インターンシッププランナーコース紹介 現役プランナーの指導で企画書を作成
サイゲームスでは、学生のみなさんへ向けて主に夏と冬にインターンシップを開催しています。2024年夏のプランナーコースでは、現役プランナーのフィードバックとディレクターの講評を受けながら、一つのゲームの企画書を完成させるインターンシップを開催。本記事ではその内容と運営スタッフの想いをお伝えします。
- プランナーチーム マネージャーコウジ
- ゲーム系の専門学校からゲーム会社へ進み、コンシューマーゲームの開発に携わった後、2012年にサイゲームスに合流。ブラウザゲームの運用を経験後、他社IPスマートフォンタイトルのプランナーからディレクターを経て、プロデューサーを担当。プランナーチームのサブマネージャーも兼任し、2023年からマネージャーに就任する。
- プランナーチームタカヒロ
- 学生時代にサイゲームスのプランナーコースでインターンシップを受け、2021年に新卒入社。現在は『プリンセスコネクト!Re:Dive』キャラクター班のリーダーや、インターンシップの講師を務める。
インターンシップ プランナーコース概要
ゲームの企画書づくりに挑戦
2024年夏のインターンシップは、8月から10月にかけて5日程を開催。対面なら3日間、オンラインなら2日間でそれぞれ実施されました。いずれもインターンシップ生は事前に自分の作りたいゲームのアイディアを3行にまとめた「3行企画」を提出し、当日はそれに対して現役プランナーからフィードバックを受けながら企画書を作成。最終的にディレクターから講評を受けるというプログラムです。企画書の作成法についての講義や作成中のフォローもあるため、ゲームの知識にかかわらず、どなたでも1本の企画書をある程度のクオリティーまで仕上げる体験ができます。
はじめに、どのような想いからプランナー向けのインターンシップを開催しているのか教えてください。
コウジ 学生のみなさんに「自分が考えたゲームを本気で作ってみる体験」をしてほしいという想いからです。プランナーの業務は本当に多岐にわたりますが、その中でも企画書を作ってブラッシュアップしていくことはプランナーの最初の一歩です。
インターンシップでは、事前に提出いただいた3行企画を基に、企画書構成作成、企画書作成と段階を踏んでより具体的にゲームの内容を詰めていきます。企画の段階で面白そうかを見ると同時に、ジャンルやターゲットユーザーが適切か、ゲーム内のルールに穴がないかなどを講師からアドバイスします。
現役プランナーが直接アドバイス
企画書を作るコツとは
実際にインターンシップ生が企画書を作る際、意識すると良いことはなんでしょうか?
コウジ やはり自分が作りたいもの、自分がやりたいことを最後までブレさせずにかたちにできるかが一番大事だと思っています。講師から「こうしてみたら?」とアドバイスはするんですけど、最終的には参加者の「自分はこれがやりたいんだ」という考えを踏まえながらアドバイスの方向性を定めています。
企画書を作ったことがない学生さんが多いと思います。企画書を完成まで持っていくにあたって、フォローするときに大事にしていることはなんでしょうか。
コウジ 参加者が自分で気付いたり、選んだりする機会を奪わないことですね。例えば、講師が「こういうゲームを調べてみたら?」とアドバイスした後、参加者が自分で調べていくうちに「このゲームのこの仕様が自分の企画に似ているから今回参考にしてみよう」と自力で気付いて選べると、「良い仕事ができた」という成功体験になると思うんです。逆に、講師が直接「このゲームのこの仕様が参考にできそうだよ」と言ってしまうと、参加者の成長に繋がりません。企画書の書式やテクニックについては具体的に教えても、アイディアの部分にはあまり口を出さないようにしています。
参加者には「これとこれ、どっちが良いと思う?あなたの企画だからあなたが面白いと思うほうに決めてよいよ」のようなことをよく言うんです。そうやって初めて、自分の考える面白いゲームとは何かがわかってくるのだと考えています。こういった体験は自分1人ではできない、インターンシップならではのものだと思います。
タカヒロ 私がインターンシップに参加したときも、フォロー体制がしっかりしていると感じました。
コウジ そうですね。講師陣は、社内で活躍している人や、学生さんにわかりやすいフィードバックができる人ばかりです。
また、フォローやアドバイスのやり方は毎年アップデートをしています。例えば、3行企画について、当初は一つひとつの企画のフィードバックを参加者全体に向けて発表していました。その場合、他の方の企画に対してもフィードバックの内容を聞けるメリットがあるのですが、実際に対面でやってみたら全員分伝えるだけで1時間くらいかかってしまって。自分以外の方の企画のときに手持ち無沙汰になるのももったいないので、現在は少人数のチームに分けた後、その中で全員に向けてフィードバックするようになりました。
現在はチームに分けているのですね。講師のサポート体制についても教えてください。
コウジ 大体、1班5名の参加者に対して、各班2名体制で講師が付きます。講師の手が塞がっていてフィードバックがなかなか受けられないという状況を発生しにくくしています。
それは手厚いですね。企画書を作り終わると、最後にディレクターから講評がありますよね。どのような講評をもらえるのでしょうか。
コウジ ゲームのアイディアが面白いかと、それが伝わる企画書になっているかについての講評ですね。プランナーである講師陣もその点を見ながら作っていくんですが、ディレクターからはさらに「果たしてそれがヒットするゲームになるのか」という視点からの意見が出てきます。
タカヒロ 確かに、ディレクターからの講評は面白さやヒットするかに対する意見が大半ですよね。面白さでいうと、“ならでは”の要素があるかを見られている感じがします。世の中にはいろんなゲームがあるので、その中でこのゲームだけが持っているユニークな点はどこなのか、それをどう作るのかについて、アドバイスをもらうことが多いです。
そういった点はプロになってからも実際にもらうフィードバックなのでしょうか。
タカヒロ そうですね。実際の現場でも、他のゲームとどういう点が類似していて、差別化できているかを調査してディレクターに確認してもらうことがあり、それに似たことをインターンシップで体験できると思います。
入社の決め手はインターンシップ参加
振り返ってみて感じることとは
タカヒロさんはインターンシップに参加したときにどのような企画を作りましたか?
タカヒロ 2019年当時はMOBAやFPS(※)の勢いがあったので、それを掛け合わせたような企画を出しました。私はどちらも得意じゃなかったんですけど、流行のものを取り入れて新しいものを作ろうというのが狙いでした。ただ、自分ではまだそのようなゲームはないと思っていたんですが、作っていくうちに類似のゲームタイトルを知って……(笑)。
それでもアイディアの出し方や企画書の書き方、プレゼンを頑張った結果、「ちゃんとやりたいことが伝わった」とフィードバックで褒めてもらえたことが自信に繋がりました。
※MOBAは、Multiplayer online battle arena(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)の略。複数のプレイヤーが2チームに分かれて相手の拠点を落とすために戦う。FPSはFirst Person Shooter(ファーストパーソンシューター)の略。一人称視点のシューティングゲームのこと。
実際に参加して、何を感じましたか?
タカヒロ 当時はまだ完全にゲーム業界に進もうという意思は固まっていなくて、「ゲームが好きだから一度インターンシップを受けてみよう」くらいの気持ちだったんです。ただ、インターンシップで自分が作りたいゲームの企画書を完成させた達成感とあわせて、講師のプランナーやディレクターのゲームに対する知見の広さと熱量を間近で見て、すごいなと感じました。
今はインターンシップ生に教える側になったのですね。実際に講師側として参加してみていかがですか?
タカヒロ そうですね。担当プロジェクト以外で誰かの企画書を見たり出来上がる様子を追ったりすることがあまりないので、刺激を受けて「自分も頑張ろう」と思えています。普段はキャラクター班のパートリーダーをしているので、班の決まった業務に対する監修とクオリティーの担保を担っているんですが、インターンシップでは一から考えられた新しい企画を一緒にブラッシュアップできるので私としても貴重な体験です。
実際に講師をしていて大変だったことはありますか?
コウジ 3行企画からゲームの企画書にしにくいものがあったときが大変でしたね。
タカヒロ どんな企画だったんですか?
コウジ 例えば、殺人事件を巡って事件を解き明かしたり、逆に犯人になったりするマーダーミステリーというジャンルですね。このジャンルは、ほぼシナリオの面白さがゲームの面白さを担保することになりますが、課題であるゲームの企画書は、システムやゲームの「遊び方」を説明するようなものなので、企画書作成にどう取り組むかという点はすごく難しくて……。どうご本人に納得してもらい、企画書の方向を転換するか悩みましたね。参加者がやりたいことをあんまり削ぎ落としたくありませんし。
タカヒロ それはどう着地したんですか?
コウジ ボードゲームっぽくしたほうが良いのではないかという話になったんです。ダイスを振って進んだところに、シナリオやシチュエーションが用意されているという内容ですね。ご本人も納得されていたようなので、その方向性で着地しました。
ただ、やはり、ご自身がやりたいと思って出している企画を大事にしたいんです。ご本人が納得するかどうかが大事ですね。講師が「難しいな」と思って聞いてもご本人がどうしてもやりたいという場合は「それならこういう方法があるよ」と前向きにフォローしていきます。さっき言った、選択肢をいくつか選んでもらうみたいな。
タカヒロ 本当に自分の企画を考えたい人にとってはとても良い機会になりますよね。
コウジ そうだと思います。得意じゃないジャンルで勝負しようとする人も結構いるんですよ。それも大事なのですが、まずは自分が面白いとか得意だと思えるところから挑戦してみてほしいです。
プランナーの新卒採用で大事にしていること
タカヒロさんはインターンシップに参加後、どのような理由でサイゲームスを志望したのでしょうか。
タカヒロ 単純にインターンシップがとにかく楽しかったからです。講師のプランナーやディレクターが、本当に面白いものを作ろうと学生にも全力でぶつかってきてくれる。そんな熱量を持った人のいる会社に入れたら楽しいだろうなと思いました。
コウジ そう言ってもらえるとうれしいですね!インターンシップに参加して、今の開発に活きていることはある?
タカヒロ あります。例えば、プランナーから案を出してディレクターが判断に悩んだとき、プランナーは「自分はこれがやりたい」「ここが面白いと思っている」と言語化することが重要ですよね。そういう姿勢はインターンシップから学びました。
コウジさんから見て、プランナーにはどのようなことが必要だと考えていますか?
コウジ 何個もあるので一つに絞るのは難しいんですが、最後まで企画を良くしようという意思の強さですね。それは面接をはじめ、採用の場面で結構見ています。
あとはゲームに対してどういう想いで向き合っているのかですね。まずは気負わずインターンシップを受けてみるというのももちろんいいんですが、その期間だけでもゲームのことを真剣に考えてくれたらうれしいなと思います。
新卒のプランナー採用で大事にしていることも教えてください。
コウジ 対象はなんでもいいんですけど、その方が好きで真剣に向き合ってきたものがあるかを重要視しています。例えば、卒業研究を頑張ったとしっかり語ってくれている学生さんの話を聞くと、物事を深いところまで考えていることが伝わってくるんですよね。
そのように、物事をきちんと真剣に捉えたか、何かを本気で考え抜いたことあるかどうかが新卒採用の上で重要な指標だと考えています。勉強でもバイトでも、なんでもいいんですよ。面接では、その方なりに本気でやったかどうかを掘り下げて聞きますね。
最後に、お二人から学生のみなさんにメッセージをお願いします。
タカヒロ やはり自分の中でこれを作りたいとか、こういうことをやってみたいという熱量が面接でちゃんと評価されますし、入った後も変わらず評価してもらえているなという実感があります。何か成し遂げたいことがある人は、すごくこの会社に向いている気がします。
コウジ インターンシップのことで言うと、応募する動機は気楽に「ゲームについて考えたい」くらいでもよいと思っています。ゲームの企画についてどう考えたらよいのかわからない人でも、このインターンシップに参加すればそれがきちんと体験できるようになっているので、インターンシップの体験はみなさんの人生の中で「自分はゲームについて本気で考えた」と言えるようなものになるはずです。ゲームづくりに挑戦してみたい方にはぜひ来てほしいなと思います。
以上、インターンシップ プランナーコースの魅力をお届けしました。
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