『プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2』放送開始!ゲームの制作チームが語るアニメの魅力
アニメ『プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2』の放送が2022年1月10日から始まりました。アニメRPGとして展開中の原作ゲームでは見られないキャラクターの表情や掛け合いなど、アニメならではの見どころも満載です。今回はゲームの運営チームからシナリオライターとサウンド部、アニメ制作チームのスタッフを集め、それぞれの視点から見たアニメの第3話までの魅力をご紹介します。
- シナリオチームリョウスケ
- 編集プロダクションでアニメ雑誌やムック本の編集、アニメの脚本を経験し2017年合流。『プリンセスコネクト!Re:Dive』におけるシナリオ執筆の他、ボイス収録やゲーム内アニメの脚本など幅広い業務を担う。
- イラストチームナオコ
- アニメーターとして作画監督やキャラクターデザインを経験し、2018年合流。『プリンセスコネクト!Re:Dive』の“アニメ制作チーム”のリーダーとしてゲーム内アニメの監修を担当。
- サウンド部 ミュージックチームカン
- 2019年新卒。『プリンセスコネクト!Re:Dive』の音楽監督として、ゲーム内で流れるBGMのディレクションや発注を主に担当しながら、会話パートの選曲やその監修も務める。
新たな冒険の予感
【美食殿】の個性を発揮
ゲーム『プリンセスコネクト!Re:Dive(以下、プリコネR)』の運営チームにいるみなさんは、アニメとどのように関わっていますか?
- リョウスケ(シナリオ)
- 「原作監修」という立場で参加しました。主に毎週「本読み」と呼ばれる脚本会議に立ち会い、原作の設定と相違がないか確認させていただきました。
- ナオコ(イラスト)
- チームの数名で、アニメの第1期はキャラクターデザインのお手伝い、第2期はキービジュアルやエンディングなどの監修をさせていただきました。
- カン(サウンド)
- 出来上がった映像に音を付けるダビングにおいて、音楽監修をさせていただきました。主に金崎貴臣総監督が考えてくださった選曲とゲーム内の楽曲の整合性について確認しました。
第1話は究極の調味料「海の雫」を探しに行く内容で、冒頭は朝のシーンから始まりました。第2期の第一印象をそれぞれ聞かせてください。
- リョウスケ(シナリオ)
- 夜明けから始まるところに、「これから新しい冒険と生活が始まっていくんだ」というワクワク感がありましたよね。朝の準備をするコッコロとユウキ、まだ寝ているキャル、王宮を見つめるペコリーヌと、それぞれのキャラクター性や彼女たちが普段どのような日常を送っているのかが自然と見えてくる始まり方でした。特にペコリーヌの表情は印象的でした。
- ナオコ(イラスト)
- 私は街の人たちの点描が良かったですね。人々の様子や背景だけのカットが贅沢に使われていて、こういうのがあるだけで文明レベルがわかると言いますか。街の人の生活が見えて生きている感じがして良いなと。ゲームのショートアニメだと1分弱なのでなかなかこういうカットが入れられないんです。
- カン(サウンド)
- ランドソルの世界へ本当にダイブしたかのような没入感が素晴らしかったです。曲は第1期のエンディングテーマ「それでもともに歩いていく」のアレンジが流れ、明け方のランドソルの空気感と完全にマッチして見ていて鳥肌が立ちました!このシーンはぜひ見ていただきたいですね。
「美食の探究」を目的とするギルドの【美食殿】らしく、第1話にはおいしそうな食べ物も出てきましたね。
- ナオコ(イラスト)
- アニメは料理の作画監督がいるので、やっぱり食べ物の描写は力が入っているなと感じました。
- リョウスケ(シナリオ)
- 僕は最初に出てくるサンドイッチが好きですね。ペコリーヌが「ヤスコさんからもらった朝採れ卵ですよ~」と言っていますが、「ランドソルの庶民たちは普段こんな料理を食べているんだろうな」という生活感が滲んできます。
- ナオコ(イラスト)
- さりげなく左上に映るコップがククサなのも良いですね。コッコロが荷物につけて持ち歩いていることもあるので「家でも使ってるんだな~」と想像が膨らみました。
- リョウスケ(シナリオ)
- 冒険から帰ったあと夕食で食べた「キャルが残した野菜で作ったおじや」もキャルの心情と絡んでいて良かったですね。キャルが野菜を好き嫌いする性格は人との接し方にも似たところがあり、野菜を食べられるようになったことで他者も受け入れるようになったという成長が描かれているように感じました。
- カン(サウンド)
- 僕はお肉が好きでした。
- ナオコ(イラスト)
- これ、魔物の肉だから食べちゃいけないやつなんですけどね(笑)。サンゴがお皿になっているのも良いですね。
- カン(サウンド)
- 何の肉なのか質問するキャルに対する、ペコリーヌのとぼけた表情がイチオシですね(笑)。ゲームではなかなか見られない、【美食殿】がよく食べている魔物料理が見られる貴重なシーンでもあります。
他に印象に残ったシーンはありますか?
- カン(サウンド)
- 終盤のグライダーで空を飛ぶシーンです。アニメのオープニングでゲームのテーマソングでもある「Lost Princess」が流れる熱い展開が良いですね。
- ナオコ(イラスト)
- オチも【美食殿】らしいコミカルな感じになっていたので、未見の方はぜひ見ていただきたいです。
【カルミナ】初登場!
光の裏側に見える努力と葛藤
第2話は「歌って踊って戦うアイドル」の【カルミナ】がアニメに初登場し、ライブありバトルありの回でしたね。
- リョウスケ(シナリオ)
- ただアイドルのキラキラした部分だけにスポットを当てるのではなく、その裏側にある努力や葛藤が描かれているお話になっているのが印象的でした。
- カン(サウンド)
- 終盤、キャルが「陛下(カイザーインサイト)」と【美食殿】との立ち位置に悩むシーンは、キャルのキャラクターソング「Absolute Secret」をアレンジしたバラードが流れます。ゲーム内では聴けない、アニメオリジナルの美しいアレンジは必聴です。
- ナオコ(イラスト)
- ここ一連は絵の構図が最高ですね。背景をかなりぼかして暗い橋がフレームのようになっていたり、あえて人物をセンターから外していたりと見せ方が上手いなあと思いました。
- カン(サウンド)
- キャルが【美食殿】のところに戻っていくシーンはゲームのエンディングテーマ「Connecting Happy!」をアレンジしたバラードが流れて、みんなの絆が繋がっていく感じになっているなと。
- リョウスケ(シナリオ)
- そうですね。
- カン(サウンド)
- 通常だとアニメの選曲は「音響監督」が行うことが多いのですが、このアニメは金崎総監督が音響監督を兼任し、自ら選曲されています。金崎総監督自身がゲームをやり込んでくださっているので、作品やキャラクターへの愛を感じる選曲ばかりです。普段ゲームをプレイしているみなさんにはたまらない選曲になっているのではないかと思いますね。
アイドル衣装を着た【美食殿】もインパクトが大きかったですね。ご覧になってどうでしたか?
- カン(サウンド)
- 個人的にはユウキが一番可愛かったです(笑)
- ナオコ(イラスト)
- 制作中、お話を見る前に女装したユウキの設定資料を見たので「何があった!?」ってなりました(笑)。メジャーで束縛するツムギも面白くて。ゲームのユニオンバーストだと糸で拘束するんですよね。
- リョウスケ(シナリオ)
- そうですね。ゲームにあるキャラクター性と上手くリンクしながら映像としても面白い見せ方になっていますよね。
ライブシーンとバトルシーンも見どころでしたね。
- カン(サウンド)
- とにかく激しく動いていて圧巻のライブシーンでした。ここで歌った「Shining Future」はアイドルらしいキラキラした可愛らしさだけではなく、かなりロックなアプローチが散りばめられています。「歌って踊って戦うアイドル」として活動する彼女たちの「強さや格好良さ」が表現された楽曲ですね。
- リョウスケ(シナリオ)
- キラキラしたステージの裏で、キャルとクリスティーナが敵と戦っている展開がすごいですよね。第1期ではいがみ合っていた2人の共闘はワクワクしましたし、お互いの意外な面が見えて少しだけ歩み寄れた感じがほっこりしました。
- カン(サウンド)
- あとは【カルミナ】の親衛隊にユウキが絡まれるシーンも個人的に好きでした(笑)
- ナオコ(イラスト)
- 私もです(笑)。レストランで【カルミナ】がアカペラで歌うシーン、親衛隊が「『Call Me Darling!』じゃねぇか」って言うんですけど、私も同じことを思ってテンションが上がりました。
【なかよし部】と森の探索
ホラーテイストな第3話
第3話は【聖テレサ女学院(なかよし部)】(以下、なかよし部)が登場しました。コミカルな会話劇とホラーな展開が特徴的でしたね。
- リョウスケ(シナリオ)
- 第3話はアオイが「聖テレサ女学院」に転入するゲームのストーリーイベント「森の臆病者(ぼっち)と聖なる学舎の異端者(リセエンヌ)」を基にしたお話です。終始しゃべりっぱなしでテンポが速く、これまでとは異質な回になっています。
- カン(サウンド)
- ギャグが多くて終始爆笑していましたね。
- リョウスケ(シナリオ)
- ゲームの【なかよし部】はシナリオライター・作家の王雀孫さんが設定からテキストまですべてをご担当されています。アニメも、金崎総監督が執筆された脚本を王さんにもご確認いただき、セリフの監修をしていただきました。【なかよし部】の漫才のような掛け合いはセリフの間合いが難しいのですが、声優さんたちの演技も素晴らしかったですよね。
- ナオコ(イラスト)
- ゲームでは主人公(ユウキ)と【なかよし部】やアオイだけが絡むので、【美食殿】との組み合わせ自体がアニメならではですよね。また初めてみんながそろう図書館の美術は密度が高く圧巻でした。
怪奇現象が起きる森の中に入ってからはホラーテイストになりますが、音楽の観点から印象に残った点を教えてください。
- カン(サウンド)
- 雰囲気はホラーなのですが、音楽や効果音をわざと大げさに当てていて、「コミカルちっくで怖くなりすぎない」塩梅なのが『プリコネR』らしくて良いなと思いました。チエルが行方不明になるシーンでは、大仰な音楽とポツンと残された髪飾りがとてもシュールなので未視聴の方はぜひ見ていただきたいです(笑)
- リョウスケ(シナリオ)
- 金崎総監督は「ゲームと同じにするのではなく、アニメではより広い視聴者が共感しやすいストーリーにしたい」ということで「学校の七不思議」にまつわるエピソードとなりました。金崎総監督も色々なオチを練ってはいましたが、「正統派ホラーにして初見の魔物が登場するより、身内に犯人がいたほうがよっぽどホラーだし面白い」という考えから、あの人物が犯人となりました(笑)
- ナオコ(イラスト)
- ゲームにないところだと、まさかのユニの肉弾戦が見られたので面白かったです(笑)
- リョウスケ(シナリオ)
- ユニはこの回のストーリーテラーになっていますよね。ゲームのイベントストーリーだけでなくユニのキャラクターストーリーの要素も取り入れられていて、彼女の研究がこの世界のある秘密に気付くきっかけになっていたのが印象的でした。
- ナオコ(イラスト)
- 最後のユニのモノローグも良いですよね。独特な言い回しができるユニならではの言葉で語られていて、世界に対して「ざまぁみろだ」って言うところが好きでした。
ゲーム制作者が
アニメから受けた刺激
アニメの放送は、ゲームの運営チームにとっても刺激になっているのではないでしょうか。
- カン(サウンド)
- そうですね。ゲームの音楽をアニメでも使っていただいているのですが、良い意味で僕らが想定していなかった効果的な使い方をされているシーンがたくさんあり、新しい発見をいつもいただいています。ゲームをプレイしているみなさんにもぜひ聴き比べていただけるとうれしいです。
- ナオコ(イラスト)
- ゲーム内のアニメで見せきれないような表情や仕草などがあり、キャラの振れ幅を大きくしてもらっているなと感じていて、とてもありがたいですね。
- リョウスケ(シナリオ)
- アニメの影響を受けて、ゲームでも主人公(ユウキ)の表情が生き生きと描かれることが多くなった印象です。金崎総監督をはじめ、映像のプロのお仕事に触れることで多大な知見を得ることができました。
アニメを見てゲームを始める方や、ゲームの影響でアニメをご覧になるユーザーのみなさんもいらっしゃるかと思います。原作であるゲームの運営チームとして、今後の意気込みをお願いします。
- カン(サウンド)
- アニメをご覧くださっている方やゲームのユーザーのみなさんはもちろん、気になっているけどまだどちらも体験していない方はこれを機に、一緒に『プリコネR』を盛り上げていければと思います!
- ナオコ(イラスト)
- 第1期の立ち上げ時は大きく関わらせていただいたものの、今はいちファンとしてアニメを楽しみながらキャラの新しい一面を見せてもらっているような気持ちです。私たちゲームのアニメ制作チームも「最高のコンテンツ」をお届けしていけるよう頑張ります!
- リョウスケ(シナリオ)
- アニメの好評に負けないよう、ファンのみなさんに楽しんでいただけるコンテンツをこれからも作り続けていきます。
以上、ゲーム制作者から見たアニメの魅力をお届けしました。次回の第4話では【カォン】が登場します。お楽しみに!
★あわせて読みたい★
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会