サイゲームスの人気キャラが共演!アニメコーポレートムービー制作秘話
2021年5月で10周年を迎えたサイゲームス。これまで製作に携わったゲームやアニメのキャラクターたちが共演するコーポレートアニメーションムービーをこのほど公開いたしました。疾走感あるアクションシーンが見所のアニメと、和とデジタルのテイストが掛け合わさった神秘的な音楽を特徴とする本ムービーは、サイゲームスの映像制作室と、サイゲームスグループであるアニメ制作会社「CygamesPictures(以下、サイピク)」、音楽制作会社「SCOOP Music(以下、スコップ)」がともに制作しました。ムービーに携わったスタッフたちに、注目ポイントや制作裏話を聞きました。
- サイゲームス 映像制作室カズヒロ
- アニメ業界で約10年撮影を経験し、サイゲームスでは『Shadowverse』の新カードパックのPVや『グランブルーファンタジー』のCMなどの映像制作やディレクション、進行管理を担当。
- サイゲームス アニメ事業部カン
- 2018年、新卒入社。アニメ事業部に籍を置きつつ、CygamesPicturesでアニメ作品の制作進行やプロデュースを担う。
- SCOOP Music 取締役コウジ
- さまざまな楽曲にディレクターやプロデューサーとして参加。サイゲームスが製作に携わるTVアニメ『ゾンビランドサガ』では、主題歌や挿入歌をプロデュースした。
グループ会社の力を結集!
PV制作のきっかけ
まずはPV制作におけるみなさんの役回りを教えてください。
カズヒロ 私は全体のディレクションをするかたちで企画段階から携わりました。アニメのPVを作るにあたり、元々アニメ業界にいた私がサイゲームス側の担当になりました。
カン 私はアニメーションプロデューサーとして関わりました。基本的にはカズヒロさんからの要望を受け、スタッフィングや進行管理などをしながら二人三脚で舵取りをしていったサイピクサイドの立ち位置ですね。
コウジ 僕はスコップの担当として、PVで流れている楽曲全体のプロデュースや制作進行を務めました。今回は歌のディレクションは基本的に今作の作編曲を担当している弊社の作曲家・加藤裕介に任せつつ、全体のサウンドに関する品質管理が主な役割でした。
カズヒロ アニメのコーポレートPVを作るにあたり、サイゲームスのTVアニメを多く手掛けてきたサイピクと、広告音楽のご経験が豊富なスコップのコウジさんや加藤さんにお願いするのが適任だと考え、それぞれにご協力をお願いしました。
PVが完成し、今の率直なお気持ちはいかがでしょうか?
カズヒロ アニメ制作は大変でしたが、サイゲームスタイトルを横断したアニメを作るのが今回初めてだったので、いろんなキャラクターが出てくる映像ができてすごく良かったなと思いますね。『ワールドフリッパー』のように、これまでアニメには登場していないキャラもいるので、ファンのみなさんに喜んでいただけるとうれしいです。
今回のPVを作ることになったきっかけは何だったのでしょうか?
カズヒロ 2021年でサイゲームスが設立10周年なので、これを記念するアニメを制作しようと映像制作室から企画を出したのが始まりでした。たくさんいる人気キャラたちを前面に押し出したアニメにしようとスタートしましたね。
最初ざっくりとしたイメージボードを作ったのですが、舞台は渋谷ではなくファンタジーの世界にする想定でした。
カン ただ、サイゲームスはファンタジーのタイトルが多いので、どの世界観に寄せていくのか……となったんですよね?
カズヒロ そうなんです。そこで現代社会の中で各タイトルのキャラが活躍するように方向転換しました。渋谷はサイゲームスの本社がある街でもあり、ゲームやアニメという非日常、言い換えるとファンタジーの世界が都会の日常の中に溶け込んでいるような世界観に最終的には固まっていきました。
今回のムービーはさまざまなタイトルを横断した企画でしたが、映像企画としての狙いはどんなところにあったのでしょうか?
カズヒロ 企画の意図は「あらゆるタイトルのキャラが登場する、高クオリティーなアクションアニメーションをお届けすること」でした。
会社の設立10年という記念すべきタイミングで、さまざまなタイトルのファンの方々を繋ぐとともに、誰でも楽しめる爽快なアクションものの映像にすることで、国内にとどまらず海外の方々や、サイゲームスのタイトルをまだ知らない方にも楽しんでいただけるものにしたいという考えがありましたね。
そのような企画内容を映像としてまとめ上げるのはかなり大変だったのではないでしょうか?
カン そうですね。声が掛かったタイミングで「全キャラ出るんですか?」とまず聞きました(笑)。「どれくらいのキャラを出せば良いですか?」と。ただ、クリエイターの方々さえ集まれば良いものができそうな予感がしたので、スタッフィングを自分のほうで担当し、お声掛けを始めていきました。
制作スタッフとしては、素晴らしいクリエイターの方々にご協力いただきましたよね。
カン はい。まずアニメ業界で若手クリエイターとして注目されている山本健さんに企画を説明し、監督としてアテンドするところから始まりました。そこから山本さんの意向や作りたい世界観を踏まえて、有名スタジオ出身の美術監督が立ち上げられた「でほぎゃらりー」さんに美術をご担当いただくことになりました。美術に限らず、本当にTVアニメではなかなかお声掛けできないような業界最高峰の方々にお力添えをいただけたと思います。
コウジさんは依頼があった当時を振り返っていかがでしたか?
コウジ スコップはサイゲームスのグループ会社の中では新参者なので恐れ多かったですね。結構初期の段階からお話しいただいていましたよね?
カズヒロ そうですね。今回PVを作るにあたって、「曲のイメージが先行してあったほうが良いよね」と監督も含めて話していて。そこでスコップに早めの段階から声を掛けました。
コウジ サイゲームス内にもサウンドチームがあるので、それを差し置いて「うちでいいのか?」という思いも正直ありました。ただ、タイトル横断企画なら、以前担当したTVアニメ『ゾンビランドサガ』のような立ち位置で参加すればいいのかなと。
依頼が来た時点で、企画の意図を踏まえて弊社の加藤に依頼しようと決めていました。サイゲームスの作品として出すからには「下手なものは作れないな」と2人で話していて、そういうプレッシャーの中で作っていましたね。
「和」テイストな音楽と
May’nさんのパワフルな歌声
音楽については、疾走感と和のテイストが特徴になっていますね。
カズヒロ はい。PVを日本から世界にも向けて発信していくということで、日本らしい「和」というキーワードを映像制作室から提示させてもらいました。それで今回出来上がった曲が、和だけでなくすごくワールドワイドな感じになっていて、良い意味で「変わっている曲」になったなと思います。
コウジ 加藤も僕も広告音楽出身なので、割と企画の主旨は掴みやすかったのかなと思いますね。まず「どんな曲にしましょうか」というところから始まって、和テイストの他に、渋谷が舞台なことやゲームが根底にあるのを踏まえ、生楽器だけで構成するよりデジタル感が欲しいなと考えました。
だからいわゆる“打ち込み”っぽいデジタルな音を作って、その上からストリングスやちょっと加工した楽器の演奏が乗っかるかたちで構成していきましたね。
このように、「アップテンポで和テイストな曲」というところからスタートして一歩ずつ進んでいきました。
May’nさんの歌声も力強く特徴的でしたよね。
カズヒロ そうですね。国内外のアニメやゲームのファン層から人気の方ということでMay’nさんにお声掛けしたのですが、ご依頼をしたら快く引き受けてくださいました。
コウジ 収録の際は細かい部分以外ディレクションがほとんど必要なく、スムーズに進みました。ただ、収録は5時間くらいかかりましたね。歌っていただく物量が単純に多かったんです。主旋律となる歌があって、ハーモニーやコーラスが色々とありましたから。
カズヒロ 収録現場で歌っていただいたとき、厚みのあるパワフルな歌声で感動しました。こちらから要望を出すだけでなく、May’nさんから提案してくださる場面も多かったですよね。
コウジ そうでしたね。自分の歌なんだとしっかり楽曲を背負う姿勢で向き合ってくださっていると感じました。その姿勢が素晴らしかったです。
※楽曲の配信・ダウンロードについてはこちらをご確認ください。
「初のコラボアニメを楽しんで」
ムービーの見どころ
アニメで最も時間をかけたのはどの部分でしたか?
カン 美術ですね。テレビシリーズだと3週間で300カットくらいの量を上げていただけるのですが、今回は1枚1枚にさらに時間をかけて描いていただいたので、約60カットの制作に数か月かかりました。
また作画監督の山崎淳さんが、時間をかけて毛色の違うサイゲームスのキャラを上手く1つの作品としてまとめてくださいました。
たくさんのキャラクターが登場しますが、中でも注目してほしいポイントはどこでしょうか?
カン 『神撃のバハムートGENESIS』や『神撃のバハムート VIRGIN SOUL』で総作画監督やキャラクターデザインを担当していただいた恩田尚之さんがこのPVにも参加されています。恩田さんが手掛けられたバハムートのキャラが登場する場面は絵として本当に素晴らしいなと思いますね。また、後半の派手なアクションシーンはぜひご注目いただきたいです。
それでは最後にPVを見てくださるみなさんに向けて、メッセージをお願いします。
カズヒロ 既にアニメ化しているタイトルもある中、いろんなキャラが集まることで違和感が生じないか心配していたのですが、それぞれの作家さんのおかげで綺麗にまとまり、勢いのままに見られる映像に仕上がったと思います。
各サイゲームスタイトルのキャラが共演したアニメは初ですし、この先もなかなかないコラボですので、キャラが大集合したムービーを楽しんでいただけるとうれしいです。
日頃からサイゲームスタイトルを支えてくださるみなさんのおかげで、サイゲームスは2021年に創立10周年を迎えることができました。これからも「最高のコンテンツ」を作ってまいりますので、次の10年にもご期待ください!
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