CyFreshers ~新卒1年間の成長記録~ Vol.3 タカヒラ/Cyllista Game Engine開発エンジニアの場合

サイゲームスには、毎年フレッシュな新卒社員が入社しています。「CyFreshers(サイフレッシャーズ)」は、入社2年目の新人社員に、会社や仕事について語ってもらう連載です。彼らがどんな想いを持って入社し、入社後の1年間で何を経験して、どう成長を遂げたのか、そして今どんな夢や目標を持っているのか?率直に語ってもらいました。

2019年新卒 Cyllista Game Engine開発エンジニア タカヒラ
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2019年技術職として新卒入社。研修後、Cyllista Game Engine開発エンジニアとして配属。サイゲームス初のAAAタイトル『Project Awakening』の開発に携わる。

若手にも開かれた職場環境
1年目からゲームエンジン開発

現在はどんな業務を担当していますか?

自社内製ゲームエンジンである「Cyllista Game Engine」を開発する部署で、AIの基礎的な仕組みや、「Cyllista Game Engine」を用いて開発されているAAAタイトル『Project Awakening』のNPC(※)の作成に携わっています。

※Non Player Character(ノンプレイヤーキャラクター)の略で、プレイヤーが操作しないキャラクターのこと

『Project Awakening』の制作陣へのインタビューはこちらもご覧ください。

配属されてすぐNPCの作成を任されたのですか?

そうですね。配属当初はゲームエンジンに触ることはなく、トライアルとして1つのキャラクターのAIを作りました。その後2キャラ目からゲームエンジンに関係する部分も任されるようになりました。

▲「Cyllista Game Engine」で開発中の『Project Awakening』のティザー映像

仕事の進め方はどんな風に覚えていきましたか?

先輩が段階を踏んで仕事を依頼してくれたので、業務の流れ自体は比較的スムーズに覚えていけたと思います。例えばNPC作成については、最初は仕様がほぼ固まっていて、その通りに実装すれば良いものを依頼されました。仕様通りのものを作れることが確認できたら、次は「こういうキャラを作りたい」という、解釈が必要な仕事を要求されるようになり、徐々にハードルが上がっていきました。仕事をする際の具体的な動き方については、トレーナーや先輩エンジニアなど、周りのエンジニアを見て覚えていきました。

職場はどのような雰囲気ですか?

ゲームエンジンを開発する部署ということもあって、経験豊富なベテランの先輩が多く、私が入るまでは若手がかなり少なかったんです。なので、正直最初は馴染めるのか不安もありました(笑)。でも、実際にはみんな気軽に話しかけてくれますし、ディレクターが積極的に良い雰囲気を作ってくれているので、私のような若いメンバーも働きやすいです。
穏やかなだけでなく「開かれている」とも感じています。若手の私でも率直に意見が言えますし、例えばSlackで私が言ったことに対してもきちんとリアクションが返ってきます。若手の意見だからといって軽んじたりせず、良いアイディアであれば採用してくれますし、こちらの認識が足りていなければ指摘してもらえます。経歴に関係なく、チーム内の誰でも発信できるのは良い環境だと思います。

「ゲームエンジンを開発したい」
目標実現のためサイゲームスへ

学生時代はどんなことを学んでいましたか?

小さい頃からゲームが好きだったのと、プログラミングに興味があったので、ゲーム制作の専門学校に入ってゲーム制作全般を学んでいました。ただ、最初からゲーム開発の道に進もうと決めていたわけではなく、プログラミングで作る成果物としてゲームがイメージしやすかったから選んだ感じです。そのため、入学当初はIT企業などにも興味がありました。

ゲーム業界を志すことにしたきっかけは何ですか?

専門学校で学んでいるうちに、ゲーム制作の面白さを実感するようになったからです。特に、東京ゲームショウ(TGS)に出展した経験が大きなきっかけになりました。私が通っていた学校が毎年TGSにブースを出展していて、学生が作ったゲームを展示しているのですが、そのときのユーザーの方々の反応を見て、仕事としてやりたいなと思うようになりました。

それは良い体験ですね。どんなゲームを展示したのですか?

VRのホラーゲームです。同級生との共同制作だったのですが、結果的に私と同様にサイゲームスに入社したメンバーもいます(笑)。展示のときは最高で1時間待ちくらいの行列ができて、自分たちが作ったものをみんなが体験して楽しんでくれることがうれしかったですね。

▲学生時代に制作したVRホラーゲーム

サイゲームスに入ろうと思った理由は何ですか?

元々『グランブルーファンタジー』や『Shadowverse』などのユーザーだったこともあり、興味を持っていました。一方で、専門学校ではフレームワーク(※)を作ることの楽しさを知り、ゲームエンジンを作りたいと思うようになりました。あるとき、サイゲームスが新規のゲームエンジン開発に取り組んでいることを知り、これは自分がやりたいことを実現できる職場なのではないかと思いました。ゲームエンジンを作っている会社に入りたいと思っていて、その中で新規のエンジン開発に取り組んでいる会社ということで、とても魅力的に感じました。

※アプリケーションを開発する際に、利用頻度の高い基礎的な機能をまとめたもの

学生時代に就職活動のために意識していたことはありますか?

人に見せられるものや、話せるネタを用意することですね。自分のことをアピールするにも、やはり具体的なネタがないと印象に残らないと考えたので、目に留まるようにゲームを作ったり、技術職の人の印象に残るようにプログラミングの勉強をしたりしていました。
まずは人事の方に興味を持ってもらうことが大事だろうと思い、見た目の派手さやわかりやすさでアピールするものを準備しました。そして、興味を持ってもらえたら現場のエンジニアの方と話すことになるだろうと思い、そのときにプログラミングの能力が伝わるように低レベル技術(※)などを学びました。今は初めからUnityやUnreal Engineなどの高度な汎用開発ツールが用意されているので、学生が低レベル言語を勉強しづらい雰囲気があります。私はゲームエンジンを開発するには低レベルな部分からしっかり学ぶことが必要だと思っていたので、その部分の習得に力を入れました。

※プログラミング言語のうち、機械語に近い(=低レベルな)言語のこと

1年間の成長と失敗
チームだからこそ重要なタスク管理

この1年で一番達成感を得たエピソードを教えてください。

やはり、最初のNPCを形にしたときだと思います。学生時代からそれなりにプログラミングの経験はありましたが、独自のゲームエンジンということもあって最初は慣れないことが多く、かなり苦労しました。トレーナーにサポートしてもらいながらも形にすることができて、安堵感に加えて「この仕事やっていけそうかも」と手応えを感じたのを覚えています。

ゲームエンジン開発は年単位の長期戦で、作ったものが世に出るまでは相当な時間がかかりますが、モチベーションはどうやって保っていますか?

開発の進捗度合を区切るマイルストーンが設けてあって、マイルストーンごとにチーム内で振り返りをして、自分以外の仕事についても評価したり意見を言い合ったりする機会があるんです。「このキャラクター良いよね」とか「バトルが面白かった」など、フィードバックをもらうことがやる気につながっていると思います。

逆に、失敗したことやこれが大変だった、といったエピソードはありますか?

初めの頃に、プランナーから提出された仕様書をそのまま実装していたことですね。その結果、後々面倒な手直しが必要になりました。
それは指示を出したプランナーが悪いわけではなく、疑問に思っても確認しなかった自分のせいです。面白さに正解がないように、完璧な仕様というのはありません。ベテランのプランナーが作った仕様でも、もしかしたら間違いがあるかもしれない。だから、仕様書を見て疑問や違和感を持ったら、それを伝えることで間違いを見つけたり、より良い仕様にしたりできることを、身をもって学びました。

入社してからの自分を振り返って、成長したと感じる部分はどんなところですか?

タスク管理だと思います。学生時代は自分がプロデューサーでありディレクターでありエンジニアなので、作りたいものを作りたい時間に作る感じで、タスクを管理する発想がそもそも希薄でした。でも仕事では、自分の仕事が他の人の仕事にも影響するし、その逆もあります。大規模開発ではなおさらです。だから、何をするのが効果的なのか、今何を優先するべきなのか、作業に優先順位をつけたり取捨選択をしたりする必要があります。特に見積もりに関しては、最初は実装のみで考えていましたが、設計や仕様の確認時間も勘定に入れられるようになりました。まだまだ未熟ではありますが、少なくとも、タスク管理を意識できるようになったことは成長と言えるのではないかと思います。

それから、自分がゲームを作っているのは、自分が面白いと思うものを入れるためではなく、ユーザーの方々のためだという意識が強くなりました。例えば、ゲーム内の難易度設定に関してもそうです。以前は、開発者として何度も同じNPCを倒したり行動パターンを把握したりしていくうちに、ユーザーの方々の視点ではなく自分の視点で難易度設定をしてしまうことがありました。その結果、「難しすぎる」という指摘をチームのメンバーから受けてしまいました。自分個人としてはちょうど良いと思える難易度を設定したつもりでも、それは自分が開発に携わっている前提があるからであって、ユーザーの方々が感じる「難しい」「易しい」、そして「面白い」とは違います。今は、そのゲームを初めてプレイするユーザーの方々の視点に立つことの大切さを意識して開発に向き合っています。

ベテランの先輩に学ぶ
将来は高い視点を持つエンジニアに

働く上で大事にしていることはありますか?

「思ったことは伝える」ですね。「失敗したこと」のエピソードにつながりますが、自分が受けた違和感や疑問をそのままにしておかないようにしています。最初のうちは「自分がわかってないだけで、他の人にとっては当たり前のことなら、あえて言う必要はないかもしれない」と遠慮していたのですが、その結果、やはり行き違いがあって後悔したことが何度かあったので、今はちゃんと伝えるように心がけています。私の勘違いだったとしても、それを訂正してもらえれば学びになりますし。それに、チーム開発でたくさんの人が関わっている場合、私1人だけが勘違いしているケースは稀で、他にも勘違いしている人がいることが多いので、自分が発言することによってみんなが勘違いに気付けるのは良いことだと考えるようになりました。

今後の目標や目指しているものを教えてください。

高い視点を持って全体を考慮できるようなエンジニアになりたいと思っています。私が今いるプロジェクトはベテランが多く、学ぶべきことはたくさんあります。中でも特に感じるのは、私にはないような視点で課題を見つけたり、問題を理解したりしていることです。技術的な問題自体は、調査や実装に時間をかけることで再現できるかもしれませんが、それ以前に課題を見つける視点を持つことが大事なのだと、先輩たちを見ていて感じます。
他セクションのことやユーザーのみなさんのことをもっと理解することで、高い視点を持って全体的な話ができる。開発チームを率いているディレクターがまさにそういう人なので、少しずつでも近づけたらと思っています。


以上、今回はCyllista Game Engine開発エンジニアのタカヒラへのインタビューをお届けしました。本連載では、今後もフレッシュに活躍する新卒の姿をシリーズでお伝えします。お楽しみに!
また、現在サイゲームスでは2022年新卒採用 のエントリーを開始しております。ゲームづくりに熱い気持ちを持つ学生のみなさまのエントリーをお待ちしております!

2022年新卒サイト

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