企業の中での情報共有はいろいろな形で行われますが、情報の中でも会社の「ビジョン」や「文化」、「マインド」の共有を有効に行っていくことは非常に難しいものです。サイゲームスでは、以前ご紹介した「バージョンアップ委員会」といった活動を通して、それらの浸透を行っていますが、今回は同様の目的を持った取り組みとして、スタッフ全員を「サイゲームスらしい記事」で繋ぐ社内報作りについて、編集長である家郷へのインタビューを通してご紹介します。

編集長家郷
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出版社で編集記者を経験後、2016年サイゲームス入社。2020年より3代目の編集長として、社内報の編集や記事執筆に関わる。

公開済み記事本数は1200本超え!
編集長3代に渡って繋がれてきた歴史

まずは社内報の取り組みについて簡単に教えてください。

はい。この社内報は「サイゲームスの『今』を伝えるWebマガジン」として生まれたコンテンツです。社内で活躍するスタッフのインタビュー記事から、社内外のイベントのレポート記事、仕事の合間に一息つけるようなエンタメ記事などを掲載しています。
スタートは2014年7月からで、そろそろ創刊してから丸6年になります。私は2016年にサイゲームスに入社してからずっと社内報作りに携わり、2020年に3代目の編集長となりました。

もう創刊してから6年になるんですね。そもそも社内報の取り組みが始まった経緯は何だったのでしょうか?

2014年6月に行われた「あした会議(※)」という会議で、初代編集長だったスタッフが提案して始まった施策です。

(※)役員がチームリーダーとなり、有志で集まったスタッフとチームを組んで、新規事業案や中長期での課題解決案を社長に提案する会議

当時は会社の規模が急拡大し、社内のスタッフ数が増えていた時期でした。実はそれまでも週次で刊行していた「社内報」は存在していて、ポスターとして掲示したり、社内ネットワーク上で読めるようにしてあったりしたのですが、既存の社内報だけでは「新しく入ってくる人にサイゲームスの文化やマインドを浸透させたり、スタッフ同士を繋げたりということができない」という課題があったんです。その課題解決のために新しいWeb社内報が作られました。

▲「あした会議」提案資料より

ちなみに第1号記事は当時リリースしたばかりのプロジェクトに関するロングインタビューです。2014年7月に公開されていたので、企画・提案から1か月強で社内報のシステム的なところの準備から記事制作までを進めるという、サイゲームスらしいスピード感のもと立ち上がった取り組みでした。

今はどれぐらいの頻度で記事が更新されているのでしょうか?

最低でも週2本、多い時期には週7本ぐらい記事を更新することもあります。今回あらためて数えてみたところ、これまでに公開された記事が1232本ありました!1分で読めるものから、じっくり読んでいただくような記事まで、幅広いジャンルを取り扱っています。

1232本!歴史を感じます……。更新している記事にはどのようなものがあるのでしょうか?

ざっくり分けると真面目な記事と面白系の記事の2種類の記事があります。真面目なものは、スタッフがノウハウを語るようなインタビュー記事や、社長の考え・会社としての考え方などがわかる記事などですね。面白系のものでは、仕事以外でテーマを1つ決めて、それについて話し合う対談記事とか、ある特定のスタッフにフィーチャーしてみた記事とか……。
後者だと、入社してしばらくしてから、実は親戚同士だったことに気付いた2人のスタッフを取り上げた記事はすごく反響が大きかったですね。
社内SNSに、スタッフなら誰でも記事の感想を書ける場所を用意しているのですが、そこに「まじか!」という驚いたコメントから、「良い話ですね。感動しました」「スタッフ数が多くなるとこういうことがあるんですね……」といったしみじみとしたコメント(?)まで、多くの方から反応がありました。

▲該当記事のアイキャッチ画像。こちらの記事は特に反響が大きかったそうです

ああ、あの記事ですね!私は読んでいるのでどんな記事なのかピンときましたが、このインタビューを読んだ読者の方は、何を言っているのかわからないかもしれないですね(笑)

はい。ただ、そういった「少しぶっ飛んだ内容の記事」は、社内からの反響が大きいことが多いですね(笑)。あとは先ほどの記事ように「社内だからこそ通じる」というネタも人気が高いです。

なるほど(笑)。記事ができるまでの流れを簡単に教えてもらえますか?

記事制作は大きく分けると、①企画、②許可取り・アポイント取り、③取材・記事作成、④各所確認の4つの段階に分かれています。
1番時間をかけているのが「①企画」の部分で、編集部メンバーでの雑談や、毎月の編集部会議での話し合いをもとにどんな記事を書くかを検討します。場合によっては、社内の色々なプロジェクトやセクションから、社内で知ってほしいことに関する企画が持ち込まれることもあります。

▲総務から持ち込まれた企画「手洗い啓蒙」の記事より

記事を執筆しながら、ネタも探してというのを常に高頻度で繰り返すというのはなかなか大変そうですね……。

社内で雑談したことを記事の材料にしたり、社内SNSで気になる話題について詳しそうな人がいたらメモしておいたりして、取り上げる記事のネタは常に探していますね。あとは、「こういう企画を考えているんですが、ハマる人いませんか?」と社内でヒアリングをかけると、誰かしらピッタリな人が見つかることも多いです。サイゲームスは色々なところにアンテナを張っていたり、色々な道のプロの方が多かったりするので。一方で、編集部にも記事作りのプロが集まっていますし、みんな「サイゲームスの良い部分をたくさん紹介しよう!」と日々動いています。大変なときもありますが、やりがいがすごくあります。

ニッチな座談会から勉強になる記事まで
バラエティー豊かな長寿企画・人気シリーズ企画

真面目系・面白系とさまざまな記事がありますが、どういった記事が社内で人気なのでしょうか?

面白系の記事では、好きなコンテンツや趣味などの共通項を持つスタッフ数名が集まって、そのテーマについて思う存分語ってもらう座談会企画が毎回安定して人気です。第1回が「実家がお寺スタッフ」だったのですが、「元自衛官スタッフ」「ちくわぶスタッフ」「マッチョスタッフ」などなど、マニアックな話題には事欠きません(笑)。

▲第1回「実家がお寺スタッフ」より。メンバーの雰囲気からもどこかありがたみを感じます……

直近だと人気の高さから「カレースタッフ」の回が2回続きました(笑)。
座談会企画ではあるんですが、同席する編集部メンバーも話を聞くからにはその話題について知っていないといけないので、下準備がすごく大変です!あるご長寿マンガがテーマだったときには、100巻近い単行本を座談会の直前1週間で読み切りました……。

それはなかなかハードですね(笑)。他の人気記事についても教えてください。

真面目なものだとサイゲームス内で活躍するメンバーに、経歴や大切にしていることなどを聞くインタビューコンテンツももうすぐ第100回を迎えますし、同じく活躍するメンバーが過去に失敗した経験を話す「ぼくの失敗」というシリーズも、勉強になるということで人気ですね。
役員やマネージャーが受けたインタビューについては、現場で新しく合流した人向けに「この記事を読めば○○さんのことがわかるよ!」というまとめ情報としても役に立っているみたいです。あとは、少し毛色の違うもので、「シゴトのアタリマエ」という新人スタッフ向けの漫画連載記事も人気です。これはサイゲームス社長の渡邊と、サイゲームスの子会社であるシテイルの社長の尾野が雑談をする中で生まれた企画で、新人であれば誰もが悩みうる「仕事の進め方」について、疑問に答える漫画になっています。

「シゴトのアタリマエ」はすごく内容もわかりやすくて私も読んでいて勉強になりました。社内報は、どのぐらいの人が読んでいるのでしょうか?

社内報全体のPVが1日2万程度で、大体の1日のユニークユーザー数が2000程度なので、毎日大体全スタッフの8割が読んでくれていることになりますね。

思っていた以上に注目度が高くて驚きました!何か読んでもらうための工夫をされているのでしょうか?

大きく3つあるのですが、まずは毎週必ず更新することが大事だと思っています。「いつも動いているメディア」だからこそ、読む側の方も「読む習慣」が付くのかなと。2点目としては、真面目な記事と面白系の記事のバランスを取ることですね。真面目なものが続きそうなときには読む側が飽きないように、ちょっとおふざけを入れた柔らかめの記事を混ぜるようにしています。3点目は、更新後に社内SNSで積極的にアピールすることです。協力してくれたスタッフのためにも、なるべく多くの人の目に留まるように、関係がありそうな色々なところで告知するようにしています。

▲社内SNSでの告知投稿。毎記事地道にお知らせしていくことが読者数増加に繋がるとのこと

社内向けの記事も「最高のコンテンツ」に
より「人と人を繋ぐ」メディアを目指して

記事の制作過程や人気記事など、色々と話していただきましたが、家郷さんは「サイゲームスの社内報らしい記事」とはどんな記事だと思いますか?

我々の記事はサイゲームススタッフの糧になることを目的に運営しているので、その目的に合った記事はすべてそう言えるかなと思います。役に立つ大真面目な記事も、息抜きになるおバカな記事もどちらも何かしらの形でスタッフのためになるようにと思って作っていますので。そして、どんな記事でも本気で「最高のコンテンツ」として作るのが「サイゲームスらしさ」だと思っています。

合流したばかりのスタッフが、社内報のコンテンツボリュームや更新頻度を見て本気度に驚いた、みたいな話も何度か聞いたことがあります。

サイゲームスには中途で入ってくるスタッフも多いですが、前の職場では会社のビジョンなど全然知らなかった、知る機会がなかったというような人もいます。そういった方からも、社内で会ったときに「記事が面白かった」とか「今度こういうことを書いてほしい」とか、「社内報の記事を読んでいればサイゲームスのことがわかる」など、いろんな反応をもらえるととてもうれしくなりますね。

▲社内報には、会社として大切にしていることがまとまったコーナーも

最後に、今後の目標を教えてください。

社内報の取り組みが始まって6年近くが経ち、私が運営に参加するようになってからも約4年が経ちました。立ち上がりの時期に比べて、会社の規模がさらに大きくなり、社内のスタッフがやっていることもどんどん変わってきている中で、社内報も常に変化していかなければいけないと思っています。
ただ、立ち上がったときから取り組みの目的は一貫していて、さまざまなことが変わっていく中でも、社内の人と人、部署と部署を繋いで、お互いを知るためのハブになっていくことは、今後も引き続き目指していくことです。社内報が運営できているのはスタッフのみなさんにご協力いただいてこそなので、少しでもスタッフのためになれるよう頑張りたいですね。今ある連載記事や特集記事をブラッシュアップしていくことも行っていきますが、サイゲームスのスタッフはみんな面白いことが好きなので、これまでにない新たな面白い記事作りにも挑戦していきたいです。