より高いレベルを目指すきっかけに!四国初開催のプログラミングワークショップ「Tech Kids CAMP in ZENTSUJI」リポート
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サイゲームスが次世代を担うIT人材の育成・支援として取り組んでいる小学生向けのプログラミングワークショップ「Cygames presents Tech Kids CAMP」。株式会社CA Tech Kidsや自治体等との連携によりこれまで各地で開催しており、その一環として、香川県善通寺市でも「Tech Kids CAMP in ZENTSUJI」を開催しました。本記事では、四国初の開催となった同ワークショップについてリポートします。
「Tech Kids CAMP」は全国各地で開催!
四国初開催に至った経緯
「Cygames presents Tech Kids CAMP」とは、子どもたちにプログラミングの楽しさや可能性を感じてもらうことを目的に、2018年から開催している小学生向けのワークショップです。
参加者は、プログラミング学習ソフト「Scratch(スクラッチ)」とサイゲームスの実際のゲームで使われたイラストやサウンド素材を使って、オリジナルのゲームづくりを体験します。これまでに千葉県松戸市、佐賀県伊万里市、沖縄県国頭村、大阪府と連携し、延べ39回、累計2000名近い小学生に参加していただきました。
今回ワークショップが開催された香川県善通寺市は、2020年度に小学校でプログラミング教育が必修化されたことを受け、市と学校現場が協力して「Scratch」を使った授業を小学校で積極的に行っています。この度、よりレベルの高いプログラミング教育を学ぶ機会を提供し、子どもたちのプログラミングスキルや学習意欲を高めてあげたいという同市の考えに賛同し、株式会社CA Tech Kidsの協力のもと開催に至りました。
開催概要は下記の通りです。
■Cygames presents Tech Kids CAMP in ZENTSUJI
日程: オンライン 7月24~25日(2時間×2日間)
オフライン 8月7~8日(6時間×2日間)
会場: 善通寺市役所4F大会議室
参加費:無料
対象: 香川県善通寺市在住の小学4年生~6年生
全4日で開催し、過去の「Cygames presents Tech Kids CAMP」とはカリキュラムを変更。今回は子どもたちのプログラミングスキルの底上げや、今よりも「もっとプログラミングができるようになりたい」「もっとプログラミングを学びたい」という意欲を高めることを目的とし、プログラミング作業だけではなくゲームのプランニングからじっくり考えてもらい、作品完成までをサポートする、という内容で実施しました。
どんなゲームを作りたい?
プランニングと設計書の作成からスタート
ワークショップの1~2日目はゲームのプランニング作業。どんなゲームを作りたいか、そのためにはどんな設計にする必要があるのかを検討する、ゲーム作りには欠かせない工程です。子どもたちが善通寺市役所の大会議室に集まり、講師はオンラインで参加する形式で開催しました。
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プランニングはワークシートを使って検討します。まずは自分が作りたいゲームの目的、アイディアを書き起こしていきます。
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続いて、「コンセプト」「ストーリー」「機能」「ルール」を決めます。「ゲームクリアはどんなとき?」「どうやって操作する?」などの問いに答えるかたちでワークシートを順々に埋めていくと、子どもたちが作りたいゲームの内容やこだわりたい機能が自然とはっきりしていきます。そして、「操作画面はどんなところに何を配置するか」「何をクリックして次の画面に遷移させるのか」など、より具体的な設計をワークシートに沿って検討し、ゲームの設計図を作っていきます。
今回のワークショップでは、参加者20名に対して7名の講師が参加。わからないことがあったら、すぐに講師と個別に相談ができるので、気軽に質問しながら自分のペースで開発を進められます。
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大まかなゲームの仕様が決まったら、次は「Scratch」を使って実際にプログラミングに挑戦!「〇〇が押されたとき」「もし△△なら」「××する」などのブロックを配置して、設計図で描いたゲームを実際に開発していきます。
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「Scratch」での開発を進めたところで、オンラインの日程は終了。2週間後のオフライン開催に向けて貸与されたPCを持ち帰り、家でも各自開発を進めておきます。
個性とチームワークが光る
プログラミング&発表会
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3~4日目はゲームを実際に開発するプログラミング作業がメイン。子どもたちはこの2週間で隙間を見つけながら、プログラミングやイラスト、アイディアをブラッシュアップしていたようです。近くに座っている子どもたち同士で「どんなものを作る?」「こんなことできるんだ!」と、スキルやアイディアの共有を積極的に行っていました。
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ゲーム制作に使用するオブジェクトやサウンド、背景などは、サイゲームスがかつて配信していた『LINE ペーパーダッシュワールド』(※)というゲームで実際に使われていた約2000点の素材を使用できる他、自分で描いたイラストなども使用可能。用意された素材と各自で制作した素材を上手に組み合わせて、完成度とオリジナリティーを両立した作品を作り上げます。
※現在はサービス終了
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ワークショップの最後はいよいよ発表タイム。4日間で作り上げた作品を一人ひとりがみんなの前でプレゼンテーションします。プレゼンテーションに大切なこととして、講師から「短くまとめること」「大きな概要から話して徐々に詳しい話題へ進めていくこと」など、話すときのポイントをレクチャー。参加者はワークショップの前半でまとめたワークシートに立ち返り、開発前の自分のアイディアなどを参照しながら発表のための文章を作成しました。
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参加者ごとに非常にバラエティー豊かな作品が出そろいましたので、いくつか簡単にご紹介します。
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無事全員の発表が終わり、ワークショップはこれにて終了です!
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発表をご覧になった保護者の方も子どもたちが開発したゲームをその場でプレイ!
保護者の方からは「うちの子がこんなにしっかりしたゲームを作れるなんて思わなかった……!」という声も聞かれ、また子どもたちも保護者の方に自分の作ったゲームを楽しんでもらえてうれしそうでした。
今回作った作品はUSBメモリに入れて持ち帰ることができます。また、全国の小学生が競うプログラミングコンテスト「Tech Kids Grand Prix」のエリア予選にも自動的に作品がエントリーされ、エントリー期間終了までは、それぞれが持ち帰ったゲームのデータをさらにブラッシュアップして再応募することが可能です。
未来の善通寺市で活躍する人材を育みたい
市が考えるプログラミング教育
今回のワークショップを担当した善通寺市産業振興部営業課・増田さんにお話を伺いました。
今回ワークショップを開催したきっかけを改めて教えてください。
善通寺市では、市内の各小学校と連携した教育カリキュラムの計画・実施や、市が主催するプログラミングのコンテストを開催するなど、プログラミング教育に積極的に取り組んできました。ただ、基礎的な教育はできていると思う一方で、「Tech Kids Grand Prix」をはじめとする全国大会に出場するような子に比べると突出したスキルを持った子はまだ現れていないと感じていますし、大都会に住む子に比べるとレベルの高いプログラミング学習に触れる機会も少ないという課題を持っていました。
善通寺市の子どもたちにも高いレベルのプログラミングスキルを身に付けてほしいですし、その機会を何とか提供したいと考えていたときにCA Tech Kidsさんとサイゲームスさんにご相談したことがきっかけで、今回のワークショップを開催することとなりました。
実際にワークショップをご覧になっての感想をお教えください。
小学生に向けてプログラミングを教えるということ自体が最近始まったものですから、やはり学校の先生で教えられることには限界があります。そういった先生では教えられない体系的な技術をじっくりと教えていただき、すごく有意義な時間だったと思います。
子どもたちや小学校の先生方、保護者の方々はどのような反応でしたか?
子どもたちからは「誰に向けて何のために作るのかといった設計図を考えることが大切だと気付いた」「Scratchを使った色々な作り方を教えてもらった」など、多くの学びの感想をもらいました。保護者の方々からは、「うちの子がしっかりと発表する姿に驚いた」「こんな凄い作品をうちの子がつくったの?」「参加させて良かった」など、感動とお誉めの言葉をいただきました。一日目に不安げだった子どもたちが、最終日には自信に満ちた明るい笑顔で保護者の方々に話をしていたのがとても印象的でした。
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プログラミング教育を通して子どもたちに望むことは何でしょうか?
やはり善通寺市は四国の小さな街ですので、都会と比べると技術が全体的に遅れていると思います。そういった情報技術に一日でも早く触れてもらうことで、将来活躍できる人材になってもらえたらと、そしてその技術をまた善通寺市で生かしてくれたらと思っています。
以上、「Tech Kids CAMP in ZENTSUJI」リポートをお届けしました。
2023年、サイゲームスは千葉県松戸市、山梨県富士吉田市でも小学生向けのプログラミングワークショップを開催しました。今後もコンテンツづくりの将来を担う人材育成のため、引き続きプログラミング教育などに取り組んでまいります。
編集後記
「Tech Kids CAMP in ZENTSUJI」の取材で香川を訪れることになった私たちサイマガ編集部スタッフ。行く前から現地で食べるうどんを楽しみにしていました。
現地のうどん店は朝早くから営業して昼過ぎには閉まってしまうお店が多く、地元の方は朝食やおやつとしてもうどんを食べるようです。私も初日から朝8時半にうどん店に向かいました。一杯目にぶっかけうどんを食べたところ非常においしかったのですが、温と冷で出汁が全く違うと聞き、思わず温かいうどんに天ぷらまで追加で注文してしまいました!
個性が異なるおいしいうどん店がたくさんあり、もしかすると現地の子どもたちの個性や発想力に少なからず影響を与えているのかも……?なんて思いました。
現地へ行く機会がある方はぜひいろんなうどん店を訪ねてみてください。
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