SurreさんとRiowhさんが活用したeスポーツ『Shadowverse』プロ選手の「セカンドキャリア支援プログラム」とは?
サイゲームスは、本格スマホ e スポーツ『Shadowverse(以下、シャドバ)』のプロリーグ「RAGE Shadowverse Pro League」(※)に所属する選手の引退後のキャリアを支援する制度「セカンドキャリア支援プログラム」に取り組んでいます。今回、プロeスポーツ選手として活躍後、当プログラムを活用して新たな道を歩むSurre(サレ)さんとRiowh(リオウ)さん、当プログラムを担当するサイゲームススタッフによるてい談を実施。SurreさんとRiowhさんには現役時代や現在の活動について、サイゲームスの担当者には当プログラムの概要を聞きました。
※2022年度から「RAGE SHADOWVERSE PRO TOUR」に改称。この記事では、2021年度までの話題に対して「プロリーグ」と表記しています。
- Sekappy アンバサダーSurre
- 2017年の“RAGE Vol.5”に初出場で優勝を飾る。プロリーグが発足した2018年からプロeスポーツチームの「Libalent(リバレント)」に所属し、2022年引退。現在はSekappyのマーケティング部に所属し、広報やイベントの企画・運営に携わる。
- 『Shadowverse EVOLVE』公式アンバサダー Riowh
- 2018年の“World Grand Prix”で3位になり、脚光を浴びる。2019年からプロeスポーツチームの「G×G(ジー・バイ・ジー)」のメンバーとしてプロリーグで活躍後、2022年引退。現在はサイゲームスで『Shadowverse EVOLVE』の公式アンバサダーを務める。
- マーケティング本部 副本部長ナオキ
- 2017年入社。『Shadowverse』のプロリーグの立ち上げや世界大会の運営などを担当後、現在は広告宣伝を担う「マーケティング本部」の副本部長としてマネジメントを担う。セカンドキャリア支援プログラムは立ち上げから参加している。
現役時代の振り返りと
引退後の心境
『シャドバ』のプロとして活躍後、2022年4月から新しい道を歩み始めたSurreさんとRiowhさんですが、現在の心境はいかがですか?
Surre これまで自分が選手として参加してきた『シャドバ』に関するイベントに、今度はSekappyのスタッフとして企画や運営の立場から関わるようになったので新鮮な気持ちです。イベントに携わるのは子どもの頃からの夢でもあったので、楽しく仕事ができています。
Riowh 僕はサイゲームスに入社してから5月の連休くらいまで、『Shadowverse EVOLVE(以下、エボルヴ)』の講習会で全国を飛び回りました。ファンの方と交流したり、カードショップの方々にごあいさつさせていただいたりしました。
ナオキ 『エボルヴ』は発売以来、ご好評をいただいているのでとてもありがたいですよね。
Riowh カードショップならではの熱気を感じられたと言いますか、みなさんが楽しく遊んでくださっているのを直に見られたので、有意義で楽しい時間でした。ちなみに、Surreさんは『シャドバ』以外にもカードゲームされていましたか?
Surre してましたね。
Riowh それだったらカードショップにも馴染みがあるかもしれませんが、僕は『シャドバ』からカードゲームを始めたので、カードショップに行ったことなかったんですよ。ショップの文化を知らなかったので、とても新鮮でした。
ナオキさんはプロリーグの立ち上げから携わっているので現役時代のお二人のことも知っているかと思います。現役時代とサイゲームスに入ってからのRiowhさんの印象に違いはありましたか?
ナオキ Riowhさんは世界大会で3位になった2018年当時、孤高な感じの印象がありました。
Surre 確かにRiowhさんは当時、唯一無二というか独特の雰囲気がありました。確か2018年の世界大会の予選で、一気にRiowhさんの名前が広まりましたよね。予選はfegさんが優勝してRiowhさんが準優勝で、そこからずっとお二人がライバル関係にあるような印象でした。
Riowh 恥ずかしい(笑)。
Surre ただ、実際にお話ししてみるととても気さくな方で、イメージと全然違いました。
ナオキ 私もSurreさんと同じで、実際にRiowhさんとお話しすると印象が変わりました。先日、岡山での『エボルヴ』講習会に同行したときすごく話しやすくて、一緒にお仕事していて楽しかったですね。
ナオキ Riowhさんは、Surreさんにどんな印象を持っていましたか?
Riowh ご本人を前にして恥ずかしいですけど、Surreさんはすごいスターなんですよ。だって初期の頃の「RAGE」王者ですし、プロリーグも発足当時から活躍されていましたから。
Surre いやいや(笑)。
Riowh 実は2017年の「RAGE」は僕も初出場した大会でした。僕は予選敗退だったのですが、そのときのチャンピオンが同じく初出場のSurreさんだったので、レベルの高さが印象に残っています。
Surre 自分もあのときの「RAGE」は一番印象に残っていますね。あの優勝が自信に繋がりましたから。優勝者には出場権を与えられたので世界大会にも出ましたし、日本・台湾・韓国の対抗戦も経験できました。そうやって活動していくうちにプロリーグの発足が発表されたので、その流れで「プロになろう」と決めたんです。
ナオキ Riowhさんは世界大会への出場がプロになるきっかけでしたか?
Riowh そうですね。当時は大学院生で研究室に所属していたので、大学側に「『シャドバ』の世界大会に出るので1か月休ませてください!」とお願いしたんです。それだけ熱を持って練習に専念したかいもあって世界大会で3位になれたんですけど、優勝できなかったのがすごく悔しくて……。
ナオキ 世界大会で3位は立派な成績ですけど、それでも悔しかったんですね。
Riowh 「自分が一番上手いんだ」と自信を持って臨んでいたので、落ち込みました。そんなとき「G×G」というチームがプロリーグに参入すると発表があって、「ここに所属すればまた『シャドバ』で活躍できるかもしれない」と思ったんですよね。タイミングってすごく重要だなと今も思います。
ナオキ 大学院生なら、就職か『シャドバ』のプロになるかで迷いませんでした?
Riowh 『シャドバ』のプロ選考の1か月後くらいからが就活のシーズンだったので、プロ選考に落ちたら就活をしようという感覚でした。
引退を意識した瞬間と
セカンドキャリア支援プログラムの役割
『シャドバ』のプロにおける選手寿命はどれくらいなのでしょうか?
ナオキ 選手によってそれぞれです。いろんなカードが絶え間なく登場し、ゲーム内の環境も目まぐるしく変わるので、年齢で引退を決めるというより、そのスピード感やゲーム環境の変化についていくこととの兼ね合いなどでご決断されているのかなと個人的には思います。
Riowh 確かに囲碁や将棋みたいに、年齢は関係ないですよね。
Surre そうですね。むしろ経験があったほうが有利な部分もありますし。
SurreさんとRiowhさんはプロリーグの黎明期から活躍されてきて、いつ頃から引退を意識するようになりましたか?
Surre 最初に「引退」が浮かんだのは、2021-22のファーストシーズンでした。最終戦で試合に負けて、そのままチームの負けにも繋がってしまい……。そこで自分の限界を感じたので引退を意識するようになりました。
Riowh 僕はG×Gの選手としての出場機会がなくなっていったので、だんだん「これはもう引退かな」と考えるようになりました。
セカンドキャリア支援プログラムを知ったのはいつ頃でしたか?
Surre 2021年の9月ぐらいでした。引退を考えて色々と調べているうちに、チームメンバーからこのプログラムのことを聞いて、マネージャーに紹介してもらいました。
Riowh 僕もSurreさんと同じころから制度の話は耳に入っていて、マネージャーから紹介されたのは2021年の年末くらいだったように思います。
当プログラムは、どれくらい前から動き出したのでしょうか。
ナオキ 動き出しは2021年の春頃からでした。これまで『シャドバ』の大会やイベントを通してお付き合いのあった全国各地の企業にご連絡し、「プロリーグに所属する選手のセカンドキャリアを支援する」という活動にご賛同いただける企業をリストアップしていきました。eスポーツ関連の企業やPCメーカー、eスポーツ活動に力を入れている一般企業など、幅広くご参画いただいています。
選手が当プログラムを利用するまでの流れを教えてください。
ナオキ まずはチーム経由で我々にご連絡をいただき、必要書類を確認して選手と面談いたします。そこで選手が今後やりたいことを聞かせていただきながら、紹介先の企業リストから希望の条件に合う職種などを検討しています。最終的に選手と企業がマッチするかどうかは当事者間の話なので私たちが関与できない部分もありますが、橋渡しをするまでは責任を持ってやらせていただいています。サイゲームスが転職エージェントのような役割を担っているかたちですね。
Surre 僕はセカンドキャリアとしてイベントの企画や運営にとても興味がありました。Sekappyはeスポーツ大会の運営をしていますし、『シャドバ』をやってきた自分の経験も活かせそうだったので紹介していただきました。
Riowh 僕は『シャドバ』を運営する会社なので、サイゲームスに一番惹かれました。
支援を希望する選手の募集時期を教えてください。
ナオキ 随時受け付けています。基本的にチームからご連絡をいただいたら、こちらとしては全力でサポートいたします。また、引退するタイミングでしかご利用いただけないわけではなく、過去に引退されている元プロ選手も対象です。
当プログラムが出来る前だと、引退した選手はどのようなセカンドキャリアを歩まれることが多かったのでしょうか?
Riowh SNSなどで自分の進路を発信していない方だと、その後が追いにくい部分はありますよね。
Surre そうですね。ただ、学生をやりながらプロ活動をして、就職を機に引退する方が多い印象です。自力で就職先を探している感じですよね。それだと『シャドバ』のプロとしての経験を活かせる仕事に就けているかどうかは別の話になってくるのかなと。
ナオキ 我々としては、プロとして培ってきた経験やスキルを活かせる道しるべを作っていきたいと考えているので、ぜひこの制度を活用していただきたいです。
「安心して選手人生を謳歌して」
現役選手やプロを目指す方々へ
新年度からセカンドキャリアを歩み始めたばかりではありますが、SurreさんとRiowhさんの今後の目標を教えてください。
Riowh 僕はプロとして得たものをサイゲームスで活かして、「最高のコンテンツを作る」ことに貢献していきたいと思っています。
Surre プロは引退しましたが、いちプレイヤーとして『シャドバ』への向き合い方は変わっていません。世界大会に出たことはあるものの悔しい結果に終わっているので、「世界大会で優勝する」という夢を叶えたいです。
現役選手や、『シャドバ』のプロを目指している方々にメッセージをお願いします。
Surre 引退後は素敵な企業をご紹介していただけるので、現役の選手には安心して悔いのない選手人生を謳歌してほしいと思います。プロを目指している人も、将来のことを考えてつまずく必要はないので、ぜひプロの舞台に臨んでいただきたいです。
Riowh 僕自身がそうだったんですけど、プロとして活動しているといつかは引退を意識するときがきます。ただ、基本はセカンドキャリアを意識せず、自分のプロとしての活動に全力で打ち込んでいってほしいです。
ナオキ お二人からもあったように、現役選手にこのプログラムをすごく意識していただきたいわけではなく、この制度が少しでも良いのでプロとしての活動に専念できる安心材料になればと思っています。まずはプロ選手としてベストを尽くしていただき、もしセカンドキャリアを意識することがあったらご相談ください。
また、セカンドキャリア支援プログラムがあることが、「『シャドバ』のプロを目指したい」と思う1つの要素になるとうれしいです。