マンガ家大募集! 時代を映す作品・長く愛される作品を一緒に作りませんか?~サイコミで連載するメリットとは?~
『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』『明日、私は誰かのカノジョ(以下、明日カノ)』『異世界美少女受肉おじさんと』など、数々のヒット作を打ち出しているマンガ配信サービス「サイコミ」。このたびサイコミ編集部は、マンガ作品の持ち込みを大募集します。本記事では、新しく編集長に就任したシンゴにこれからの編集・運営方針や、作家さんがサイコミで連載するメリットをインタビュー。最高のマンガを作るため、サイコミがやろうとしていることとは?
- サイコミ編集長シンゴ
- フリーのマンガ編集者として経験を積んだ後、2018年にサイゲームスの漫画事業部に合流する。2024年4月、サイコミ編集長に就任。
新編集長のもと強化される
編集部の体制と人材育成
これまでサイコミでは、王道の少年マンガをメインに、大人向けや女性向けの作品などを幅広く展開してきました。シンゴさんが編集長になったことでサイコミはどうなっていくのでしょうか?
今後より多くの読者のみなさまへ作品をお届けできるよう、作家さんと相談しながら、様々なジャンルの作品を提供していきたいと考えています。もちろんこれまで通り、少年マンガやスポーツものにも取り組んでいきます。
そのために編集者各々が作家さんの伴走者として作品をヒットに導けるよう、編集長として体制や人材育成を強化しているところです。
サイコミのミッションは「10年後、20年後に会社を支えられるIPを生み出す」ですね。このミッションは変わらないのでしょうか?
シンゴ そうですね。むしろこのミッションに沿うことをより強く意識していきます。
最近のサイコミ作品では『明日カノ』『私がわたしを売る理由』などが人気です。流行している特定のジャンルでコンセプトがしっかりしている作品はヒットしますし、時代の一部を切り取った話題性のある物語は語り継がれる可能性があります。
このような瞬発力のある作品に加えて、今後のサイコミは時代や場所を超えた普遍的な魅力がある作品も増やしていきたいと考えています。
王道ジャンルや独創的な作品は継続力が大切で、スタートからいきなり話題沸騰とはいかないかもしれません。そのため、3か月、半年、1年かけて育てていくような戦略的アプローチが必要です。
そこで、先ほどお話ししたとおり、各編集者の戦略を立てるスキルを高めていきたいと考えたんです。特に若手の編集者には、新連載の企画時は流行や話題性を取り入れた時代を映す作品なのか、普遍的な魅力で長く愛される作品なのか、まずは2パターンから戦略を立てたほうが良いと話しています。編集者は最初の段階で作品の指針を決めておくと、作家さんの良き伴走者としてより良いサポートができると考えています。
このような、小さな戦略の積み重ねが読者のみなさまを楽しませることに繋がりますし、10年後、20年後に会社を支えるIPを生み出すことに繋がっていくと考えます。
作家さんの不安や悩みに
誠実・真面目に向き合う編集者を育てる
大々的に作家さんを募集する理由はなんですか?
シンゴ 現在マンガコンテンツ市場はすごく盛り上がっていて、どの会社も作家さんを必要としており、そのような中で「週刊連載」に取り組んでいただける作家さんが見つかるチャンスは限られています。そこで、サイコミはしっかりと作家さんの執筆をサポートする体制を整え、それをWeb広告や秋葉原電気街口での屋外広告などでアピールして多くの作家さんに興味を持っていただけたらと思いました。
サイコミでは多数の新人作家さんがデビューし、初めて週刊連載を持つ方もいらっしゃいます。作品の持ち込みが初めてで不安に思う方や、経験上連載に難しさを感じている方とどのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか?
シンゴ 私がサイコミ編集長を拝命して以降、編集者全員に「作家さんに対して誠実な編集者であれ」と伝えています。
いちビジネスパーソンとして誠実さは必要不可欠です。それに、我々サイコミ編集部が良いと思って声を掛けた作家さんですから、新人の方だろうがベテランの方だろうか関係なく、誠実な対応を徹底すべきですし、企画や連載など作品づくりに関わるお悩みにもきちんと向き合うよう伝えています。
ゲーム事業で培ったノウハウで
作品の人気アップを図る
マンガの連載が始まったらどのような支援をしてもらえますか?認知拡大や人気を押し上げるための施策などがあれば教えてください。
シンゴ 認知拡大の支援としてSNS発信のサポートをします。サイゲームスのゲームプロモーションの成功事例を参考に、投稿内容や投稿時間などを作家さんにアドバイスしています。また、SNSを活用されている作家さんの場合、作家さんの投稿がより多くの方に届くように、露出を増やすための費用支援なども行っています。
実際、『すきだから、だよ』『ちくわ戦記~おれのカワイイで地球侵略~』などがこういった施策で認知拡大と読者の獲得に繋がりました。
ゲームで培ってきた集客のノウハウをマンガにも活かせるという意味では、サイコミ編集部がゲーム会社の中にある強みと言えます。
サイコミ作品はアニメ化・ドラマ化が多い印象です。「こうするとアニメ化・ドラマ化の声が掛かりやすくなる」のようなコツなどはありますか?
シンゴ 私自身がアニメのコミカライズの経験が多いため、その点が活きているのではないかと思います。マンガづくりの際にアニメやドラマのプロデューサー、脚本家の目線を意識して、作家さんに助言するようにしています。
確定申告の支援や
健康診断の補助なども
作家さんの確定申告のサポートもするようになるとか?
シンゴ はい。編集部が税理士事務所を探して作家さんにご紹介する制度です。煩雑な確定申告の作業に時間を取られるより、作品づくりに専念してほしいという私の思いで始めることにしました。もちろん自分で手配していただいても構いません。2025年から運用を開始する予定です。
さらに、健康診断についても支援があるんですよね?
シンゴ これも私の経験がきっかけなんです。編集長を拝命した直後、ある作家さんに会いに行く機会がありました。会食をした場所からご自宅が徒歩15分くらいで「歩いて帰る」とおっしゃったので、「送りますよ」と一緒に歩いていたら、途中で倒れられてしまって。そのときは大事に至らずに済んだんですが、「作家さんの健康管理にも配慮しなければ」と強く思いました。
作家さんは連載が始まったら3年、4年と一緒に仕事をしていく仲間です。それに作家活動を長く続けていただくためにも身体を大事にしてほしいです。不調を自覚していても病院に行かない作家さんもいるので、健康診断の費用を補助して定期的に病院へ行ってもらうための制度を作りました。
この他にも作家さんから「こんなサポートが欲しい」という要望が寄せられたら、できる限り取り入れていくつもりです。
作家さんは基本的にご自宅でお仕事をされると思うのですが、サイゲームスには作家さん用の作業スペースがありますね。
シンゴ はい。作家さんが連載のペースを保てるよう、社内にネーム室や作画スペースを用意しています。もちろん来社せず、ご自宅で執筆いただいてもかまいません。誰かに見てもらっていたほうがはかどるという作家さんもいますし、なかなか外出をする機会がないので気分転換に作業場所を変えたいという方のために作業スペースを用意しました。リフレッシュを兼ねて週イチで編集部に顔を出す方もいらっしゃいます。
とある作家さんの一日を一例に挙げると、午前に来社して編集者と2時間打ち合わせをし、その場でプロットを作る。そのままネーム室で4時間くらい作業をして、描いたものを編集者に見せる。それが終わったら渋谷でラーメンを食べて帰る……といったルーティンができています。
来社すると、編集者が近くにいるので詰まったり悩んだりしたときすぐに意見を聞けるメリットがありますね。場所が渋谷なので都内や関東圏の方でないと来にくいかもしれませんが、積極的に活用してもらえたらと思います。遠方の作家さんでしたら、章の変わり目で対面での打ち合わせをするときは、編集部から旅費・交通費を出して来社いただくこともあります。
どんな作家さんや作品が
長期連載に向いている?
今後力を入れていきたいジャンルなどはありますか?
シンゴ 冒頭でも少し触れたとおりジャンルを限定せず、引き続きオールジャンルで展開します。幸い、今サイコミの読者層は性別や年齢層が等分に近く、色々な方がマンガを読んでくださっています。
ただ、どんなジャンルの作品だとしても企画段階で「読者にどの部分をどう感じてほしいか」を作家さんと編集者の中で明確にしたほうがヒットの可能性が高まると考えています。
持ち込み作品を見てヒットの予感がすることはありますか?作家さんが応募する際のヒントになりそうなことを少し教えてください!
シンゴ 楽しんでもらいたいポイントを言語化して、他人に作品を説明したときに「何それ、面白そう!」と言ってもらえそうかを意識していただけると良いですね。例えば、SNS上に投稿されるマンガの場合、1枚の絵があって「○○が××する話」といったポイントが1行書いてあって、見た人はそこで興味のあるなしを判断しますよね。たった1行で読者の興味を引ける作品はヒットする可能性が高いといえます。
しかし、これに当てはまらなくても爆発的にヒットする作品もあるのが難しいところです。「読んでみないとわからない」タイプの作品は他人への説明が難しいけれど斬新さや独創性があり、それが多くの人の心を掴む場合がありますよね。
世の中には多くのマンガ作品があふれていて、「面白そう」と思えないまま1話を最後まで読んでくれる方なんてほとんどいませんが、一方で少し読んでみないと面白さがわからない作品や回を重ねて面白くなっていく作品があります。そのため、一概には言えないのが正直なところです。これまでに見たこともないような斬新な作品、世の中を驚かせるようなオリジナリティーのある作品に挑戦したい方は、ストーリーや画力などをアピールいただければと思います。
持ち込みをする作家さんとしても、描くからには長期の連載を持ちたいという願望があると思います。編集長の目から見て、長期連載を持てる作家さんに共通する要素はありますか?
シンゴ 規則正しい生活をして一定のペースで仕事ができる人でしょうか。長く作家を続けていくなら健康的に、執筆を習慣化することをおすすめします。むちゃをして体調を崩してしまうと連載の仕事ができなくなってしまいますので、徹夜をしなければならないようなやり方は避けたほうが良いですね。
週刊連載の場合は例えば、〇曜日までにネームを描いて、△曜日にはアシスタントさんにこれをやってもらって、□曜日はリフレッシュに充てて……といった具合に、週間のスケジュールを立てて実行できる人は向いています。ずるずると後ろ倒しにしがちな人は、長期連載が不可能ではないですが大変ですし、身体を壊しやすいと思います。食事・運動・睡眠を大切にして、限られた時間の中でやれることをやるのが大事です。
一定のペースで仕事ができると、例えば毎週日曜日をリフレッシュに充てていて、土日に旅行したいとなったら、前の週の土曜日に頑張って2本分作るといった調整もできます。
多彩な作品を提供し
長く親しまれるメディアを目指す
これから新しい作家さん、新しい作品がどんどん集まってくると思います。編集長として、サイコミをどんなメディアにしていきたいですか?
シンゴ 多彩な作品が載っていて、性別や年齢層を問わずおすすめし合えるような、あるいは年齢や環境とともに趣味嗜好が変わっても長年親しまれるようなメディアにしていきたいです。
また、ゲーム会社の漫画事業部という強みをもっと活かしたいですね。アニメ化やドラマ化などクロスメディア展開をより積極的にやっていき、ゲームへの展開も増やしていきたいと考えています。
サイコミ発のIPを様々なメディアで展開して人気を集め、作家さんに「サイコミに持ち込みたい」「サイコミで連載したい」と思ってもらえるメディアにしていきたいです。
最後に、これから作品を応募する作家さんに向けてメッセージをお願いします。
シンゴ 私自身、青春時代から好きなマンガがたくさんあって、みんなで「最新話の○○、面白いよね!」「○○さんは○○の作品が好きだと思うから、ぜひ読んでほしい」といった会話をするときに幸せを感じます。そんなコミュニケーションが生まれるようなマンガを世の中に提供していきたいです。
マンガとして一番大事なのは読者に支持されることです。読者のみなさまにこの作品が好きだと言ってもらえるものを作るため、我々サイコミ編集部は作り手である作家さんたちに、しっかりと気持ちよく仕事してもらえる環境づくりをしていきます。一緒に、最高に面白いマンガを生み出しましょう!
以上、サイコミ新編集長のインタビューをお届けしました!
応募についての詳細は、マンガ持ち込み特設サイトをご確認ください。
★あわせて読みたいサイコミにまつわる記事