サイゲームスがお届けしているのは、ゲームだけではありません。マンガ配信サービス「サイコミ」にて、数々の作品を連載しています。「サイコミ」編集部がおすすめするマンガの魅力に迫る連載「ヨミコミ!サイコミ」第4回は、世界最強と噂されるコンビニ店員・川端強を巡る格闘マンガ『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには(以下、TSUYOSHI)』をご紹介します。編集担当者に作品の見どころを聞きました。

【あらすじ】
「最強」を求める全ての格闘家・闘技者が辿り着く男。その名はツヨシ―。謎に包まれた彼の正体は、東京・立川のコンビニ店員だった。もはや伝説と化した不敗神話を崩すため、世界中から集う強者たち。果たしてツヨシに勝てる者は現れるのか!?
国家の対立を一対一の決闘で決着させる現代で、最強なツヨシの“管理権”を巡り、ロシアと中国が異種格闘技戦「Tマッチ」を行うことに。国家の維持がぶつかり合う新世代最強格闘マンガ。

サイコミ読者8割が読んだ!
“誰も勝てないコンビニ店員”

この企画はどのように立ち上がったのでしょうか?

企画立ち上げ当時、作者の丸山(恭右)さんが太極拳を習っていたんです。太極拳は実践拳法というよりは健康法のイメージが強かったので、丸山さんの語る「太極拳が実は強い」という話がとても面白かったんですよね。そこにシナリオのZooさんが「コンビニ店員だけど実は世界最強」という設定を足して『TSUYOSHI』が生まれました。

▲第1話より、不良の集団に絡まれたツヨシ(左下)が全員を返り討ちにするシーン

2018年のサイコミ再創刊時はサイコミ読者の8割以上が『TSUYOSHI』を読んでくれたそうですね。何が多くの人の心を惹き付けていると思いますか?

やっぱり主人公・ツヨシが一番の魅力だと思います。身近な存在のコンビニ店員なのに世界最強というギャップにまず惹かれるのかなと。
それと、ツヨシの背中を追いかける星崎愛之助と夢丘 照の存在も大きいと思います。2人は最強を目指しているのになれない。だけど、いつかツヨシに届きたいと彼ら自身が強くなっていくし、友情も築いていきます。この辺りは少年マンガの王道ですので、誰もがワクワクできる要素なのではないかと思います。一方でツヨシの必殺技(?)が金的という、王道から少し外れたところや、コミカルな場面では顔芸もあります。こういった個性的なキャラクターとシナリオに、丸山さんの画力と演出力が重なって、『TSUYOSHI』の魅力を生んでいると思います。

特に印象に残っているシーンはどこですか?

個人的に好きなのは、第20話「友達」です。友達がたくさんいると思っていた星崎が、自分は独りぼっちだったと気付くお話ですね。学生時代、自分も似た経験をしたので突き刺さりました。あの場面の星崎に感情移入して、恥ずかしながら泣けてしまったんですよ……。私と同じように、星崎の気持ちに共感していただける方は多いのではないでしょうか。

▲金や喧嘩の強さを目当てにみんなが自分とつるんでいたと気付き、打ちのめされる星崎

ツヨシの登場シーンで印象的なのはどこでしょうか?

第94話「追憶」ですね。普段は優しいツヨシが久しぶりにキレる回です。喧嘩の強さで国家の力関係が決まるので、中国・ロシア・日本がツヨシの“管理権”を巡り本人を置き去りにして議論するシーンがあります。
これもまた星崎のシーンと同じように「あるある」だと思います。例えば友人と集まっていて、みんなが「それ良いね!」と盛り上がっているとき、「え、何も良くないんだけど、自分が空気を読めてないだけ?」と感じる瞬間……一度くらいはありますよね?それで、勇気を出して「違うんじゃない?」と言ったら「え、そんなことないよ?」とか「お前にはまだわからないだろうな」とか小バカにされ、変な空気になる……みたいな。そうなったらムカつくし恥ずかしいし、とにかく嫌な気持ちになりますよね(笑)。

▲第94話で、ツヨシの“管理権”を巡り、本人を無視して中国・ロシア・日本が議論するシーン

勝手に話が進む中、ツヨシは怒りを押し殺していましたが、発言を笑われたのが引き金になってついに堪忍袋の緒が切れます。日常で誰もが抱えているであろうモヤモヤをツヨシが代わりに払拭してくれたあの場面は、個人的にもスカッとしました。実際、サイコミ内でコメントも多くいただきましたし、読者数もすごく多くて手応えを感じたシーンですね。

拳は強いが心は弱い
望まぬ力を持ったツヨシ

作者の方々とはいつもどんなやり取りをしながらストーリーを作っていますか?

Zooさんが作ってくださったシナリオを基に、丸山さん、担当編集を含めて3人で読み合わせをしています。ツヨシたち登場人物の感情を大切にしながら演出のイメージを膨らませていくんです。例えば先ほど話題に上がったキレる話で言うと、「最近あったムカつく話」を言い合いました。「最近こんなことでムカついた」「それは確かに嫌だね」なんて言いながら、「じゃあ、そんなときツヨシならどんな顔する?」とキャラクターに繋げていくんです。ツヨシの怒りを理解するために我々も怒ったときを思い出し、キャラクターになりきることで、リアルなストーリーが生まれてくるのではないかと思います。

ツヨシは泣くこともありますよね。

意外と涙もろいですよね。特に、第64話「落涙」では号泣しています。この回の打ち合わせでは「ツヨシはもう限界だよね」と3人で話しました。コンビニで一緒に働くうちに好意を寄せていたチンは中国のスパイだったし、新しい片思いの相手であるナターシャも、ずっと会えなかった上にロシアのスパイだと発覚するし……。完全に女性不信に陥ります。そんなとき、男友達から優しい言葉をかけられ、号泣してしまう。ツヨシは腕っぷしは強いけど、人としては弱いんですよね。

普段のツヨシは温和で戦いを望みません。中国やロシアからの刺客も、実は戦いたくて戦っているキャラクターは少ないですよね。

そうかもしれませんね。ツヨシは格闘家ではなく、絵描きを目指しています。それなのに武術は優れていて、絵は下手で……。望まない力を与えられてしまった主人公なんです。他のキャラクターも、「国家」や「愛する人」など、自分が背負っているもののために戦っているキャラクターが多くて、純粋に自分のためにというキャラクターは少ないですね。特に、中国のリュウとロシアのミゲロの戦いは、似た者同士のぶつかり合いでした。2人とも壮絶な生い立ちで、生きるために戦うしかなかった。そんな2人の意地と意地がぶつかり合うところは、読者の方にも響いたのではないでしょうか。

▲第80話より、ツヨシの“管理権”を巡り戦う中国のリュウ(左上)とマウントをとるロシアのミゲロ

中国・ロシア・日本によるツヨシを巡る争いが激化し、いよいよツヨシも戦わざるを得ない状況になってきました。

そうですね。ツヨシが戦いたくないと言っても、状況や周りの人のことを考えるとそうもいかなくなってきました。今、ツヨシは100話を超える連載の中で最も精神的に追い込まれていると思います。彼がこれからどのような行動に出るのか注目していただきたいです。

最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします。

もしまだ読んでいなかったら、落ち込んだときに1話目を読んでみてほしいです。きっと元気になると思います!また、更新を楽しみにしてくださっているみなさんには、スケールが大きくなってもツヨシらしさは変わりませんので引き続き応援をお願いしたいです!

『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』

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