現場から生の声をお届け!デザイナー部新卒 ホンネ座談会【3DCGアーティスト編】
サイゲームスでは第1作『神撃のバハムート』から始まり、『グランブルーファンタジー』『Shadowverse』『プリンセスコネクト!Re:Dive』など、さまざまなタイトルでクオリティーの高いデザインやイラストを生み出せるよう注力をしてきました。
新卒デザイナーのホンネを探る「現場から生の声をお届け!新卒イラストレーター ホンネ座談会」 のご好評を受け、今回は同じデザイナー部内から3DCGアーティストに焦点を当てた座談会を開催! 3DCGアーティストチームサブマネージャー・トモヤさんを司会役として、新卒3DCGアーティストたちが現場で感じるサイゲームスの社風や環境、アーティストを志したきっかけや現在に至るまでの経緯を語ってもらいました。
- 3DCGアーティスト サブマネージャートモヤ
- コンシューマーをメインに手掛けるゲーム開発会社にデザイナーとして入社。以降、3DCGのエフェクトを専門として、PlayStation Portable、ニンテンドー 3DS、PlayStation 3、同4向けのタイトルを担当。2017年にサイゲームスに合流し、スマホゲーム開発に本格的に携わる。
- 2015年新卒 3DCGアーティストダイスケ
- 大学を卒業後、2015年に新卒として入社。入社後はさまざまなジャンルのプロジェクトで主にキャラクターグラフィックの制作を担当。
- 2017年新卒 3DCGアーティストケン
- 専門学校を卒業後、2017年に新卒として入社。入社後は『ウマ娘 プリティダービー』のプロジェクトにて、3Dキャラクターモデルの制作を担当。現在は3Dモデルの制作と監修業務を行う。
- 2018年新卒 3DCGアーティストミナミ
- 専門学校を卒業後、2018年に新卒入社。入社後は『ドラガリアロスト』のプロジェクトに合流して3Dのマップ制作などに携わる。現在は開発中の新規プロジェクトにて3D背景制作を行う。
- 2018年新卒 3DCGアーティストヒサミズ
- 専門学校を卒業後、2018年に新卒として入社。入社後は、複数の開発・運用中タイトルにてインゲームモーションやカットシーンモーション制作を担当。現在は開発中プロジェクトにてインゲームモーションの制作を行う。
学生時代の気付きやきっかけ
3DCGアーティストを目指すまで
- トモヤ
- 美大や専門学校など出身はさまざまだと思いますが、学生時代はどんな勉強をしていましたか?
- ダイスケ
- 僕は美大出身で、3DCGアーティストとしてゲーム会社に入りたいと思っていたので絵の勉強をしつつ、独学で3DCGを学んでいました。
- ヒサミズ
- 僕は2年制の専門学校に通っていて、3DCG全般を学んでいました。就職活動のことも考えると半年程しかきちんと勉強できなかったので、早い段階で何を重点的に勉強するか決める必要があって、悩んだ結果モーションを主軸に勉強していました。時間に余裕のある学生生活ではなかったですが、早くに方向性を決めたことで本当にしたい勉強ができたと思います。実際、最初はモデリング志望でしたが、やってみて自分には向かない!と気付いてすぐにモーションに方向転換できました。
- ケン
- 僕は4年制の専門学校に通っていて、初めの頃はイラストレーターを志望で、勉強もイラスト中心でしたが、ちょうど2年生の終わり頃に「自分はイラストを描くことよりも見ることの方が好きなんだ」と気が付いて、このままイラスト制作を仕事にして大丈夫なんだろうかと悩んだ時期がありました。そんなときに3DCGと出会って、イラストとは違った角度でキャラクターに命を吹き込めるところに魅力を感じて3Dモデラーを目指すようになりました。
- ミナミ
- 私も志望はイラストレーターでした。専門学校ではCG全般とデッサンの基礎を学べる学科に所属し、前半にソフト全般を学んで、後半はキャラクターを描く勉強を重点的にしていました。
- トモヤ
- あれ?でもミナミさんって今は3DCG背景を担当してますよね?
- ミナミ
- 実は、サイゲームスの面接で「3DCGの背景に挑戦しませんか?」と言われて。3DCGの中でも背景は特にやってこなかったので、「一番苦手だからこそやってみよう」と入社を決めました。
- トモヤ
- チャレンジ精神……!就職活動中、他業界や違うゲーム会社への就職も考えたと思いますが、その中でなぜサイゲームスを選んだのでしょうか?
- ダイスケ
- 僕は校内でサイゲームスの求人ポスターを見たことがきっかけです。最初志望していた企業に落ちてしまい、これからどうしようという気持ちで校内を歩いているときに、身長ほどあるポスターが張り出されているのを見てロゴが頭に残り、まずここを受けるかといった具合で、ほぼ偶然応募しました。
- トモヤ
- 当時からサイゲームスのことは知っていたんですか?
- ダイスケ
- 正直なところ当時はモバイルゲームについてあまり知識がなく、求人に応募しながら業界のことを調べた記憶があります。その後実際にゲームをプレイして、『神撃のバハムート』や『グランブルーファンタジー』のクオリティーに惹かれて、入社を決意しました。
- ケン
- 僕はゲーム業界1本で就職活動をしていたので、業界研究のためにいろんな会社のゲームをプレイしていたんですが、その中で触った『グランブルーファンタジー』のゲームとしてのやりがいやビジュアルのクオリティーに圧倒されたのがきっかけです。ユーザーとしてここまでゲームへのこだわりを感じられるくらいだから、開発する側として活躍するにはもってこいの環境なんじゃないかと。
- トモヤ
- クリエイターとしてこだわりを持って仕事をしたかったんですね。
- ケン
- はい!「最高のコンテンツを作る会社」というビジョンの通り、妥協しないコンテンツ制作ができる会社だと知って、僕も「より良い作品を作りたい」と思うタイプだったのでぴったりの会社だと思いました。
学生時代の想いや技術が結集した
就活時のポートフォリオを公開!
- トモヤ
- 続いて、みなさんが就職活動時に使っていたポートフォリオから一部を抜粋してお話を聞ければと思います。まずはヒサミズさんのポートフォリオがこちらです。さまざまなモーションが取り入れられていますが、全体的に統一感がありますね。
- ヒサミズ
- 全部Mayaの標準機能を使って制作したもので、中にはお題として出された絵コンテ通りに制作するというコンペのために作った作品もあります。
- トモヤ
- 今あらためて見てみていかがですか?
- ヒサミズ
- 「ここをこう直したらもっと良くなるのに」と思う部分は当然ですがたくさんありますね。ですが、そう思えるということはそれだけ成長できているのかなと思います。
- トモヤ
- 続いてケンさんのポートフォリオですね。男女、ロボットのキャラクターや3D、2D、ドット絵やデッサンまで幅広く載せられていますね。
- ケン
- ポージングや表情差分などでもバリエーションもつけるようにしていました。
- トモヤ
- バリエーションを増やす意図は何かありましたか?
- ケン
- 学生の頃、友人や他校の同期のポートフォリオを見ると女性キャラクターが大半を占めているものがとても多かったので、他の人との差別化を狙って、男性キャラクターやロボットなども併せて載せるようにしていましたね。
- トモヤ
- 最後はデッサンが多く載っていますね。
- ケン
- 当時、先生や業界の先輩が「デッサンができればどこでもやっていける」と口を揃えて言っていて、学生のときはその言葉を信じてデッサンをずっと頑張っていました。3Dとはまた違った思い入れやこだわりがある分野なのでデッサンも入れたいなと思って。
- トモヤ
- 3DCGアーティストでも基礎力として見る部分なので非常にデッサンは大事ですね。続いてダイスケさんのポートフォリオなんですが、初めて見たとき「これは相当ロボットが好きな人だ!」と思いました(笑)。
- ダイスケ
- そう言っていただけるとうれしいです!当時は手探りでレンダリングの方法を変えたり、モデリングの方法を調べたりしながら作っていました。細かいパーツのストックを先に作り、良い感じに使いまわして細部を作りこんだりしています。
- トモヤ
- パーツを使い回したり組み替えたりできるのは3DCGの良いところですよね!最後がミナミさんのポートフォリオですね。
- ミナミ
- 3Dでも2Dでもキャラクターを載せているんですが、3Dのキャラクター作りは授業などもなかったので先輩に聞きながら作りました。唯一入れていた背景作品を見て採用を決めたと聞いたのですが、今でもなんでだろうって思っています(笑)。
- トモヤ
- すごく可愛いですけどね!でもイラストレーター志望だっただけあってイラストも多く載せられていますね。
- ミナミ
- これは卒業制作ですね。2メートルくらいのパネルに展示するために描きました。こう見ているとキャラクター制作もやりたくなってきちゃいます(笑)。
- トモヤ
- プロジェクトによってはキャラクター制作と背景を両方やっている3DCGメンバーもいるので、そういったアーティストを目指すのもありかもしれませんね!
最高の3DCGづくりを目指して
それぞれの失敗と成長
- トモヤ
- 入社間もなくは失敗することも多かったと思いますが、ケンさんは何か失敗談はありますか?
- ケン
- 入社直後は先輩や上長からのアドバイスを聞いているつもりで聞けていなかったことが多かったです。言われた通りに仕事をしているつもりでも「もっとこうしたほうが良いんじゃないか」と余計なアクセントを加えてしまって、結局指示通りに仕事をできていないことがよくありました。張り切りすぎて空回りしていたのかもしれません。
- トモヤ
- それはどう乗り越えたんですか?
- ケン
- 無意識に独りよがりな部分が出てしまっているんだと気付いてからは、それまで以上に意識して話を聞くようにして、一呼吸を置いてから再度指示通りに制作できているか見直すようにしました。それからも失敗はありましたが、失敗と反省を繰り返すうちに徐々にではありますが、相手との齟齬もなくなって、円滑に制作をできるようになりました。
- トモヤ
- できているつもりでも意外とできていない、というのは誰しも経験がありますよね。ヒサミズさんはいかがですか?
- ヒサミズ
- 「1人で作ること」と「チームで作ること」のギャップで失敗したことがあります。昔、納期に遅れそうになったことがあって、締め切り前にその連絡はしたものの、かなりギリギリになってしまいました。当時は「締め切り前に連絡はしたんだから大丈夫」と思っていたんですが、実際はスケジュールなどの調整があるのでもっと早く言わなくてはならず、周りにご迷惑をおかけしてしまいました。
- トモヤ
- ゲーム開発は1人でコツコツ作って間に合わせるものではなく、チーム全体で足並みを揃えるものですからね。
- ヒサミズ
- あと、聞けばすぐ解決するようなことでも質問することをためらっていた時期もありました。今思うともっと早く聞けばよかったです……。
- トモヤ
- 新人の頃は「こんなこと聞いて良いのかな」と悩むこともありますよね。その点、サイゲームスは先輩や同僚、ときには役員ですら快く疑問に答えてくれたり、相談に乗ってくれたりする点は私自身が働いていて良いなと感じる部分です。
- トモヤ
- ミナミさんのプロジェクトではどんなフィードバックが来ますか?
- ミナミ
- 私のプロジェクトは2Dでも3Dでも一枚絵としてのクオリティーを大事にしていて、背景も一つひとつのオブジェクトに対してではなく全体を見てフィードバックをもらうことが多いです。「俯瞰から見てすうっと自然に見えるように」とか「シルエットにリズムを作ってあげて」とか。主役はキャラなので、どうしたらこの可愛いキャラたちが引き立つのかも考えながら作業しています。
- ヒサミズ
- 僕のプロジェクトのフィードバックはかなり明確で丁寧なことが多いです。「最終的にどういうものを作りたいのか」というゴールを、レイヤーで調整をかけた見本で見せてもらいながらフィードバックをもらいます。口頭だけだと認識齟齬が出てしまいそうな部分でも、実物を見ながら説明してもらえるのでわかりやすいです。
- トモヤ
- そういったアドバイスを一つひとつクリアしていって、学生時代と比べて成長したと思う部分はありますか?
- ダイスケ
- 最初の頃より素直になったというのを、付き合いの長い先輩によく言われます。入社後間もない頃は、我流で作品を作っていたこともあり慣れた方法に固執して、チームに迷惑をかけることが多々ありました。さまざまなプロジェクトで仕事をして、共通して重要なことを学んだ結果だと思っています。
- トモヤ
- こだわりがあることは素晴らしいですが、仕事としてチームで作っている以上、それだけでは通らない場面もたくさんありますよね。そのバランス感覚はアーティストとして悩む反面、仕事として面白い部分でもあると思います。
3DCGセクションから見た
サイゲームスという会社と環境
- トモヤ
- 新卒のみなさんから見て「こういうところがサイゲームスらしい!」と思うところはありますか?
- ケン
- ミッションステートメントの1つになる「チーム・サイゲームス」の言葉の通り、人と協力して何かを作ることが好きな人が多い会社なんじゃないかなと思います。あと、最後までこだわり抜くところですね。特に感じたのが『ウマ娘 プリティダービー』のウイニングライブで、キャラクターのダンス中にほとんどの人が気付かないレベルのポリゴンがちらっと見えていたのですが、どんなに小さくても見逃さず、最後まで修正を重ねていました。
- ダイスケ
- こだわりで言うと、僕はゲーム内に登場する全キャラクターの揺れ骨を増やす作業に参加したことがあります。数がとにかく多く、期間を考えると本当にできるのだろうかと不安に思ってしまったのですが、チーム内で技術共有をしたり、ツールをプログラマーに改修してもらって業務の効率を上げたりして、最後はチーム内の熱量が後押しになって完了することができました。何よりも、クオリティーに妥協しない姿勢や「やってやるぞ!」という情熱はサイゲームスらしいところだと思います。
- トモヤ
- 「最高のコンテンツを作る会社」というビジョンそのままのエピソードですね。ヒサミズさんはどうでしょう?
- ヒサミズ
- 開発中のクラッシュ&ビルドには驚きました。一定の完成度のものを作ったけど「思ったより面白くない」となったら軌道修正ではなく一から作り直す思い切りの良さはすごいなと思います。一度作ったからこそより良い方向性やアイディアが見つかりますし、だからこそ最高のクオリティーでコンテンツが作れているんですよね。
- ミナミ
- そういう作り直しは私のプロジェクトでも行われていましたね。でも作り手から不満の声が出ないのは、若手からベテラン勢まで全員「良いものを作りたい」という気持ちが強いからだと思います。3DCGアーティストに限らず他セクションのデザイナーやエンジニア、プランナーなどのメンバーも同じ気持ちであることがすごいです。
- トモヤ
- 現在は在宅のため、現場の空気は感じづらいかなと思いますが、そのあたりはどうですか?
- ミナミ
- 直接の空気感は出社していたときよりも肌で感じづらくはありますが、Slack上でセクション関係なく雑談や情報交換できるチャンネルがたくさんあるので在宅でもコミュニケーションは取れている印象です。
- トモヤ
- Slackのやり取りは活発ですからね!在宅での設備面ではどうですか?
- ヒサミズ
- 最初、自宅での処理速度が遅くて困っていたんですが、システム管理(※)に相談したら会社にリモート操作用のパソコンを1台設置してもらえました。おかげで処理速度が改善されてすごく助かりました!
(※)システム管理……社内機器の発注・管理やソフトダウンロード等のセットアップ、保守を行う専門部署。
- トモヤ
- メンバーの困りごとをすぐに解決してくれるのはありがたいですよね。しかもすごく早い。機器周りの困りごとで待たされたことがないですね。
会社を背負う新卒として
今後の目標と挑戦
- トモヤ
- 3DCGアーティストの先輩として、ゲーム業界を目指す学生のみなさんへのアドバイスをお願いします。
- ダイスケ
- デッサン力を鍛えておくのと、ツールや技術に対する探究心が大切だと思います。デッサン力があれば作品の総合的なクオリティーを上げることができて、日頃ツールを研究することで作業のスピードが上がったり、効率の良い作り方を発見できたりすると思います。
- ケン
- 僕も学生時代にデッサンを多く描いていましたが、そこで身に付いた基礎力が今業務に役立っているなと感じます。その上で学生のみなさんにはぜひ“自分の好き”を追求してほしいです!基礎力があって、さらに好きを追求できれば、より良いものが作れると思います。
- ミナミ
- アドバイスになるかはわかりませんが、私が学生時代に心がけていたことが「今作っている作品を商品にしたらどのくらいの価値があるだろう」と常に考えることでした。人の手に渡ると考えると自分だけが良いと思うのではなく、作品を見た人の気持ちを自然と考えられるようになって、自分作品を客観的に見られるようになりました。仕事でも活かせる感覚ですし、どんどん成長もできるのでぜひやってみてください!
- トモヤ
- 最後に、みなさんのそれぞれの目標を教えてください!
- ダイスケ
- 最終的には、いつかロボットゲームを作る夢があるのですが、今所属しているプロジェクトでの仕事に魅力を感じているので、引き続きここで腕を磨きながらより良いコンテンツ作りをしていきたいです!
- ミナミ
- 直近の目標としては、1人で1マップの背景を作れるようになりたいです。背景アーティストとしては、どんなテイストの背景であっても、写真のワンフレームのようにずっと眺めていたくなるような背景を作れるアーティストを目指していきたいですね。
- ヒサミズ
- 今、新しい挑戦ということで監修もしているので、その経験も活かして一制作者として「ヒサミズに任せれば大丈夫」と安心して任せてもらえるような人材になっていきたいです。「この人がいれば良いものができる」と自然と思ってもらえるようなアーティストを目指します。
- ケン
- 3DCGのキャラモデラーとして、作って終わりではなく、キャラクターの魅力を最大限引き出して、ユーザーの方に「このキャラクターめちゃくちゃ好きだ!」と思ってもらえる制作をしていきたいです。キャラクターに恋をさせるくらい魅力的なキャラクターを作っていきます!
以上、3DCGアーティストチームの新卒による座談会をお届けしました!日頃の業務内容や一人ひとりが大切にしていることがお伝えできれば幸いです。
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