映像制作室の仕事とは?最高の映像を通じて会社の魅力を発信【サイゲームス仕事百科】
サイゲームスは、ゲームをより楽しんでもらうために世の中へ向けてさまざまなコンテンツを制作・発信しています。「映像制作室」は、その名のとおり主にアウトゲーム領域の映像制作を専門とする部署です。TVCMからSNS用の動画、YouTubeへアップされる動画、リアルイベントで使用される特殊な映像まで、実写、2D・3Dアニメーションの技術を効果的に使用してゲームや会社の魅力を伝えるプロモーション映像を制作します。今回はこの映像制作室の仕事について、マネージャー陣への取材を基に解説します。
※ アウトゲーム……ここではイベントや宣伝活動など、「ゲーム外」での各種施策を指す
▼プロモーション映像でサイゲームスのコンテンツに込められた想いを繋ぐ
▼映像制作室の主な仕事内容
▼映像制作室の業務フロー
▼求められるスキル・マインド
▼仕事のやりがいとは?
▼映像制作室のキャリアについて
▼映像制作室を目指す人へのアドバイス
プロモーション映像でサイゲームスの
コンテンツに込められた想いを繋ぐ
映像制作室の業務は「世の中に向けてコンテンツの魅力が伝わる映像を制作する」という言葉に集約できますが、その内容は多岐にわたります。わかりやすい例としては、各ゲームがイベントや周年の際に打ち出すTVCMやSNS用動画、インターネット上で公開するPVなどが挙げられます。その他にも、『グランブルーファンタジー』ファン向けのリアルイベント「グラブルフェス」の一部や『ウマ娘 プリティーダービー』のライブイベント、ゲーム業界の技術交流会である「CEDEC」など講演会用の映像、社内イベント用の映像の他、制作例はさまざまです。
映像制作室の大きな特徴は、企画から撮影、編集までをワンストップで受け持つ人材が揃っている点です。また、シネマカメラなどの機材や編集スタジオも完備している上、実写、2D・3Dアニメーションなどアウトプットの手法も広くカバーしているため、各ゲームやプロモーションの特色に合わせた映像を幅広く制作することができます。
昨今、誰でも映像制作ができ、表現手法も多様化する中でユーザーの方々の「最高のコンテンツ体験」をサポートするべく、映像制作のプロフェッショナルが集まっているのが映像制作室です。ユーザーの方々を大切にしているサイゲームスだからこそ、その期待に応える各プロジェクト・部署の想いを繋いで映像にしていくという使命を背負っていると言えます。
映像制作室の主な仕事内容
現在、映像制作室には約20名のスタッフが所属しています。基本的に各ゲームタイトルを専任せず、案件が発生するたびに全員で企画出しを行い、映像の手法やそのときの稼働状況などに合わせて人員を配置します。具体的に、仕事内容は以下の3つのカテゴリーに分類できます。
■プロモーションに関わる映像
各ゲームタイトル・コーポレートのTVCM・WebCMやPV、SNS用動画などを作成します。周年やイベントのリリースのタイミングに合わせて各所から登場させるキャラクターやコンセプトの相談があり、主に企画提案から携わります。比率としては一番多い業務となります。
【TVCM例】
【PV例】
【Twitter動画例】
■イベントに関わる映像
「グラブルフェス(一部)」「ウマ娘 プリティーダービー」のナンバリングイベント、「CygamesFes」など、リアルイベントの大スクリーンで流す映像を制作します。また、オンラインの講演で流れる映像も手掛けており、社内向けには「CyStudy」、外部向けには「CEDEC」などの講演映像がこれにあたります。
【リアルイベントの例】
【映像制作室の映像が使われている例】
■社内イベントに関わる映像
外部に発信するだけでなく、表彰式、総会、職種ごとの共有ミーティングなど社内イベント用の映像も担当します。コロナ禍以降、オンラインの有効なコミュニケーションツールとしての映像需要が高まり、映像制作室の出番はますます増えています。
他にも、コーポレート関連の案件が発生することがあります。
例えば、Cygames 佐賀スタジオのコーポレートCMは企画提案の部分から映像制作室が進めた案件ですし、大阪Cygamesのモーションキャプチャースタジオの紹介PVは完全に内製で制作しました。
サイゲームスの魅力を動画で発信する「サイマガTV」も、映像制作室のディレクションでTV番組風に制作されています。
映像制作室の業務フロー
映像制作室の業務フローを紹介します。コンテンツの種類に合わせて納品形態など細かな部分は変わってきますが、基本的な流れはいずれも変わりません。今回はゲームに関するTVCM制作の例を挙げてご説明します。
1.制作依頼の受注
まずゲームプロジェクト側がプロモーション室に、プロモーション施策の検討を依頼します。続いてプロモーション室が映像制作室へ、立案した施策案をもとに動画制作を依頼します。ここでどのようなことを打ち合わせるかというと、例えば「夏にゲームの大型イベントを予定しているので、それに合わせてTVCMを流したい。30秒の枠で海のイメージの中、キャラクターは〇〇と〇〇を出してほしい」といったように、施策案と一緒に秒数や登場キャラクターなどの条件が出されます。条件や過去の例を基に、打ち出したいイメージに沿った企画を映像制作室内で出し合います。
2.精査した企画・構成、絵コンテ、Vコンテの制作
映像制作室の中でブラッシュアップし、精査した企画・構成、絵コンテ(※1)、Vコンテ(※2)を依頼元に提案します。TVCM制作会社など部分的に外部のパートナー企業に依頼をする場合は、発注先も検討して提言します。
※1 アイデアスケッチを基に、映像をどのような構図にするか、どのような動きを入れたり演出を加えたりするかを絵+テキストで表現したもの。
※2 絵コンテの内容をさらに動画のかたちに落とし込み、映像の長さやタイミングをよりわかりやすい状態にしたもの。
3.映像の実制作
依頼元からOKが出たら、案件ごとにスタッフをアサインし、いよいよ実制作に移ります。Adobe Premiere Pro・Adobe After Effects・Photoshop・Illustratorの他に、3DソフトであればBlender、2DであればLive2D・Spineなどのツールを使って映像を制作します。
サイゲームスの映像制作室は、撮影から編集、タイトル乗せ、色調整、アニメーション作成、エフェクト付け、音声編集、エンコード、納品形態への書き出しまでを一貫して行っています。また、音響収録がある場合は社内のサウンドチームと協力することもあります。
4.依頼元からのフィードバック対応
実際の映像が出来上がったら、依頼元に確認してもらいフィードバックを受けます。クオリティーに妥協しないため、公開直前まで、キャラクターの素材の見せ方にオーダーが入ったり、最新素材への差し替えが発生したりといった修正が出ることもあります。
5.公開・オンエア・配信
依頼元のチェックを経て修正点がなくなったら、完成した映像データを納品し、TVCMの放映を待ちます。
TVCMであればCM制作会社、リアルイベントであればイベント制作会社や会場スタッフなど、制作段階やアウトプットの場に合わせて関わる制作会社やスタッフも異なります。編集のスキルや制作進行の能力はもちろん、コミュニケーション力も大事です。
映像制作室ではスタッフ育成のため、制作チームのポジションを流動的に配置しています。例えば1つの案件で、スタッフAがディレクター、スタッフBが映像デザイナーを務めたとします。それを受けて別の案件では、スタッフBがディレクター、スタッフAがデザイナーを務めるといった具合です。これによって各ポジションの立場で相手に何を求めているか、何を考えて進行しているのかといった視点が身に付き、周囲に的確な指示が出せるようになります。このように、リーダー/部下になる人を固定せず、全員がオールマイティーにスキルを身に付けられるよう、育成していくシステムがあります。
映像制作室スタッフに
必要なスキルとマインド
ここでは、映像制作室のスタッフに求められるスキルやマインドについてご紹介します。
■柔軟な発想
映像制作の技術が日々進化を遂げ、流行も刻一刻と移り変わっていく中で、映像制作室には「新しい映像」「新しい企画」を生み出すことが求められます。最新の映像をインプットして研究すると同時に、ユーザーのみなさんに新鮮な映像と最高の体験を届けるための柔軟な発想力が重要です。
■冷静に対処する思考
特にリアルイベントやオンラインイベントでは、イレギュラーな事態に陥ったとき、焦らず、持っている知識・経験・想像力で冷静に対処できるかということも大事です。映像制作のプロ集団として、どんな状況や環境でもミッションを完遂することを期待されます。
■ホスピタリティ
社内・社外に関わらず、多くの人と関わって制作を進行するため、思いやりの気持ちは大切です。「相手がいかに気持ちよくコミュニケーションを取れるか」に加えて、「相手が求めるクオリティー以上のアウトプットをする」というプロ意識が必要です。
映像制作室のやりがいとは?
ダイレクトに手応えを感じられる大きな要素として、リアルイベントでは会場の歓声、SNSではRTや「いいね」数、コメントなどがあります。
これまでに手掛けてきた仕事では、『アイドルマスター シンデレラガールズ(配信元:バンダイナムコエンターテインメント)』に関するライブ映像制作で、「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS SS3A Live Sound Booth♪」(2018年9月開催)の会場でフラワースタンドの展示として行ったプロジェクションマッピングが一番印象に残っています。会場で見守っていたところ、それを見て泣いていたファンの方がいらっしゃったことが非常にうれしく、私も感動してしまいました。イベント会場で映し出す映像一つひとつがファンの方にとっての「最高のコンテンツ」になるように、毎回さまざまな演出に挑戦しています。
個人的にはサイゲームス設立10周年で制作したコーポレートアニメーションムービーにも思い入れがあります。各ゲームの主要キャラクターたちが一堂に会したPVを作るため、各ゲームのプロジェクトや、サイゲームスの子会社であるCygamesPicturesに協力してもらいながら、コーポレートの魅力が伝わるムービーを目指しました。制作が困難であれば困難であるほど、完成したときの達成感も大きなものになります。
映像制作室のキャリアについて
映像制作室は過去にアニメ会社、TVCMの制作会社、TV番組の制作会社などを経て経験を積んできた中途採用のスタッフがほとんどです。例えば第二新卒で教育関係の会社から入社したスタッフも、その会社の中で映像制作に携わっていた経緯があり、完全に映像制作の経験がゼロというスタッフは現状いません。
例え経験が浅いスタッフが合流しても、全員がさまざまなポジションを担当し、周りがサポートに入る体制を取っています。そのため入社後半年ほどで一通りの案件に触れられ、かつ多くの場数を踏めるので、非常に速いスピードで成長できます。
キャリアとしては、映像制作室の組織マネジメント、スペシャリストを目指せる他、ディレクター、進行管理、プロデューサーの経験も早いうちに積むことができます。手法、媒体、方向性などジャンルにとらわれないスキル・知識を総合的に身に付けられるため、映像制作のプロフェッショナルとして成長していくことが可能です。
映像制作室を
目指す人へのアドバイス
映像制作室では、TVCMからライブの背景で流れる映像、サイマガTVの「みみスマ」のような番組映像、アニメPV、プロジェクションマッピングまで、オールジャンルの映像を才能豊かなスタッフと切磋琢磨しながら制作できます。
基本的なスキルも大事ですが、採用の面接では「ゲームが好きか」という点も重要視しています。映像制作室の業務で一番多いのは、ゲームのプロモーション映像制作です。効果的なアイデアや企画の立案にはゲームの情報収集が必要不可欠であり、そのコンテンツを深く知ることでより良いコンテンツが制作できると考えています。面接では必ず「弊社のゲームをプレイしたことがありますか?」という質問をしていますので、あなたのゲームに対する熱意を聞かせてください。
例えば、「コーポレートや各ゲームタイトルを巻き込んで、サイゲームスでしかできない長編映像を作りたい」。そんな情熱やマインドを持った方に来ていただきたいと考えています。
以上、映像制作室の仕事についての解説でした。
※現在映像制作室に関連する職種の求人募集は行っておりません
サイゲームスでは、その他の職種でも一緒に働く仲間を募集中です。ご興味のある方は、ぜひ一度こちらをチェックしてみてください。
キャリア採用 職種一覧★あわせて読みたい映像制作にまつわる記事