「最高のコンテンツ」実現のためのチャレンジを発表!CEDEC2022サイゲームス講演のご紹介

サイゲームスでは、ゲーム業界の技術交流会である「CEDEC」を業界発展に繋がる重要な場と考え、毎年積極的に参加し、講演を行ってきました。今年も8月に開催される「CEDEC2022」で、サイゲームスは4つの講演を予定しています。

本記事では、いずれも「最高の講演」となるよう準備を進めている当社の各講演について、サイゲームス・カンファレンス運営委員会(※)による見どころ解説を交えながらご紹介します。

※サイゲームスでは、CEDECや「Cygames Tech Conference」といった社外講演や、社内で部門・部署を横断したノウハウ共有を行う勉強会「CyStudy」に関して、発表内容のクオリティーを維持・向上させることを目的に、社内に「カンファレンス運営委員会」を設置しています。

「最高のコンテンツ」実現のためのさまざまなチャレンジと効率化
CEDEC2022サイゲームス講演をご紹介

■講演1 C#によるクライアント/サーバーの開発言語統一がもたらす高効率な開発体制 ~プリコネ!グランドマスターズ開発事例~

≪概要≫
2022年4月1日から1週間限定で公開された『プリコネ!グランドマスターズ(以下、プリグラ)』。本作ではクライアント/サーバーの開発言語をC#で統一しています。
この講演では、開発言語を統一するうえでのメリットや課題について解説するとともに、統一を進めるうえでのクライアント/サーバーの平行開発フローや設計、プロトタイピングから本開発への移行プロセスとフローといった、具体的な手法についてご紹介します。

≪見どころ≫
プリグラの開発では、プログラム言語C#によるクライアント・サーバー間での開発言語の統一にチャレンジしました。この試みを円滑に進めるため、プリグラでは、C#言語での開発に特化したサイゲームスの子会社Cysharpと密に連携し、結果としてさまざまな効率化も実現することができました。本講演はそれらの具体的な事例が聞ける、貴重な機会となっています。

≪講演者≫
開発運営支援 シニアゲームエンジニア 大道 賢人

■講演2 ツール保守コスト大幅削減!テクニカルアーティストによるツールログサービスの開発と運用事例

≪概要≫
昨今のゲーム開発規模の拡大により、サイゲームスではテクニカルアーティストが作成するツールの数が増加しています。ツールの保守コスト削減には、ツールの利用状況の把握と整理を効率的に進める必要がありますが、「ツールログサービス」というサービスを自社で構築することで、大幅な保守コスト削減を実現しました。開発にはAWS(Amazon Web Services)上のサービスを用いており、ツール利用時に自動的に送信されたログを解析することで、Webページ上で利用状況を把握することができます。本講演では、このサービスの概要と約1年半の運用実績で得られた改善例の紹介に加えて、サービス構築のための技術的なノウハウを解説します。

≪見どころ≫
本事例では、テクニカルアーティストがAWS上のサービスを用いて開発を進めているのが大きなポイントで、サービス開発に必要となるさまざまな知見が含まれています。昨今はテクニカルアーティストの業務内容も多様化し、また作業量も膨大になっていますので、開発効率改善のヒントを探している方におすすめしたい講演です。

≪講演者≫
テクニカルアーティストチーム 山城 拓巳

■講演3 AIによる自然言語処理を活用したゲームシナリオの誤字検出への取り組み

≪概要≫
この講演では、CEDEC2021で発表した「ゲーム制作効率化のためのAIによる画像認識・自然言語処理への取り組み」で紹介した誤字検出機能の改善について紹介します。
前回発表した誤字検出機能は3つの機械学習モデルを使う複雑な構成でしたが、今回、新しく開発した誤字検出機能はモデルが1つだけのシンプルな構成になり、精度とメンテナンス性が向上しました。またアプリケーション上に訂正候補が出るようになり、以前より使い手が結果を理解しやすくなっています。これらの改善点や実装上の問題点、アプリケーションのUI改善に加え、前回の講演で紹介できなかったルールベースの誤字検出手法についても解説します。

≪見どころ≫
CEDEC2021で発表した「ゲーム制作効率化のためのAIによる画像認識・自然言語処理への取り組み」で紹介した誤字検出機能の更なる改善について、本講演で詳細をご紹介します。この機能は Cygames Tech Conference でも紹介した「こえぼん」で採用されている機能です。ご興味ある方は事前にCygames Tech Conferenceの該当講演を視聴いただくと良いかも知れません。

※Cygames Tech Conferenceでの該当講演はこちら。
ウマ娘 プリティーダービーの大規模シナリオ制作を効率化するソリューション ~社内Webアプリ開発運用事例~

※また、「こえぼん」については過去にサイマガでもご紹介しています。
シナリオ制作を飛躍的に効率化する「こえぼん」 開発運営支援×シナリオ連携によるWebアプリ開発

≪講演者≫
開発運営支援 ゲームエンジニア 立福 寛

■講演4 最大100倍高速化!PHPからJavaへのFFIを実現する、JNIを用いた高速なサーバーAPIの実装方法

≪概要≫
ゲームサーバーにおいてPHPからJavaライブラリを利用する際の処理効率や安定性、運用のしやすさを実現するための、JNIを用いた高速なサーバーAPIの実装方法をご紹介します。この高速なサーバーAPIの実現にあたり、C言語によるExtensionを作成し、PHPからJavaライブラリを直接実行できるFFI(Foreign Function Interface)を実装しました。この実装は『ウマ娘 プリティーダービー』および『ワールドフリッパー』にも導入されていますが、PHPで等価なコードを移植した場合と比較して、100msから1msと約100倍の差が出ています。この事例をもとに実装に至った経緯や、具体的な設計構成についてご紹介します。

≪見どころ≫
本講演は、PHPからのJavaライブラリ機能の呼び出しをどのように実現するか?という、専門性の高い講演となっています。専門性の高さから視聴を迷う方もいるかも知れませんが、『ウマ娘 プリティーダービー』および『ワールドフリッパー』でも採用され、運用実績も多数ございます。サーバーサイド関係者や高速化に興味をお持ちの方にぜひ視聴いただきたい講演です。

≪講演者≫
サーバーサイド シニアエンジニア 伊藤 英知

これまでの講演も多くの方に!
CEDEC過去講演を期間限定で配信中

CEDECは2020年から新型コロナウイルスの影響によりイベント全体がオンライン化されています。サイゲームスの講演をイベント期間中にご覧いただけなかった方や、もう一度視聴したいという方に改めて講演動画をご覧いただけるよう、CEDEC2020、CEDEC2021での当社講演を期間限定(2022年8月8日~9月5日)で一般公開しています。

『グランブルーファンタジー』ファンとのコミュニケーションの場である大規模イベント「グラブルフェス」の運用ノウハウをご紹介した『ゲームの世界を完全再現する -グラブルフェスを支える技術とプランニング-(CEDEC2020講演)』や、CEDEC2022で更なる研究成果についての発表を予定している、AIによるゲーム制作効率化に関する事例紹介『ゲーム制作効率化のためのAIによる画像認識・自然言語処理への取り組み(CEDEC2021講演)』など、ゲーム業界で働く方をはじめ、ゲームファンの方にもご興味を持っていただける講演をラインナップしています。

各講演動画は以下のページからご覧ください。

CEDEC2020/CEDEC2021 サイゲームス講演動画配信 特設サイト

また、本企画に連動した「Twitterフォロー&リツイートキャンペーン」も開催しています!素敵な賞品をご用意していますので、上記のサイトからぜひチェックしてみてください。