ゲーム業界未経験で活躍!大阪サイゲームス・若手アーティストの経歴と合流後1年の振り返り

ゲーム業界未経験ながら、大阪サイゲームスでアーティストとして活躍する若手スタッフがいます。コンシューマータイトルの開発現場で3DCGの背景制作やカットシーンのライティングを担う3人に、大阪サイゲームスに合流するまでの経緯や、合流から約1年経った現在までの振り返りを語ってもらいました。大阪デザイナー部の部長に聞いた若手の育成制度や大阪拠点の展望もご紹介します。

大阪デザイナー部 デザイナーチーム(3DCG)ハルカ
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経済系の短期大学を卒業後、証券会社の営業、メーカーの事務を経験。その後3DCGのスクールに通い、2020年合流。『GRANBLUE FANTASY Relink』の3DCGアーティストとして背景制作を担う。
大阪デザイナー部 デザイナーチーム(3DCG)マサノリ
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工学系の大学からIT企業のシステムエンジニアを経て独学で3DCGを学び、2020年合流。『GRANBLUE FANTASY Relink(以下、Relink)』の3DCGアーティストとして、背景制作を担う。
大阪デザイナー部 デザイナーチーム(イラスト)ナルミ
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美術大学を卒業後、飲食店で勤務をしながら同人イベントへの参加を続け、2020年合流。『GRANBLUE FANTASY Relink』のゲーム内で流れるカットシーンのライティングを担当。

「ゲーム開発への想いを捨てきれず」
大阪サイゲームスに入るまで

みなさんはゲーム業界未経験で大阪サイゲームスに入っていますね。それぞれ、以前は何をしていましたか?

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ハルカ
私は証券会社やメーカーに勤めていました。学生時代は美術部に入ったり美術系の学校に行ったりしたわけでもなく、アートやデザインとは無縁の経歴ですね。ただ、趣味でずっと絵は描いていて、ふとあるときに「もっと上手くなりたい!」と思ったんです。それで元々ゲームが好きだったので、仕事を辞めて1年間3DCGのスクールに通いました。
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マサノリ
僕は通信系のIT企業でシステムエンジニア(以下、SE)として働いていました。3年勤めたあたりでアート系のことがやりたいなと思って、自分で勉強したり、会社を辞めてVR系の企業で3か月アルバイトをしたりしていました。

お二人はなぜ3DCGを学ぼうと思ったのでしょうか。

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ハルカ
ゲーム好きだったのと、この先ゲームを作る仕事に就く上で、2Dイラストだけでなく3DCGもできたほうが強みになると思ったからです。あとはチームでの制作に憧れていたのもあります。2Dだと1人で完結しますが、3DCGなら自分の作ったものにアニメーターが動きを付けるといった「みんなで1つのものを作る」感じが味わえるなと。
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マサノリ
僕は友人に誘われて、VRの同人即売会に参加したのがきっかけでした。そこで3DCGを仕事にしている人がいることを知り、自分も本格的にやってみたいなと思って勉強を始めたんです。

マサノリさんは元SEなのでITの知識やスキルはあったと思いますが、美術の勉強もしたことがあったのでしょうか。

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マサノリ
子どもの頃から絵を描くのが好きで、中高も美術部でしたが、専門的に学んだことはありませんでした。大学は工学部に進学して、IT企業に就職したんです。ただ、SEの経験も活かしながら3DCGアーティストとしてやっていきたいなと方向転換しました。

ナルミさんは美大出身ですね。

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ナルミ
はい。私は美大に行って、絵を描く仕事に就きたいと思っていました。ただ、就活中にゲーム会社やアート系の職種に応募をしていたんですけど、上手くいかないまま卒業してしまって……。大学時代からずっとお世話になっていたバイト先の飲食店に雇っていただいたんです。それで「1年間アート系の仕事に応募を続けて、決まらなかったら諦めよう」と思いながら過ごしていました。

それだけ、プロとして絵を描きたいという気持ちが強かったのですね。

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ナルミ
そうですね。物心ついたときからずっと絵を描いていましたから。ただ、絵を仕事にすることに対して、親からはなかなか賛成を得られなくて、迷った時期もあったんですけど……やっぱり絵を描きたいなと思って、そのまま突っ走った感じですね。

それぞれ、大阪サイゲームスのどんな点に魅力を感じましたか?

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マサノリ
新しくできる拠点だった点です。立ち上げ時から入ったほうが未経験でも馴染みやすく、なかなか得られない経験ができるのではないかと考えました。あと僕は元々東京で働いていたんですけど、実家が三重にあるので大阪サイゲームスが地元に近い点も大きかったですね。
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ハルカ
私もマサノリさんと似ていて、スマホゲームだけでなくコンシューマータイトルにも力を入れていくと知って勢いを感じました。あとは社内に目標とする先輩や上司がいる環境が良いなと考えていたんです。元々サイゲームスのゲームが好きだったので、この会社にいる人たちと一緒に自分もゲームを作っていきたいと思いました。
▲大阪サイゲームスのスタッフたち
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ナルミ
私は元々イベントに行くくらい『グランブルーファンタジー』が好きだったのと、コンシューマーゲームが好きだったので、その2つが掛け合わさった大阪サイゲームスに入りたいと思いました。

大阪サイゲームスでの初仕事は?
入社後に感じたこと

大阪サイゲームスに入って、どんな業務を担当しましたか?

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ハルカ
私はステージの中にある「岩」を一から作りました。専門学校時代は、学校や本屋といった建物など、ある程度形が決まっているものを作っていましたが、自然物を作るのは難しかったですね。「岩らしさとは?」と岩について1週間悩みに悩みました。
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マサノリ
「岩らしさ」って難しいですね(笑)
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ハルカ
難しかったです。「どんな岩か」だけじゃなく、「どこの岩か」も考える必要がありました。それによってゴツゴツしているのかツルツルしているのか変わってきますから。
▲ハルカさんが制作した岩
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マサノリ
僕は自然物ではなく人工的なものを作っています。ステージの中にある細かな素材から作り始めて、だんだん担当できるものの幅を広げていっている最中ですね。
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ナルミ
私はゲームの中で重要なカットシーン(※)のライティングを担当しました。みなさんが作ったものにお化粧をするとでも言いますか、ライトの当て方1つで画面がさらに華やかな雰囲気になるので感動しましたね。

※カットシーン……ゲーム内のオープニングやイベントシーンなどに挿入される、映画のワンシーンのようなムービーのこと

ナルミさんは2Dイラストではなくライティングが担当なのですね。

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ナルミ
そうなんです。入って8か月は2Dアーティストの先輩のもとで研修に取り組んで、そのあと「ライティングをやってみないか」と打診がありました。いずれ2Dのイラストを描く上でも良い経験になると思い、やってみることにしたんです。

みなさん他業種から入ってきて、最初は戸惑いや苦労した部分が多かったのではないでしょうか。

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マサノリ
僕は、ゲーム制作は地道で根気のいる仕事だなと感じましたね。前職のSEだと「ここまでシステムとして機能したら十分」とゴールが見えやすいのですが、ゲームだとアートの目線になるので、どこまで作り込めば完成なのか判断が難しい部分があります。
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ハルカ
確かに難しいですよね。
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マサノリ
あとはディレクター陣が求めているものを汲み取る力も必要ですね。アート系のバックグラウンドがないので、その辺はまだまだ修行が必要だなって感じます。
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ナルミ
私はライティングのソフトに戸惑いましたけど、その他だとSlackでやり取りすることが一番カルチャーショックでした。それまで飲食店のホールだったので、直で話しながら動いていましたから。入社当初は文面を考えるのすら一苦労でしたね(笑)
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ハルカ
私は専門用語が最初わかりませんでした。3DCG全般を勉強していたので、ゲーム業界でしか使わないような単語は知らないものばかりで毎日メモしていました。
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マサノリ
専門用語は僕も苦労しましたね。社内の共有ページにまとまってはいるものの、それにないようなアート系の言葉を知らなくて……。アートディレクターに「座布団置いといて」と言われたとき、最初は意味がわからなかったですね。

文字通り座布団を運んでくればいいわけではなさそうですね……。

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マサノリ
はい。例えばキャラクターと背景が同じような色や明るさだったりすると、キャラが見えにくくなってしまうんですよね。キャラを視認しやすくするため、キャラの後ろにフォグ(霧)をかけるといった効果を足して目立つようにすることを指しているんです。
▲“座布団”なしとありの比較。右はフォグが足され、キャラをより視認しやすくなっています

未経験から少しずつ経験を積む中で、印象に残っていることを教えてください。

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ハルカ
ロケーションリーダーから「植物植えてみる?」とステージのレイアウト作業を一部任せてもらえたことです。どの種類の花をどれくらいの量と密度で植えるかや、自然で綺麗に見えるバランスなど、岩のとき以上に悩みましたね。ただ、先輩のアドバイスを素直に聞いて目の前の業務に向き合っていくと、どんどんいろんな仕事を振ってもらえるようになるので、毎日刺激があってとても面白いです。
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マサノリ
僕は石組みの建物を任せてもらったことです。細かい部分ですが、石の溝に挟まっている砂をテクスチャーでリアルに再現するのが難しかったです。
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ナルミ
私は今まで薄暗い室内や空間などを担当していたのですが、今は夜空が出てくるシーンをやっていて、もう「どうしよう!」って感じです。
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ハルカ
オフィスでナルミさんと席が近いのでたまに画面が見えるんですけど、ナルミさんはよく原作の背景の原画を机にいっぱい並べてますよね。原作のテイストも大事にしないといけないから大変そうです。
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ナルミ
そうなんです。かなり資料を集めながらやっていますね。今の担当シーンは夜なので、暗い中でキャラをどう見せるかが難しくて。キャラを明るくし過ぎたら夜の感じがなくなってしまうし、その塩梅の調整で「うぅ……」となってます(笑)。ですが、その分納得のいく絵作りができたときの感動も大きいです。

みなさんと同じように、未経験ながらゲーム業界に挑戦したいと考えている方々に向けて、メッセージをお願いします。

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ハルカ
私自身、デザインや美術と無縁の経歴のまま未経験で飛び込んできて不安しかありませんでした。もし私と同じような方がいらしたら「ゲームを作りたい」という気持ちにまっすぐに向き合って頑張れば、道が開けますとお伝えしたいです。
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ナルミ
私は一応美大に入ったとはいえ、美術系から離れたり今やっている業務も初めてのことばかりだったりするんですけど、やっぱり「挑戦しよう」という気持ちがあれば知識も技術も身についていくなと実感しています。たとえ苦手なことでも、「やってみたい」という気持ちがあるのなら、どんどん挑戦するのがいいと思います!
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マサノリ
CG業界は変化が目まぐるしいですが、その分「経験が浅くても新しい技術を使いこなせればベテランと同じ土俵に立てる」と先輩から教わりました。僕自身、どんどん技術が発展していくのを間近に体験できるだけでも面白い業界だと感じているので、CG系への道を考えられている方はぜひゲーム業界にトライしていただきたいです。

積極採用を継続!
育成制度や大阪拠点の展望

最後に大阪デザイナー部の部長から聞いた、若手の育成制度や今後の採用についてお伝えします。

まず大阪サイゲームスについて、何名くらいのスタッフが在籍しているのでしょうか。

数年前まで小規模なスタジオでしたが、『Relink』の開発を機に規模拡大を始め、現在は200名を超えるスタッフが在籍しています。今後も積極的に採用活動を続けていく予定です。

▲大阪サイゲームスの執務室(機材搬送前)とリラクゼーションルーム(下)

ゲーム業界経験者だけでなく、未経験者の採用も始めた経緯を教えてください。

元々、大阪拠点での採用を始めたばかりの頃は即戦力の採用ニーズが高かったのですが、当初から大阪サイゲームスの5年後、10年後を支える若手スタッフの採用も必要だと考えていました。そのためゲーム開発経験のある若手スタッフや未経験者も採用していくことにしました。

『Relink』の開発と並行して未経験者でも早期に活躍できるような環境を整え、第1期として合流したのがハルカさん、マサノリさん、ナルミさんでした。3名とも未経験ながら「ゲーム業界で働きたい」という熱意が人一倍強く、合流に至っています。

未経験者の採用は育成環境を整えてから始めたのですね。若手の育成はどのように行っていますか?

経験者であれば、会社全体のことを知ってもらう2日間の「中途導入研修」を受講後、プロジェクトにアサインされます。未経験者は中途導入研修の受講後、3~6か月ほど実践的な課題に取り組むラーニング期間になります。

課題は本人がやりたいことをしっかりとヒアリングした上で個別に設定し、先輩スタッフをトレーナーにつけながらいくつかの課題制作とブラッシュアップを繰り返していきます。そうして一人前になったタイミングでプロジェクトにアサインするような流れですね。

サイゲームスの開発現場は「背景」「キャラクター」「モーション」などと各セクションにわかれていて、分野ごとにスペシャリストがいます。そのため、個々の要望に応じたトレーニングが実施可能です。制作物のクオリティーアップはもちろん、ワークフローや開発エンジン、各種制作ツールの習熟度も上げていくようなカリキュラムを組むようにしています。

大阪サイゲームスでの採用について、展望を教えてください。

この度、第2期の未経験者採用を開始しました。大阪サイゲームスの将来を支える若手スタッフの採用は今後も重要で、経験よりも強い熱意を持った方に合流いただきたいですね。

また、未経験者に限らず、大阪サイゲームスを世界トップレベルのスタジオにするために今後も規模拡大を続けていくつもりです。

最後に、応募をご検討いただいているみなさんにメッセージをお願いします。

大阪サイゲームスは、熱意に溢れた若手やプロジェクトの中心で開発を進めていく中堅が増え、ベテランが後輩たちを下支えする体制が整ってきました。非常に良い雰囲気で開発を進められていると感じています。

「一度はゲーム業界と違う道を選んだけど、やっぱり挑戦したい」「ゲーム業界に良いご縁がなかったが、諦めきれない」「とにかくゲームが好き。最高のコンテンツ制作に関わりたい」―。こうした想いをお持ちの方がいらっしゃったら、ぜひ勇気を出して門戸を叩いてみてください。ゲーム開発への熱い想いを持った方からのご応募をお待ちしています!


大阪サイゲームスの募集ページ

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