「知識ゼロ・経験ゼロ」の新卒プランナーが失敗から学び続けた1年間

サイゲームスには、新卒・第二新卒のスタッフにキャリア形成及び生活全般のさまざまな悩み相談を行うメンターと業務上必要なスキルを教えるトレーナーが付くメンタートレーナー制度があります。その対象者に、それぞれのコンビで対談していただく連載企画「SJ対談」。
先輩(Senior)と後輩(Junior)、それぞれの立場から見た制度期間中の思い出や成長の軌跡などを話します。

第5回は、『プリンセスコネクト!Re:Dive(以下、プリコネR)』のプランナーのSJ対談をお届けします。

トレーナーリュウヘイ
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2015年にプランナーとして入社。新規タイトルの開発・運用に携わった後、『プリンセスコネクト!Re:Dive』の開発チームに合流。サービス開始後もプランナーとしてさまざまな企画やイベントを担当。
2018年度新卒コウヘイ
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2018年総合職として新卒入社。新卒研修受講後、『プリンセスコネクト!Re:Dive』のプランナーとして開発チームに合流。プランナーの一員として、機能開発などを担当する。

「オシャレな人」「とにかく明るい」
お互いの印象

コウヘイ リュウヘイさんの印象はオシャレな人です!いつも色々な服を着こなしていてすごいと思います。

リュウヘイ 印象って服装の話?(笑)。コウヘイさんの印象はとにかく明るい人ですね!ですが、入社当初は世界を代表するコンテンツやゲーム業界のことを何も知らなかったので「プランナーとして一人前にするのはなかなか大変そうだぞ」と思いました。ゲーム業界にいる人じゃなくても大抵プレイしているようなタイトルですらプレイしたことがないと聞いてびっくりしたのが懐かしいです……。

コウヘイ そういえば当時、ゲーム制作やゲーム業界について何もわからないくせに「自分には何かの隠れた才能があってバリバリ仕事ができるようになるかもしれない」と相当痛いことを考えていました……今思うと恥ずかしいです。

リュウヘイ その気持ちはわからなくもない。僕も社会人になる前「社会人になったら逆転満塁ホームランをぶっぱなしちゃうぞ」と思ってました。で、当たり前ですが、現実ではそんなミラクルは起きない(笑)。

コウヘイ そうですね(笑)。本当に右も左もわからない状態だったので、はじめてのトレーナー面談でリュウヘイさんから「プランナーとしてこれから何がしたいですか?」と聞かれたときに、「何をしたいのかわかりません」と身も蓋もないことを言ってしまいました。

リュウヘイ 社会人としてもゲーム業界的にも“赤ちゃん”状態でしたもんね。なので「大変かもしれないけれど、とにかく色々な業務を経験して、挑戦と失敗した数だけは新卒の誰にも負けない1年にしよう。失敗は成長への一番の近道だから」と伝えました。
プランナーは色々なセクションの方に依頼をしたり、連携を取って進めたりする業務が多いので、コウヘイさんの明るくて前向きな姿勢は磨いていけば武器になると思いました。実際ジョインしてすぐに、当時開発中だった「ルナの塔」で、進行管理や音声・イラストといった素材の取りまとめなどの関係各所との調整を担当してもらいました。新人としてはかなりハードな業務だったと思います。

コウヘイ 知識ゼロの状態でエンジニアやデザイナーの方に「いつまでにできますか?」「進行具合はどうですか?」と聞きに行き、スケジュールを調整してもらうのは勇気がいりました。ですが、この業務をきっかけにみなさんに顔を覚えていただけて、コミュニケーションが取りやすくなったのでとてもありがたかったです!

失敗から学んで一歩一歩成長する
制度期間中の思い出

コウヘイ 僕は同じ代の新卒の誰よりも失敗をしたと思います。失敗するたびにみなさんにご迷惑をおかけしましたが、リュウヘイさんはじめいろんな方に見守っていただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ただ、最初の頃は「失敗したくない」「かっこ悪いところを見られたくない」という気持ちが強かったです。恥ずかしい話ですが失敗を隠そうとしてしまったもののすぐにバレ、メンバーにすごく叱られたこともありました。

リュウヘイ そりゃそうですよ!新人が失敗するのは当たり前だけれども、隠すのは社会人としてもってのほかです。大事なのは失敗を認め、そこから何を学ぶかです。
コウヘイさんが大きく成長したのは、2019年2月の『プリコネR』の1周年施策としてさまざまな機能実装を担当したときですね。タイトなスケジュールでしたが、すべての実装をやり切り、リリースを不具合なしに乗り切った姿を見て感心しました。それまでのコウヘイさんとは一味違ったがむしゃらさが出てきたなと。

▲『プリコネR』1周年では、記念アップデートやキャンペーンなどが多く実施されていました

コウヘイ 1周年施策では、目の前の業務に取り組むことに精一杯で「とにかくできることをやるしかない!」と前へ前への精神で取り組みました。たくさんの方に協力いただき、無事にリリースできたときはうれしかったです。この経験は自分にとって自信になった出来事だと感じます。

リュウヘイ 失敗も大事ですが、成功体験も成長には必要なので、自信が持てたなら良かったです。ちなみに一番印象に残っている失敗はありますか?

コウヘイ どの失敗も印象に残っていますが、一番ひどかったのは配属されて1か月目のキックオフミーティングでのことです。プランナーが中心となって、話を進めていくはずだったんですが……。事前調査をしなかった上、仕様書の用意もしないで臨んでしまい、何もできずに終わってしまったんです。

リュウヘイ 仕様書はプランナーにとって仕事道具でもあり武器でもありますからね。コウヘイさんがやったのは「ひのきのぼうで魔王城に行く」くらいに無謀なことでした。何でそんなことをしたんだっけ?

コウヘイ 一言で言えば慢心だったと思います。何度かミーティングを経験した後だったので、流れがわかった気になり「仕様書がなくても口頭で説明すれば大丈夫だ」と思ってしまったんです。
実際は進行もできず、見かねた参加者のみなさんがミーティングを進めてくださいました。事前準備をしていないので話題に上がる用語も全く理解できず、プランナーとして一言も発言をしないままミーティングが終わりました。時間を作って参加してくださったみなさんに本当に申し訳なかったです。今考えてもなんて無謀なことをしたんだと反省しています。

リュウヘイ 想像しただけで震える話です。それを聞いて、ミーティングに臨む際に自分が大切にしている「GAT」について話しましたね。
「GAT」=GOAL(ミーティングのゴールを提示する)、AGENDA(議題を共有する)、TIME(開始と終了時間を守る)を意識することです。その中の、GOAL、 AGENDAを提示するために用意するのが仕様書です。さらに、自分が主導でミーティングを進めるときには、話し合う内容について一通りの知識が必要です。そのために、使用する用語や仕様の概要などを調べたり、現状をヒアリングしたりしておくのは基本中の基本です。

コウヘイ この失敗は自分の中で大きな契機になり「失敗から学んだことを絶対に次に活かそう」と考えるようになりました。それからは必ず事前にGATを意識した仕様書を作り、関係者にヒアリングや事前調査をしてからミーティングに臨むようになりました。

「話を聞いて、目線を合わせる」
アドバイスで意識していたところ

リュウヘイ 合流当時のコウヘイさんはインプットがまだまだ足りませんでした。ゲームの超メジャータイトルをプレイしたことも、世界的に大ヒットした映画を観たこともありませんでしたね。流行るものには「流行る理由」が必ずあるので、その理由を考えてもらうために、まずはインプットとして世界的に流行している、ヒーローもののコンテンツのシリーズを全作観るところからスタートしてもらいました。

コウヘイ はじめの頃は、感想を聞かれても「登場人物が弱くて微妙だ」「ヒーローらしくない」といったネガティブなことばかり言っていて、リュウヘイさんに「その感想では、観た意味がないよ」とよく言われていました。

リュウヘイ 僕らは作る側ですからね。ただ「面白い」「つまらない」と判断するのではなく、悪いところは「なぜ悪いか」を考察したり、良いところを吸収して「自分たちのコンテンツに取り込むには……」と考えたりするのが本当のインプットです。
その話をしてから、コウヘイさんの感想が良い方向に変わっていきました。コウヘイさんらしい、素直な感想は新鮮で、聞くのが楽しみでした。

コウヘイ 「どう観れば良いのか」「どこを評価すれば良いのか」といった自分なりのレーダーチャートを考えながら観るようになってから、作品の魅力に気づけるようになりました。今ではそのシリーズの魅力にすっかりハマり、大ファンです!中でも当時「微妙だ」と言っていたキャラが一番好きです!(笑)

リュウヘイ 手の平返しがはやすぎる(笑)。その素直さがコウヘイさんの良いところだけどね。

コウヘイ ありがとうございます!

リュウヘイ あとは、世界的に有名なRPGタイトルをプレイしてもらったときの「2回攻撃事件」の衝撃もすごかった……。「僕のターンなのに、敵が2回目の攻撃をしてくるんですよ!」と言われ、頭の中でクエスチョンマークがたくさん浮かびました。話を聞いているうちに「コウヘイさんはアクティブタイムバトルシステム(※)を知らない!?」と気付きました。ウソだろ!?って。

※アクティブタイムバトル… キャラクターのステータス(主に素早さ)に応じて1つの行動を終えてから次の行動を起こせるようになるまでの待ち時間が設定され、待ち時間が終わったキャラクターから行動できるシステム

コウヘイ リュウヘイさんから説明を受け、「あれは“たたかう”と“まほう”で迷っているうちに、敵の待機時間が終わって2度目の攻撃を受けていたんだ!」とびっくりしましたね。ターン制以外のバトルシステムがあるのも知らなかったので衝撃的でした。

リュウヘイ いやいや、衝撃的だったのはこっちだよ!ただ、あの事件はコウヘイさんへの指導方法を考え直す良いきっかけになりました。
それまでは、コウヘイさんが失敗をすると、自分の経験を話したり、「ゲーム制作においてその方法はありえない。なぜかというと~~」といった伝え方をしたりしていました。要するに「教える側だけの目線」で指導をしていて、「コウヘイさん目線」を考えた教え方をしていなかったんです。

リュウヘイ 事件後は、最初に「どうしてそう思ったの?その理由をまず教えてください」としっかり話を聞き、コウヘイさんの考えを理解してから「コウヘイさんはこう考えたんですね。けれど、それをする前にこの判断が必要です」と説明や注意をするようになりました。
そうするうちに、「何がわからないかもわからないんだろうな」といったコウヘイさんの気持ちを少しずつ感じ取れるようになり、業務を頼むときにそれまで以上に詳細な説明やすり合わせができるようになりました。
トレーニーがコウヘイさんだからこそ、新しい指導方法が発見できましたし、どんなことにも「はいっ!わかりました!直します!」と底抜けに明るく素直に応えてくれたので、すごく教え甲斐がありました。

仕事が円滑に進むコミュニケーション術
印象に残っているアドバイス

コウヘイ 仕事が円滑に進むコミュニケーション術を教えていただいたのが印象に残っています。
リュウヘイさんが色々な方と雑談で盛り上がっているのを見て、もともと明るく楽しい方だと思っていました。ですが、ただ雑談をしている訳ではなく「“仕事上の仕事ではないコミュニケーション”をしている」と教えていただいた際には目から鱗が落ちました。

リュウヘイ 仕事上の雑談は、新しい手法について話したり、これから実現したい施策に繋がるイメージの共有をしたりといった「アイディアを出し合うきっかけ」になる場合もあります。例えば「あのゲームの表現が良かったですね。『プリコネR』でもこういう表現ができないですか?」「アニメのあのシーンが良かったので、一緒に動画を観ませんか?これを『プリコネR』にも活かしたいんです」など。
雑談のおかげで、依頼や新しい施策を進める下地ができてスムーズに進行できることもあります。コウヘイさんにはそれを経験してほしくて、よくデザイナーやエンジニアの方のところに雑談に行ってもらっていました。

コウヘイ 意識して雑談をしようとするととても難しかったです。何を話したら良いのかネタが浮ばなくて困りました。夕飯の話でもした方が良いのか……とも思いましたが「これは絶対違う」と気付きました。

リュウヘイ (笑)。そのときに便利なのが、インプットしてもらったメジャーなコンテンツの話題です。 メジャーなコンテンツはその分プレイした人、観た人が多いのでたくさんの方と「あれ観ました?」「ここがクリアできないので教えてください」とコミュニケーションを取るためのツール、つまり共通言語になります。
最初の頃プレイしていたゲームに関して、メンバーのみなさんが「どこまでいった?」「苦戦してるところある?」と話しかけてくれたでしょう。あれがまさにコミュニケーションの共通言語です。

コウヘイ はい。みなさんのおかげで何とかクリアできました。みなさんから「つまずいていることを社内SNSで聞いたら、みんな喜んで教えてくれるよ」と教えてもらい、「こんな個人的なこと聞いても良いんだろうか……」と思って書いたら、5分経たないうちに10人以上からコメントが来てびっくりしました。

リュウヘイ サイゲームスあるあるだね(笑)。幅広いコンテンツを知っていれば、それだけ話題が広がります。また、コンテンツに愛があるとより深い話ができて盛り上がるので、自分の推しコンテンツをいくつか持っておくのはおすすめです。

コウヘイ なるほど!本当の意味でコミュニケーションを武器にできるようにインプット力やコンテンツ愛を磨いていきます。

お互いへのメッセージ

リュウヘイ 今日の話を聞いて、僕が言ってきた言葉を覚えていてきちんと成長の糧にしてくれているとわかってうれしかったです。
コウヘイさんは社会人2年目に入り、次の新卒が合流してきて先輩になりました。あの“赤ちゃん”だったコウヘイさんも背中を追われる立場になりましたね。だた、まだまだ2年目、焦らず今まで通り一つひとつ地道に経験を積み重ねてほしいです。
コウヘイさんがこの1年で経験できた業務は氷山の一角です。今後も色々な業務を経験しながらやりたいことを見つけていきましょう!

コウヘイ はい!言葉も話せないような赤ちゃんだった自分を見捨てずに育ててくださり、感謝しかありません。1年間で色々な経験をし、できる業務が増えてきたと実感するときもありますが、リュウヘイさんと比べるとまだまだで、永遠に近付けない気がします……。

リュウヘイ わかります。僕もあるベテランディレクターの先輩がプランナーをされていたときからずっと背中を追いかけていますが、自分がまだまだだと思う場面が多々あります。当たり前ですが、その人に近づくために自分が頑張っている分だけ、相手も色々な経験をされてもっとパワーアップしているはずなんです。
そう考えると「自分はもうここまで成長したから大丈夫だろう」と思えるようになることはいつまで経ってもありません。コウヘイさんが一生懸命追いかけてくれた分、僕はその差をもっと広げていきたいなと(笑)。

コウヘイ 今の話を聞いて、これまで以上にがむしゃらに、一つひとつ地道に仕事をしていこうと思いました。差が開いたら、また縮めるだけですもんね!これからもリュウヘイさんの背中を追いかけて走り続けます!