eスポーツタイトルとしての展開を見据えて開発された『Shadowverse(以下、シャドバ)』。その広がりは、「RAGE」や「Shadowverse World Grand Prix」といった競技性の高い大型賞金制大会への参加だけに留まりません。カードショップや飲食店などで行われる「ES(イベントサポート)」大会や、JCG(※eスポーツ大会のプラットフォーム)が運営しているオンライン大会といった、初心者でも気軽に参加できる小・中規模の大会も数多く展開しています。『シャドバ』文化の裾野拡大を目指すメディアプランナーのみなさんに、大型大会に参加するだけではない『シャドバ』の多様な楽しみ方を聞きました。

草の根運動でコミュニティーを活発化
「RAGE」でギネス世界記録™樹立!

『シャドバ』の大会といえば、「RAGE」や「Shadowverse World Grand Prix」といった大規模なものがよく知られていますが、それ以外にもさまざまなイベントがあります。大小問わず幅広い取り組みが増えていったのにはどういった背景があるのでしょうか?

『シャドバ』は2016年にリリースした当初から、色々な地域や年齢層の方々にたくさん遊んでいただいていました。また、多くのユーザーの方々がいるからこそ、場所や年齢などを問わず全方位的に楽しんでいただけるような取り組みが必要不可欠でした。そこで最初に取り組んだのが、オフラインの大会やイベントの開催を支援する「ES」です。リリース後、カードショップなどの店舗さんから「大会を開きたい」という声を多くいただいており、我々としても大都市だけでなく各地でコミュニティーが立ち上がってほしいという思いでスタートした活動です。

「ES」はサイゲームスやシャドバ運営事務局が主催・運営するものではなく、オフラインイベントを開きたいと手を挙げてくださった各店舗さんが自主的に開催するかたちです。カードショップや飲食店など、全国各地で小規模大会を開催いただいたことで、『シャドバ』ファンの方々のコミュニティー拡大に繋がっていきました。こうした草の根の活動から競技シーンが盛り上がっていったという経緯があります。

▲『シャドバ』公式サイトの「ES」大会の開催申し込み画面

「ES」大会はどんな場所でどのように開催されているのでしょうか?

カードショップやゲームバーでの開催が多いですが、『シャドバ』を好きな人がいる場所ならどこでも開催できるというのが根本としてあります。ホテルのロビーや美容室、銭湯で開催いただいたこともありましたね(笑)。スマートフォンで遊べるタイトルなので、個人が持っているスマートフォンにアプリが入ってさえいれば大会を開くことができます。また、カードの能力や勝敗に関してもゲームが自動で処理してくれるので、主催者の方から運営がしやすかったとお声をいただくこともあります。

「ES」大会について、サイゲームスの運営事務局が対応することは賞品のご提供や告知のお手伝いに留めていて、内容や規模などは基本的に主催者さんにお任せしております。あくまで主催者さんと参加者のみなさんで1つの小さなイベントを作るというかたちにして、ある程度自由に遊び方を決めていただいたほうが良い雰囲気や特色が出るのではないかと考えているからです。

▲ゲームバーで開催された「ES」大会の様子
▲温泉で開催された「ES」大会の様子。休憩スペースを利用して行われたそうです

『シャドバ』は競技としての人気が高まった現在も、大型大会だけではなく小規模大会も大事にしています。そこにはどういった思いがあるのでしょうか?

ユーザーの方々の満足度やモチベーションを全方位的に高めていくことを最大の目的にしています。大型大会は競技志向の上級者にとって大きなモチベーションとなりますが、初めは大会に参加すること自体に高いハードルを感じる方が多いと思います。普段、大規模な大会に出場していない方でも、ご自身がよく行く店舗での「ES」大会を通して出場経験を積んだり、仲間ができたりすることによって大型大会へ挑戦するきっかけが生まれてほしいと思っていますし、それらが、結果として大型大会の盛り上げにも繋がっていきます。

例えば、過去にオフラインで実施していたRAGEでは会場に観戦エリアがあり、そこのモニターに普段から同じ「ES」大会に参加している仲間が映ると、仲間内で応援するような光景も見られました。このように小さなコミュニティーを支援したことが良い方向に作用しているので、引き続き大小問わずイベントを大切にしていきたいと考えています。

運営側として「ES」大会を続ける中でのやりがいは何でしょうか?

『シャドバ』はもともと対面しなくてもオンライン上で十分楽しめるゲームであるにもかかわらず、それでも仲間を求めてオフラインのイベントに参加してくださるのは非常にありがたいことだなと思います。「ES」大会は全国各地のいろんなところで開催していて、SNSで「今日初めてES大会に参加します」「ES大会で友人が増えた」といった投稿が見られるのはうれしいですね。

「ES」大会以外のオフライン大会についても教えてください。

eスポーツタイトルとして開発された『シャドバ』を競技としてさらに普及させるため、CyberZが運営されていたeスポーツイベント「RAGE」にて、2016年から大型賞金制大会をスタートさせ、その後世界大会である「Shadowverse World Grand Prix」を17年の冬から3年連続で開催しています。その他には、17年の夏から、当時まだRAGEに出場できなかった高校生が参加できる競技の場を作るために「全国高校生シャドウバース選手権」(現:シャドバ甲子園)を開き、18年からは女性プレイヤーが対象の「Shadowverse Queen’s Cup」、19年からは大学生を対象としたリーグ戦「Shadowverse University League」をそれぞれスタートさせました。

RAGEは最初の頃は定員が1000人でしたが、今年1月に開催した大会では「オンライントレーディングカードゲームを同時に同一会場でプレイした最多人数」でギネス世界記録™を樹立しました!eスポーツ業界の盛り上がりと比例して、大型大会の規模がここ3年間でどんどん大きくなっていっている実感がありますね。

新型コロナウイルス感染症による影響で参加者増
オンライン大会の今

オフライン大会の他、オンライン大会も実施していますが、外出自粛の風潮により需要が高まっているのではないでしょうか?

オンライン大会はJCGさんに運営していただいていて、定期的に行っているのは、3か月に1度開催される、優勝賞金100万円の「ミリオンカップ」と、週に6回以上開催される「JCG Shadowverse Open」の2つです。
オフライン大会の開催が難しくなったタイミングで、シャドウバースチームとしてもオンラインの需要が高まるだろうと思い、JCGさんと一緒にオンライン大会に力を入れてきたのですが、その甲斐もあり、多くの方が大会にエントリーしてくださいました。

ただ、緊急事態宣言が出された4月に開催した「ミリオンカップ」では、エントリー数が定員を大きく超えるかたちとなってしまい、ユーザーがモチベーション低下につながって急遽5月にも追加で大会を開催することになりました。また、「JCG Shadowverse Open」は緊急事態宣言の発令中、通常の何倍ものエントリーがあり、ご参加いただくのが難しい状況でした。

オンライン大会の需要が高まったことで、運営面でも変化があったのではないでしょうか?

はい。より多くの方にご参加いただける環境を急ピッチで整備する必要がありました。「ミリオンカップ」を追加で開催したのは、大会に出場できなかったことでユーザーのみなさんにモチベーションを下げていただきたくなかったからです。また、同じ内容の大会ばかりにならないよう、ご友人と一緒に戦える3人のチーム戦や、トーナメント形式ではないスイスドロー(※)形式で開催するなど、バリエーションを持たせながら、ユーザーのみなさんにお楽しみいただけるよう工夫しています。

※同じ勝ち数の人と対戦し、負けても引き続き大会に参加できるトーナメント形式。

プレイだけじゃない「見る楽しみ」
公式番組やわかりやすい実況解説で魅力を発信

eスポーツはプレイするだけでなく観戦する楽しみ方もあると思います。「見る楽しみ」を広める工夫を教えてください。

『シャドバ』公式番組の放送がそういった工夫にあたると思います。YouTubeで配信している総合バラエティー番組「しゃどばすチャンネル」(不定期配信)と、OPENREC.tvで放送している「水曜日のシャドウバース」(毎週水曜20時~)が主な2つです。「しゃどばすチャンネル」はゲームにご出演いただいている声優さんたちによる番組で、ライトユーザーの方でもお楽しみいただけるようになっています。「水曜日のシャドウバース」は、プロ選手などにもご出演いただきながらゲームの情報発信や出演者同士で実際に対戦していただくなど、より実践的な内容をお届けしています。あとは毎年6月のAnniversaryタイミングや大規模大会、プロリーグの開催に合わせて生放送をお届けしています。

▲「しゃどばすチャンネル」の様子。アリサ、エリカ、イザベル役の声優を務める3人が『シャドバ』の魅力を伝えたり視聴者からのお便りを紹介したりする総合バラエティー番組です
▲「水曜日のシャドウバース」の様子。プロ選手やタレントの方々にご出演いただき、プレイ動画やバラエティー企画などをお届けしています

配信番組は、基本的にはすでに遊んでいただいている方々に、よりゲームへ興味を持っていただくことが目的です。ただ、大会での上位入賞を目指す人もいれば、配信者のプレイ動画を楽しんでいる人もいるなど、ユーザー層に幅がある分、ゲームの楽しみ方もさまざまなので、いろんなユーザーの方々に楽しんでいただきたいという想いで作っています。

カードゲームはルールを知らないとゲームの局面がわかりにくい側面もありますが、プレイ動画を初心者でも楽しめるようにするためにどんな工夫をしていますか?

大規模大会やプロリーグの配信の話ですが、実況解説のクオリティーにはかなり力を入れています。元アナウンサーの方を起用したり、外部のゲーム攻略媒体さんと一緒に「実況解説オーディション」を開いて、ユーザーの方々にゲームをわかりやすく解説してくださるキャスターの方を募集したりしました。今でもプロリーグの収録後には必ず実況解説の方々と反省会をしていて、ライトユーザーの方々にも「見て楽しむ文化」が浸透していくよう日々試行錯誤しています。

プレイする楽しみも見る楽しみも年々広がっていくと思いますが、メディアプランナーチームの今後の方針を教えてください。

引き続き、幅広いユーザーの方々に楽しんでいただけるよう既存の大会・イベント・配信番組のクオリティーアップをしっかりやっていきつつ、もっと喜んでいただけるように新しい企画の立ち上げを積極的に行っていきます。

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響でオフラインイベントの開催がなかなか難しい状況となりました。ただ、4月にTVアニメ『シャドウバース』の放送が始まり、11月にはサイゲームス初のNintendo Switch用タイトル『シャドウバース チャンピオンズバトル』が発売されます。これまで以上にユーザーの方々に注目していただける非常に重要な年であると認識しているので、引き続きチーム一丸となって『シャドバ』文化の普及に貢献していきたいと思います。