株式会社CygamesPictures(以下、サイピク)に潜入してアニメ制作の裏側を探る本取材。前編では、サイピクのオフィス環境をご紹介するとともに、取締役兼TVアニメ版 『プリンセスコネクト!Re:Dive (以下、プリコネR) 』のプロデューサーを務める鹿嶌舜さんのインタビューをお届けしました。

後編となる今回は、制作スタッフの代表として総作画監督とCGディレクターにインタビューを敢行!TVアニメ版プリコネRへの想いやこだわりを探っていきます。

1話で見ても、通しで見ても面白い
TVシリーズならではの楽しみ方

TVアニメ版『プリンセスコネクト!Re:Dive』
総作画監督・作画部チーフ
重国勇二
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株式会社CygamesPictures所属。『プリンセスコネクト!Re:Dive』のゲーム内アニメの作画や、TVアニメ『マナリアフレンズ』の制作を担当。日本を代表する数々のアニメーション作品に携わってきたベテランアニメーター。

どんなお仕事をしているのか教えてください!

重国 総作画監督として、監督や演出家の意図を汲み取り、見映えの良いポーズを考えたり、表情を少し誇張したりといった作画的な味付けを提案することが主な仕事です。
最近は、アニメ作品シリーズとして全体のクオリティーを統一させることが重視されており、1作品に複数名の作画監督がいることが一般的です。そのため、絵柄や演出にバラツキが出てしまわないよう、総作画監督という役割のスタッフがシリーズ全体の作画のニュアンスを整えていきます。

昔のTVアニメは「何話から何話までは、この作画監督の絵柄」ということがありましたよね。

重国 30〜40年くらい前は、線が少なくて動かしやすいキャラが多かったこともあり、作画監督は1人だけでも制作できていました。しかし、最近はキャラの頭身が高く、描き込みの量も増えましたので、作画監督を複数名置くことが必要になってきたんです。
昔のTVアニメ作品は各話でいろんな絵柄があって、逆にそれが面白かったんですけれども。最近はパッケージとして、全体のクオリティーを統一する作り方が主流ですね。

TVアニメ版プリコネRの制作は、どのような手順で仕事を進めるのですか?

重国 第1話の例ですが、まずは監督が絵コンテを切ります。そのコンテを見るとこういうニュアンスにしたい、こういう表情にしたいというのが大体掴めるんです。コンテを基に、監督や演出家とどのようにアニメーションへ落とし込んでいくのか、打ち合わせをして決めていきます。

▲制作真っ最中のTVアニメ版プリコネRの作画の様子!使用している用紙は、白が原画、ピンクが演出、そして黄色が最終作画用のものです

重国さんは、TVアニメ版プリコネRをどんな作品にしていきたいですか?

重国 ゲームファンをがっかりさせてはいけない一方で、想像を超えたいという気持ちもあります。原作のゲームファンのみなさんが見てくださると思うので、その方々が違和感なく楽しめるものにしたいですね。ゲームの雰囲気をそのままに、TVアニメ単体として見たときも面白いと思ってもらえるような作品を目指しています。

1話約30分のシリーズとして、アニメらしい楽しみ方を提供したい、ということですね。

重国 そうですね。TVアニメは約30分のお話が1クールもので全12~13話と毎週展開していきますから、シリーズ全体を通して楽しめる構成にしています。1話単独で見ても面白い作品に仕上げつつも、シリーズを通して見るともっと面白い作品にしたいですね。
あと、『プリコネR』は女の子のキャラがたくさんいますから、それぞれのキャラのファンを楽しませる工夫をしていきたいと考えています。自分の好きなキャラが活躍する回があるとうれしいですから。

作画に関してどんなところに注目すると、より楽しめるでしょうか?

重国 最初から一定以上の作画のクオリティーを出すことが前提ですが、話が進むほどキャラが活き活きとしてくるということはあると思います。人間が描くものなので、やはり話数が進むにつれて、スタッフがキャラを描くことにも慣れていきますし、表情も付けやすくなります。キャラの性格を掴んだり愛着を持ったりすることで、だんだんとキャラも成長していくというか。ファンのみなさんにはそんな視点で作画にも注目いただけると、より楽しめるのではないでしょうか。

▲TVアニメ版プリコネRのぺコリーヌの表情の設定資料。表情豊かにTV画面で活躍する日が待ち遠しい……!

作画スタッフのキャラに対する理解が深まっていくと、それが絵にも反映される……!すごく人間味があって面白いですね。

総作画監督の重国さんに、作画の見どころを聞かせてもらいました。

さて、近頃は作画に加えて、3DCGも作品を魅力的にするのに欠かせない要素となっています。続いて、CGディレクターの中野さんにお話を聞いてみました!

作画アニメであることを大切にしつつ
CGにしかできない表現を追求

TVアニメ版『プリンセスコネクト!Re:Dive』
CG部 CGディレクター
中野祥典
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株式会社CygamesPictures所属。2019年1月に立ち上げられたTVアニメ版『プリンセスコネクト!Re:Dive』のCGチームの取りまとめを担当。作品内に登場する構造物やアイテムなどを3DCGで制作している。

ゲーム内アニメとTVアニメで違いはあるのでしょうか?

中野 サイピクは『プリコネR』のゲーム内アニメとTVアニメ版、両方のアニメ制作に関わっていますが、ゲーム内アニメとTVアニメは、それぞれ別の監督が担当しています。
ゲーム内のアニメはあくまでもゲームの1パートの制作ですが、TVアニメ版プリコネRは、1シリーズを丸ごとサイピクが担当することで、監督の想いやこだわりをより強く反映できる点が、大きな違いだと感じています。

TVアニメ版における監督のこだわりというと、例えばどんなことがありますか?

中野 大前提として「絵として良いものを作りたい」という監督の想いがあります。また、TVアニメ版プリコネRでは、基本的には人物や背景などをセル画調の2Dで描いていて、一部のアイテムや建物、特殊効果などを3DCGで作っているのですが、CGに関しては「3DCGにしかできないものを作ってほしい」とよく言われています。

▲CGチームの作業風景。こちらは作画とはうって変わって、3DCGソフトを使ったフルデジタルの作業です

CGを作っていくうえで意識していることはありますか?

中野 アニメの中の1つのパーツとしてCGを取り込んで、CGの良さを活かしながら、作画と3DCGのバランスをとることが、我々の挑戦ですね。アニメ内で3DCGを使う場合、トゥーンレンダリングやセルシェーディングと呼ばれる手法を使って画面になじませていきます。ですが、あまりセル画に3DCGを寄せてしまうと情報量が減ってしまいます。
そこであえて「浮かす」ことを狙ってCGルックを強調することもありますし、逆にキャラを引き立たせたいシーンではセル画調に近づけるといった工夫をしています。

伝統的なセル画調のアニメの中に、CGならではの表現が入ってくるという感じでしょうか?

中野 そうですね。我々サイピクには「日本の作画アニメ文化を残していく」という基本理念があり、私たちCGチームはそのためにCGをどう使っていくのがベストなのかを考え続けています。2Dで作画するよりもCGを使ったほうが総合的なクオリティーが上がると判断した部分で、CGチームの制作力を発揮していきたいですね。

▲コッコロ~!!セル画と3DCGが見事に融合しています……!

そうした絵作りをしてくうえで、サイピクの強みとはなんでしょうか?

中野 クオリティーを上げるためには、チームの連携が重要だと考えています。作品を丸ごと請け負うスタジオのため、制作・作画・CG・美術・撮影の各チームと物理的にも感覚的にも近いところで仕事ができるのはメリットだと思います。分業体制ではありますが、他のチームで誰が何をしているのか分からない、顔を知らないということがなく、必要であればチームを超えて直接やり取りします。それぞれの担当が、最終の絵のクオリティーを意識しながら仕事できる点が強みですね。
また、監督の「こうしたい」という意図を汲みつつ、CG制作の現場スタッフから「世間的にこういった表現が浸透してきているから、こういうルックのほうがいいのではないか」といった提案がしやすいです。チームで作品を作り上げていけることも強みだと思います。

中野さんご自身は、TVアニメ版プリコネRをどういう作品にしたいと思っていますか?

中野 私個人としては、原作のゲームとはまた違った楽しみを視聴者の方に提供できるような作品にしたいと思っています。ゲームのユーザーの方はもちろんですが、プレイしたことがない方も楽しめるような、コンテンツの世界の入り口になるような作品にしたいですね。
シナリオにもゲームユーザーの方に対するリスペクトが込められているので、「あ、これはあのシーンのアレンジなんだな」とか「原作で良かったシーンを再現しているんだな」とか、そういった楽しみ方ができるのではないかと思います。

「ゲームはプレイしないけど、アニメは好き」という友達がいるファンの方は、一緒に作品を楽しむことができますね!放送を楽しみにしています!


以上、前後編の2回にわたって、TVアニメ版プリコネRの制作真っ最中のサイピク潜入リポートをお届けしました!
サイピクのスタッフたちによって命を吹き込まれていくペコリーヌやコッコロ、キャルたち。TV画面の中で動き回る彼女たちの姿も、早く見たいですね!

ちなみに、サイピクでは新卒・中途問わずスタッフ絶賛募集中とのこと。
クリエイターとして、プロとして作品のクオリティーにこだわり抜く ——。 そんな姿勢に共感するという方は、ぜひエントリーしてくださいね!

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