ワクワクする作品を待っています!「サイゲームス クリエイティブコンテスト2025」各部門のポイント

次世代クリエイターの育成を目指して、サイゲームスが開催する「クリエイティブコンテスト」。9月から2025年の作品募集がスタートしました。「キャライラスト部門」「背景イラスト部門」「3DCG部門」「ゲームコンテンツ部門」「広告・映像・衣装デザイン部門」「高校生部門」の全6部門で、2025年11月25日まで応募を受け付けています。

「サイゲームス クリエイティブコンテスト2025」公式サイト


今回は、運営スタッフを務めるマコト、リョウヘイの2名に開催概要や各部門のポイントについて話を聞きました。

デザイン制作室・Webクリエイティブ室 マネージャーマコト
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Web制作会社にてWebプロデューサー・ディレクターとしてのキャリアを経て、サイゲームスには2013年に合流。広告制作を担うデザイン制作室のマネージャーを務める。Web・広告制作の他、イベントの企画制作にも携わり、2023年から「サイゲームス クリエイティブコンテスト」の運営にも参加している。
佐賀スタジオ サブマネージャーリョウヘイ
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アニメーション制作会社での制作管理、プロデューサーのキャリアを経て、サイゲームスには2020年に合流。佐賀スタジオでスタッフのマネジメントに携わり、2021年から「サイゲームス クリエイティブコンテスト」の運営にも参加している。

全6部門で作品を募集
学校・クラス単位や複数作品の応募も歓迎

第6回目となる「サイゲームス クリエイティブコンテスト2025」の募集が始まりました。今回の募集内容について教えてください。

マコト 今回も全6部門で作品を募集しています。全体的な内容に関しては前回から大きく変わったところはありません。詳しい内容を公式サイトに記載しましたので、参加を考えている方は各部門の規定を理解した上で応募していただけたらと思います。

一つ注意していただきたいのが、応募期間が例年より若干短いことです。これまで11月末日まで受け付けていたのですが、今回は11月25日(火)が締め切りとなります。「去年と同じ日のはず」と勘違いしやすい点なので、気を付けてもらえたらと思います。

リョウヘイ 応募期間は11月25日までですが、応募作品はこの期間内に制作したものでなくともよいので、作りためている創作物をぜひ送ってきてほしいですね。1人で複数作品・複数部門への応募もできますし、一度送った作品をブラッシュアップしての再応募も期間内であれば可能です。その場合は後に届いた作品を選考対象とします。なお、9月、10月に届いた中で優秀な作品に贈られる「月間賞」も選出予定です。

今回も学校・クラス単位での応募は受け付けているのでしょうか?

リョウヘイ 例年どおり、すべての部門で学校・クラス単位での応募を受け付けています。少人数での参加も可能ですし、学校・クラス単位の応募には「学校賞」受賞のチャンスもあるので、学校関係者のみなさまはぜひ参加をご一考いただけたらうれしいです。

「作りたい」衝動を大切にして
個性豊かな作品を届けてほしい

「サイゲームス クリエイティブコンテスト2025」全体を通して、どのような作品を期待していますか?

リョウヘイ 年々応募する学生さんの幅が広がり、レベルも非常に高くなっているのですが、回を重ねたことで歴代の受賞作の影響が出てきているのを感じています。過去の作品と似たモチーフやフォーマットが一部見受けられるので、そこはあまりとらわれないでほしいですね。むしろ、「これが作りたい」というシンプルな衝動のままに作られたものを応募していただくほうが良いと思います。

マコト 確かに、作り手の個性が伝わる作品が増えたほうが、私たち審査員もワクワクして見られます。例えばモチーフ一つを取っても、よく知られている人気のあるものを扱うなら、その分他とは違う自分らしいカラーを出さないと、高い評価には繋がりにくいんですよね。自身の強みを見極めながら個性豊かな作品を送ってきてほしいです。

そのためにも、応募する学生さんたちには色々なものを研究するインプットと共に、アウトプットを大切にしてほしいですね。自身の中にあるものを外に表現していくうちに、得意なもの・方向性に気付ける瞬間がきっとあると思います。

■キャライラスト部門

ここからは、各部門のポイントを詳しく伺っていきます。まず、前回大賞作品が出たキャライラスト部門のポイントを教えてください。

マコト 前回の大賞作品は、キャラクターだけでなくストーリーや世界観までしっかりと描かれていました。今回もこのような具体性の高い作品は強いと予想しています。とはいえ、キャラクター単体で説得力が高いイラストを最近見ていない気がするので、キャラクターのビジュアルだけで世界観まで伝わるような作品も期待しています。

リョウヘイ この部門は毎年応募者が多く、学生さんたちのデザイン力やプレゼンテーション力の向上を実感しているのですが、一方尖ったデザインが減りつつあると感じています。人間のキャラクターを練り込んだ作品が多いのですが、公式サイトにも記したように、獣人やクリーチャー、マスコットキャラクターなど取り組めるジャンルはまだまだあります。学生さんたちはデザインそのもので人を驚かせる力を秘めていると思うので、より深く掘り下げた発想で描いてほしいです。

▲前回の大賞受賞作『調査の始まり』
▲前回のキャライラスト部門賞受賞作『DOGNUTS AND ANGELS(ドーナツアンドエンジェルズ)』

■背景イラスト部門

背景イラスト部門のポイントは、どのようなところでしょうか?

リョウヘイ 依然として他に比べて応募数が少なく、狙い目の部門ですね。ただ、キャライラスト部門や3DCG部門でも背景まで作り込んだ作品が増えたので、それらの部門と別の視点で背景の面白さをどう表現できるかがポイントになってくると思います。また、傾向としてファンタジー系の背景が多いので、それ以外の世界観も見てみたいです。

マコト 背景イラストは、きれいな絵を描くだけでなくその背景に広がる設定や文明、文化などまで表現することが重要です。それができていないと世界観と背景の辻褄が合わなくなってしまうので、応募する方は世界の成り立ちが理解できる説得力に加えて、見る人が引き込まれる要素を意識してほしいですね。しっかりと作り上げた世界から背景として切り抜いていく……というかたちで注力していただけたら、すごく面白い作品になると思います。

▲前回の背景イラスト部門賞受賞作『夏の果て』

■3DCG部門

3DCG部門でポイントとなるところを教えてください。

マコト 前回の受賞作は、3Dを活用してストーリー性を表現している点が高く評価されました。3DCGは精緻なものを作るアプローチがしやすい分野だからこそ、リアルなものを細部まで作るだけでなくその先の表現へ踏み込むことが重要だと考えています。今回も世界観やストーリーまで3DCGできちんと表現している作品を期待しています。

リョウヘイ 3Dを学ぶ学生さんが増えていることもあって、年々作品の表現の密度と精度が向上している部門です。例年、背景やキャラクターモデルの作品が多いのですが、「3DCG」と広く括っているので、エフェクトやテクスチャーなど、特定の部分で自身のスキルを100%表現する専門的な作品が出てきてもいいのではと思います。静止画、映像限らず、3DCGだからこそできるダイナミックな表現を目指してほしいです。

▲前回の3DCG部門賞受賞作『創作の断片』

■ゲームコンテンツ部門

ゲームコンテンツ部門では、どのようなところがポイントとなるのでしょうか?

マコト 昨年の受賞作は、独自の世界観と往年のFlashコンテンツのような味わいがある非常に面白い作品でした。この部門は実際に遊べるクオリティーの高いゲームが増えていて、審査員も頭を悩ませていますね。ただ、その分プレイアブルな作品は触り心地からグラフィック、ローディングの長さまで総合的に審査されるため、評価のハードルが上がる可能性も高いです。

リョウヘイ この部門はゲームそのものやゲームの企画書での応募が本当に増えているので、それらで受賞を狙うならば「これを作りたい」という熱量に加えて、「どうすれば遊ぶ人に面白いと思ってもらえるか」という視点が求められるかなと思います。「◯◯な面白さをユーザーに届けたい」という視点を盛り込めると、審査員も「遊ぶ人のことをちゃんと考えて作った作品だな」と受け止めて評価に繋がるはずです。

▲前回のゲームコンテンツ部門賞受賞作『じろうさんコレクション』

マコト 実際に遊べる作品ももちろん良いのですが、ノンジャンルに近い部門なので、それ以外の活路も見出してほしいですね。プレイアブルな作品は実際に遊んでもらうことでコンセプトや制作過程を伝えやすい強みがあるので、別の形で勝負する方は作品と共に制作の意図やこだわりをどう伝えるか、プレゼンテーションの方法を意識すると、厚みが出て突破口になるのではと思います。

リョウヘイ マンガ作品やメッセージスタンプでの応募も受け付けていますし、他にも最新の技術やツールを取り入れた作品などをぜひ送ってきてほしいです。そして、作る際に意識してほしいのは、驚きや違和感を届けること。多くのゲームをやり込んでいるであろう審査員を「何だ、これ?」と感嘆させるような、逸脱したアイディアや突飛なエッセンスを考えてみてほしいです。

■広告・映像・衣装・デザイン部門

昨年はこの部門で衣装作品が初の受賞となりました。今回のポイントはどんなところでしょうか?

リョウヘイ 前回、部門名に掲げている「衣装デザイン」での受賞者が出て、ようやく一部門として定着できたと感じました。まだまだ応募数が少ない部門ですが、映像や広告、衣装で応募できるゲーム業界のコンテストは比較的珍しいと思うので、これらを専門的に学んでいてゲーム業界に興味がある方々に挑戦してほしいですね。普段取り組んでいる課題とまた違うもので応募していただいても、非常に面白くなるのではと期待しています。

マコト この部門では映像や衣装の受賞作が出ているので、あとは広告らしい広告作品をもっと見てみたいです。例えば、広告企画やプロモーション施策。応募者の方がイメージしたゲームや自身のオリジナル作品を題材にしてどう宣伝を打ち出していくか?という提案など、ゲームと紐づいた宣伝や広告の作品があると、また部門の可能性が広がっていくと思います。

▲前回の広告・映像・衣装・デザイン部門賞受賞作『凛凛』

■高校生部門

高校生以下の応募者の作品が対象となる高校生部門では、どのようなことを期待していますか?

マコト この部門は、応募するみなさんの熱量が強く表れる部門ですね。若い方々の「好き」という思いが込められた作品を見ると、我々も刺激を受けて初心に立ち返ることができます。粗削りでも面白くて光るものが集まって盛り上がる部門だと思うので、高校生以下の方たちはぜひ「好き」を突き詰めた作品をぶつける先として、クリエイティブコンテストにチャレンジしてほしいです。

リョウヘイ この部門は、前回、前々回と、高校生以下の方ならではのスケールの大きな挑戦をして、審査員を驚かせた作品が賞に輝きました。若い方たちは「できるか、できないか」という迷いに縛られず、この瞬間、自身が本当に作りたいものに取り組んでほしいですね。あわせて、締め切りまでに作品を作るという重要な経験の一環として、このコンテストを活用してもらえたらと思います。

▲前回の高校生部門賞受賞作『麻辣ロード』

最後に、応募を考えているみなさんにメッセージをお願いします。

マコト 一番伝えたいのは、「まず、出してみましょう!」です。期間内に思い通りのものを作りきれるか不安もあると思いますが、限られた時間でどう着地させるかを考えるのもまた作品づくりの訓練になります。自身でハードルを上げすぎず、ぜひ気軽に応募してください!

リョウヘイ このコンテストは年に一度、学生さんの作品から刺激をもらえる、私たちにとっても大変ありがたい機会です。応募者はトレンドを追うだけでなく、何より作品制作を通じて「自分が本当に好きなもの」と向き合う時間にしてくれたらと思います。ワクワクさせてくれる作品をお待ちしています!


以上、「サイゲームス クリエイティブコンテスト2025」についてのご紹介でした。気になった方はぜひお気軽にご応募ください。

「サイゲームス クリエイティブコンテスト2025」公式サイト