第2期放送開始!アニメ事業部プロデューサーに聞くTVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』の見所

1月4日より放送を開始したTVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』(以下、第2期)。前作TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、第1期)に登場したトウカイテイオーとメジロマックイーンを主軸に、さまざまなウマ娘たちが登場しています。今回、サイゲームス アニメ事業部プロデューサーに第2期を作る上で目指したことや、現在放送済みの第2話までの振り返り、今後の見所などを聞いてみました!

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』とは?
「競馬」へのリスペクトを作品に落とし込む

まず、『ウマ娘 プリティーダービー』を知らない方に向けて、どういった作品なのかを教えてください。

同作は「ウマ娘」という超人的な身体能力を持つ少女たちが、国民的スポーツエンターテイメント<トゥインクル・シリーズ>というレースで勝つために、ウマ娘を養成するトレセン学園(日本ウマ娘トレーニングセンター学園)でライバルたちと切磋琢磨していく姿を描いています。2018年4~6月に放送した第1期は、スペシャルウィークとサイレンススズカをメインキャラクターに、スペシャルウィークが「日本一のウマ娘になる」という目標に向かって突き進むというストーリーでした。

全体的にスポ根要素が強く、ウマ娘たちがライバルたちと真正面からぶつかっていたのが印象的でした。

制作陣としても、スポ根感がアニメの魅力になっていると思っています。ただ、最初から「スポ根にしよう」という企画意図だったわけではないようです。

そうなんですか?

史実にある名馬たちをウマ娘に置き換えて、元になった馬のエピソードや熱いレースを丁寧に描くことで、自然とスポーツ寄りになり、結果的にスポ根要素が強まっていったのではないかと思います。
ウマ娘は実在した競走馬の名前と魂を受け継いで生まれてきた存在です。競走馬はもちろん、馬主や牧場、ファンのみなさんなど、関わっている方が大勢いらっしゃいます。そんなみなさんの期待を裏切らないように、スタッフ一同、競馬へのリスペクトを胸に制作しています。

第1期で印象に残っている話は何でしょうか?

個人的に、第1期の中でもスポ根感がありつつ、ウマ娘らしい話になったと思うのは第9R「スピカの夢」です。
サイレンススズカがケガから復帰できそうな中、またケガをしたら……という恐怖から前のように走れなくなってしまい、一方スペシャルウィークもそんなサイレンススズカを気遣うあまりレースに集中できず、グラスワンダーに負けてしまいます。意図せずも馴れ合い状態になっていた2人に、チーム<スピカ>のトレーナーが叱咤激励して、結果的にサイレンススズカもスペシャルウィークも自分を取り戻します。

▲第9Rでトレーナーが叱咤激励するシーン(左)とラストにみんなで笑い合うシーン(右)

2人の関係性の変化がすごく見えた回でした。こういったキャラクター同士の関係性はどのように構築したのでしょうか?

いつも監督をはじめさまざまな人たちと「どういう風にするのがウマ娘らしいか」「史実をどこまでキャラの描写に落とし込むか」などを話し合って、いろんなパターンを考えました。ただ、ウマ娘同士の関係性はすごく難しい部分でして。
この作品には、お互いをライバル視したりリスペクトしたり、仲が良いウマ娘がいたりしますが、史実の競走馬たちの間にはそういったはっきりとした関係性はありません。……人間の知らないところであるかもしれませんが(笑)。
そのため、キャラクター設定から「このウマ娘ならどんな声をかけるのか」「どのような言い方をすれば競馬を知っている人にも分かる、そのキャラクターならではのセリフになるか」をすごく考えましたね。

第2期で描かれるキャラクターと背景
トウオカイテイオーとメジロマックイーン

『第2期』はメインキャラクターがトウカイテイオーとメジロマックイーンとなりましたが、どんな作品を目指そうと考えられたのでしょうか?

そもそも第1期のメインだったスペシャルウィークとサイレンススズカの史実上のレースは、アニメですべて取り上げました。そのため、第2期でも2人をピックアップすると、醍醐味である史実を基にしたレースが描けなくなる懸念がありました。そこで第2期をやるにあたって、「別のウマ娘をメインに立てよう」とスタートしました。
トウカイテイオーに関しては、制作陣の中から「トウカイテイオーをメインにすると重い話にならないだろうか?」という不安の声が出ました。なぜならトウカイテイオーはケガをして、レースに出走できなくなることが多い競走馬だったからです。しかし、その分復活をとげ、競馬史に残る記録を立て、ファンに感動をたくさん与えた競走馬でもあります。

▲トウカイテイオー

最終的に、及川 啓監督の「トウカイテイオーのようなドラマのある競走馬だったからこそ、丁寧にやれば面白いアニメになる!」という強い想いから、トウカイテイオーがメインキャラクターになりました。そして史実上でもライバルで「怪物」とまで言われていたメジロマックイーンにもスポットを当てることになりました。

▲メジロマックイーン

第2期で登場する他のウマ娘たちもトウカイテイオーやメジロマックイーンと同世代なのでしょうか?

その通りです。実は第1期でも「スペシャルウィークとサイレンススズカが活躍した1990年代後半の世代」は意識していました。第2期ではトウカイテイオー、メジロマックイーンと共に1990年代前半に活躍していた競走馬の中で、「このウマ娘たちがいないと始まらない!」「ここが絡んだら面白そう」という風に選びましたね。また、ゲーム開発チームのスタッフにも相談しながら、出演するウマ娘を考えました。

第1期でも登場していたナイスネイチャは、第2期で大きく物語に関わってきましたね。

ナイスネイチャは、第1期ではそこまで登場しなかったキャラクターです。第2期で新たに登場するチーム<カノープス>に所属し、トウカイテイオーとはチームは違えど、同じクラスでとても仲の良いウマ娘ですね。
第1話、2話を見ていただけるとわかるように、実力的にはトウカイテイオーやメジロマックイーンに比べるとあと1歩……ですが、とても友達思いで、やるときはやる子です。アニメで2人のやりとりを描けるのは良かったなと思います。

▲ナイスネイチャ(手前)とオグリキャップ(奥)

今後、チーム<カノープス>のメンバーもどんどん活躍していくのでしょうか?

そうですね。話の中心はトウカイテイオーとメジロマックイーン、そしてチーム<スピカ>の面々になります。そんなチーム<スピカ>に絡んでいくのがチーム<カノープス>です。メンバーは第2話までに登場したナイスネイチャ、ツインターボ、イクノディクタス、そして今後登場するマチカネタンホイザの4人です。

▲ツインターボ
▲イクノディクタス
▲マチカネタンホイザ

チーム<カノープス>は、コミカルなところが目立ちますが、今後は「面白いだけではない!」という面をどんどん見せていきので、ぜひ注目していただきたいです。

第2話までの振り返り
ウマ娘の世界観の広がりを見せる

第1話「トウカイテイオー」はオープンキャンパスから始まっていて、「トレセン学園はオープンキャンパスがあるんだ!」と驚きました。

第2期はトウカイテイオーとメジロマックイーンのライバル関係が主軸ですが、一方で「できるだけたくさんのウマ娘を登場させたい」という目標があります。そのため、第1話でオープンキャンパスの様子を見せたり、まだトレセン学園に入学していないキタサンブラックやサトノダイヤモンドたちを登場させたりしています。

▲サトノダイヤモンドとキタサンブラック。私服はそれぞれ競走馬の騎手が来ていた馬主の勝負服のカラーを取り入れているとのこと

「トウカイテイオーとメジロマックイーンに憧れるポジション」のキャラクターを出すことで、世界観の広がりを出せればと思っています。彼女たちはまだトレセン学園入学前という設定なので直接的な関わりは少ないですが、今後もいろんなシーンで登場します!

オープンキャンパスの後は、トウカイテイオーのレースが始まりますね。

トウカイテイオーは「無敗の三冠(※)ウマ娘」を目指しています。第1話ではダービーで勝利し、二冠を獲りました。しかし、第2話「譲れないから!」でケガが発覚し、菊花賞への出走は難しくなります。それでも最後の最後までリハビリをしますが、出走できず……。「無敗の三冠ウマ娘」という目標を達成できなくなりました。

※三冠…クラシックレース(G1)の「ダービー」「皐月賞」「菊花賞」で1着を獲ること

しかし、菊花賞のレースでライバルたちが出走できなかったトウカイテイオーを想って「トウカイテイオーに負けるもんか!」と懸命に走る姿を見て、トウカイテイオーは新しい目標である「無敗のウマ娘」を掲げ、新たに頑張っていくことを誓います。
第2話はテイオーが初めて挫折するお話なので、制作側としては「どんな反応が来るのだろう」と不安がありました。放送後、SNS等では「泣いた」というご感想をたくさんいただき、またトウカイテイオーへの励ましの声など温かい反応が多くて安心しましたね。

▲ケガにより菊花賞を断念するトウカイテイオー

挫折を味わいながらも、前に進むトウカイテイオーの姿に多くの反響があったのですね。

このご時勢、暗いニュースが多く、大変な中で頑張っている方がたくさんいらっしゃると思います。そんな中で、少しでも「ウマ娘を観ていただくことで元気を与えられたら……」と思って作っていたので、そう感じていただけるとありがたいです。
ちなみに、第2話のラストで、新たな目標を話すトウカイテイオーとトレーナーが、騒ぎ過ぎて車掌さんに「お静かに」と注意されるのは及川監督のアイディアです。及川監督らしい、シリアスな中でも明るい、クスッとできるシーンに仕上がっています。

▲新たな目標を立てるトウカイテイオーと<スピカ>のトレーナー。気合を入れ過ぎ、この後車掌さんに注意されることに……

また、第2期から登場したハチミツドリンク屋「Funny Honey」も監督のアイディアですね。「馬は甘いものが好物ではちみつも好きなので、ウマ娘もハチミツが好きだろう!」と(笑)。そういう小ネタがストーリーにちょこちょこ混ぜてありますので、ぜひあますところなく見てもらえるとうれしいです!

▲ウマ娘たちが愛用するハチミツドリンク屋

他にも、放送された第2話までの中でこぼれ話があれば教えてください。

第1話のレース開始前のパドックで、トウカイテイオーが「テイオーステップ」をしているところがあります。競走馬のトウカイテイオーがやっていた独特の歩き方をモチーフにしたもので、「ウマ娘のトウカイテイオーがやるとこんな感じなんだ」と見ていて面白かったです。
あと、トウカイテイオーは他のウマ娘に比べてかなりの前傾姿勢で走る「テイオー走り」という走り方をしています。これはキャラクターデザイン・椛島洋介さんが作ってくださった設定で、柔軟性を活かして、膝から上がバッと上がるような走り方をしているんです。これは競走馬のトウカイテイオーが「関節の柔らかさから、前脚を肩のあたりまで大きく上げて走っていた」という話に由来しています。

▲(左)テイオーステップ/(右)テイオー走り

実はキービジュアルでもトウカイテイオーはこの走り方をしています。隣のメジロマックイーンと比べると、膝の上がり具合や姿勢の差がわかりやすいですね。ただ、初めて見たときは膝の上がり方にびっくりして、キービジュアルも担当した椛島さんに「膝の上がり方はこれで大丈夫ですか?」と聞いちゃいました(笑)。椛島さんは「トウカイテイオーらしさを出したいんです!」と熱く語ってくださって、最終的にそれぞれの魅力がより見えるキービジュアルになりました。

▲ティザービジュアル(左)とキービジュアル(右)。メジロマックイーンとトウカイテイオーの走り方の違いがわかりやすくなっています

走り方についてはアニメ的な解釈にはなりますが、こういう「ウマ娘の個々の違い」を出しやすいのもアニメならではの魅力だと思っています。

新キャラクターとウマ娘だからこそのドラマ
今後の見所を聞く!

最後に、読者のみなさんに今後の見所を教えてください。

ダイタクヘリオスととある新キャラクターが活躍していきます!実は第1話にすでに出演しているので、もしかしたら気づいた方がいるかもしれません(笑)。この2人もトウカイテイオーたちと同じ時代に活躍した競走馬で、競馬ファンの中ではよく知られている存在です。そんな新キャラクターたちがどのように登場し、チーム<スピカ>をはじめとしたウマ娘たちとどう絡んでいき、どんな展開になるのかお楽しみに!

▲ダイタクヘリオス

また、アニメでは「チーム」があって、みんなで切磋琢磨しながら成長していますが、競馬は個人戦であり、<トゥインクル・シリーズ>ももちろん個人戦です。勝つウマ娘がいれば、負けるウマ娘がいて、そこにドラマが生まれます。制作スタッフ一同「ウマ娘だからこそできるドラマ」を作っていますので、ぜひ楽しみにしていてください!