【マネージャーの思考】デザイン制作管理チームの組織づくり クリエイティブ管理で最高のコンテンツに貢献

「マネージャーの思考」は、サイゲームスの各部署のマネージャーから、組織づくりの考え方や今後の展望を語ってもらう連載です。今回は、デザイナーのスケジュール調整や画像データの管理、外部パートナーとの窓口業務などを担う「デザイン制作管理チーム」のマネージャー・ダイスケにインタビューを実施。複数のセクションからなるチームを連携させるための施策や、チームスタッフに求める人物像などを聞きました。

デザイン制作管理チーム マネージャーダイスケ
gutenberg-examples
大学でイラストやグラフィックデザインを学ぶ。卒業後はWebやUIデザイナー、イラストレーター、制作管理業務などを経験し、2017年にサイゲームスに合流。『Shadowverse』のデザイン制作管理業務を経て、マネージャーに就任。現場の細やかなサポートや複数のセクションからなるチームの連携に努める。

スピード感のある現場で
「最高のコンテンツ」に関われる

最初に、サイゲームスに合流するまでのキャリアを教えてください。

学生時代は美術大学のグラフィックデザイン学科に通っていました。卒業後はWebデザイナーとして広告会社に就職して、UIデザインやFlashの制作をしていましたね。それが2011年頃で、当時は広告が紙媒体からWebへ移り変わっていったり、携帯電話でゲームをするのが流行り始めたりした頃だったと思います。

その後、イラスト制作やWebデザインをメインにしたフリーランスを経て、UIデザイナーとしてゲーム会社へ転職しました。当時は業界的にイラストレーターが少なかった印象で、私が入った会社もイラスト専門の部署がなかったため、デザイナーがデザイン業務と並行してイラストの外注管理や進行管理、データ管理など、制作管理系の業務も担当していました。次第に業界にもイラストレーターが増えていき、社内でイラストチームを立ち上げてマネージャーを務めました。サイゲームスに合流したのは2017年でした。

サイゲームスに合流した理由を教えてください。

サイゲームスのクリエイティブが業界No.1だと感じていたからです。『神撃のバハムート(以下、バハムート)』がリリースされたとき、カードイラストを見て圧倒されました。前職が同じゲーム業界でもあったので、サイゲームスのイラストやデザインのクオリティーの高さを感じていました。

合流後はどんなタイトルに関わりましたか?

『Shadowverse(以下、シャドバ)』の制作管理として、主にイラストの管理業務をやっていました。リリースされて半年くらいの時期で、プロジェクト全体が『シャドバ』を世界に広めていこう!」と高い熱量で同じ方向を向いていたのを覚えています。周年イラストのスケジュール管理やリアルイベントのプロモーションを他部署と連携して行うなど、合流直後から様々な取り組みを経験できました。10か月ほど『シャドバ』のプロジェクトに所属したあと、デザイン制作管理チームのマネージャーになり、現在に至ります。

合流後のサイゲームスの印象はどうでしたか?

元々クオリティーの高さに惹かれていた『バハムート』のカードイラストは『シャドバ』に受け継がれている部分があり、イラストの技術・制作スピード・監修体制など、クオリティーを追求する組織・環境を知って驚きました。それから役員との距離感が近いのもあり、風通しの良さも印象的でしたね。

三つの部門導入・全体ミーティングなど
様々な施策で各セクションを連携

デザイン制作管理チームが発足した経緯を教えてください。

各プロジェクトの規模が拡大していく中で、制作物の進捗状況を俯瞰して管理する「進行管理」、画像の書き出しや共有フォルダを整理する「画像データ管理」、外部の作家様やパートナー会社の窓口業務を担う「外注管理」のニーズが生じ、各プロジェクトでの担当スタッフが増えていきました。そこからデザインに関わる業務全般を大きくまとめるデザイナー部がデザイン管理系のセクションもまとめることになり、2014年に現在のデザイン制作管理チームが立ち上がりました。

▲デザイン制作管理チームのセクション構成

現在、社内には1000人を超えるデザイナーが在籍しています。各プロジェクトにおけるクリエイティブのスケジュール管理やデータ管理、外部パートナー会社との窓口業務などを行い、デザイナーのパフォーマンスを最大化することがデザイン制作管理チームのミッションです。

現在、どのようなスタッフがどれくらい在籍しているのですか?

3セクション合計で約70名が在籍しています。経歴としては、元々デザイナーやイラストレーターで、実制作よりも管理業務にやりがいや適性を感じて転向したというのが最もよくあるパターンです。
その他、中途合流者の中には、プロジェクトマネージャーとしてマネジメント業務をしていた人、アニメ業界で制作進行業務を行っていた人、テレビ業界のADだった人、フリーランスでイラストを描いていた人など様々ですね。年代も幅広いですが、平均は30代前半で、男女比は同程度です。

複数のセクションを束ねるにあたり課題だったことや、それをどう改善したかについて教えてください。

進行管理・画像データ管理・外注管理のセクションで業務内容が違うため、最初はチーム内のスタッフ同士でもセクションが異なると誰が何を担当しているのかわかりにくいという課題がありました。プロジェクト間の技術共有がしづらく、メンバー同士でもコミュニケーションを深めにくかったため、チームとしてのパフォーマンスを最大化できるよう、現在は以下のような施策を行っています。

■部門制の導入

2022年に、「メンバーフォロー部門」「プロジェクトフォロー部門」「チームフォロー部門」の三つの部門を設立しました。

●メンバーフォロー部門
チームメンバーの育成や個人のスキル、業務面の課題をフォローする部門です。各セクションのリーダーもこの部門に所属しています。
リーダーがチームのスタッフと定期的に1on1を行い、個人の状況や目標設定に合わせてスキルアップ・キャリアアップの相談に乗っています。
また、各セクションを横断した知見共有・個人の成長や技術向上を行うための施策を担当しています。例えば、特定のプロジェクトで使用しているツールのナレッジを他プロジェクトのメンバーへ共有したり、新規開発と運用時の課題解決のための情報交換を行うなど、これまでにも幅広い施策を実施してきました。

●プロジェクトフォロー部門
各プロジェクトのリーダーと連携して現場の稼働状況を集約し、現場で起きている課題に対して適切な改善策を提案しながらプロジェクトをフォローしていく部門です。
例えば、デザイナーの人手が足りない場合は採用や社内からアサインできないか検討したり、プロジェクトの立ち上げ時に必要なクリエイティブの体制を構築したりなど、プロジェクトのデザイン領域が円滑に進むようにフォローします。
各プロジェクトのイラストレーターとデザイン制作管理チームの状況を包括的に把握するため、イラストチームのプロジェクトフォロー部門とも連携しています。

●チームフォロー部門
サイゲームスへ合流した人が社内にいち早くなじめるように、社内ツールのレクチャーやコミュニケーション活性化のための施策を行い、仕事に取り組みやすい環境・チームづくりを進める部門です。
デザイン制作管理チーム内で勉強会を推進したり、チームをより良くしていくための向上委員会を運営したりしています。
チーム向上委員会とは、サイゲームスの企業文化と働きやすさをバージョンアップする委員会「VUC」のデザイン制作管理チーム版です。チーム全体にプラスになる活動を企画・実施し、チーム力向上を図っています。

■チーム全体定例ミーティング

毎月、チーム全員でオンラインミーティングを実施しています。その月に合流したスタッフの自己紹介やチームへの連絡事項、マネージャーからチーム全体に直接話をする場を設けています。

チームをまとめるための様々な施策がありますね。組織づくりにおいて大切にしていることはなんですか?

「チーム・サイゲームス」の意識です。個人ではなく、チームだからこそ実現できるものがあると思います。ゲーム開発はもちろん、組織づくりや育成に関しても、自分一人ではできないことがチームであれば実現可能です。若手のメンバーが成長できるのも、組織としてベテランの先輩から技術や考え方を学んでいける環境があるからだと強く感じています。また、これから成長するスタッフが数年後に若手を育成して、サイゲームスのクリエイティブ領域がより強くなっていくような好循環をまだまだ構築していきたいです。

昨今はAIによる自動化や効率化の話題が尽きませんが、私は人だからこそ実現できる仕事があると思っています。情報やデータの受け渡しだけならツールを活用すればよいのですが、細やかなスケジュール調整やクリエイティブを高めるための最終工程など、人と人を繋ぐ役割や臨機応変な判断はまだまだ人の手が必要です。デザイン制作管理チームの細やかなサポートで、サイゲームスのクリエイティブをさらに強くしていきたいです。

デザイン制作管理チームを一言でいうとなんですか?

「クリエイターの架け橋」です。デザイナー職にはイラストレーターや3DCGアーティスト、インタラクションデザイナーやテクニカルアーティストなど様々な職種があります。それぞれのデザイナーのクリエイティブが円滑に進むように支えていくことはもちろんですが、デザイナーに限らず、サイゲームスのスタッフ全員がクリエイターであると考えています。デザイナー、プランナー、エンジニア、バックオフィスなどあらゆるプロフェッショナルの架け橋となって、最高のコンテンツを制作できるようにするのがこのチームの役割です。

デザイン制作管理チームの仕事の醍醐味はなんでしょうか。

「人に喜んでもらうこと」ですね。ゲーム開発をしていく中で人と人の間に立ち、些細なことでもスタッフに喜んでもらえたとき、デザイン制作管理としてのやりがいを感じます。そうやってまず開発現場のスタッフに喜んでもらうことがクオリティーアップに繋がり、最終的にはユーザーの方々に喜んでいただくことにも繋がっていくのだと思います。
個人的にクリエイティブの世界で仕事をするのが小さい頃からの夢だったので、この仕事を通して、もっと多くの人に喜んでいただけるよう最高のコンテンツに貢献していきたいです。

最高のパフォーマンスを発揮できる
体制と環境を強化

デザイン制作管理チームの展望を教えてください。

クリエイターが最大限のパフォーマンスを発揮できる体制と環境を、引き続き整えていくつもりです。国内のゲーム会社で進行管理やデータ管理を専門とした部署が存在することは少ないですが、ゲーム開発はだんだんと大規模なものになっているので、今まで以上にマネジメント領域が求められてくると考えています。
また、数年前まではブラウザゲームが主流だったため2Dのゲームが多かったのですが、ネイティブアプリゲームがメインなってからは、3Dが使用されるゲームが非常に多くなってきました。デザイナーと同様、我々も時代の変化に合わせて新しい技術の知見や適切な管理方法を習得していく必要があります。デザイン制作管理チームが存在しているメリットを最大限活かせるように、チームメンバーが安心して成長できる環境を整え、チームの強化を図っていきたいです。

どのような人に来てほしいですか?

繰り返しになってしまうのですが、特に大事なのは「チームで仕事をしたい」という想いです。クリエイターのスケジュール調整や制作物のデータ管理など、デザイン制作管理はチームで動くことがほとんどです。様々な職種や部署のスタッフとコミュニケーションを取り、みんなと同じ方向を向いてものづくりを推進していきたい方に来ていただきたいです。
その他は、ゲームが好きであること、「最高のコンテンツを作る!」という情熱がある人、クリエイティブなことが好きな人、ポジティブな人に来ていただきたいですね。

最後に、サイゲームスの好きなところを教えてください。

「仕事のスピード感の早さ」と、みんなが最高のコンテンツを作るために「同じ方向を向いている」ところです。「できるかできないか」ではなく、「どうやったらできるか」という思考で、驚くべきスピードで実現に向けて話が進んでいきます。それはみんなが「最高のコンテンツを作る」という同じビジョンを持ち、目標を実現できるプロフェッショナルが揃っているからこそ可能になっているのだと思います。


以上、デザイン制作管理チームのマネージャーのインタビューをお届けしました。
現在サイゲームスでは、一緒に働く仲間を募集しています。この記事で興味を持った方は、ぜひ一度こちらをチェックしてみてください。

進行管理の募集要項

編集後記「マネージャーの横顔」

休日はどんなことをしていますか?

子どもが大きくなってきたので、一緒にゲームをしたり、家族でイベントへ出かけたりすることが多いですね。最近は子ども向けコンテンツに触れることも多くなって、今までの自分にはなかった新しい気付きがあって面白いです。
また、定期的に家族で地元に帰省するのですが、自然に囲まれて過ごすのが好きです。山しかないんですが…(笑)。子どもにとっては普段と違う環境なので楽しそうに過ごしていますね。

★あわせて読みたい★