「育児休業(以下、育休)」制度を利用したサイゲームスのスタッフにインタビューする本企画。
「育休復帰したパパ・ママスタッフに聞いてみよう!(前編)~仕事と家事・育児の両立のコツとは?~」では女性スタッフにママ目線のお話を聞きました。後編となる今回は、「パパ目線での育休取得」についてお届けします。育休に入る前の業務調整や育休中の生活、育休に入るにあたり「管理職だからこそ意識したこと」など、気になるところを執行役員・松岡翼に聞いてきました!

執行役員松岡翼
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デジタルコンテンツ制作会社に新卒として入社後、2013年2月にサイゲームスに入社。『神撃のバハムート』をはじめとしたさまざまなタイトルでの制作を経験し、その後アニメーションデザイナーチーム(現・インタラクションデザイナ―チームに統合)マネージャーを務める。
2018年10月より最年少で執行役員に就任し、現在はデザイナー本部副本部長兼デザイン2部部長として、最高のコンテンツを作るためのデザイン組織の構築に尽力している。
夫婦・1歳の息子との3人暮らし。

メンバーを信頼して仕事を任せる勇気を持つ!
管理職だからこそ休業前の引き継ぎで意識したこと

早速ですが、育休を取得しようと思うようになったきっかけは何でしょうか?

一番大きいのは、アニメーションデザイナーチームのマネージャーをしていたときに、チームの男性スタッフが育休を取る姿を間近で見てきたことです。世間的にもまだ男性の育休取得は少ないイメージですが、チームのスタッフがしっかりと準備して引き継ぎをすることで、問題なく育休を取得する様子を見ていました。そして、管理職でも同様に、事前に準備すれば大きなトラブルなく育休に入ることができるだろうと思えました。
また、管理職だからこそ、他のスタッフがより育休を取りやすい雰囲気を作るためにも、率先して育休取得しようという考えもありました。

どれくらいの期間、育休を取得しましたか?

2018年11月~12月の1か月間です。妻が里帰り出産から自宅へ戻ってくるタイミングで取得しました。
夫婦2人での育児をすることに、最初は不安もあり「もしもの場合は育休延長しよう」と話していたのですが、自宅での生活リズムが整ってきたこともあって予定通り1か月間で復職しました。

育休を取得する際、周りの反応はいかがでしたか?

チームのメンバーはあたたかく送り出してくれて、子ども用のバスタオルや座布団など育児グッズをたくさんくれました。とてもありがたかったです。
育休を取得する1か月前に執行役員へと就任したため、当時はとても慌ただしい毎日で。育休前に終える予定だった仕事のうち、一部どうしても決まらないものがあったんです……。そこで、代表の渡邊(耕一)に、その件について「育休中も考えます!」と伝えたところ、「メリハリが重要だから休むときはしっかり休むように。復職後にまた考えれば良いから大丈夫」と言葉をかけてもらって、「安心して休もう」と思えました。会社としても育休取得を受け入れてくれる環境だとあらためて感じました。

引き継ぎや業務調整で意識したことはありますか?

一番気を付けたのは「自分がいなくても組織として機能すること」です。チーム運営や施策など、私が個別に対応していたことも多かったので、それを細かく資料に残して、サブマネージャーの2人を中心に一つひとつ担当者へと業務の引き継ぎをしました。
当初、「この仕事を他の人に任せても良いのか」という迷いはありました。管理職として取り組んできた業務を他の人に任せて上手くいくのだろうかという漠然とした不安があったんです。ただ、それ以上に、サブマネージャーやチーム全体への信頼感がありました。だからこそ、思い切って任せることにしました。

「育休中にようやく父親になれた気がした」
夫婦で育児への考え方を合わせる重要性とは

次に、育休中の過ごし方についてお聞きします。あらかじめ回答いただいた内容を見ると、やはりハードスケジュールですね……!

これは息子が産まれて2~3か月の頃の1日のスケジュールですね。
当時は何かあれば泣く……ミルク、おむつ、眠い、もしくは泣きたくて泣く(笑)。子育て自体が初めてだったので、何で泣いているのかが全然わからず、結構大変でした。抱っこしてあやしても泣き止まないので、初めはどうすれば良いのかわからなくて。子どもは論理的に説明すれば理解してくれるようなものではないので、何が嫌なのかを考えながら試行錯誤していました。

夜間の授乳をはじめ、育休中の家事・育児は、ご夫婦で分担していたのでしょうか?

まだ妻も自宅に帰ったばかりで家事と育児の両立に不慣れだったこともあり、一緒にやることが多かったです。
妻から「これをやってほしい」と言われたことはもちろん、おむつ替えをしたり、日常の家事をしたり。妊娠中から、洗濯や風呂掃除など体に負担のかかる家事は私が担当していました。できることは何でもやろうと思って過ごしていましたね。
ただ、安定した睡眠がとれず、お互いにどうしても余裕がなくなることはありました……。だからこそ、どちらかが疲れているなと感じたらお互いにフォローしていました。率先して抱っこしたりおむつ替えをしたり。夜中に息子が泣いていることに気付かずにそのまま寝ていて、怒られたこともありましたが(笑)。

育休中の印象的なエピソードはありますか?

育休中は子どもの様子に変化がないか、四六時中とにかく気を張っていたことが印象として残っています。一番注意していたのが事前に妻からも言われていた「乳幼児突然死症候群(SIDS)」で、うつぶせ寝をしていないか、顔にかかりそうな布が周りにないかなど、些細なことにも常に気を付けていました。泣いてくれるならまだ良いのですが、泣くことなく気付いたときには……というのがもしあったらと思うと常に気を抜けなかったです。

ただ、妻は自分よりも知識が豊富だったこともあって色々なことに気付いてくれて、私が「これくらいなら大丈夫だろう」と思っていても注意されることは多かったです。例えば、寝転んで子どもを抱っこしている内に私の胸の上でそのまま寝てしまったことがあって。私は少しくらいうつ伏せ気味でも大丈夫だろうと思っていたのですが、妻に心配をかけてしまい、後から反省したことなんかもありました。
そうして、注意されながらも少しずつ妻の育児のレベルに追いついて、夫婦で育児への考え方を合わせていくことができたのではないかと思います。

育休を取得する前のイメージと取得中の生活でギャップはありましたか?

大きなギャップはなかったです。妻からも事前に育児について勉強してほしいと言われていたこともあり、色々調べたり読んだりしていたので、子どもはいっぱい泣くもの、産後の妻は本調子ではないから自分が積極的に動くことが必要、というイメージは元からありました。
ただ、とにかく大変だというのは痛感しましたね。本当に1日1日があっという間に過ぎていきますし、育児書を読んでも「ミルクは人肌の温度まで冷ます」の人肌って何!?とか(笑)。最初はわからないことの連続でした。

人肌!確かに曖昧な定義ですよね(笑)。育休を取得して良かったことはありますか?

子どもの成長を間近で見られたことです。乳児期は毎日子どもの顔も変わっていくので、ちょっとした成長も見逃すことなく近くにいられたことはとても良かったと思います。
あとは、先ほどもお話ししましたが、妻と育児のレベルや考え方を共有できたことですね。息子が誕生したときは「生まれたー!」という感覚はありつつも、正直自分の中ではまだ父親になった実感はあまりなかったんです。育休中にしっかり子どもと向き合ったことで、自分がやらないといけないことや、育てていくことへの責任を実感してようやく父親になれた気がしました。

もし育休を取得していなかったら「仕事が忙しいんだよね」といいわけをしていたかもしれません。普段仕事をしていたら日中に妻や子どもがどう過ごしているかは見えませんし、土日2日間だけを見ていても残り5日間はわからないので。そう思うと、365日ずっと見ているお母さん、お父さんって本当にすごいなと思います。

育休中、仕事について不安とか気になったことはありましたか?

先ほどもお話ししましたが、サブマネージャーをはじめとするチームのメンバーを信頼していたので特に不安はなかったです。任せたからにはやってくれているだろうと思っていました。
各自のカラーを活かして、きっと上手く進めてくれると思っていたので。そして、結果的にも仕事を任せたことがチームの成長へと繋がって、すごく良い機会になったと思っています。

育休取得の経験が組織としてもプラスに!
復職後に変わった仕事への意識

次に復職後についてお聞きします。復職にあたり、不安だったり苦労したりしたことはありますか?

大きな不安はなかったのですが、育休中の仕事の状況がわからず、浦島太郎のような状態になり少し苦労しました。自分が休んでいる間に何が起きていたのかを時系列で追いかけるのに1週間くらいかかりましたね。
たった1か月の育休でも世界が変わったように感じたので、女性だと産休・育休で1年前後、男性でも3~4か月を超える育休を取得した方は、それだけの期間、会社の状況がわからないのは不安だろうなというのを同時に感じました。

復職後、ご夫婦での家事・育児分担はどうされていますか?

妻が引き続き育休中ということもあり、平日は妻が食事と部屋の掃除などを担当してくれています。私は、洗濯と風呂掃除を担当しています。休日は私が部屋の掃除をすることもあります。
育児の分担に関連してですが、妻が一番悩んでいたのが睡眠時間の確保で。息子が1歳になった今でも安定して睡眠をとることが難しいんです。息子はすごく早起きで……早いと朝4時半にこちらを起こしに来るんです(笑)。そのため、妻と相談して、平日は妻が寝かし付けを担当しつつ息子と早めに就寝してもらい、休みの前日は私が寝かし付けを担当するかたちで分担しています。週末くらいはゆっくり寝てもらって、しっかり体力を回復してもらえたらと思っています。

育休取得前と比べて、復職後、仕事をするうえで変化したことはありますか?

自分が何でもやるのではなく「任せるべきところは任せること」を強く意識するようになりました。先ほども少しお話ししましたが、マネジメントの仕事でも、権限を分けて任せることで個々の責任感も出てきて、組織としても上手く回ることがわかったからです。
私の育休中、サブマネージャーに任せた部分は、それぞれが責任をもって上手く進めてくれていたので、復職後も引き続き彼らへ任せています。各自で挑戦できることを広げてくれたり、自ら「こういうことをしてみても良いですか?」と提案してくれたりして積極的に取り組んでくれています。
育休をきっかけに、勇気を出して仕事を手放したことが、チームとしてもすごくプラスに働きました。任せることで自分の時間が空いた分、今までできなかった新しい取り組みに挑戦しようという余裕が生まれたことも良かったと思っています。

▲この夏はお庭でプール&水着デビュー!最近歩けるようにもなってできることがどんどん増えてきたとのこと!

また、昨今の働き方改革の流れもありますが、極力時間内に仕事を終えて早めに帰宅するようになりました。
定時帰宅すると息子の就寝時間に間に合うのですが、早めに寝てしまう日もあり……そのときは息子の寝顔を見ながら、頬をつついたり頭をなでたり。妻に「起こさないでね!」と叱られますが(笑)。
最近は息子も歩くようになり、バイバイや拍手などリアクションを返してくれることも増えてきてうれしいですね。褒められるとわかるようで、喜んでもっとやろうとします。できなくても応援すると少しずつできるようになっていきますし、ある意味でマネジメントと同じかもしれません(笑)。

育休を取得したい男性スタッフを後押しするためにできること
働くパパとして……今後の目標とは

育休取得経験者としてのアドバイスはありますか?

まず一番は「育休は絶対に取ったほうが良い!」ということですね。
やっぱり男性と女性で体のつくりも違いますし、女性と違って男性は出産そのものを経験できません。とはいえ、女性だからといってすぐ「母親」になれるのかというとそうではなくて。お母さんだって初めてのことばかりなんですよね。悩んだり考えたりすることがすごく多いと思うので、育休という時間を使って集中して夫婦で子どもを育てる時間を経験したほうが良いと実感しました。ぜひ、まずは育休を取ってほしいです!

執行役員として、産休取得に関する今後の目標を教えてください。

一番取り組みたいことは、育休を取得したいというスタッフがいたときに、きちんと「取得しても大丈夫だよ」と言える環境づくりです。私が執行役員になって育休を取ったことで、「執行役員も育休を取っているから、自分たちも育休を取っても良いのかも」とまず思ってもらえるきっかけになればと思っています。実際に、男性スタッフからそういった声をかけてもらったり、育休取得について聞かれたりするようになりました。

サイゲームス全体としては、2019年10月時点で私を含めた計19名の男性スタッフが育休を取得しており、取得を予定しているスタッフもいます。特に今年(2019年1月~10月)は10名の男性スタッフが育休を取得しました。中には2回目の育休を取得したスタッフもおり、徐々に育休を取りやすい雰囲気が作れてきているのかなと感じています。特に第二子誕生の際には、産褥期のサポートや長子の世話など、より父親の寄り添いが必要になるケースも多いと思います。実際に「出産休暇(※妻が出産するときに取得できる特別休暇)」から直接1か月間の育休を取得した例もありました。どのような場合でもスムーズに育休を取得できる環境を作りたいと思っています。
また、有休を利用して、育児サポートを目的とした1~2週間の短期休みを取るケースもありますので、スタッフの要望に応じて、今後も柔軟に対応していきたいと考えています。

あとは「男性も育休を取れるんだ」ということをしっかり発信していけたらとも思っています。意外と、チーム外の人だと育休を取っている人がいること自体を知らないことも多いので。社内で育休取得した人の声を取り上げたり、パパ・ママも増えてきたので悩みを相談できる場を作ったり……どんどんサポートしていきたいと思っています。

とはいえ、復職後も問題なく業務に戻れるのかを心配する人もいますよね……。

そのような不安を払拭するためにも、復職後もスムーズに仕事へと戻れる環境づくりが大事だと思っています。例えば、本人の希望に応じて、育休前と同じポジションに戻るという選択肢だけでなく、新しい挑戦ができるような提案をできればと考えています。私自身、育休をきっかけに業務を手放したことで、新しいことにチャレンジすることができています。育休がキャリアにとってマイナスにならないようにしたいですね。

先日、既存プロジェクトの重要なポジションを長年担ってくれていたインタラクションデザイナーチームのメンバーが、育休から復職しました。育休というきっかけがなかったらそのままずっと担当してもらっていたと思います。元のポジションに戻ってもらうことももちろんできましたが、長くそのプロジェクトで頑張ってくれていたので、知見を活かして、新たなプロジェクトでさらなる挑戦をしてもらうことになりました。

つい「この業務は○○さんにしかできないこと」と思いがちですが、業務を他の人に託すことで「じゃあ、次はこんなことをやってみよう」「こういう動き方をしよう」という新しい気付きへと繋がるんです。きっかけがないと組織を変えようとはなりにくいので、そういった意味でも育休を推進することが会社の成長にもつながるのかなと考えています。

■最後に……
平日・休日のとある1日のスケジュールをお聞きしました。

サイゲームスではこれからも、男女問わず育休を取得しやすい環境づくりをはじめとして、スタッフのワークライフバランスを考慮した「働きやすい環境づくり」に取り組んでいきます。