スキャンスタジオ【社内設備特集Vol.1】
社内施設紹介第1回!
国内最高レベルのフォトグラメトリーが使用できるスタジオ
サイゲームスの社内には、最高のクオリティーでゲームを作るための施設が多数存在します。
本特集では、そんな社内設備をご紹介していきます!
記念すべき第1回は、3D技術「フォトグラメトリー(※)」を駆使したスキャンスタジオをご紹介。
ゲームはもちろん、PV制作など、幅広い分野で活用されているスタジオです。
※フォトグラメトリーとは……被写体を複数のアングルから撮影し、その写真を基に3次元データを作る技術のこと。撮影した写真から高精細なメッシュ形状と高解像度なテクスチャーマップの両方が生成できます。
今回はフォトグラメトリーの概要や実際のスタジオの様子、3Dモデルの制作の過程を紹介いたします!
スタジオ概要
■名称:スキャンスタジオ
■設立:2017年2月
■性能:フォトグラメトリー技術を使用したスタジオで、総カメラ数は221台、ストロボは22台と国内最大級。1度の撮影で全方位から被写体の情報を収集。精密な3Dモデルを制作することができます。
スタジオ周囲の壁はすべて白で統一され、ストロボの白色閃光のみで被写体がきれいに写るように調整しています。
続いて、実際にこのスタジオを使った、フォトグラメトリーによる3Dモデリングの実例をご紹介します!
フォトグラメトリーを使って、
実際に3Dモデリングをしてみた!
①撮影
被写体にカメラの中央に立ってもらい、360度のカメラで全身を撮影します。この時点で衣装を着たりメイクを施したりすることにより、完成イメージに近い詳細な3Dデータを作成することができるそうです。撮影時間はたった数秒。時間を空けずに連続で撮影することも可能。
収集した撮影データは即座にPCに転送され、その場ですぐに写真のチェックや現像ができるようになっており、迅速なメッシュ生成が可能な環境も整えています。これによりハイクオリティーな3Dモデルをスピーディーに制作することが可能です。
②ビルド
撮影した写真を元に、PCでデータを作ります。
まずは、カメラ位置を計算してから位置情報を生成します。(カメラアラインメント)
次に、ポイントクラウドと呼ばれる点の集合(点群)を生成します。(ビルドデンスクラウド)
続いて、ポリゴンデータを作っていきます。(ビルドメッシュ)
最後に、テクスチャーデータを生成して質感を出します。(ビルドテクスチャー)
ここまでの作業は、すべて写真を元にした計算処理で行われます。これにより、これまで数か月かけて手作業で行っていた3Dモデリング作業を格段にスピードアップすることが可能となりました。
また、フォトグラメトリーは一通りのオペレーションを習得すれば誰でも一定以上のクオリティーを出すことができるため、時間短縮だけではなく、クオリティーの担保という観点からもかなり有効な制作手段となります。
③クリーニング
ビルド作業の後、残っているバリ(余分な部分)やノイズ(ゴミ)を除去します。
最後に全体を整えたら完成です!
ここまでの作業は最短1日で可能。社内スタジオのため、①撮影、②ビルド、③クリーニングまでを移動時間なしで、スムーズに行うことができます。
サイゲームスは今後もハイクオリティーな
3Dデータを制作していきます!
サイゲームスでは「広域エリアの3D化」にも挑戦しています。
昨年開催されたCEDEC2018では弊社スタッフである國府 力(デザイナー部 3DCGアーティストチーム CGディレクター)による「空撮フォトグラメトリー技術とレーザースキャン技術の融合による広大な現実空間の3Dデータ化方法」というテーマで講演が行われ、佐賀県鳥栖市にあるベストアメニティスタジアム(現・駅前不動産スタジアム)の3Dデータ化の方法を説明しました。(同講演は株式会社パスコ 林 大貴氏と共同で行ったものです)
サイゲームスは今後も3Dスキャンの見識を深めていき、さまざまな「最高のコンテンツ作り」に活かしていきます。