新卒研修のコンセプトは「絆を深める」 新人と組織を繋ぐサイゲームスの人事が大切にしていること

サイゲームスでは2013年に最初の新卒社員が入社して以降、毎年多くの新卒社員を迎え入れています。彼らのサイゲームススタッフとしての第一歩となるのが、毎年4月から実施される研修(以下、新卒研修)です。今回は、この新卒研修の内容と、研修に込めた人事スタッフの想いをお伝えします。

重要なのはビジョンへの共感
サイゲームスに新卒入社する人とは

そもそも、どんな人が新卒社員としてサイゲームスに入社するのか。人事として、まずはマインド面で「最高のコンテンツを作る会社」というビジョンに共感してくれているかどうかを重視します。

「みんなでたくさんゲームをやる」「常に「チーム・サイゲームス」の意識を忘れない」「最強のブランドを目指す」というミッションステートメント(行動指針)についても同様で、こうした会社の根幹部分にフィットする人材であることが大事です。良いものを作ってユーザーのみなさんに楽しんでもらいたいというマインドを持っている人に入社してもらい、最高のコンテンツを作る人材へと育てていこうと考えています。

▲写真は2019年4月に実施された入社式の様子です

就職活動という観点からすると、企業への内定はゴールに感じられるかもしれません。しかし、入社は社会人としてのスタートであり、職場で活躍することこそがゴールです。そうした意識を持ってもらうことも、新卒研修の目的の1つです。

会社組織とプロとしての基本を学ぶ
全体+職種別という研修構成

サイゲームスには、毎年30〜40人の新卒社員が入社しており、新卒研修を実施してきました。研修は大まかに「全体研修」と「職種別研修」に分かれています。
全体研修では、会社組織の説明やビジネスマナーといった基本的なものから、各部署の業務紹介、デザイン関連、ゲーム制作関連など多岐にわたります。

▲新卒研修の日程。図に記載されている以外のサウンド職といった職種は全体研修を受講後、OJTを実施します

自分の職種とは直接に関係ない内容も含め、「サイゲームスのスタッフとして知っておくべきこと」を講義形式で学んでもらいます。そうすることで、会社の文化や歴史、サイゲームスが大切にしていることがより深く伝わると考えるからです。業界の第一線で活躍している先輩たちの生の声を聞き、将来的に自分が会社を背負うのだという意識を持ってほしいと考えています。

▲人事による会社説明の研修。2020年はオンラインにて実施
▲過去に行われていたゲーム開発の研修の様子。2020年の新卒研修では、過去実施分を録画したものを活用しています

また、新卒社員は会社ぐるみで基礎からしっかり育てていく人材です。研修をする立場のマネージャー、リーダークラスの人たちにも、新卒社員たちのことを気にかけてほしいという狙いもあります。研修をする側と受ける側、双方にとって良い刺激になるものを目指しています。
新卒社員たちはこのような全体研修を受けて会社への理解を深めた後、各々の職種に応じた職種別研修に取り組みます。

ゲーム会社らしい研修プログラム
「ゲームプレイ研修」

数々の研修項目の中でも、ゲーム会社らしさが端的に現れているのが「ゲームプレイ研修」です。これは、文字通りゲームアプリをプレイし、研究するというもの。自社作品・他社作品を含めた合計12タイトルが対象です。各タイトルのクエスト進行度やキャラクターのレベル上げといったプレイ結果を研修独自のルールでスコア化し、新卒社員同士で競います。1日に2〜3回、講義の間にゲームプレイの時間が設けられており、新卒社員たちに気分転換を図りつつも、上位を目指して真剣にプレイしてもらいます。全体研修の最終日には結果が発表され、上位者が表彰されます。今年は激戦で、優勝が1人、2位と3位が2人ずつという結果になりました。

▲ミッションステートメントとして「みんなでたくさんゲームをやる」を掲げています

このゲームプレイは入社前から課題タイトルをプレイしていた人、つまり普段から色々なゲームをプレイしている人がスコア面で有利なルールとなっています。しかし、今年からは研修中の頑張りも評価するため、プレイ経験が浅くてもスコアの伸び率で評価される「スコア増加率賞」も設置され、1名が受賞しました。

今年は在宅勤務下での実施ということで、ゲームをプレイする時間が以前よりも多く取れたようです。競い合うだけでなく、わからないところはSlackを使ってお互いに教え合うといった良いコミュニケーションが生まれました。

新型コロナウイルスの状況を考慮
3つの新しい試み

新卒研修の基本的な形式は2013年に新卒研修が開始した時に出来上がっており、以降もブラッシュアップを重ねながら毎年続けてきました。今年の研修内容自体は例年とほぼ同じですが、新型コロナウイルスの影響を受けて全面オンラインでの開催になりました。

先立って全社的にリモート環境構築に取り組んでいたため、オンラインでの運営はスムーズに進みました。とはいえ、新卒社員にとっては社会人になって初めての研修がオンラインになったことで、戸惑いも生まれることが予想されました。

そこで今年は、3つの新しい試みを取り入れました。その1つが、人事担当者と新卒社員が1対1で話をする「1on1面談」です。毎日15分間の面談の場を設けました。面談といっても形式張ったものではなく、話題は何でもありです。最初は、リモートで研修を受けるにあたって環境面で問題や不安はないかといったことを聞いていましたが、お互いが打ち解けてくると、好きなエンタメ作品や今日のランチは何だったかなど、雑談が主な内容となっていました。

話す内容よりも、まずは新卒社員と会社が接点を持つことが大事だと考えました。プライベートでもなかなか外出したり友達に会ったりしづらい状況が続いているため、新卒社員にもいつの間にかストレスが溜まっているはずです。人事の新卒研修担当者は1日15分でも、たわいのない話に興じることで、彼らの気晴らしになればと思いました。

実はこれまで、人事スタッフが研修期間中に新卒社員全員と毎日時間をとって話したことはありませんでした。しかし、今回「1on1面談」を実施したことで一定の関係構築ができた実感があり、新卒社員それぞれの個性を捉えたサポートもしやすくなりました。これはオンライン開催で得られた思いがけないメリットだったと言えます。新卒社員との良い関係を築くために、来年以降も何らかのかたちで接点を増やしていこうと考えています。

2つ目として、1つ目のコミュニケーションの延長で、「オンライン懇親会」も定期的に開催しました。オンラインの研修だと新卒社員同士が話をする機会も少ないため、同期の絆を深める場として設けたものです。最初は1グループ5〜6人に分けて実施し、飲食をしながらおしゃべりします。最初は「なぜサイゲームスに入ったのか」「学生時代は何をしていたか」といった堅めの話題から始まり、次第に砕けた雰囲気になるのは普通の懇親会と同じ。1時間くらい経ったところで2次会へ移行し、自由にトークルームを行き来するスタイルで、最終的には1つのルームに集まりました。

ちなみに、オンライン懇親会の際の飲食費は、1人2000円を上限に経費扱いとして、経費精算のレクチャーに使用しました。みんな自分が好きなものを自由に買うので、買ったもので各人の個性がわかったのが面白い発見でした。オンライン懇親会は、最初は人事が主催していましたが、最終的には新卒社員で自主的に毎週末に集まるようになり、同期の仲間意識が生まれたことを感じました。

そして3つ目の新しい取り組みとして「課題図書」を設定しました。在宅勤務の解除が当初の予定から延期となったこともあり、研修の期間が延びたため、全体的に時間の余裕ができました。そこで生まれた時間に追加したのが、課題図書を読んで感想を書くというプログラムです。全職種共通の課題図書は、『ザ・ゴール―企業の究極の目的とは何か』『論語』『韓非子』『孫氏』『プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか』の5冊。元々社内で、スタッフに対して教科書・必読書として推薦していたものです。どれも一見ゲーム開発には関係のないものに見えますが、実はどの書籍にも「チームで行う業務を円滑に進めるために必要不可欠な考え方」や「リーダーシップについてのヒント」が多くちりばめられています。
新卒社員には、将来的に会社の中核を担う存在になってほしいと考えています。それは「リーダーやマネージャーになる」ということだけではなく、プレイヤーとして超一級の活躍をすることも、会社の中核を担うと言えます。
いずれにせよ、チーム・サイゲームスの一員としてより良いコンテンツを作っていくためにはどうすればいいのか、読書課題からぜひヒントを得てほしいという思いでチームビルディングやリーダーシップなどについて学べる書籍を選定しました。

新卒社員と会社の架け橋として
研修に込めた人事スタッフの想い

人事が主催する新卒研修の根本にあるのは、サイゲームスという会社のことをよく知って、もっと好きになってほしいというシンプルな想いです。人事スタッフは、そのために新卒社員と会社の「架け橋」になることを目指しています。自社のことや自社コンテンツが好きという気持ちは、仕事に対するモチベーションにも繋がります。だからこそ、研修を通じてサイゲームスの良いところをたくさん感じてもらいたいと考えています。

そしてサイゲームスという会社の最大の魅力は、やはり「人」です。熱い想いで仕事に取り組んでいるスタッフが本当にたくさんいます。現場で活躍する先輩たちのそんな熱意を、研修期間中の交流を通して感じてもらい、「この会社なら絶対に良いものが作れる」と信頼してほしいのです。

また、同期同士の繋がりを強固にしてほしいという想いもあります。社会人になり、厳しいビジネスの世界で戦っていくときに、成功だけでなく苦労や失敗を経験することも多々あります。そんなときに頼りになるのが、苦しいときにも自分と一緒に突き進んでくれる同期の存在です。お互いに高め合い、励まし合える仲間として、同期の絆を大切にしてほしいです。

▲ミッションステートメントとして「常に「チーム・サイゲームス」の意識を忘れない」を掲げています

小さなベンチャー企業としてスタートしたサイゲームスも、今では2600人を超えるスタッフを抱える規模になりました。
会社が大きくなっても、新卒で入ってくる社員には「自分たちが会社を引っ張っていくんだ」という気概や、チャレンジする気持ちを忘れないでほしいですね。

人事スタッフは研修後も「メンタートレーナー制度」を設け、新卒社員の成長を支えています。実際に新卒社員の指導や相談事に応えるのは現場のメンターやトレーナーですが、スタッフ同士の相性といったことに配慮した人選を行っています。
それにこういった制度の枠組みにとらわれず、新卒社員から人事スタッフへ気軽に相談してもらえることもあります。人事としては絆や繋がりを感じられて、とてもうれしいことだと思っています。

サイゲームスは人を大切に育てることで「最高のコンテンツ」をユーザーのみなさまへお届けします。新卒社員のこれからの活躍にご期待いただければと思います。