第2期制作決定!今だから言えるアニメ『プリンセスコネクト!Re:Dive』制作裏話
好評のうちに第1期の放送が終了し、さっそく第2期の制作が決定したアニメ『プリンセスコネクト!Re:Dive(以下、プリコネR)』。サイマガでは、一段落したタイミングで、株式会社CygamesPictures(以下、サイピク)の制作スタッフによる座談会を実施。彼らの本音に迫るべく、10の質問をぶつけました!
- 株式会社CygamesPictures 総作画監督ミョンジン
- 作画担当。紙と鉛筆での作画のほか、線の補正や色塗りをサポートすることも。業界歴は8年で、サイピクには2019年1月に合流。
- 株式会社CygamesPictures コンセプトデザインマサキ
- 小道具などをデザインするプロップ設定および、舞台をデザインする美術設定を担当。サイピクには立ち上げ間もない頃から関わっている。
- 株式会社CygamesPictures CGIプロデューサー・CGIディレクターヨシノリ
- アニメ内に登場するアイテムや建物などの3DCG制作を担当。業界歴は約8年で、サイピクには1年半ほど前に合流。
- 株式会社CygamesPictures 制作デスクタクマ
- 制作デスクとして、主に全体のスケジュール管理を担当。アニメ業界歴は約10年で、サイピクには1年ほど前に合流。
■目次
▼質問1.第1期放送を終えての感想は?
▼質問2.ゲームをアニメ化するにあたって意識したことは?
▼質問3.制作で大変だったことは?
▼質問4.アニメをより楽しむためのポイントとは?
▼質問5.アニメ『プリコネR』のどこが好き?
▼質問6.「最高」と感じた瞬間は?
▼質問7.スタッフから見たサイピクのイメージは?
▼質問8.クオリティーや制作体制についての今後の課題は?
▼質問9.どんな人がサイピクのアニメ制作の仕事に向いているか?
▼質問10.第2期に向けてチャレンジしたいことは?
▼質問1.第1期放送を終えての感想は?
▼質問2.ゲームをアニメ化するにあたって意識したことは?
▼質問3.制作で大変だったことは?
▼質問4.アニメをより楽しむためのポイントとは?
▼質問5.アニメ『プリコネR』のどこが好き?
▼質問6.「最高」と感じた瞬間は?
▼質問7.スタッフから見たサイピクのイメージは?
▼質問8.クオリティーや制作体制についての今後の課題は?
▼質問9.どんな人がサイピクのアニメ制作の仕事に向いているか?
▼質問10.第2期に向けてチャレンジしたいことは?
質問1.
第1期放送を終えての感想は?
- マサキ(コンセプトデザイン)
- まだ終わった感じがしないですね(笑)。第1期のパッケージの作業も残っているし、第2期の準備もありますし。
- ミョンジン(総作画監督)
- 私はひたすら手を動かしていたらいつの間にか第1期が終わっていたという感じでした。頭の中は全然終わっていないですが(笑)。
- タクマ(制作デスク)
- 確かに。終わったという感じはないかも。
でも、コロナ禍の緊急事態宣言期間中も、なんとか制作を間に合わせて乗り切ったという達成感はあります。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 制作の忙しい時期に緊急事態宣言が出たんですよね。
- タクマ(制作デスク)
- かなりギリギリのところで、実はTVの放送を延期するかどうかという話にもなりました。7〜8月くらいの進行が一番厳しかったですね。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 誰も経験したことがない事態ですしね。
- タクマ(制作デスク)
- 通常の仕事に加えて、リモートワークの対応をどうするのか決めないといけなくて、いろんな検証と制作を並行していました。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 4月に全社的にリモートワークに移行したんですよね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- リモートワークの準備は3月くらいから整えていたので、割とスムーズにできたところはありました。
アニメ業界全体としては、アフレコができずに制作が遅れたという話も聞きましたが、幸いアニメ『プリコネR』はアフレコを終えていたので、当初のスケジュールが変更になることはありませんでした。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- コロナ禍を体験して、経験値が上がったところはありますね。
自分の仕事だけではなく、他部署の動きがわかるようになりました。
- ミョンジン(総作画監督)
- 作画も自宅で作業できる人はしていました。立場上、直接顔を合わせなければいけない人は出社している感じ。
- タクマ(制作デスク)
- リモートの環境で仕事ができるのは、強みではあるかなと思います。
質問2.
ゲームをアニメ化するにあたって意識したことは?
- ミョンジン(総作画監督)
- アニメならではの表現をすることですね。実際、アニメを見ると表情や演技が豊かになっていると思います。
- タクマ(制作デスク)
- ゲーム内のアニメよりも尺が長い分、キャラが掘り下げられていますよね。
- ミョンジン(総作画監督)
- そうですね。話数が進むほどキャラへの理解が深まって、面白くなっていると思います。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 設定に関しては、作画担当の人たちが、描きやすく、動かしやすいようにデザインを簡略化する必要があるんですが、原作ゲームのデザインを崩さずにいかに省略するかにすごく苦労しました。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- そのあたりのサジ加減は、やっぱりセンスが問われる部分ですか?
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 決まった方式はないので、設定する人によってだいぶ変わってくると思います。
僕は元々のシルエットは大事にしつつ、服装やアイテムなどの装飾を減らすことが多いですね。
- ミョンジン(総作画監督)
- 大胆に変えている部分もありますよね?
- マサキ(コンセプトデザイン)
- そうですね。例えばキャルの杖は、原作ゲームのデザインでは先端の飾りが猫の全身なのですが、アニメでは思い切って猫の頭部だけにしました。原作ゲームファンの方たちが違和感なく見られたなら良かったんですが。
質問3.
制作で大変だったことは?
- タクマ(制作デスク)
- クオリティーとスケジュールのバランスでしょうか。自分たちが世に出したいと考えるクオリティーに仕上げるための時間や作業者を確保することですね。少しクリアできていない話数もあったような気がしますが(笑)。
監督からは作品をより良くするためにああしたい、こうしたいといった指示が出ます。でも制作のリソースには限りがあるので、全部を実現するのは難しいこともあって……。
監督や演出が考えていることすべてを実現できるように調整するのが制作の仕事なのですが、時間に余裕がなくなってしまうと、スケジュールの範囲内での対応となる場合もあります。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- そこが制作進行の一番大変なところですよね。クオリティーを上げるために監督が言っていることもわかるし、でも締め切りも迫ってるし、みたいな。
- タクマ(制作デスク)
- はい。物理的、時間的に不可能な要求が来ることもあるので、「それはできない」と監督に言わなければいけないこともあります。
- ミョンジン(総作画監督)
- 作画でいうと、ペコリーヌとユウキを描くのが全体的に難しかったという印象があります。この2人はなんと言うか、キャラの雰囲気とかニュアンスみたいなものを掴むのが難しかった。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 描くのが難しいというのは、どういう面に表れるんですか?
- ミョンジン(総作画監督)
- 作画をするスタッフは複数いるんですが、上がってくる絵のバラツキが大きいんです。
コッコロやキャルは誰が描いてもコッコロだしキャルなんですが、ペコリーヌとユウキは描く人によってキャラの捉え方が違うのか、統一感が出にくかったですね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- ミョンジンさんはいろんなスタッフが上げてきた絵を直す役割でもあるから、そういうバラツキを修正してく必要があったわけですね。
- ミョンジン(総作画監督)
- そうですね。キャルは設定にはないような表情もたくさん上がってきたんですが、不思議とどんな表情をしていても「キャルだ」っていう雰囲気が出るんですよ。
逆にユウキは、設定通りに描いたつもりでも別人になってしまうことがある。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 表情が豊かなキャラのほうが、バラツキを許容できる範囲が広いんですかね。面白い。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- CG部の場合はセクションの立ち上げがアニメ『プリコネR』の始動に合わせてだったので、体制を整えるのとCGを作る仕事が同時並行だったのが大変でした。
- タクマ(制作デスク)
- 最初はヨシノリさん1人でしたよね、CG部。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- はい。体制構築に加えて普通のTVシリーズと同じ量の仕事が来てしまうという(笑)。
苦労しながら人を集めて、今は7人に増えました。今後も増員していきたいと思っています。
- タクマ(制作デスク)
- 昨年、新卒で入社したスタッフも活躍してくれましたね。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- そうですね。育成期間を経て、終盤の3話くらいに関わってもらったんですが、自分でちゃんと放送できるクオリティーまで仕上げてくれたので助かりました。
本人も、放送を見たときにはすごく興奮したと言っていましたね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- プロップや美術の設定に関しては、原作ゲームの雰囲気を壊さないようにとすごく頭を使いましたが、僕は結局「なんでも屋」なので、手が空いたときにどんどん仕事が入ってきちゃうのが大変でした(笑)。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 設定は忙しくなる時期が早いから、他の部署が忙しくなると逆に手が空くことが多いですよね。設定が出来てないと作画とか撮影とか他の作業ができないから。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- そう。それで、設定が一段落すると他の手伝いをする。レイアウトやエンディングの美術も手伝いました。
- タクマ(制作デスク)
- エンディングは彩色もマサキさんがやってましたよね。
監督から「エンディングはいつもの設定みたいな感じで描いてください」というオーダーがあって、それで画面がもつのかなと心配でしたけど。めちゃくちゃきれいでしたね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- ありがとうございます。普段は色塗りまではしないので、あれはちょっと大変でした。
質問4.
アニメをより楽しむためのポイントとは?
- ミョンジン(総作画監督)
- やっぱりアニメなので、キャラが動いてしゃべっているのを存分に楽しんでもらえればと思います。アニメだからできるキャラの掘り下げも含めて。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- CGに関しては、表現の使い分けに注目してもらえるとうれしいですね。
同じ3DCGでも、2Dのセルルックに寄せて作っている部分もあれば、いかにもCGというルックにしている部分もあって、意図して使い分けています。
- タクマ(制作デスク)
- あえてCGっぽい質感にした意図はなんですか?
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- その意図を考えながら見ていただくのが一番面白いかなと。
アニメ『プリコネR』では3DCGにもこだわりがあって、監督からは「演出意図によって3Dの表現を使い分けたい」と言われているんですよ。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- うーん、想像がつかない(笑)。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- わかりやすいところを紹介すると、7話や12話に登場するシャドウ(敵)はいかにもCGっぽい質感ですが、あの質感にしたのは地続きでない異世界から来たもの、というのを表現しているんです。
- タクマ(制作デスク)
- そうだったんですね。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 3DCGに関しては、こんな意図がすべて監督から伝えられました。これは監督と僕たちCG部しか知らないことなので、ぜひCG部分を探して、想像してもらえたらと。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- オープニングは何回見ても飽きないですね。曲も良いし、動きも見ていて気持ち良い。オープニング映像を担当した人たちは、とてもクオリティーの高いものを作っているなと感心しました。
- ミョンジン(総作画監督)
- 意外と短い期間で作り上げていますよね。
- タクマ(制作デスク)
- スケジュールが「やばいですね☆」状態でした(笑)。そんな状況の中、担当してくれた制作進行の力も「やばいです!」「やばいわよ!」でした(笑)。
- ミョンジン(総作画監督)
- 背景美術のクオリティーはすごいですよ。作品全体のレベルを上げている要素だと思います。一般視聴者の方は見過ごしがちだと思うので、見直すときに注目してもらえたらうれしいですね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- あとエンディングで、ペコリーヌが部屋で髪をすいているカットがあるんですが。あそこの背景で、棚からレースの敷物がちょっと垂れているんですけど、それがちょうどペコリーヌの羽に見えるように描きました。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- それはマサキさんの発想で?
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 最初から意図していたわけではないんですが。レースを描いているときに「もしかしたらこれ羽に見えるんじゃないか」って。それでこっそり羽っぽくしました。
質問5.
アニメ『プリコネR』のどこが好き?
- タクマ(制作デスク)
- 個人的な意見ですが、3話でコッコロがキャルにギルドへ入ってほしくて、ギルドの申請書を持ってそわそわしているシーンがあるんですけど。そのコッコロのそわそわした動きが一番好きですね。コッコロの性格とかキャラ性を表していると思います。単純にかわいかったなと(笑)。
- ミョンジン(総作画監督)
- 私は1話のキノコとの戦闘シーンですね。作品内で本格的なバトルが描かれる最初のシーンで、あれを見て、「これは面白い作品になる」と思いました。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 3DCGと全然関係ないんですが、僕は12話のキャルとイカッチとチャーリーが並んで歩いているシーンが好きです。メインキャラとサブキャラが絡んでいることで、生活感が伝わってくるのが面白いなと。
- ミョンジン(総作画監督)
- 食事シーンが毎回出てくるのも特徴ですよね。
- タクマ(制作デスク)
- 実はアニメ『プリコネR』には料理作監(料理作画監督)という役職がありまして。
虫料理に限らずなんですが、世界観に合わせたありそうな料理を考えたり、おいしそうに見せたりすることにこだわっていましたね。料理の見栄えでリテイクが発生したこともあるくらいです。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- コカトリス亭(食堂)で紅茶が出てくる3話でしたっけ?あそこはリテイクを重ねていましたよね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- えっ、紅茶で?
- タクマ(制作デスク)
- 「ティーカップの形が歪んでいるからハイライトの入り方がおかしい」と。
特に紅茶が目立つシーンでもなくて、画面の面積で言ったら10%もないくらいなんですが(笑)。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 料理がメインテーマのアニメじゃないはずなのに……(笑)。
主人公たちのギルドが【美食殿】という名前なので、監督は料理シーンにも力を入れていたように思います。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 美食殿って単においしいものを食べるだけじゃなくて。ちゃんと狩りに行ったり、苗を植えたり、自分たちで料理をして食べるという、生活の基本みたいな部分がちゃんと描かれているから最終的に美味しく見えるのかなと思います。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 食べるまでの過程を含めて美味しく見えるという。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 美食殿の活動目的は「この世の美味しいものの探求」なんですが、ちゃんと美食殿として活動しているのが要所要所に挟まれていますね。みんなで料理を食べるその食卓もペコリーヌの手作りだし。
衣食住を自分たちで整えるという描写がさり気なく入っているところがいいなと思います。
- ミョンジン(総作画監督)
- なるほど。深いですね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- その上で、胃袋を満たす食事シーンが、葛藤を抱えたキャラの心の穴をそっと埋める場面にもなっています。
だから、ペコリーヌのセリフの「ごはんは命のエネルギー☆」という言葉にも説得力があるのかなと思うんです。そういう部分も感じ取ってもらえたらいいですね。
質問6.
「最高」と感じた瞬間は?
- タクマ(制作デスク)
- 納品できたときですかね。
全パートがいったん出来上がってから修正などを行うリテイクという作業があるのですが、それを乗り越えて納品できたときが最高だなと感じます。本当にギリギリまで作業することもあるので。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 本当に最後の最後までバトルですよね。
- ミョンジン(総作画監督)
- チームワークで良い仕事ができたときはうれしいですね。
この場にはいないんですが、撮影セクションのスタッフがいつもきれいな処理を入れてくれて。作画の段階では「これで大丈夫かな?」と思っていたシーンがすごく良い感じに仕上がっていることがあります。
- タクマ(制作デスク)
- 撮影作業は最後のほうの工程になるので、作業できる時間が少なくなることが多いです。
ですが、その状況の中、シーンに合った撮影処理を入れていましたね。戦闘シーンのエフェクトなどは盛りに盛って、クオリティーを上げてくれました。関わっている人みんなが「良いものにしよう」と考えてくれている。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 作品の内容ではなく仕事の仕方の話になるんですが。
うちのCG部は「定時に出社して、定時で帰る。その中で最高のパフォーマンスを出す」というスローガンのもとで作業をしてもらっていたんですが、それをしっかりと始めから終わりまで守ってくれたことが最高だなって思いました。
- タクマ(制作デスク)
- 素晴らしい。それで手が空いたときは他部署を手伝うこともあるし、分業しながらも協力し合う文化がサイピクにはありますね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 僕自身としては最高と思うよりも前に「もっと良く描けたのでは?」という反省のほうが出てしまう。
- タクマ(制作デスク)
- マサキさんの上がり、監督や(背景美術を担当している)草薙のみなさんから好評でしたよ!
- マサキ(コンセプトデザイン)
- それは本当にありがたいです。スケジュール内にできるだけのことはやっているんですが。ただ後になって「ここをもっとこうしたかった」と考えてしまうんですよ。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 作中に出てくる時計もマサキさんがデザインしてラフを作ってくれたんですが、そこのCGもすごく作り甲斐があって面白かったです。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- そう言っていただけてうれしいです。今この瞬間が最高かもしれません(笑)。
質問7.
スタッフから見たサイピクのイメージは?
- タクマ(制作デスク)
- うちの取締役の竹中(信広)が新卒向けのセミナーで「我が社はみんなが面白いアニメーションを作ることを諦めない会社である」と言っていたらしいですが、その通りだと思います。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- みんな常に良いものを作ろうとしていますよね。
- タクマ(制作デスク)
- アニメ制作の現場って職種ごとに仕事をする時間がバラバラになりがちなんですが、それでもサイピクは朝10時に来て、夜7時には帰ろうという基本方針で働いています。
現状はそうならないことのほうが多いですが……。まずは働くみんなが意識することが大事ですよね!!(笑)
- ミョンジン(総作画監督)
- きっちりしているだけではなくて、状況とか個人の事情によって相談しやすいのもいいと思います。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 外部のスタッフに対しても柔軟だったり?
- ミョンジン(総作画監督)
- そうですね。フリーランスの作画の方がサイピクに来て仕事をするケースもあるんですが、彼らがいつ来ても会社の設備が使えるようになっています。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 確かに働く環境としてはすごく良いと思います。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 設備面も充実していると思います。機材やイスといった設備についてはすごく前向きに考えてもらえる。
- タクマ(制作デスク)
- あと、成長を感じられる環境だと思います。
アニメ『プリコネR』の制作の中で最後まで諦めずにクオリティーを重視して、制作部全体で腕の良いスタッフを探し集めることができました。それができたことが、自分も含め、制作部が成長したと感じる部分です。
- ミョンジン(総作画監督)
- 私は周りから「良かったよ」言われたときに成長を感じますね。
言われたらやはり意欲が出ますし、次はもっとうまくやろうという気になります。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 僕ら手を動かしている側の人間は、だいたいミョンジンさんと同じ意見になるんじゃないかと思います。
自分では反省点とか改善点に目が行くことが多いので、人から「あそこが良かったよ」と言ってもらえると、成長できたのかなと感じますね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 僕はもう日々老眼が進んでいまして(笑)。
肩も上がってこなくなって、成長というかエイジングですね。現状維持が大変です。
- ミョンジン(総作画監督)
- マサキさんは実力的に誰も文句を言わないですね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- いえいえ、少しでも良いものを作れるように日々頑張っています。ポジティブに反省するというか、一歩一歩前に進んで行きたいです。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 自分の成長について考え続けられる環境ではあると思います。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 日々の仕事に追われるだけじゃなくて、向上心を持ち続けられること自体が、そもそも成長した証なのかもしれませんね。
質問8.
クオリティーや制作体制についての今後の課題は?
- タクマ(制作デスク)
- サイピクはまだまだ若い会社なので、スタッフも若手が多いんですね。僕も含め、まだまだ未熟な部分が多々ありまして。そういうところをなんとかしていきたいと思っています。
制作の仕事はあまり表に出るようなものではなく、完全に裏方の仕事です。ですが、僕たち若手が上手い作画さんを集めてこられるか、作業者さんが良い仕事ができる時間を確保できるかでクオリティーも変わってきますので、若い世代の育成は急務だと考えています。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 今年は新卒がたくさん入ってくれたのもあって。会社として制作ラインを増やしていくという目標もありますね。
- ミョンジン(総作画監督)
- 作画も同様です。まだまだ人数が足りておらず、これから増やしていく予定です。いろんな案件に柔軟に対応できる体制にしたいですね。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 僕もやっぱり次世代の育成かな……。設定ができる人を育てていかないと。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 後継者を育てましょう。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- ただ、設定専門の人を育てるのはリスキーだなとも思っていて。
新人から育てて、設定しかできないとなると、キャリアの可能性が狭くなってしまうので。作画さんとか美術さんの中から設定もやりたいという人が出てくるといいんですけどね。
質問9.
どんな人がサイピクのアニメ制作の仕事に向いているか?
- タクマ(制作デスク)
- 制作進行は、まずは人の話を聞ける人ですかね。
話を聞いて、その人が何を思い、どうしたいのかを分析し、理解した上で解決や実現に向けて一緒に作品を作っていく。
基本ではありますが、けっこう大事な能力であり、突き詰めていくのはかなり難しいことでもあります。
- ミョンジン(総作画監督)
- 作画もコミュニケーション能力がある人がいいですね。
作画とは関係ないと思うかもしれませんが、アニメは1人で作るわけではなく各部署の人たちと一緒に作り上げていくので。
話し上手である必要はないですが、人の話を聞いて、大事なことをちゃんと言える必要があります。そういう人のほうが吸収も早いです。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 僕は、ちゃんと自分で物事を考えて描ける人が良いと思います。
欲を言えば、キャラも描きたいし道具も描きたい、美術の設定も作りたいというマルチな志向がある人。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- CGの場合は、自分もそうですが、アニメ業界でCGをやりたいという気持ちがある人です。
CGってアニメ以外にも選択肢がたくさんある職種なので。自分はアニメCGで力を発揮したい、腕を上げたいという人なら楽しく働けると思います。
質問10.
第2期に向けてチャレンジしたいことは?
- タクマ(制作デスク)
- 第1期は手探りなところもあり、スケジュールも緩めでしたが、第2期に関して締めるところは締めたいなと。
改善していけたらと思います。
- ミョンジン(総作画監督)
- 第1期より良いものを描く、ですね。
キャラの表情をもっと豊かにしたいし、クオリティーのバラツキをなくしていきたいです。
- ヨシノリ(CGIディレクター)
- 僕は、建物やキャラを含め、CGで作る部分をもっと増やしていきたいですね。
セルルックに寄せて作って、視聴者の方にCGだと気付かれなかったら面白いなと。
- マサキ(コンセプトデザイン)
- 設定も、第2期は第2期で新しいものが出てくるので、視聴者の方に喜んでもらえるものを描きたいです。
- タクマ(制作デスク)
- というわけで、第2期の制作も精一杯頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします!
第2期のアニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2」に向けて、やりたいことや改善点がたくさんあると語るスタッフたち。いったいどんな絵作りや演出で視聴者を楽しませてくれるのか、期待が膨らみます!
現在サイピクでは、体制強化に向けて人材を積極採用中とのこと。11月2日(月)より、新卒採用の第2次募集も開始予定。サイピクでアニメ作りに挑戦したいとお考えの方は、ぜひ採用ページをご覧ください。
CygamesPictures 募集職種© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会
© Cygames, Inc.