夏のSP放送直前!『グラブル』生放送ができるまで

2020年3月にサービス開始から6周年を迎えた『グランブルーファンタジー(以下、グラブル)』。いつも支えてくださるユーザーのみなさんとの大切なコミュニケーションの場の1つとして、「生放送」があります。

生放送は現在、ゲームの周年を迎える3月、「グラブルEXTRAフェス」大阪公演中の8月、そして「グラブルフェス」開催中の12月と、定常的なものは年3回放送しており、声優さんたちによるバラエティー企画やゲームに関する新情報などをお届けしています。

残念ながら今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、8月の「グラブルEXTRAフェス2020」大阪公演は中止とさせていただきましたが、生放送はスタジオからお届けします。8月8日の放送「グラブル生放送 熱いぜ!グラブルの夏!SP」をより楽しんでいただけるよう、生放送チームの4人に制作の裏側や今回の見どころを聞きました。

★過去の生放送アーカイブ(YouTube)はこちらからからご覧いただけます★
「6周年直前生放送!グラブルアニバーサリースペシャル」
グラブル生放送 夏真っ盛り!SP(2019)

豪華でお祭りのようなものを作る!
延べ200万人が視聴する「グラブル生放送」

生放送が始まったきっかけは何だったのでしょうか?

アリサ 『グラブル』のサービス開始当初から、新情報をお届けする場として不定期で放送を行っていましたが、年3回の定期的な放送が始まったのは、『グラブル』が3周年を迎えるタイミングです。3周年にあたり、大きな情報出しのために生放送で何かできないかとプロデューサーの木村(唯人)から話がありました。
いろんなモデルケースを参考にしながら、「社内のスタッフが素人ながらにやってみました」程度のものではなく、すごく豪華でお祭りのような雰囲気のある生放送にしようと考えました。そこで、グランサイファー(※主人公たちが空の旅をする騎空艇)の3DCGとセットを作って、その甲板からお届けしているような演出にしました。

「6周年直前生放送!グラブルアニバーサリースペシャル」 より。 3周年以降、周年記念の生放送はグランサイファーを3DCGで再現したセットからお届けしています

アリサ その後、夏にも同様の形式で定期的に生放送を行うようになり、「グラブルフェス」と「グラブルEXTRAフェス」が開催されるようになってからは夏と冬は会場から、周年のタイミングでは配信スタジオから生放送を行うことが恒例になっています。

生放送をやる上で大切にしていることは何でしょうか?

サユリ 一番は「ユーザーの方に楽しんでいただく」ことです。最初は周年記念ということもあってお祭り感を出すことがコンセプトだったので、とにかく楽しいことをやるという感じでした。ですが、回を重ねるにつれてご出演いただいている声優さんたちにも思い思いのスタイルで『グラブル』をプレイしていただけるようになり、コアなお話をしてくださる方や初心者の方の目線に立ってお話をしてくださる方などそれぞれのカラーが出てきました。それに合わせて企画も『グラブル』の内容を絡めながら、よりファンの方に楽しんでもらえる放送になってきていると思います。

モエノ 初期と比較して、だいぶ企画内容にも幅が出てきましたよね。
企画関連だと他には、どんな方に向けて企画しているのかを明確にすることを意識しています。例えば、『グラブル』には、武器を集めて強い編成を作って……という遊び方だけではなく、シンプルにシナリオを楽しんでいただいているようなユーザーの方もいらっしゃいます。そのため、上級者の方たちはもちろんのこと、ライトユーザーの方が見てもお楽しみいただけるようにバラエティー企画を取り入れるようにしています。

ユキノ 企画する側が「ただ好きなもの」を作るだけでは良くないですからね。私も今回の生放送をメインで進行するうえで、常に誰に向けたものなのかを考えるようにしています。
あと、企画以外の部分だと、視聴時のライブ感を大切にしています。生放送チームはSNSの運用も担当しているので、生放送で発表した新情報やミニゲーム結果などは、放送と同じタイミングでSNSから情報を発信しています。生放送チームで情報出しを一元管理することでタイムロスを少なくすることができるので、視聴者の方にも盛り上がってもらえるのかなと思っています。

アリサ 他には、回によって「グラブルフェス」会場のステージからお届けしたり、スタジオからお届けしたりと配信環境が変わるので、ユーザーの方の目線を第一に考えて「こうしたらどういう風に見えるか」というのを常に意識しています。「この広いステージだったらこういうこともできるよね」とチームで案を出し合って作っています。

▲「グラブルフェス2019」会場からお届けしたDay2生中継「グラブル生放送 クリスマス特別版」より。広いステージやセットを利用したミニゲーム中は、ときに声優さんのアドリブも!

アリサ また、放送中のカメラ割りについても重要視していて、当日かなり細かく指示しています。声優さんの表情に注目したいときもあればスライドを見せた方が良い時もあるので、事前に大まかに決めておきつつ、放送中に臨機応変に対応しています。「グラブルフェス」会場のステージから放送する場合は特に、会場内と生放送でそれぞれに最適な情報が見られるように注意しています。
チームで大切にしていることはたくさんありますが、先ほどサユリさんが言った「ユーザーの方に楽しんでいただく」ことにすべてつながるのかなと思っています。

▲ 「グラブルフェス2019」会場からお届けしたDay1生中継「オープニング」より。 ステージ上のスクリーンでは会場マップを表示、生放送では声優さんのトークをアップで放送するなど、カメラ割りを細かく調整しています

新情報の発表や各種企画など盛りだくさんの生放送ですが、「ここだけレポート」やバラエティー企画の内容はどうやって決めていくのでしょうか?

ユキノ 「ここだけレポート」は、ユーザーデータを分析するデータマイニングチームと協力して進めています。入手が難しい「十天衆」や「十賢者」のキャラクターに関するデータのような毎回発表する定番のものだけでなく、新しいネタも入れるようにしています。

▲定番ネタの「十天衆の加入数」(画像は2020年3月の生放送時)。前回生放送からの伸びを見ることができます

ユキノ 新ネタはいろんなデータの中からインパクトのある数字を選んでいますね。驚きがあるとユーザーのみなさんが盛り上がったり、その数字を目指してプレイしようという目標ができたりするので大事にしています。

モエノ 例えば、先日の6周年直前生放送で公開した「消費されなかったグラッジチャンク、食べるとすると」はかなり反響がありました。実はこれはプロジェクトのプランナーから「実際の肉に換算したものが知りたい」と提案してくれたことがきっかけなんです。面白ネタは生放送チームで考えることももちろんありますが、データマイニングチームからの提案や、プロジェクトメンバーの意見を聞いて着想することも多いです。チーム全員が『グラブル』を普段からプレイしているので、いろいろなところから面白い着想が飛び出します。

▲数字のインパクトがすごいです……!

ユキノ バラエティー企画は『グラブル』に詳しくなくても楽しめるコーナーになるように意識しています。面白いことをすれば何でも良いわけではなく、『グラブル』を知っている方は「ああ、あれね!」と思っていただけて、詳しくない方もシンプルに楽しんでいただけるような企画を考えています。例えば、シナリオイベントのストーリーになぞらえた寿司のシルエットクイズや、某テーブルゲームのようにブロックを積み上げる「ヒヒイロタワー」などです。
そして毎回1つの大きなテーマを作って、それに合わせた内容を準備しています。新型コロナウイルス感染症の影響で世の中が大変なときなので、今回は「みんなで心を1つにして頑張ろう」という前向きなテーマを掲げています。声優さんたちによるミニゲームやクイズを用意しているので、ぜひ視聴者のみなさんも挑戦してみてほしいです!

一目でわかるデザインに
スライドを見やすくするポイントとは

生放送には、たくさんのスライドが出てきます。力を入れているポイントを教えてください。

モエノ 一番意識しているのは、情報が一目でわかるレイアウトにしていることです。主なフォーマットは4つあって、ゲームのUIぐらい見やすいレベルを目指しています。

1:タイトル用スライド(左上例)
タイトルとラインだけのシンプルなデザインです。文字数を極力絞り、これから何の話をするかわかりやすいようにしています。

2:イラスト用スライド(右上例)
白地部分を多く取っており、イラストの良さ、ポーズのカッコ良さなどが伝わるようにしています。また、透かしで顔のアップを入れることで、キャラの魅力的な表情もしっかりお伝えしています。

3:アップデート情報用スライド(左下例)
細かな情報も齟齬無く正確に伝えられるよう、画像、表、文字の色などのバランスにこだわっています。標題に「何についてのスライドか」というのも書いているので、この画像をSNSのお知らせにも使用しています。

4:番外編スライド(右下例)
枠を無視した全面デザインです。コメディー系スライドや、コンセプトアートなど「絵」の雰囲気で伝えるタイプの情報のときに使用しています。

モエノ 3周年記念の生放送をやったあと、スライドのデザインをさらに良くするためにイチから見直そうという話になりました。そこで、ゲームのUIデザイナーに教えてもらいながら生放送チーム全員がデザインの基本を身に付けて、ディレクターの福原(哲也)からフィードバックをもらいながら修正を重ねていきました。最初は1枚のスライドにつき5回ほどブラッシュアップすることもありましたね。そうやって、1㎜単位の細かい調整を繰り返していくうちにメンバーのデザインスキルが底上げされていきました。イラストが映えるように、フォントや枠といった要素の色味や彩度も細かく調整しています。

▲(左)ラフ段階のスライド/(右)実際に公開されたスライド。イラストのサイズ感やフォント級数、剣イラストの傾きといった細かい部分まで調整をしています

3時間以上の生放送なので、準備期間もかなり長いのではないでしょうか?

アリサ 1年前から準備を始めますね。夏の生放送が終わると、もう来夏に向けて動き出すという感じです。というのも、声優さんの中には『グラブル』をかなりやり込んでいる方もいればライトに楽しんでいただいている方もいて、どの声優さんにご出演いただけるかで内容が変わってくるからです。1年前から声優さんのスケジュールを押さえ始め、出演者が固まってくる5か月ぐらい前から本格的に動き始めます。

モエノ 生放送をいろんなユーザーの方に楽しんでいただくという点で、出演者のプレイスタイルに幅があるのは良いことだと考えています。バトルを中心に楽しんだりシナリオを読み込んだりなど、ユーザーの方にはそれぞれの楽しみ方があると思うので、自分の遊び方やRankが近い声優さんに親近感を持って視聴していただければと思っています。

話は変わって、生放送チームのみなさんは「ぐらぶるTVちゃんねるっ!」(TOKYO MX 毎週日曜21:00~21:30)もご担当されています。同じ番組制作でも生放送とは違うのではないでしょうか?

ユキノ TV番組では、小野友樹さん(グラン/ランスロット役)と加藤英美里さん(シェロカルテ役)をメインMCに据え、毎回ゲストをお招きしています。生放送よりも少人数なので、ゲストの方に合わせて、よりプライベートなお話をしていただくことも多いですね。また、TVという媒体の特性もあり、生放送にご出演いただいている方だけでなく、ゲーム内のスケジュールに沿ってさまざまな声優さんにゲストとしてご登場いただいています。まだ『グラブル』をそんなに知らない方に向けて、声優さんを通してゲームに興味を持っていただくきっかけになればという思いが生放送より強いです。

アリサ あと、「ぐらぶるTVちゃんねるっ!」では、イラストチームの提案がきっかけで描き下ろしのイラストを披露しており、ゲーム内とは違ったテイストの絵を楽しんでいただけるようにしました。こうした取り組みも『グラブル』の面白さの幅を広げられたのではないかと思っています。もちろん、ゲームに関する情報もお届けしているのでそちらもチェックしていただきたいです。

これまで3年間続いてきた生放送ですが、これからどんな番組に成長させていきたいですか?

アリサ 私は今後も新情報で驚いてもらえるような「サプライズ感」を大事にしていきたいですね。コラボイベントの発表時にキャストの方にVTRを撮っていただいたり、新コンテンツ発表のためにPVを制作したり…… 実はそういったところの企画やコンテも自分たちで作成しているので、引き続き挑戦していきたいです。もちろん映像以外でもできることがたくさんあると思うので、積極的に企画を出していこうと思います。

ユキノ 企画関連だと、私はハイレベルコンテンツに挑戦する企画もやり方を模索していきたいです。『グラブル』はサービス開始から7年目を迎えて、ユーザーの方のプレイレベルが上がってきているので、すごくやりこんでくださっている方が見ても面白いし、まだ挑戦したことがない方もプレイするきっかけになるような。そんな企画を考えていけたら面白いのかなと思います。

モエノ  私は、たくさんの声優さんにご出演していただいている『グラブル』だからこそできることがあると思うので、まだゲームをプレイしていない方まで引き込むような、新しい切り口を探していきたいと思います。先日放送した「ゆるっと!ぐらぶるTVちゃんねるっ!」のように新しい可能性を模索していきたいですね。

サユリ せっかくなので私は企画以外のことで……。現在、ユーザーのみなさんにお寄せいただいたSNSのコメントやファンアートなどを生放送内で紹介させていただいていますが、これからもそういった取り組みを通して、生放送をユーザーのみなさんとコミュニケーションを取る場にできればと思っています。

最後に、今回の夏の生放送に向けて意気込みをお願いします。

ユキノ 毎夏公開生放送で開催していた形が新型コロナウイルス感染拡大防止のためにできなくなってしまったのは残念ですが、それでも面白さは変わらないように準備しています。むしろ、こういうご時世だからこそ、先ほどお話しした「心を1つに」のテーマのもと、これまで以上のものをお届けできるようにチーム一丸となって頑張っているところです。ゲームの新情報もたくさんあるのでご期待ください!


夏の生放送は8月8日18時から、YouTubeおよび公式TwitterよりPeriscopeにて配信します。ぜひご視聴ください!