「最高のコンテンツ」は、最高のチームで作る。チーム・サイゲームスの考えのもと、サイゲームスでは部署やプロジェクトを横断して、知見やノウハウを共有する場を用意しています。
主な社内勉強会にはこれまで紹介してきた「CyStudy」「スキルサーズデー」の他に、デザイナー向けの勉強会として「デザイナーズトーク」があります。今回は、その勉強会の講演の1つをご紹介。制作管理チームのスタッフの「家族とのコミュニケーションの中で学んだ、進行管理のコツについて」の講演です。

家庭での失敗を糧に
制作管理のパフォーマンスをアップ

主にゲーム内で使用する3DCGの進行管理を担当している、サイゲームスのとあるスタッフ。制作管理は社内外のさまざまな人と連携し、開発をスムーズに進める「橋渡し役」となります。長年、3DCGの制作に携わる彼は、仕事で必要なコミュニケーションは家族から学ぶことも多かったと言います。
夫婦と三兄弟(長男10歳、次男8歳、三男4歳)の5人家族で暮らし、家庭での経験をどのように仕事に落とし込んだのか。気持ちよく仕事をするためのヒントやきっかけとなるよう、父親として学んだことを社内のデザイナーのスタッフたちへ共有していました。

先を想定し過ぎるとツラくなる…
コツその1「変化を楽しむ」

1つ目に家族から学んだのは、「変化を楽しむ」ということ。
保育士として働く奥様は子どもの教育に熱心で、夫婦で子どもたち3人の教育方針についてガッチガチに決め込んでいたそうです。

しかし、子どもは「今を生きる」もの。たとえ、子どものためを思っての親心だったとしても、無理強いになってしまう場合もあります。将来を考えての親の計画(習い事や塾など)は子どもたちに反発され、夫婦でもぶつかることも多かったようで思った以上にイライラが募ってしまったのだとか。

そこで、夫婦で教育方針について見直し、初めからズバッと決めるのではなく、変化ありきの方針にチェンジしたとのこと。

「子育てをしていく中で、3人の子どもの特性に気付いたんです。例えば、次男はおとなしいタイプですが、好奇心旺盛でもあります。
私たち夫婦が子どもたちの性格や嗜好への理解を深め、それぞれの子どもに合わせて“変化ありき”の教育方針にすることにしたんです。

また、子どもたち自身が決断するポイントを作ることも、楽しんでコミットしてもらう上でとても大切だと言います。

「例えば、興味を持ってくれそうな習い事をいくつか紹介し、何をやるか子ども自身に考えて決めてもらいました。そうして自立心を育てたいと思っています。柔らかく、変化を楽しむスタンスですね。」

■教訓として仕事に活きたこと

教育方針を決め過ぎた失敗から学び、仕事にも活かせたようです。それは「当初のスケジュールに固執しない」「状況変化に合わせてベストな進行を模索し続ける」の2つとのこと。

「スケジュールを厳守するのも大切ですが、制作の仕事は毎日がドラマティック。当初の予定に固執し過ぎると、コミュニケーションやクオリティーにも影響すると気付きました。それに世の中に求められるものやトレンドは日々刻々と変化していくものです。自分自身がそれを楽しむスタンスに変わることで、より良い仕事ができるようになりました。」

説明不足はトラブルの元
コツその2「相手の立場になって説明する」

2つ目は、「相手の立場になって説明する」こと。
「子どもは待ってくれないもの」という大人の勝手な思い込みが原因の、ちょっとした失敗があったのだそうです。

子育て中のこんなトラブルは日常茶飯事。子どもたちに反発されることを繰り返す中で、気付きがあったようです。

「これまでの似たようなトラブルを振り返ってみると、子どもたちに待ってほしい理由をちゃんと説明していなかったことに気付いたんです。“お兄ちゃんなんだから、ちょっと待ってて!”は、親の勝手な都合です。
長男が“やだ!(なんでお兄ちゃんだと待たなきゃいけないの?)”とごねるのも、ごもっともだなと反省しました。」

そこで、子どもたちに待ってもらうときには、相手の立場になって、共感を得るくらいまで詳細を説明することにチャレンジしてみたそうです。

「やはり単なる説明不足でした。子どもには“今、○○がしたい!”といった子どもなりの都合がありますから、そこを理解した上で、共感してもらえる話し方に変えたんです。
例えば、次男がお弁当を忘れたときには“このままだとお腹がすいて辛いよね、今から届けてくる”と長男にちゃんと説明しました。すると長男は、次男にお弁当がないのはかわいそうだと共感してくれて、“いいよ”と言ってくれるようになったんです。」

■教訓として仕事に活きたこと

コミュニケーションは、「相手の立場になって説明する」のが当たり前。仕事でも周りの人たちからの信頼を得るのに大切だと言います。

「スケジュールに変更があったときに、相手に待ってもらわなければいけないことがあります。そのときに説明を怠ると、トラブルの原因になることがしばしばありました。待ってもらうときには、その理由を相手の立場になって誠実に説明することが大切です。常に相手の立場になって説明できているかを自分に問い続け、改善していくことが質の高いコミュニケーションに繋がります。この改善を続け、一緒に仕事をする人からも信頼されるようになったんです。」

変化は突然やってくる!
コツその3「惜しみなく悔いなく過ごす」

3つ目は、「惜しみなく悔いなく過ごす」こと。
子どもたちの成長はあっという間。日々の暮らしにもっと向き合っておけばよかったと言います。

オムツ交換、離乳食、お風呂の世話、お出かけ……。子育てには大変なことがたくさんあったそうです。

「大変だなと思いながらやっていた育児のタスクは、ある日突然、終わりを迎えるんです。仕事から帰ると妻から、“オムツが取れたから、もういらない”と言われたり、
あんなに手を繋ぎたがっていた子どものほうから、“あ、もう手を繋がなくていいから”と言われたり……。
子どもの成長に伴って、育児のタスクが減っていくのはうれしい反面、寂しさもあります。父親としてもっと育児に向き合えばよかった!といつも思うんです。」

■教訓として仕事に活きたこと

子育ての中で感じる寂しさを噛み締めながら、何事も「今しかない」と全力で取り組むことにしたそうです。
仕事でも同じような寂しさを感じることがあったのだとか。

「周りの方々や環境がいつまでも存在するわけではありません。当たり前なことなんですが、普段は不思議とそんな意識は薄くなってしまうんですよね。“あの人とあんな風にやっていたら、もっと楽しかっただろうな”と後悔しないために、今にしっかりと向き合って、惜しみなく仕事をしようと心掛けています。

当たり前のようで忘れがち!?
良いコミュニケーションの小ワザ集

この他にも、子育ての中で実感した、仕事にも必要なコミュニケーションの小ワザを紹介していました!

■話しかけてもらったら手を止めて目を見て聞く

「基本的なことですが、育児でも仕事でも会話のときには作業を止めて、相手のほうを向きましょう。そうしないと“この人(パパ・ママ)、ちゃんと聞いてるかな?”という不信感を与えます。適度に相槌を打ち、安心感を持ってもらえるようにしましょう。

■否定から入らない

「例えば、仕事で意見を言うたびに否定されるのは誰だって嫌なものです。否定が続くと相手にしたくなくなります。みんなより良い仕事にしたくて意見を出しているのですから、頭ごなしに否定するのは止めて、お互いに尊重し合いましょう。

■正論ばかりで対応しない

「親は諭すつもりで子どもに正しいことを言おうとしますが、“そんなの知ってるもん!!”と怒らせてしまう場合もあります。仕事でも同様に、正しさばかり追求しようとすると、“そんなのわかっている!”と思われてしまうこともあります。たまには脱線もしたり、相手をリラックスさせるような話をしてみたりするのも大切です。相手が本当に伝えたいことは何なのか?話の要点の汲み取り、精度を上げられるように工夫してみましょう。」

■語尾ははっきりと言う

「家族と話すときも、仕事仲間と話すときも、語尾に意思を乗せるのは大切です。例えばうれしいときには「うれしい“わぁ”!」、お願いごとがあるときには「おねがいしま“す”!」とはっきりと言います。こうすることで、会話にいわゆる温度感が出て、相手もこちらの意図を汲み取りやすくなるんです。

■笑顔で人と接する

「子どもの頃、父親や母親が機嫌悪そうにしていると話しかけにくかったですよね。仕事で人と接するときも相手にむすっとされていたら当然、話しづらいです。笑顔がない人はそれだけで損をしていると思います。“自然な笑顔”が苦手だと思う人は、まずは口角を上げてみることからチャレンジしてみると良いと思います。少しずつ工夫して話しやすい雰囲気づくりを心掛けてみましょう。」

この講演の最後に、こんなことも語られていました。

仕事と育児を両立する中、子どもの成長に伴って、自分自身の成長も感じました。将来、子どもが思春期になる頃にはさらに友達ができたり、彼女ができたり、なんてこともあるでしょう。そのときにコミュニケーションの学びもたくさんありそうで、今からワクワクしています。家庭でも、仕事でも、良いことはどんどん取り入れて、最高のゲームを作っていきたいです!」


編集部スタッフ一同、密かに「思春期編」の講演も楽しみにしています。
以上、「家族とのコミュニケーションの中で学んだ、進行管理のコツについて」の講演をお届けしました!