめぎんが》のコンセプトや施設内の描写など、制作陣に対して伝えた希望があれば教えてください。

細かいことは特に言わず、「社会通念上のルールは守ってくださいね」と伝えたくらいです。そのルールの範囲内であれば、やるなら思い切ってやったほうが良いというのが私の考えでした。

宇田総監督はこれまで手掛けてきた作品の傾向からも、子どもから大人まで安心して楽しめる表現を大切にされている印象です。

そうですね。その点でも安心してお任せできると感じていました。制作陣からは、「プラネタリウムの球体を壊す描写を入れても問題ないか」「“ウーたん”(※)のパネルが踏まれる描写を入れてもよいか」といった確認がありました。
これらはあくまでフィクション上の表現ですし、実際に誰かを傷つけるものではありません。その前提を共有した上で進めていただいたので、不安はありませんでした。完成映像に爆破シーンがあることは事前に聞いていたので、「どれだけ派手に描かれるのだろう」と楽しみにしていました。

※ 佐賀県立宇宙科学館《ゆめぎんが》オリジナルキャラクター

▲プラネタリウムの球体が燃えながら階段を転がり落ちる、インパクトあるシーン

サイゲームスのビジョン「最高のコンテンツを作る会社」が感じられた瞬間があれば教えてください。

上質で、細部にまでこだわって作っているのが一度観ただけでもよくわかりました。例えば、《ゆめぎんが》の周りの風景も含めて細かいところまできっちりと描いてくれたのには驚きましたね。中でも私が一番驚いたのはスタッフルームの作業台で、かなり忠実に再現されていました。

▲スタッフルームの作業台が映し出されるシーン。作業マットや道具のリアルな描写にご注目を
▲【ネタバレ注意】ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス 聖地紹介06「ひみつの場所編」

あらためて作品を視聴する際、注目すべきポイントやシーンがあれば教えてください。

《ゆめぎんが》のユニークな建物に注目してほしいですね。《ゆめぎんが》の大きな球体(プラネタリウム)は地球、小さな球体(天文台)は月をイメージしていて、地球と月の実際の比率と同じ比率である「4:1」の関係で作られているんです(※)。作中ではその点がCGでリアルに再現されています。《ゆめぎんが》へ実際に足を運ぶと、その巨大なスケール感をリアルに堪能でき、面白い体験になると思います。

※ 地球と月の距離は同じ縮尺ではありません

▲《ゆめぎんが》のプラネタリウムと天文台が映し出されるシーン。建物を囲む緑豊かなロケーションも忠実に再現されている
▲【ネタバレ注意】ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス 聖地紹介04「外観編」

今回の取り組みを通じて、サイゲームスに対する印象は変わりましたか?

世界的にコンテンツを展開している企業であることは知っていましたが、今回の取り組みを通して、私たちの想いを尊重してくれた点と、細部にまでこだわり、エンターテインメントとして磨き上げていく姿勢に強いプロ意識を感じました。そうした「こだわって作る」姿勢は、科学館のスタッフにも通じるものがあり、とても頼もしく感じましたし、今後にも期待が持てると感じました。

『ゾンビランドサガ』愛が生み出すサイクル

《ゆめぎんが》さんは、劇場版『ゾンビランドサガ』キャラクターの等身大パネルの展示や、劇中の舞台を紹介する動画の公開をはじめ、大変積極的にコラボを推進してくださいました。どのような想いがあってご協力くださったのでしょうか?

私個人の想いというよりも、スタッフたちの想いが形になったと感じています。スタッフ自身がこの映画を愛し、楽しみながら取り組んでいたからです。そこに展示のプロとしてのものづくりの力が合わさることで、《ゆめぎんが》だからこそできた表現もあったのではないかと思います。ファンの方に喜んでいただけると、スタッフも自然とうれしくなりますし、その愛情に応えたいという気持ちも生まれます。そうしたやり取りの中で、良い循環が生まれていたのではないでしょうか。

▲《ゆめぎんが》スタッフが、劇中に登場した「フランシュシュ 7年間の歩み!」を表す展示物を制作。コルク板の上に思い出深いシーンを一枚一枚貼り付けて制作した渾身の一作です!

たくさんの方が「聖地巡礼」として作中の舞台を訪れたかと思います。来場者の反応で印象深いエピソードがあれば教えてください。

《ゆめぎんが》のスタッフが劇中の舞台を紹介する動画を公開したところ、そのスタッフに会いに来てくださる方が多く、驚きました。プラネタリウムで解説を担当しているスタッフを目当てに来館されるファンの方もいらっしゃいました。また、《ゆめぎんが》の展示物や建物を背景に、キャラクターのアクリルスタンドと一緒に写真を撮る方も増えましたね。
小さなお子様がフランシュシュのパネルと並んで写真を撮っている姿も印象に残っています。こうした光景から、『ゾンビランドサガ』が地域に根付いていることを実感しました。

▲フランシュシュの衣装展示とともに、館長とウーたんも記念撮影

リアルの《ゆめぎんが》で
劇場版『ゾンビランドサガ』を何倍も楽しんでほしい

『ゾンビランドサガ』で好きなキャラクターと、好きなポイントを教えてください。

特定のキャラクターというより、みんなが一緒にいるところに魅力を感じます。いわゆる「箱推し」ですね。誰かが欠けていると、つい気になってしまうんです。そういう意味でも、全員が揃う最後のライブシーンはとても印象に残っています。

▲フランシュシュ全員が勢揃いするライブシーン

最後に《ゆめぎんが》や劇場版『ゾンビランドサガ』のファンの方々へメッセージをお願いします。

今回、楽しく魅力的な作品が完成したことを、うれしく思っています。《ゆめぎんが》は実在の宇宙科学館ですので、実際に足を運んでいただくことで、劇場版『ゾンビランドサガ』をより一層楽しんでいただけるのではないかと思います。
館内では、フランシュシュの等身大パネル展示やグッズ販売など、作品に関連した取り組みも行っています。作品の世界とあわせて、ぜひ現地の魅力も体感していただけたらうれしいです。

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以上、佐賀県立宇宙科学館《ゆめぎんが》館長・鈴木明子さんへのインタビューをお届けしました。
5月27日(水)には劇場版『ゾンビランドサガ』のBlu-rayが発売され、2027年4月には佐賀アリーナにてイベントを予定している『ゾンビランドサガ』。ますます盛り上がる『ゾンビランドサガ』の展開に、ぜひご注目ください!

佐賀県立宇宙科学館《ゆめぎんが》公式サイト 劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』公式サイト

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