今年も未知の作品を期待!「サイゲームス クリエイティブコンテスト2024」各部門のポイント

次世代クリエイターの育成を目指して、サイゲームスの東京、大阪、佐賀の3拠点合同で開催する「サイゲームス クリエイティブコンテスト2024」の募集が今年もスタート。「キャライラスト部門」「背景イラスト部門」「3DCG部門」「ゲームコンテンツ部門」「広告・映像・衣装デザイン部門」「高校生部門」の全6部門で、2024年11月30日まで応募を受け付けています。

今回は、コンテスト運営スタッフのマコト、リョウヘイにこれまでの振り返りと各部門のポイントを聞きました。

デザイン制作室 / マネージャーマコト
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Web制作会社にてWebプロデューサー・ディレクターとしてのキャリアを経て、サイゲームスには2013年に合流。広告制作を担うデザイン制作室のマネージャーを務める。Web・広告制作の他、イベントの企画制作にも携わり、2023年から「サイゲームスクリエイティブコンテスト」の運営にも参加。
佐賀スタジオ / サブマネージャーリョウヘイ
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アニメーション制作会社での制作管理、プロデューサーのキャリアを経て、サイゲームスには2020年に合流。佐賀スタジオでスタッフのマネジメントに携わり、2021年から「サイゲームスクリエイティブコンテスト」の運営にも参加。

第5回も6部門で作品を募集
9~10月は「月間賞」も実施

第5回目となる「サイゲームス クリエイティブコンテスト2024」の募集がスタートしました。あらためてこれまでを振り返ってみて、いかがでしょうか?

リョウヘイ 第1回が開催されたのが2020年。当時の応募数は750点ほどで、その時点で「たくさんご応募いただけたな」と思っていたのですが、以降どんどん応募が増えて、前回の第4回では3600点超もの応募をいただきました。第5回を迎えることができたのは、毎年多くの学生さんが関心を持って力作を送ってくれるからこそであり、これまで参加してくれた方々には感謝しかないです。規模が大きくなる中で応募作の個性も幅広くなっているので、第5回でも斬新な作品に出会えるのではと非常に楽しみです。

マコト 特に3回目から4回目にかけては応募数が1.5倍近くまで増えて、コンテストが始まったときにはこれほど大きくなるとは思っていませんでした。5回目を迎えて、今後10回、20回と続けていくためにも、応募する学生さんたちにとって価値のあるコンテストにしなくてはならず、我々としても身の引き締まる思いです。

コンテスト参加者の声で、心に残っているものはありますか?

リョウヘイ このコンテストには希望者に作品へのフィードバックをお伝えする仕組みがあり、サイゲームスのスタッフがプロの着眼点から「ここを工夫したらもっと良くなる」のようなアドバイスをしています。これが学生さんたちにも良い刺激になっているようで、「やっぱり、プロ目線だとそういう部分に気を付けなくてはいけないんですね」のような気付きを得る姿も見てきました。みなさんのクリエイティブのレベルを上げることに何らかの寄与ができているのかなと感じています。

マコト 第4回で初めて表彰式を実施して、当日、受賞者の方々が集まって交流していた姿が心に残っています。自作のグッズを会場で配布する方もいて、楽しそうに話しているみなさんを見たときには、まさに感無量の想いでしたね。コンテストや表彰式を通して、学生さんたちのクリエイティブな活動にポジティブな影響を与えることができたなら、すごく良かったなと思いました。

リョウヘイ 表彰式に参加した方々はあらかじめ公式サイトで他の受賞作を見て、「この作品を描いたのは、どんな人なんだろう?」と気にしていたと思います。会場でみなさんが実際に会えて普段の制作事情やこだわりについて意見交換をしていて、とても楽しそうでしたね。学生さんたちの世界が広がる体験を提供できたならば、我々としても非常にうれしいです。

「サイゲームス クリエイティブコンテスト2024」の応募要項はどのようになっているのでしょうか?

マコト 第5回についても基本的なルールはこれまでと変わらないのですが、新たな募集要項の中で各部門の応募フォーマットを明示しました。著作権やAI活用などに関わる権利認識についても記載しておりますので、応募する方々は、公式サイトを見て規定の詳細を理解した上で創作をしていただけたらと思います。

今年度も学校・クラス単位での応募は受け付けているのでしょうか?

リョウヘイ 昨年までと同様、今年度も学校・クラス単位での応募を受け付けております。学校やクラス全員でなくとも、少人数からでも参加可能ですし、コンテスト用の新規作品だけではなく、授業課題として制作された作品も応募できます。また、希望に応じて、サイゲームスデザイナー本部のスタッフによる作品へのフィードバック会を開催させていただきます。
学校応募は回を重ねるごとに参加校が増えており、昨年は30校以上の学校にご参加いただきました。学校・クラス単位で応募された作品には「学校賞」受賞のチャンスもありますので、学校関係者のみなさまには、ぜひ一度当コンテストへの参加をご検討いただけますと幸いです。

「サイゲームス クリエイティブコンテスト2023」では、新たに月間賞が設けられましたね。今年度も同賞は選出されますか?

リョウヘイ 月間賞は、9月と10月に応募いただいた中から優れた作品をピックアップする賞です。早めに応募作品を送ってくれた学生さんたちをただ待たせるのではなく、コンテストの盛り上げのためにも何かできないか?という理由から設けたもので、こちらは第5回でも実施予定です。応募作にスポットが当たる機会を増やして、見た学生さんが「自分も送ってみよう」と思うきっかけになるとうれしいですね。

今回のコンテストの結果発表は、いつ頃になるのでしょうか?

マコト 応募の締め切りが2024年11月末なので、その後審査を行い、2025年1~2月の発表になると思います。応募作品が増えるほど審査にも時間を要するので読めない部分もあるのですが、とはいえ、コンテストに参加する最終学年の学生さんたちが学校を卒業する前にはきちんとお伝えする予定です。

熱量と説得力を重視
本気で心を動かしに来てほしい

「サイゲームス クリティブコンテスト2024」では、全体的にどのような作品を期待していますか?

リョウヘイ 毎年、「まだ見たことのない作品に出会いたい」と期待しているので、今回も未知の作品と巡り合いたいですね。技術的に優れているだけでなく、今までにないアイディアであったり、作り手の「とにかくこれを表現したい」という熱量が感じられたりする作品を見られたらうれしいです。

マコト 確かに熱量は大事ですね。自分の「好き」を突き詰めた上で世界観を構築できてこそ想いが伝わる作品ができると思うので、情熱を込めた佳作を大いに期待しています。ただし、高い評価を得るには、見る側を納得させる説得力も必要になってきます。熱量と説得力はときに相反する要素かもしれませんが、これらのバランスを踏まえた作品づくりをしていただけたら、きっと、見ている人をより楽しませる作品に仕上がるはずです。

■キャライラスト部門

ここからはそれぞれの部門について聞いていきます。キャライラスト部門のポイントはどのようなところでしょうか?

マコト 毎年応募が多く、今回もどうなるかが読めない部門ですね。とはいえ、第4回ではきちんと世界観を構築した上で、キャラクターが立っている作品が選ばれました。今回も世界観を表現しつつ、キャラクターの存在感をどこまで強く打ち出せるかが重要になると思います。

リョウヘイ 確かに、この部門は回を重ねるごとに世界観を掘り下げるレベルが上ってきていますよね。それだけに、バックグラウンドの質が問われそうです。単純にかっこいい場面を描くだけでなく、ゲームのトータルなイメージまで作り上げてから描く場面を決める、キャラクターを三面図で描く際にゲームの設定をどれだけ落とし込めるかを考える……のようなアプローチが必要になってくると思います。

▲前回のキャライラスト部門賞受賞作『電話ボックスでの攻防戦』
▲前回のキャライラスト部門賞受賞作『Wonderful Hakkenden』

■背景イラスト部門

▲前回の大賞受賞作『森』

昨年度は背景イラスト部門から大賞が選ばれました。今回はどのようなところがポイントになってくると思いますか?

マコト 第4回の大賞作品は、とにかく作り込みがすごかったです。一見すると緑一色、しかし細部までごまかすことなく描かれていて、作者が表現しようとしているイメージが巧みに伝わってきました。この作品からもわかるように、背景は見た人がストーリーやシチュエーションを想像できることが大切で、シンプルなイラストであっても、絵の中に存在するものを印象づける構成が必要になってくると思います。

リョウヘイ 前回、大賞に選ばれたのが2Dの作品、一方部門賞は3Dの作品が受賞していて、徐々に応募数も増えてきているので、今回もさらに多様な作品を見られるのではないかと楽しみな部門です。背景は一枚絵で見たときの説得力や寄って見たときのディテールなど、遠近両方で面白さが求められます。どちらかだけで高い評価を得るのはもはや難しくなってきているので、ぜひ高度なバランスの作品づくりに挑戦してほしいですね。

▲前回の背景イラスト部門賞受賞作『New Dream』

■3DCG部門

3DCG部門のポイントはどのようなところですか?

マコト 3DCGは慣れればリアルなアプローチがしやすくなるため、リアリティーを追求した応募作品も多いのですが、できたらそこからさらに1歩進んで、作品として成立させる要素があると良いなと感じています。前回の受賞作は、リアルなシチュエーションと作者の世界観がマッチして、かつアニメーションで味付けをしているところまでが高い評価を得ました。今回受賞を目指す方々も、静止画、動画を問わずぜひ自分なりの表現をプラスして頑張ってほしいです。

リョウヘイ この部門も年々クオリティーが向上して盛り込まれている情報量も増えていて、第5回でもその傾向が続くと予想しています。3DCGの表現はモデリングやモーション、エフェクトなど様々な選択肢があり、前回はそれらをトータルで上手くまとめた作品が受賞しました。しかし、今後、特定の技術が優れた作品が受賞する可能性もあり、「どこで勝負しているか」がはっきりわかる作品も見られたらうれしいですね。

▲前回の3DCG部門賞受賞作『侵入者』
▲前回の3DCG部門賞受賞作『ゴンドラ』
▲前回の3DCG部門賞受賞作『繁茂した洞窟』
▲前回の3DCG部門賞受賞作『着陸』

■ゲームコンテンツ部門

ゲームコンテンツ部門のポイントはどのようなところになるのか、教えてください。

マコト 前回はゲームとして実際に遊べる作品が受賞しました。プレイアブルな作品は魅力がわかりやすいのが強みで、今後も増えていくと予想しているのですが、それだけにプロである審査員が操作感などを厳密に評価してハードルが上がる可能性も考えられますね。一方、企画書などゲーム以外のもので応募する方は、実際に遊べる作品と勝負する際にどこでアドバンテージを出すかを突き詰めることが必要になってくると思います。

リョウヘイ どのようなかたちで応募されるにしても、大切なのはゲームとしての面白さを練り上げることですね。この部門はともするとビジュアルに特化しがちで、デザインや構成が非常に優れている一方、ゲームとしての面白さが惜しい……ということになりかねません。だからこそ、面白さの肝がどこにあるかを整理しながら応募していただけたらと思います。

マコト ゲームコンテンツ部門は間口が広いので、様々な切り口で勝負することが可能です。ゲームや企画書だけでなく、キャラクターのアニメーション表現などでも良いですし、むしろ今までにないアプローチを見出しつつ、グッとくる作品が出てきてくれたら、うれしいですね。

リョウヘイ 実はUIやLive2D作品などの応募がまだまだ少ないので、そちらでのご応募もお待ちしております!

▲前回のゲームコンテンツ部門賞受賞作『Paletopia』
▲前回のゲームコンテンツ部門賞受賞作『逢魔ケ時ノ件 (オウマガトキノクダン) ―新感覚ドラマティック数字当てTRPGボードゲーム!―』

■広告・映像・衣装・デザイン部門

今回3回目となる広告・映像・衣装デザイン部門では、どのような応募作を期待していますか?

リョウヘイ 前回は映像作品と広告やグッズをデザインした作品が受賞して、いずれも魅力的ではありましたが、依然として未知数の部門だと感じています。純然たる広告や衣装作品での受賞がまだなく、応募数も少ないので、発掘しがいのある部門ですね。ゲーム学科だけでなく、服飾系の学校で衣装のプロを目指している学生さんなどにも応募いただきたいです。

マコト この部門はゲームコンテンツ部門と並んで表現の幅が広い部門になっています。応募数が少ない分チャレンジのしがいがありますし、我々としてもインパクトのある作品を見たいので、多彩なアプローチで「これだ」と思うものを送ってきてほしいですね。「衣装」としてゲームでキャラクターが身に着ける装備やアクセサリーをデザインしたり、プロモーション用の映像やビジュアルを制作したりして応募するのもアリで、それこそ作った人が「これは広告」「これは衣装」と言いきって挑戦していただければこの部門の作品になりますからね。

▲前回の広告・映像・衣装デザイン部門賞受賞作『たべまるズ』
▲前回の広告・映像・衣装デザイン部門賞受賞作『レインボとあこがれの時』

■高校生部門

高校生以下の応募者が対象となる高校生部門では、どのようなことを期待していますか?

リョウヘイ 前回、非常にクオリティーの高い3D作品が受賞し、受賞を逃した作品も含めて年々この部門でもみなさんの力が向上しているのを感じています。高校生部門は高校生の方が応募すると自動的にエントリーをされるので、高校生部門での受賞を目指すというより、まずは各部門での受賞を狙うつもりで自分なりの武器や個性を使って表現してほしいですね。高校生の方はぜひ臆することなく作品を送ってきてください。

マコト 最近は若い方もツールの習熟度が高く、この部門でも「本当に高校生?」と驚くほどの力作が色々と送られてきています。とはいえ、コンテストではより経験豊富な先輩と競うことになるので、応募を考えている方々にひとつアドバイスをするのなら、モノを作る際に対象をしっかり観察すると良いと思います。人体の構造や自然界の成り立ちもそうですし、3DCGを作る際もうそをついてはいけない部分はあるので、たくさんのモノを見て観察を積み重ねながらチャレンジしてほしいです。

▲前回の高校生部門賞受賞作『GENESIS』

最後に応募者のみなさんにメッセージをお願いします。

マコト コンテストに応募すること・人に評価されることは緊張するかもしれませんが、講評を通じて自分の作品やスキルを磨く貴重な経験になります。若いうちにしかできないチャレンジもあると思いますので、どんどん取り組んでほしいですし、その一つとしてサイゲームス クリエイティブコンテストを選んで応募いただけたら、非常にありがたいです。

リョウヘイ コンテストについてわからないことがあれば、コンテスト公式サイトに記載のお問い合わせ先までお気軽にご連絡ください。個人制作をしている方をはじめ、明確な目標や締め切りに向けて作品を作る機会が少ない方は、ぜひこのコンテストをそのお試しとして活用してほしいですね。受賞を目指すのはもちろんですが、何より我々審査員を自身の作品のファンにするつもりで、本気で心を動かしに来てほしいです。熱量ある作品をお待ちしています!


以上、「サイゲームス クリエイティブコンテスト2024」についてのご紹介でした。

「サイゲームス クリエイティブコンテスト2024」公式サイト