2020年3月15日にサイゲームス初のNintendo Switch用ソフトとして制作を発表し、本日5月29日に発売日も明らかになった『シャドウバース チャンピオンズバトル(以下、チャンピオンズバトル)』。
本格スマホeスポーツ『Shadowverse(以下、シャドバ)』のスピンオフタイトルとして立ち上がった本作の制作コンセプトや、『シャドバ』というIPを広げていくことへ想いを、プロデューサーを務める木村唯人に取材しました。

『シャドウバース チャンピオンズバトル』プロデューサー木村 唯人
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東京大学大学院卒業後、カナデン、シリコンスタジオを経て、2011年に代表・渡邊耕一とともに、サイゲームスを設立。『神撃のバハムート』をはじめ、『グランブルーファンタジー』『Shadowverse』『プリンセスコネクト!Re:Dive』のプロデューサーを務める。2019年4月より専務取締役に就任。経営と並行して、各代表タイトルのプロデューサーとして、ゲーム開発にも深く携わっている。

スマートフォンの世界から飛び出した
新たなShadowverse

初めに、『チャンピオンズバトル』について簡単に紹介をお願いします。

本作は、スマホカードゲームの『シャドバ』から派生したコンシューマーゲームで、ハードはNintendo Switch(以下、Switch)です。今回サイゲームスとしては初めてのSwitch用ソフトということで、意欲的に新しい技術や工夫を取り入れました。Switch特有の大きな画面だからこそ味わえる迫力と見応えのあるカードバトルにも注目していただけるとうれしいです。

今回Switch向けに開発することになった理由は何でしょうか?

色々な場所でSwitchを持ち寄って楽しそうにプレイしている人たちを見て、「世代の垣根を越えて、友達や家族で顔を合わせながらワイワイ楽しめるゲームを作りたい」と思ったことがきっかけでした。『シャドバ』はカードゲームなので、リアルなカードを使って遊ぶカードゲームのようにSwitchを持ち寄ってプレイできたら楽しいだろうなと思って制作に踏み切ったというわけです。

なるほど。それでは本作の特徴について教えてください。

本作の大きなポイントになっているのが、テレビアニメ『シャドウバース(以下、アニシャド)』と連動した世界観を持っていることです。『アニシャド』は2020年4月より放送を開始していますが、『チャンピオンズバトル』は、この『アニシャド』と、物語の舞台や登場キャラクターなど、世界観のさまざまな部分がリンクするかたちで作られています。つまり、『チャンピオンズバトル』単体ではもちろんのこと、『アニシャド』を知っているという方にはよりいっそう楽しんでもらえるゲームになっているんです。

▲『アニシャド』に登場するキャラクターたちは本作でも登場します

アニメとゲームがセットで展開されるんですね!『チャンピオンズバトル』や『アニシャド』の世界観と『シャドバ』の世界観はまた違うものなのでしょうか?

『シャドバ』は、世界観のあらゆる部分でリアリティーや重厚感というものを大切にしていて、ストーリーでは8人のキャラクターが織りなすダークな群像劇が繰り広げられています。全体的に大人向けに作られた世界観のゲームと言えるかと思います。
一方で、『チャンピオンズバトル』や『アニシャド』は、これまでも『シャドバ』を遊んでくださっている方々に加え、より幅広い世代の方に『シャドバ』というIPを楽しんでもらいたいという想いで世界観を構築していきました。
具体的には、物語のメインとなる舞台を天青学園という学園にし、私たちが想定する『チャンピオンズバトル』のプレイヤーの方々や『アニシャド』の視聴者に近い年齢の学生や子どもたちがメインキャラクターとなるかたちで設定を掘り下げ、ストーリー制作を進めました。

▲『チャンピオンズバトル』のゲームの舞台となる天青学園付近のマップ画面

両者の世界観や雰囲気の違いに驚かれる方もいらっしゃると思いますが、『シャドバ』本編とは一味違った、でも本編に負けないくらいの熱い世界観をお楽しみいただけると思います。

コンセプトは「カードゲームとRPGの融合」
誰にでも楽しんでもらえるカードゲームにするために

世界観の違いについてはよくわかりました。ゲーム性に関してはどのようになっているのでしょうか?

『チャンピオンズバトル』の基本となるカードゲーム部分は『シャドバ』と同一の仕様で開発しています。ただ、『シャドバ』には未登場で、『チャンピオンズバトル』のみに登場するオリジナルカードは用意しました。

▲『アニシャド』主人公の竜ヶ崎ヒイロが使用する「イグニスドラゴン」も本作に登場します

それは楽しみですね!他にも『シャドバ』との違いがあれば教えてください。

『チャンピオンズバトル』は「カードゲームとRPGの融合」というコンセプトを掲げているのですが、そのコンセプトが『シャドバ』との一番の違いになっています。
これは『シャドバ』に限った話ではないのですが、カードゲームというジャンルには、プレイヤーの方々が膨大なカードの種類や性能を覚えたり、複雑なプレイルールを熟知しなければならなかったりなど、「気軽にゲームを始めづらい」という課題が存在します。
『チャンピオンズバトル』では、カードゲームとRPGを融合することで、初めてカードゲームをプレイするという方にもわかりやすく、楽しんでいただきやすいゲームのあり方を目指しました。

具体的にRPG要素はどのようにゲームに取り込まれているのでしょうか?

ゲーム全体にRPG特有のストーリー性を強く持たせ、『アニシャド』とリンクした多くの魅力的なキャラクターを登場させています。主人公はヒイロたちとともに、廃部の危機にあるシャドバ部の復活を目指していくのですが、そういったストーリーやキャラクターたちを通して、カードゲーム自体にも親しみを持ってプレイしてもらえればと思っています。

システム面でゲームを始めやすくする工夫などもあるのでしょうか?

例えば、特にハードルになりがちなプレイルールに関しては、ゲーム内で対戦中のガイド機能を充実させ、わからないことや覚えきれていないことがあっても安心してプレイできるようにしました。全くルールがわからなくても、メインストーリーでガイド機能を使いながらプレイしてもらえれば、ルールや用語を徐々に覚えていくことができます。
また、ゲーム内に100人以上いるNPCとのバトルや友達同士での通信対戦、世界中のプレイヤーと対戦できるオンライン対戦、個人で遊べるミニゲームなど、さまざまな遊び方ができるように工夫してあるので、一人ひとりに合った楽しみ方ができると思います。

それだけ遊び方が用意されていれば、幅広いプレイヤー層の方々にすんなり遊んでいただけそうですね!ちなみに『チャンピオンズバトル』はサイゲームス初のSwitch向けのタイトルですが、Switchのタイトルとして工夫したことは何かありますか?

Switch向けの開発という意味では「触り心地の良さ」を特に意識しました。ゲームのメインとなるカードバトル部分は、タッチスクリーンとコントローラーの両方を使って遊べるようになっていますが、タッチスクリーンの触り心地は、スマホ版の開発で培った経験を基に「コンシューマーゲームでもカードバトルを快適に遊んでもらうためにどうすれば良いか?」ということをとことん考え、試行錯誤しました。レスポンススピードはもちろん、コントローラーでも操作・選択しやすいUIデザイン、ユーザーの視線の導線など、実際に何度もプレイしてブラッシュアップしています。

スマホ版の開発・運営経験が活きているんですね。先ほど、オリジナルカードのお話が出ましたが、その他にも本作のオリジナル要素はありますか?

オリジナルの楽曲も用意しています。『シャドバ』の音楽を担当している池頼広さんに『チャンピオンズバトル』の世界観に合わせて書き下ろしていただきました。バトルシーンの、思わず口ずさみたくなるほど印象的なサウンドは聞いているだけでワクワクしてもらえるはずです。また、強力なレジェンドカードを使う際の演出にも非常にこだわっているので、是非注目していただければと思います。

▲レジェンドカード使用時の演出は本作でしか見られない特別なもの!勝敗を左右する力を持つカードの演出が戦いをさらに熱くします

“今”を見据えた開発
IPの魅力を最大限引き出すために

『シャドバ』というタイトルをIPとして展開して別のゲームを作る、というのは本作が初の試みだと思いますが、プロデューサーとして気を付けたことはありますか?

2つあって、1つは『チャンピオンズバトル』に限らない話なんですが、新しいコンテンツを生み出すときには、その時その時の世の中の流れや流行を見据えることを常に意識しています。
コンシューマーゲームでもスマホゲームでも、1つの作品を作ろうとすると、企画からリリースまでに年単位の時間がかかります。企画時点の流行や世間の流れをリリース時まで反映させようとするのでなく、都度「“今”最高のコンテンツにするためにはどうすれば良いのか」という意識を忘れずに持つのが大事かなと思っています。
『チャンピオンズバトル』も、作り始めたときと制作の発表を迎えた今とでは、世間の流行りや流れは全然違っていると感じます。

もう1つは何でしょうか?

もう1つはリリース後、原作やアニメとのコラボやメディアミックス、グッズ展開など、どうすればコンテンツの魅力をフルに味わってもらうことができるか、そのための展開をどうしていくかをしっかりと考えることです。
『チャンピオンズバトル』の盛り上がりが『シャドバ』に還元され、その影響が『チャンピオンズバトル』にも返ってくる、というIP全体での良いサイクルを作りたいですね。

強いIPを生かして、ゲームを含む幅広いコンテンツで展開できるのはサイゲームスの強みかもしれないですね。

そうですね。作品に関わるスタッフにとってもIPを総合的に盛り上げるために工夫し、社内でさまざまな施策を練っていくことは貴重な経験になるのではと思います。プランナー、デザイナー、エンジニアなど一人ひとりがコンテンツの枠を超えた業務に取り組んで実力を磨いていけますし、開発者側にいる一人として私もとてもワクワクします。

最後に、『Shadowverse』全体の今後の展望を教えてください。

1番大きな目標は、『Shadowverse』の世界をもっともっと広げて、世界中のみなさんに遊んでいただけるゲームに育てることです。
『チャンピオンズバトル』はアニメと共に海外展開を予定しています。ゲーム・アニメの枠にとらわれず、『シャドバ』の魅力を全世界に広げていくための起爆剤にしたいですね。そのために、社内のさまざまなセクションと協力して、国内外にムーブメントを巻き起こしたいと思います。
そして、6月には『シャドバ』が4周年を迎えます。今後、10年、20年続くコンテンツへと成長させていくために、ユーザーのみなさまに驚いてもらえるような新しい挑戦、そして進化を続けて行きたいと思います。

『シャドウバース チャンピオンズバトル』公式サイト