社内勉強会「CyStudy03」 オンライン開催の裏側と講演の一部を紹介
「最高のコンテンツ」は、最高のチームで作る。チーム・サイゲームスの考えのもと、サイゲームスでは部署やプロジェクトを横断して、知見やノウハウを共有する場や機会を用意しています。
そのうちの1つ、年に1度の社内勉強会「CyStudy(サイスタディ)」の第3回が10月に開催されました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年は全29講演をオンラインで配信。勉強会の運営や講演者のサポートを行う実行委員会に聞いたその舞台裏と、講演の一部をご紹介します。
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事前収録と生配信
実行委員会の新たな取り組み
毎年社内の会議室で実施していましたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため全講演がオンライン配信となりました。実行委員会としても新たな取り組みだったのではないでしょうか?
会社の方針として基本的に在宅勤務となっているので、最初は開催の是非を問うところから実行委員会で議論しました。ただ、これまで2年開催したことで社内では秋の風物詩となっていたのと、CyStudyの講演がCEDEC(ゲーム開発者が集う国内最大級のカンファレンス)で発表するきっかけになることも多かったので、今年も実施しようと意見がまとまりました。
今年の講演は何件の応募があったのでしょうか?
開催2か月前の8月から募集を開始し、34件の応募がありました。その中から、プロダクション、エンジニア、ビジュアルアーツ、サウンド、プランニングの5カテゴリーによる28講演と、オープニングの特別生配信を実施しました。
応募の中からどのように講演を選定していくのでしょうか?
まずは応募された企画を先ほど言った5つのカテゴリーに分類するところから始まります。その後、実行委員会内の各職種のマネージャーが自分のカテゴリーの企画を審査します。審査の基準は色々とありますが、社内全員に広めたい内容が優先的に選ばれますね。
それぞれのカテゴリーで精査し終わったら、実行委員会全体でどの講演を採択するか最終調整に入ります。
取り上げる講演が決まってからのサポートも委員会として行ったのでしょうか?
はい。CyStudyでは毎年講演ごとに、実行委員会の中からそれぞれの講演内容に適した職種のメンバーがリバイズ(校正・校閲)を担当します。講演までにリバイズ担当が講演者とやり取りを重ね、内容のブラッシュアップを行っていくんです。例えばエンジニアは10件ほど講演があったので、エンジニアの中でもサーバーサイドやクライアントサイド、コンシューマーなどのスタッフが講演内容をチェックしました。他のカテゴリーでも、講演に合わせた職種のスタッフと登壇者でブラッシュアップするのは同じですね。
また、各講演の登壇者には必ずリハーサルをやるようお願いしました。生配信の場合、特に講演経験が少ない人は実際に話してみてスピーチに慣れてもらう必要がありますし、撮り直しが可能な事前収録についても、実際に講演をして誰かに聞いてもらわないとわからないことがたくさんありますので。リハーサルには登壇者の希望があれば実行委員会メンバーが立ち会いますし、リハーサルを聞く人を募集するお手伝いもしました。
オンライン開催によって、大きく変わったことは何でしょうか?
これまでだとスライドを作って当日に講演してもらうかたちでしたが、今回は映像で配信するための事前準備が増えました。事前収録の講演は登壇者自身に撮影・録音をやってもらいましたし、我々も収録の方法や機器の設定などをまとめた手順書の作成から必要だったので大変でした。
また、各々で収録環境が違うので、納品されたら社内の映像制作室に依頼して映像や音声の質を均一にしてもらいました。そういった編集や、生配信の会場設営があったので、講演内容を確定させる締め切りは例年より2週間早くなってしまいましたが、登壇者たちも上手く対応してくれました。
逆に例年と変わらなかったこともあって、登壇者がスライドを準備して実行委員会とブラッシュアップしていく過程は同じでしたし、講演数や質も落ちることはありませんでしたね。
オンライン化によって得られたメリットはありましたか?
一番は聴講人数が大きく増えたことです。社内での実施だと広い会議室を使っても聴講できるのは100人弱でしたし、聴講希望者が多ければ抽選になっていたんです。それがオンラインだと人数制限がないので多くのスタッフが参加できました。木村専務の特別配信は一番多かったときで700人近い人が見ていましたね。例年だと業務でどうしても席を離れられずに参加できなかった人もいたので、今回得られたメリットは相当大きいものがありました。
次回はオフラインになるかオンラインになるか状況次第ではありますが、双方の利点を検討しつつ、今回のオンライン開催で得た知見を活かしていきたいと思います。
実際にどんな発表が?
講演ピックアップ
■ビジュアルアーツ
・「相手との信頼関係を作る!FBの心得」
イラストレーターによる、「監修」のコツについて具体例を交えながら伝える講演。「修正箇所の指摘だけでなく、良い部分を褒める」「監修側はヒントを与え、作業者が自分で解決策を見出せるように導く」など、フィードバックをするときは相手に自信を持ってもらうのが大切と解説しました。イラストレーター間の事例ではあるものの、どの職種にも通じる内容となっていました。
・「実録!デザイナーコンテスト~3人で900人規模の部署イベントを運営してみた~」
社内で新規施策を運営するためのノウハウを伝える講演。デザイナーの全スタッフを対象に社内で初めて実施した「デザイナーコンテスト」(※)を運営したスタッフが、社内wikiツールを使ったスケジュール管理の方法を広めました。
※イラストや新規タイトルの企画など、クリエイティブに関する幅広い表現を募集した社内コンテスト
■プロダクション
・「落ちる!ローカライズ落とし穴30連発!」
クライアントサイドのエンジニアによる「ローカライズ」や「カルチャライズ」の注意点をまとめた講演。各言語で注意が必要な文字や日付の書き方、ボイス対応など、いろんな地域や言語に対応する上でのよくある事例から珍しいケースまで幅広く紹介しました。当講演とは別の話ですが、ローカライズの事例はサイマガの記事でも紹介しているので、気になる方は「世界各地で変わらぬゲーム体験を!世界観を最適化するローカライゼーションチームが考えていること」をご覧ください。
・「社内にイベント・施策をよりアピールするための目的別社内報の使い方」
新しく合流したスタッフに会社の文化やマインドを共有するためのWeb社内報について、編集長が立ち上げの経緯や目的を伝えました。仕事にまつわる硬派なインタビューからバラエティー色の強い面白系記事まで、1200本以上の記事を掲載中の社内報。実際にどんな記事があるかは、サイマガの「2500人超のスタッフを繋ぐ サイゲームスの「今」を伝えるWeb社内報づくり」でお確かめください。
29講演を行った第3回CyStudy。今年はオンライン開催となり、実行委員会も登壇者も新しい挑戦となりましたが、変化に対応したことでより多くのスタッフに知見やノウハウの共有ができました。
こうして得た情報を普段の業務に活かし、今後もユーザーのみなさまに「最高のコンテンツ」をお届けできるよう努めていきます。