サイゲームス初となる「背景イラストレーター(コンセプトアーティスト)採用セミナー」開催決定!

サイゲームスの人気タイトルの開発秘話や背景イラストに対するこだわり、想いなど、現場スタッフの声をお伝えしたいという想いから、2月9日(木)に「背景イラストレーター(コンセプトアーティスト)採用セミナー」を開催いたします。今回は、登壇者に背景チームの業務内容やセミナーの見どころを聞きました。

イラストチーム マネージャーアヤミ
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2014年よりサイゲームスにイラストレーターとして合流。
『プリンセスコネクト!』などいくつかのタイトルで彩色業務を担当後、イラストディレクターやチームリーダーを経験し、2022年にイラストチームのマネージャーに就任。一人ひとりがパフォーマンスを発揮して最高のクリエイティブを生み出せるチームづくりを目標に掲げ、組織強化や技術推進に取り組んでいる。
イラストチーム 背景班リーダーメグミ
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2016年よりサイゲームスに背景イラストレーターとして合流。
複数のプロジェクトで背景イラスト制作や監修者、チームリーダーを経験し、Cygames Calendarや佐賀スタジオコーポレートCMなど、プロジェクトの枠を超えた背景イラストも担当。2022年に背景チームリーダーに就任する。
自らも制作をしながら、背景イラストレーターがより快適な環境・体制で働けるよう、新人育成やチーム運営に取り組んでいる。

世界観を支える背景イラスト
次の10年を見据えたチームづくり

まず、セミナー開催の経緯を教えてください。

アヤミ 現在サイゲームスでは、日々、高クオリティーの背景イラストが制作できるよう、 各プロジェクトにそれぞれ背景チームがあります。今でも十分先鋭揃いで優秀なイラストレーターが揃っているんですが、10年後のサイゲームスを考えた際には、今よりも更に技術的にもテイスト的にも描ける幅を増やしていく必要があると考えています。そこで今回は背景イラストにフォーカスを当てて、背景イラストやコンセプトアートに興味がある方にぜひ来ていただきたいなという想いで開催する運びとなりました。

メグミ アヤミさんや採用チームのスタッフから「背景イラストレーターの採用セミナーやりませんか?」というお話をもらい、「ぜひお願いします」と即答しました。やっぱり背景イラストレーターの応募ってあまりなくて……理由を考えたときに、どんな仕事をしているのか知らない方が多いのかなと思って。今回のセミナーはみなさんに背景のお仕事を知ってもらいたいという想いがあるので、盛りだくさんな内容になると思います(笑)。

登壇者が語る
今回のセミナーの見どころは?

早速、今回のセミナーの見どころを教えてください。

メグミ サイゲームスの背景イラストの仕事について、どんな業務内容なのか、どんなスキルを持っていると活躍できるのかがわかる内容になっています。実際のゲームで使われているイラストを交えつつお話しするので、背景イラストについて知りたい方はもちろん、背景イラストに興味はあるけど一歩踏み出すのに悩んでいる方にもぜひ来てほしいです。

イラストも見せてもらえるのですね。例えばどんな内容の制作物が見られるのでしょうか?

メグミ 『グランブルーファンタジー』の背景イラストをはじめ、『ウマ娘 プリティーダービー(以下、ウマ娘)』の背景イラストもお見せします。『ウマ娘』はADV背景(※)の印象が強いと思うのですが、コンセプトアートもたくさん描いていて……実はスキルカットインのイメージボード(映像を作る前に用意されるラフイラスト)は背景チームが描いています。

※ ADV背景……アドベンチャーパートで使用される、キャラクターが話している背景に表示されるイラスト

例えば、ダンス衣装のフジキセキがスキル発動する際に噴水の前で踊るシーンがあります。 あのシーンも、まずは2Dイラストでイメージボードを描いて、それを3Dイラストに起こしています。スキル発動シーンのイメージボードは今回のセミナーじゃないと見られないと思いますね。

アヤミ また、今回は『プリンセスコネクト!Re:Dive(以下、プリコネR)』と、昨年1週間限定でリリースした『プリコネ!グランドマスターズ(以下、プリグラ)』についてもお見せする予定です。

メグミ 『プリコネR』は初期段階のイラストを用意しています。『プリグラ』は2Dのイラストを基に3Dを起こしており、モデリング後に「もう少し影の形を入れられないか」「色味をもう少し明るくできないか」といったビジュアルの指針になるイラストを作ってオーダーすることもあるので、そういった内容のイラストもお見せしようと思っています。

背景イラストレーターとコンセプトアーティストの
主な仕事内容

続いて背景チームの具体的な仕事内容について教えて下さい。

メグミ ユーザーのみなさんがまず想像しやすいのは、ADV背景ですかね。ゲーム画面にキャラクターが立っていて、下に吹き出しがあり、その後ろに背景イラストがあって……といった画面の背景イラストを制作しています。あとは、キャラクターや敵がいて、横スクロールで戦闘が進んでいくようなバトルシーンの背景イラストも作っています。プロジェクトによっていろんな種類があるんですけど、背景として表示されるものはほぼ制作していますね。

どういったフローで制作するのですか?

メグミ プランナーやシナリオチームのスタッフとやり取りをして、そのシナリオに合った背景イラストを作っていきます。制作期間は、ものにもよりますが短くて約2週間、長いと1か月以上かけたりもします。最後までこだわって作るために一枚の背景イラストに必要な作業は全部1人で担当するという決まりがあるんですが、その中でも合間合間でアートディレクターやプランナー、チームの監修者に見てもらって「この方向性で良いか」というのを都度擦り合わせながら進めていきます。

アヤミ 一枚の背景イラストでも、リリースまでにはさまざまなスタッフのチェックを通っています。例えば、チームに1人いる背景専門の監修者は背景イラストのクオリティーを担保していますが、それとは別に、イラストディレクターやアートディレクターがおり、「そのイラストがゲームの世界観と合っているか」を総合的にディレクションする役割を担っています。それらのチェックを通して、世界観に合ったクオリティーの高い一枚が完成するフローになっています。

続いてコンセプトアーティストの仕事内容も教えてください。

メグミ コンセプトアートは、プロジェクトが立ち上がる初期段階で作られる、そのゲームの世界観における一番基礎となるイラストです。プランナーやシナリオ、そしてアートディレクターとゲームの方向性を擦り合わせながら作っていくので、普通の背景と違う点としては、描いては相談してブラッシュアップして……というのを繰り返さないといけません。そのため、アートディレクターからの指示を聞いて描くだけではなく、自分からも提案をする必要があり、そういった提案が好きな人がコンセプトアーティストに向いていると思います。

アヤミ ゲームの初期段階では、コンセプトアートというくくりで、背景イラストだけでなくキャラクターや武器なども含めたくさんアイディア出しをする必要があります。プロジェクトにもよるのですが、コンセプトアートを「とりあえず10枚出して欲しい」というタイトルもあれば、「まず3パターン出してそこから軸を選んでいこう」といったタイトルもありましたね。

▲『グラブル』コンセプトアートのうちの一枚

メグミ そのイラストをゲーム全体のコンセプトにするので、基本的には確定したら手を入れません。コンセプトアートをいじってしまうと「そのゲームらしさ」みたいなところがなくなっちゃうので、基本的には軸としてぶらさないですね。

アヤミ 背景のコンセプトアートに関しては、そのプロジェクトに所属しているスペシャリストで技術がマッチしているスタッフにお願いすることが多いです。

チームとして最高を求める取り組み

イラストチームの背景班としてスキルアップするための取り組みなどはありますか?

アヤミ イラストチーム全体で行っている施策ですと、イラストチーム強化講座がありますね。その中で背景イラストに関わるものだと、「背景基礎」という講座がありまして、さまざまな角度から背景との向き合い方を楽しく学べる内容となっています。

メグミ 背景班では、有志でメンバーが集まって練習会をやっていたり、外に出てみんなでスケッチ会をしたりしています。練習会では、例えばパースがよくわからないというスタッフがいれば、そのスタッフに合わせてパースがわかりやすいイラストを一緒に描いてみたり、30分でスケッチをしたりとか。

▲屋外でスケッチした作品(左)と、30分スケッチの作品(右)

メグミ コロナ禍以前は昼休みに会社の周りでスケッチをしていました。現在は予定が合うスタッフで公園で描いたりしています。やっぱり若いスタッフや合流したばかりのスタッフは自分なんてまだまだ……と萎縮しちゃう人も多いじゃないですか。でもスケッチ会や簡単な勉強会だとあまり気負わずに先輩スタッフと楽しみながら絵の勉強ができるので、すごく良い取り組みだと思っています。

若手スタッフへのフォローアップも積極的に行っているのですね。

メグミ はい。月1で各プロジェクトのリーダーと面談をし、3か月に1回は班のスタッフ全員と面談する機会を設け、困っていることなどをヒアリングしています。面談では技術的な質問も多く、おすすめの本を教えることもありますね。

実は背景班はゲーム会社出身じゃない人も多いんです。例えばアニメや映像業界出身だったり、3D制作をしていた人が2Dイラストの制作を希望して合流したケースだったり……未経験のスタッフが多いのでフォローは大切にしています。

現在背景班は約何名在籍しているのですか?

アヤミ 40名弱です。イラストチーム全体で約300名なので、割合的には少なめですね。さらに大きくしていきたいと考えていますが、ただ人を増やすというよりは、新たに合流したスタッフを含めそれぞれが教え合い、切磋琢磨しながら高め合ってチームの厚さを増していくようなイメージで考えています。

最後に、どんな方にセミナーに参加してほしいですか?

メグミ サイゲームスの背景イラストに少しでも興味がある方はもちろん、ゲーム業界未経験で不安だと思っている方や迷っている方にも参加してほしいです。業務が具体的にイメージできるよう、さまざまな素材を見せながらお話ししますので、自分が合流後どのように活躍できるのかを想像しやすくなると思います。

アヤミ 背景イラストでゲームの世界観を表現したい、ゲームに実装される一枚を仕上げまで描き上げたいといった方はもちろん、ディレクターやプランナーたちとアイディアを出しながらコンセプトアートを作りたい方にも参加してほしいですね。あとは、これからのタイトルは3Dを活用したゲームも増えていくと思いますので、3Dのコンセプトデザインなどに自分の力を活かしたい方、挑戦したい方にもおすすめです。

最後に一番大事なことですが、サイゲームスはチームワークを大事にしているので「仲間と一緒に働きたい方」「コミュニケーションを大事にしたい方」も来ていただけるとうれしいですね。
特に背景班は技術や知識の共有、メンバー同士の交流を積極的に行なっているチームです。そんな背景班に関して、どんな仕事があって、どんなスタッフがいて、どのように高め合っているのかという点を今回紹介する予定です。チームで一緒に仕事をしたいと思っている、そんなみなさんの参加をお待ちしています。

セミナーは終了しました