メディアリレーション室の仕事とは?コンテンツのPR効果・メディア露出を最大化【サイゲームス仕事百科】

「メディアリレーション室」は、サイゲームスコンテンツのPR戦略やメディア露出を担う部署です。新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・通信社・Webなどの各メディアと良好な関係を構築し、PRの効果を最大化する役割を担っています。今回はこのメディアリレーション室の仕事について、マネージャーへの取材を基に解説します。

より素早く効果的に情報を発信するために
メディアリレーション専門部署として設立

メディアリレーション室は、サイゲームスが運用している各ゲームタイトルや漫画事業などの広報業務を担う部署です。広報業務は、会社全体としての情報を発信するものと、コンテンツごとの情報を発信するものの2つに大別されます。元々サイゲームスでは広報チームが両方の業務を請け負っていましたが、プロジェクト専属で広報業務を務める部署としてメディアリレーション室が分離し、マーケティング本部傘下に編成されました。これが2021年10月のことです。

コンテンツに専属するかたちでメディアリレーション室を設置した理由は、開発側により近い位置から素早く情報を収集し、より効果的なかたちで世の中へ発信していくためです。メディアリレーション室のスタッフは担当コンテンツのプロジェクト内に席を置き、常に最新の動向を把握できるようにしています。メディアリレーション室のスタッフがテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアといった各メディアへ向けた情報発信をする際の窓口となり、情報の種類・特性に合わせて適切なメディアを選定していくことでより効果的に情報を出せるように動いています。

メディアリレーション室の主な仕事内容

■プレスリリースの作成・配信業務

運用コンテンツでは、アップデートやメンテナンス、ゲーム内外での各種イベントなど、さまざまな情報を「お知らせ」として配信します。プレイヤーの方が読むことを前提に書かれているこの「お知らせ」の内容を、プレイヤー以外の方が読んでもわかるように適宜補足し、プレスリリースとして各メディアへ配信しています。発信する内容によってプレスリリースの宛先も変えています。例えば、ガチャの更新のような既存プレイヤー向けの情報はゲームメディアに恒常的に出す一方で、『ウマ娘 プリティーダービー』のライブ情報のような、より広い層にアピールしたい情報は、ゲームメディア以外にもプレスリリースを送るといった具合です。

▲2022年5月開催「ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! 横浜公演」の様子

■メディア対応

メディアからのお問い合わせ対応やイベント取材誘致、パブリシティ・タイアップの企画や実施などの業務です。例えば、メディアから問い合わせをいただいた際には、メディアリレーション室は一時窓口として依頼や問い合わせを受け付けます。メディアからの要望を確認した上で、各コンテンツの開発側にも相談をしながら、最終的にはプロデューサーやディレクターに実施可否の判断を仰いでから進行するという流れで行っています。また、取材誘致の場合には、メディアリレーション室はそのメディアの特性や読者層、社内の各コンテンツの開発側の意向などを勘案し「より多くの方に、そして効果的に情報提供ができるか」を踏まえてお声掛けするメディアの検討をします。

■PR戦略の企画からメディア露出の実施

メディアに情報を取り上げてもらえるように、ときにはメディアとタッグを組んで、PR施策の企画からメディア露出の実施までを行う業務です。例えば、実施事例の1つとしてサイゲームスのeスポーツへの取り組みを伝えるために、プロリーグを引退した選手のセカンドキャリアを支援していることを発信するといった業務が該当します。その場合、ゲームメディアはもちろん、キャリア形成という切り口でBtoB関連のメディアにアプローチをしたり、より広い層の方に情報を届けるためにテレビ番組で取り上げていただいたりするなど、情報を誰に届けたいのか考えながら効果的な露出方法を考えてアプローチしています。

■メディアリレーション業務

既にお付き合いのあるメディアとの関係を強化したり、新しいメディアに自社のことをアピールするために営業を行ったりといった関係構築の業務もメディアリレーション室の重要な業務の1つです。各メディアとの関係があることで、比較的バリューが低い情報でも扱ってもらえるチャンスが生まれます。PR・露出の効果を最大化するために、普段からメディアのご担当者様と定期的に情報交換するなどして、良好な関係を築いておくことが大切です。

これらの業務を通じて、各コンテンツにおけるPR戦略・メディア露出を最大化させるのがメディアリレーション室の役割です。PR戦略・メディア露出に関しては、各コンテンツの開発側から要望を受けて実施することもあれば、メディアリレーション室側から企画して開発側に提案することもあります。開発側からの実施依頼やメディアからのお問い合わせを受けるかたちの対応だけでなく、自分たちから提案する「攻め」の姿勢で業務を行なっていくこともメディアリレーション室のスタッフには求められます。

メディアリレーション室の体制

メディアリレーション室は、マーケティング本部に所属する7つの部署の1つです。このうち、コンテンツプロデュース室、コンテンツディレクション室、eスポーツ室、メディアリレーション室の4部署は、アウトゲーム(※)コンテンツの企画から制作、実施までを行う部署として、「メディアディビジョン」と呼んでいます。
メディアリレーション室は、マーケティング本部に所属する各部署と連携を取りながら各種施策に取り組んでいます。

※ アウトゲーム……ここではイベントや宣伝活動など、「ゲーム外」での各種施策を指す

メディアリレーション室の業務フロー

続いて、メディアリレーション室の業務の流れをご紹介します。例えばプレスリリースの作成であれば、下記のような手順で進めます。

1.PR施策の企画

各コンテンツの露出したい情報をまとめ、それをどのようなメディアに向けて発信するかを企画します。情報の内容に合わせて、どのメディアにどのタイミングで露出するのが最も効果的かを考えます。企画はプロデューサーやディレクターから提案を受けることもあれば、メディアリレーション室側から発案することもあります。

2.プレスリリースの作成

情報を露出するメディアに合わせてプレスリリースを作成します。例えば、ゲーム未経験の方々にもアピールしたいイベントの告知であれば、どのようなゲームであるかの説明を入れ、イベントだけでなくゲームそのものにも興味を持ってもらえるような内容にします。

3.プレスリリースの配信

作成したプレスリリースをメディアへ配信します。広告とは異なり、プレスリリースを掲載するかどうかは各メディアの判断に委ねられます。普段からメディアとの関係を構築しておくことで、掲載してもらえるチャンスが増えます。

4.実施内容の振り返り

情報公開後は、SNSでの反応や、ゲームのアクティブユーザー数の増加具合などを見ながら、PR施策の効果を振り返ります。予想を大きく上回った場合はその要因を探り、予想した数値より低かった場合は何が足りなかったのかを考えることで、次回の施策の精度向上に繋げます。

メディアリレーション室のスタッフに必要な
マインド・スキル

部署名が示すように、メディアリレーション室は各メディアとの関係を構築することが極めて重要な仕事です。また社内においても、各関連部署と連携する必要があるため、さまざまな立場の人とコミュニケーションが円滑に取れることは必須スキルと言えます。それ以外には、下記の3つのマインドやスキルが求められます。

■自分自身で戦略を考えて動けること

言われて動くばかりではなく、自分でPR戦略を考えて「こんな風に動くと情報がより拡散される」といったアイディアを出せることです。PRに「こうすれば完璧」という正解はありません。逆に言えば、無数の打ち手があるということです。PR効果を最大化するためにはどうするのがベストか、という自分なりの戦略を持って、施策のアイディアを次々に出せる人であってほしいと思っています。

■会社の「顔」としての振る舞い

メディアリレーション室は各メディアとやり取りをする窓口です。メディアのご担当者様から見れば、メディアリレーション室のスタッフはサイゲームスの「顔」です。自分たちにポジティブなイメージを持っていただくことが、各コンテンツやサイゲームスへのポジティブなイメージに繋がります。メディアと良好な関係を維持するためには、自分が会社の「顔」であるという自覚が必要です。

■きめ細やかな仕事

プレスリリースの内容は、そのままメディアに掲載されることも多いです。そのため、書かれている情報が正しいことはもちろん、文章がわかりやすいかどうか細部まで気を配る必要があります。クオリティーの低いプレスリリースを出すと会社のイメージ低下に繋がりかねないので、「多くの人に見られるものを作っている」という意識を持って丁寧な仕事をすることが大切です。

メディアリレーション室の仕事のやりがい

メディアリレーション室の仕事のやりがいは、自分が発信した情報やPR施策をどれだけ多くの人に見てもらえたかという部分にあると思います。我々が世の中に出した情報に触れた人たちが面白いと思ってくれたり、そこからコンテンツに興味を持ってもらったりして、ファンになっていただけることが喜びです。施策の評価は、SNSでの反応を見ることでも測れますし、またメディア側から「記事の数字が良かったですよ」「次回も取り上げたいです」と言ってもらえると、達成感を味わえます。

最近、手応えを感じた施策としては、先ほど述べたeスポーツプロ選手のセカンドキャリアに関する情報展開が挙げられます。これまで蓄積してきた関係性を活かし、テレビ番組やさまざまなメディアの力をお借りすることで色々なかたちでの露出に成功し、ユーザーのみなさんやeスポーツ業界の関係者などからも大きな反響をいただくことができました。今後もサイゲームスのコンテンツの魅力をさまざまな視点でより多くの方に知ってもらうために、さらにメディアとの関係を強化していきたいと考えています。

メディアリレーション室の
スタッフのキャリアパス

現状は、メディアリレーション室のスタッフはすべて経験者で構成されています。他社の広報関連部署やPR会社で経験を積んできた人や、元々サイゲームスの広報チームでメディアリレーションを担当していた人たちが中心です。

この仕事で一人前と言えるのは、ひとえにメディア企業とコミュニケーションを取りながら、お互いがWin-Winとなるような施策をかたちにしていくことができるかどうかです。仕事の基礎的な部分は1年あれば身に付きます。自分で戦略を立ててコミュニケーションを取るところまでは2年くらいかかります。

キャリアの方向性は大きく、スペシャリストとマネジメントの2つの方向性があると考えています。スペシャリストは、メディア側と密なコミュニケーションを取れて、こちらからはもちろん先方からも「何かやりましょう」と声を掛けてもらえるような、文字通りのサイゲームスの「顔」としての役割を極める方向。マネジメントは、リーダーやマネージャーとしてスタッフを取りまとめ、部署としてどんな動きをするのがベストかを考え、チームを牽引していく方向です。

メディアリレーション室を
目指す人へのアドバイス

メディアリレーション室の仕事の面白さは、開発チームと近い位置で仕事ができることだと思います。現場の空気感を敏感に捉えながら、スピード感を持って仕事ができるのが一番の強みです。また、新しい部署なので、メディアリレーション室のチームとしての在り方をメンバーと一緒に考えながら作っていくことができます。チームみんなで刺激し合いながら、新しいものを一緒に作っていける面白さもあります。

メディアリレーション室の仕事に興味がある人には、「サイゲームスで何をやりたいか」という明確な意志を持っていてほしいと思っています。面接では、サイゲームスのコンテンツでどんな施策をやりたいかを聞くことが多いです。実現の可能性ももちろん大事ではありますが、何よりも、その施策を実現させたいという強い想いや熱量を重視しています。あとはもちろん、ゲームをはじめとするエンタメコンテンツが好きな人です。

将来は新卒など未経験者の採用も考えていますが、当面はPRなどの経験がある程度あり、かつ熱量のある人に来ていただけたらと思っています。


以上、メディアリレーション室の仕事についての解説でした。
現在サイゲームスでは、一緒に働く仲間を募集しています。この記事で興味を持った方は、ぜひ一度こちらをチェックしてみてください。

メディアリレーション担当/東京の募集要項

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