9月1日に9周年を迎えたサイゲームス初のタイトル『神撃のバハムート(以下、バハムート)』。
サイゲームスの歴史の始まりとも言える本タイトルでは、本格的なファンタジーを味わえるストーリーはもちろん、そのストーリーに負けないくらい多彩で個性的なキャラクターたちが数多く登場します。
今回はリリース9周年を記念して、キャラクターたちを生み出し、育ててきたシナリオチームにインタビューを敢行!
彼ら・彼女らを生み出すにあたって工夫してきたことや、『バハムート』のキャラクターとしてのこだわり、制作の裏側、そして、そんなキャラクターたちが一切登場しないイレギュラーな9周年イベントが誕生した経緯など、『バハムート』のキャラクターについてたっぷり語っていただきました。

幅広い表現を可能にしている秘訣とは?
『バハムート』だからこそ生まれた多彩なキャラクターたち

今回は『バハムート』のキャラクターに焦点を当ててインタビューできればと思いますが、10年目を迎えて相当の数のキャラがいますよね?

もう数えきれないくらいいますね(笑)。有名どころではオーキス、ネルシャ、グリームニル、オルトロス、オリヴィエとかでしょうか。『グランブルーファンタジー』や『Shadowverse』にも登場している、サイゲームスの中でもおなじみのキャラクターたちです。

▲左からオーキス、ネルシャ、グリームニル、オルトロス、オリヴィエ

どのキャラクターも人気が高いですよね!『バハムート』のキャラクターたちはどのようなフローで誕生しているんですか?

実はキャラクター作りの明確なフローや正確なルールは存在していないんです。『バハムート』のシナリオチーム内で話し合って作りあげることもありますし、シナリオライターが独自に作り出すこともありますし、イラストレーターと協力することもあります。

思った以上に発想の間口が広いんですね。

サイゲームスタイトルの中でも作り方としてかなり自由度が高い方だと思います。
フローだけではなく、『バハムート』というタイトル自体そういったマインドが強いかもしれません。例えば、多くのタイトルではそれぞれ独自の世界観があって、絵柄もシナリオの傾向もその世界観に合わせて統一されていることが多いです。しかし、『バハムート』では、絵柄はイラストレーターごとの個性がかなり強く出ますし、シナリオもシリアスなものからコミカルなものまで満遍なく存在します。
「『バハムート』だからこうしなければいけない!というものがない」というのが逆に最大の個性かもしれないですね。そのおかげで多彩なキャラクターやシナリオなど、幅の広い表現ができているのかなと思います。キャラクター作りでもそれは同じです。

キャラクターの振り幅はどれくらいあるのでしょうか?

例えばオーキスは非常にシリアスな背景を持ったキャラクターです。オーキスは人形の女の子なんですが、ときには騎士(プレイヤー)を裏切ることもある、すごく重たいものを背負っています。その一方で、オシャレ王国の女王・ネルシャのようなトンデモな設定をもったコミカルなキャラクターもいます。

多様なキャラクターがいることで、より多くのユーザーさんに刺さりそうなキャラクターデザインやストーリーが作れそうですね。

そうだとうれしいですね!ストーリーでもキャラクターでも根本はすべて「ユーザーのみなさまに楽しんでいただきたい」という気持ちなので。ユーザーの方々に楽しんでもらえるかたちを模索しながら柔軟に作れるのは『バハムート』の強みかもしれないです。

“記号化”と“言葉の書き分け”
個性の光る奥深いキャラクターにするために

これまで生み出してきたキャラクターたちの中で、特に印象深かったキャラクターはいますか?

どのキャラクターたちも思い出は色々ありますが、強いて挙げるとするとグリームニルになります。

グリームニルはユーザーのみなさまからとても支持いただいているキャラクターの1人ですので、「待ってくれている方々の期待に応えるシナリオを書かなきゃいけない」と、一番背筋を伸ばして書いていますね。
口調も特徴的で、グリームニルらしさを表現するのは少し難しいのですが……手がかかる子ほど可愛いと言いますか、一番放っておけないキャラクターですね。

手がかかるのとは逆に、書きやすいキャラクターもいるのでしょうか?

書いていて純粋に楽しいと思うのは、三破壊神のヴィズヤ、イザルエ、ジオテトですね。特にジオテトはシナリオチーム内で相談しながら作り上げていったキャラクターなので、思い入れもありますし、シナリオも書きやすい気がします。

▲左からヴィズヤ、イザルエ、ジオテト

あとは、煌閃の騎士団という組織がメインのシナリオで出てきたキャラクターたちは印象深いです。特に、ラスボスとなったシンは書いていて楽しいキャラクターです。

キャラクターごとにいろんな思い出があるんですね。そもそもですが、キャラクターを書く際、最初はどのように着想を得ているのですか?

シナリオライターごとに変わってはきますが、よくとっているのは「キャラクターを記号の集合体として考えてから、深掘りしていく」という方法です。まずは「ツンデレ」「頑固」「戦好き」などそのキャラクターを象徴するような特徴を考えます。それを“大まかな記号”として、そこから連想される“小さな記号”を考えていって組み合わせるという手法です。そこから「この子の性格だったら何が好きだろう」「こういう場面ではなんて言うだろう」という風にどんどん個性を掘り下げていって人間に近付けるイメージです。そうすることでイラストによるビジュアル面だけでなく、キャラクターとしての深みがより増すので、その深みを作っていくようにしています。

そんな風にキャラクターが生まれているんですね!ですが、『バハムート』くらいキャラクター数が膨大になると、思わずキャラクター性がかぶってしまった、なんてこともあるんでしょうか?

そこはできる限り気を使うようにしていますが、膨大なキャラクターがいるので、どうしても似てしまうことはありますね。ただ、今の記号の話で例えると、人間のDNAと同じで、全く同じ記号で構成されたキャラクターというのは存在しないので、似ているキャラクターはいても、やはりそこは一人ひとり別のキャラクターなんだと思っています。

似ているキャラクターの場合、書き分けで工夫されていることはありますか?

それぞれのキャラクターらしい“言葉”を大事にして書き分けています。例えば、フォルテとオリヴィエがわかりやすいかもしれないです。2人とも20代前半の女性でイメージは黒っぽいカラーで……。どちらも戦闘系のキャラクターですし、空が飛べるところも同じなんです。
ですが、オリヴィエはフォルテに比べると落ち着いているキャラクターなので、ワードとしては「秩序」や「理」などのワードをちりばめていくことでオリヴィエっぽくなっていきます。逆にフォルテは、オリヴィエと比べて闘争心のある好戦的なキャラクターなので「決闘」や「戦」「戦場」など、戦いに関するワードを多く使うことでフォルテらしくなっていきます。そのキャラクターの中核にある言葉でシナリオを書いていくとより個性が尖っていきますね。

なるほど!ところで、グリームニルもそうですが、『バハムート』では神話を出典としているキャラクターがたくさんいますよね。そこは重視されているのでしょうか?

キャラクターによりますね。忠実に特徴を倣うキャラクターもいれば、参考程度に留めているキャラクターもいます。
面白い参考の仕方をしたキャラクターとしてはケルベロスの妹のオルトロスがいます。出典元のギリシャ神話でオルトロスは「双頭の番犬」という2つ頭の番犬です。『バハムート』のオルトロスは女の子のキャラクターなので頭は1つなのですが、普通モードと戦闘モードの2通りの性格があって、双頭の番犬であることを二重人格的性格で表現しています。

こういった柔軟な特徴の取り入れ方ができるのは『バハムート』らしい面白さかなと思いますね。

9周年イベントでの挑戦
10周年を見据えたシナリオチームの想いとは

本日迎えたリリース9周年のイベントではここまでお聞きした既存キャラクターたちが一切登場しないという斬新な内容だと聞いたのですが……。

そうなんです。9周年目にして完全オリジナルキャラたちによる、完全オリジナルストーリーを作りました。

なぜそのような思い切ったイベントになったのでしょうか?

これも多様性の一環だと考えています。周年イベント=これまでのキャラクターが活躍しなきゃいけない……なんてことはない!と。なので、今回はキャラクターだけでなく、ストーリーにも“多様性”というアプローチで挑戦してみました。

具体的にはどういったイベントなのか、可能な範囲でぜひ話していただけますか?

ネタバレになってしまうので少しだけ(笑)。イベント全体としては「人間の肯定」がテーマになっています。ストーリーを完走したときに、ユーザーの方々が「肯定された」「認められた」という気分になってくれたらうれしいですね。……が、テーマからわかる通り、口では説明しづらいかなり複雑なストーリーなので、そこはぜひ実際にイベントをプレイして体感していただけたらと!新キャラクターたちももちろんこれまで通り「ユーザーの方々に刺さってほしい」という想いを曲げずに制作をしたので、必ず何かしら心に残るイベントになっていると思います。

今日からプレイできるのが楽しみです!完全オリジナルというと実現は難しかったのではないですか?

9年運営を続けているのに、ここにきて完全オリジナルなんて非現実的だ!と普通は言われてしまうと思います。ですが、ディレクターは二つ返事で「いいよ!」と言ってくれましたし、プロデューサーの木村(唯人)も話し合う中で了承してくれ、企画を盛り上げるための提案までしてくれました。
そして、企画が通った後は、イベントを成立させるためにディレクターやプロジェクトマネージャーがシナリオチームをバックアップしてくれました。メンバーの挑戦心に応えてくれること、挑戦を支えてくれることはサイゲームスの社風であり、『バハムート』チームの文化でもあります。
9年間運営を続けてこられたのはこういった社風と文化があってこそだと思います。

“チーム・サイゲームス”という社風をまさに体現しているんですね。今後は10周年も視野に入ってくると思いますが、これからを見据えた展望はありますか?

9周年イベントの反響を鑑みてではありますが、今回の挑戦が世間に受け入れてもらえるものであれば、今後はキャラクター、ストーリーともにもっと世界を広げていきたいなと考えています。これまではキャラクターの深掘りに力を入れてきたので、それだけに留まらない世界観の広がりを表現できように尽力していきたいです。

最後に、ファンのみなさまへメッセージをお願いします。

『バハムート』は9周年を迎えて、今後ますます盛り上がっていくと思います。見えてきた10周年も含め、この先ずっと続けていくタイトルだと思っています。新しい挑戦をしつつ、この先もずっとみなさまに楽しんでいただけるよう、制作陣一同尽力してまいりますので、10年目も引き続き応援よろしくお願いいたします!