最新タイトルのゲームデザイン手法や生成AIの活用事例などを紹介!CEDEC2025サイゲームス講演の見どころ

サイゲームスでは、毎年夏に開催されるゲーム業界の技術交流会「CEDEC」を業界発展に繋がる重要な場と考え、積極的に参加して講演を行ってきました。今年のCEDECでは、最新作『Shadowverse: Worlds Beyond(以下、シャドバWB)』のゲームデザインに関する講演をはじめ、生成AIの活用によるゲーム開発支援や業務効率化に向けた取り組み、『ウマ娘 プリティーダービー(以下、ウマ娘)』の映像制作に特化したツール開発、オウンドメディア運営の知見などをテーマにした、全6講演を予定しています。
本記事では、「CEDEC2025」でのサイゲームス講演の中から特に注目していただきたい講演を中心に、概要や見どころなどをご紹介します。
■CEDEC2025 サイゲームスの講演一覧
・『Shadowverse: Worlds Beyond』二度目のDCG開発でゲームをリデザインする~遊びやすさと競技性の両立~
・LLMを活用したゲーム開発支援と、生成AIの利活用を進める組織的な取り組み
・大規模言語モデルを活用したゲーム内会話パートのスクリプト作成支援への取り組み
・現場を理解して実現!ゲーム開発を効率化するWebサービスの開発と、利用促進のための継続的な改善
・『ウマ娘 プリティーダービー』における映像制作のさらなる高品質化へ!~ 豊富な素材出力と制作フローの改善を実現するツールについて~
・ブランド力アップのためのコンテンツマーケティング~ゲーム会社における情報資産の活かし方~
注目講演ピックアップ①
最新タイトル『Shadowverse: Worlds Beyond』のゲームデザインに関するこだわり

《講演名》
『Shadowverse: Worlds Beyond』二度目のDCG開発でゲームをリデザインする~遊びやすさと競技性の両立~
《概要》
2016年に対戦型オンライントレーディングカードゲームとしてリリースされ、今年9周年を迎えた『Shadowverse(以下、シャドバ)』。これまでeスポーツ大会の開催やプロリーグの発足、アニメ化、リアルカードゲーム化など多様な展開を見せてきました。 今年6月17日には最新タイトル『シャドバWB』を世界同時リリース。これまで『シャドバ』に触れたことがない人でも楽しめる新機能を盛り込んだ、「すべてが進化した『シャドバ』」を目指した作品です。
本講演では、同作のこだわりの一つである「遊びやすさと競技性の両立」をどのように実現したか、『シャドバ』『シャドバWB』の両方を手掛けたリードゲームデザイナーが詳しく紹介します。
《見どころ》
『シャドバ』『シャドバWB』を手掛けた経験を基にゲームデザイン手法を紹介するため、DCG(デジタルカードゲーム)ジャンルのタイトルを開発するゲームデザイナーはもちろん、ナンバリングタイトルのような後継作の開発に携わる方にも役立つ内容となっています。
また、『シャドバ』『シャドバWB』はもとよりDCGというゲームジャンルに詳しくない方でも講演を楽しんでいただけるよう、前提となる知識から丁寧にご説明します。YouTubeでの無料配信もありますので、たくさんの方にご覧いただけると幸いです。
注目講演ピックアップ②
生成AIの利用推進に向けた様々な取り組みと得られたノウハウ

《講演名》
LLMを活用したゲーム開発支援と、生成AIの利活用を進める組織的な取り組み
《概要》
急速に進化する生成AI時代に対応すべく、サイゲームスでは生成AIの全社活用を推進する「生成AI活用委員会」と専門部署「AIテクノロジー」を設置し、ゲーム開発で「生成AIは何ができて、何ができないのか」を明確化するとともに、具体的なツールを導入しています。中には、すでにLLM(大規模言語モデル)を活用した業務効率化の分野で成果が出始めているものも。例えば社内ツールとして導入したAIチャットサービス「Taurus」は、社内のナレッジベースやデータベースと連携して様々な業務情報などをスタッフに即座に回答するツールで、業務効率化を実現するとともにスタッフのAIリテラシー向上にも貢献しています。
本講演では、生成AIの導入と利用推進に向けた組織的な取り組みや「Taurus」の成果、LLMを活用したゲーム開発支援機能の開発事例などを紹介します。
《見どころ》
GPT-3.5リリース以降の生成AIの急速な進化を受けて、生成AI活用についての社会的な関心は高まっていますが、ゲーム開発会社における導入事例の紹介はまだまだ少ないのが実情です。本講演は、ゲーム開発での生成AI活用や、組織レベルでのAI導入を検討している方、そして開発現場でのAI利用についての課題と解決策を知りたい技術者の方にとって必見の内容となっています。講演後にはAsk The Speaker(※)での質疑応答も行います。
※ Ask The Speaker……講演終了後に、講演者と受講者が質疑応答を行う場
AI技術、映像制作ツール、企業ブランディング
多様な専門分野から見るサイゲームスの技術力
その他にも、CEDEC2025では多様な分野におけるサイゲームスの技術、ノウハウをお伝えする講演がラインナップされています。
AI技術の分野では、ゲーム内の会話パートでキャラクターの動作、表情、音声といった演出要素を設定するスクリプト作成の工程でLLMを活用した事例を紹介する「大規模言語モデルを活用したゲーム内会話パートのスクリプト作成支援への取り組み」の講演を行います。
また、ゲーム開発の支援ツールをより効果的に運用するためのナレッジを紹介する「現場を理解して実現!ゲーム開発を効率化するWebサービスの開発と、利用促進のための継続的な改善」の講演内でも、「シナリオ執筆支援ツール」へのAI監修機能の導入について触れます。


映像制作の分野からは、「『ウマ娘 プリティーダービー』における映像制作のさらなる高品質化へ!~豊富な素材出力と制作フローの改善を実現するツールについて~」の講演を予定しています。本講演では、テレビCMやメディア向けの映像など、『ウマ娘』の素材を使って制作する様々な映像コンテンツの高品質化や、制作フローの改善に向けた取り組みをご紹介します。

CEDEC2025のサイゲームス講演では、ゲームの開発技術以外の分野でも講演を予定しています。「ブランド力アップのためのコンテンツマーケティング~ゲーム会社における情報資産の活かし方~」の講演では、当サイト「Cygames Magazine」の運営実績をもとに企業ブランドの価値向上に向けた取り組み・知見をご紹介します。

以上、CEDEC2025でのサイゲームス講演のご紹介でした。
ゲーム開発者はもちろんのこと、様々な部門・部署の方、さらにはゲーム業界以外の方にも聴講いただきたい講演ラインナップとなっています。ぜひサイゲームスの講演にご注目ください!
また、サイゲームスでは過去のCEDECでの講演をYouTubeで公開しています。
AIの利活用や、サイゲームスの各タイトル開発に関する様々な講演を取り揃えていますので、本記事とあわせてぜひご覧ください。
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