新卒デザイナー職 魅せるポートフォリオの作り方 Vol.2 3DCGアーティスト編

デザイナー職の選考の際に必ず登場するのが「ポートフォリオ」。
本特集では、サイゲームスへ新卒入社したデザイナーやイラストレーターが、選考で使用した実際のポートフォリオを取り上げながら、ポートフォリオの作り方、採用担当者たちの着眼点やサイゲームスが大切にしていることをお伝えしていきます。
Vol.1 イラストレーター編に続いて、今回は3DCGアーティスト編をお届けします。サイゲームスのデザイナー職を目指している方は、ぜひご覧ください!

ポートフォリオに必要な情報とは

Vol.1 イラストレーター編でもお伝えしましたが、ポートフォリオに掲載する作品内容にかかわらず、各作品には以下の情報を記載しましょう。

 ・制作時期
 ・制作作業時間
 ・使用しているツール(ソフトウェアの名称など)

また、上記に加えて、作品の意図や制作の経緯、原画やワイヤーフレーム画像などの制作過程の取り組みについて記載いただくこともおすすめです。採用担当者の理解が深まり、あなたご自身のスキルや作品の魅力がより伝わりやすくなります。

ポートフォリオや履歴書の形式について

ご自身の魅力が伝わることが一番大事ですので、提出物の形式には制限がありませんが、それゆえに「どのようなフォーマットが良いのだろう」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。そこで、3DCGアーティストの採用担当者に形式の一例について聞いてみました。

①ポートフォリオの形式について
ポートフォリオは必ずしも製本する必要はありません。また、豪華な装飾がなくても大丈夫です。市販のA4サイズのクリアブックなどに簡単にまとめていただければ問題ありません。また、動画形式の作品がある場合は、DVD-Rなどを利用してぜひご提出ください。

②履歴書の形式について
履歴書は手書きである必要はありません。PC上で作成したものをご提出いただいても合否に影響はありません。

上記はあくまで参考としていただきつつ、ご自身の伝えたいことが最も活きる自由な形式でご提出ください!

ポートフォリオで何を伝えるか

ポートフォリオは、ご自身のスキルのアピールだけでなく、制作に懸ける想いを表現する機会となります。作品の細部にまでこだわって作ることはもちろん大切ですが、「見る人に何を伝えたいのか」を明確にして制作いただくことも重要です。
採用担当者をはじめ、サイゲームスのクリエイターたちは、「ユーザーのみなさんへ何を伝えるか」を意識して作品づくりに取り組んでいます。想いのこもった作品は見る人の心を動かすことができるからです。

ここからは、実際の作品を紹介しながら、ポートフォリオを作成する際に意識するポイントをまとめました。Vol.1 イラストレーター編と共通する部分も多いですが、特に3DCGのポートフォリオについて採用担当者に響くコツ3つをご紹介します。①から見ていきましょう。

①「ゲームを作りたいという想い」を伝える

3DCGアーティストという職業はゲーム業界に限らず、映画やドラマ、テレビCMなど多方面に活躍の場があります。さまざまな業界がある中で、「ゲーム開発に関わることを目指して努力していること」をポートフォリオの中で表現すると、採用担当者としても一緒に働くイメージが浮かびやすくなります。
この新卒社員のポートフォリオにはオリジナルを含め、多くのゲームキャラクターやアイテムの作品が含まれており、「ゲームを作りたい!」という想いが伝わってきました。オリジナル制作のものでも、既存コンテンツを基に制作した作品でも問題ありませんので、ゲーム開発への熱意を伝えることを意識して制作しましょう。

②「どのようなゲームを作りたいのか」を伝える

一口に「ゲーム」と言ってもジャンルはさまざまです。ポートフォリオを作成する際は、「どのようなゲームを作りたいのか」を具体的に伝えることが大切です。例えば、フォトリアルなのか、ファンタジーやデフォルメテイストなのかといった、どのジャンルに携わりたいのかを伝えるということです。
写真左の作品からはデフォルメテイストへ、右の作品からはハイエンドへ関わっていきたいということが伝わってきました。
特定のジャンルだけでなく、幅広く活躍したい方は、さまざまなジャンルの作品をポートフォリオへ加えましょう。サイゲームス入社後の配属は、選考や入社後の研修でわかる適正とご本人の希望に基づいて決められます。そのため、ご自身の希望や可能性が伝わる作品をポートフォリオに加えましょう。

③「基礎力」を伝える

Vol.1 イラストレーター編でもお伝えしましたが、ポートフォリオにデッサンなど基礎力の伝わる作品を取り入れてみることをおすすめします。デッサンやクロッキー、水彩画や油彩画、日本画、デジタル2Dイラストなど3DCGアート以外の基礎力が伝わる作品を加えてみましょう。学校の課題で制作した作品などでも大丈夫です。
3DCGアーティストが使用するソフトウェアやツールは日々進化して便利になっています。ソフトウェアやツールを使いこなすことはもちろん大切ですが、基礎力が身に付いていると、より良い作品を作り上げることができるでしょう。入社後に成長し活躍するスタッフたちは、この基礎力をしっかりと鍛えてきた者が多いです。ぜひ、ご自身の基礎力が伝わる作品を加えてみましょう。

職種ごとに異なるアピールポイントについて

3DCGアーティストと言っても、さまざまな職種に分類されます。サイゲームスでもキャラモデラー、背景モデラー、モーション、エフェクトなどさまざまな職種のスタッフが活躍しています。

やりたいことをアピールする際には、職種ごとに求められるスキルが伝わる作品、資料を入れるとさらに良いでしょう。ここでは、キャラモデラー、モーションやエフェクト、背景モデラー希望の方向けのポイントをご紹介します。

・キャラモデラー希望の方

キャラモデラー希望の方は、UV展開図をポートフォリオに入れましょう。UV展開図を見れば、効率よい展開の仕方、描きやすい展開の仕方などがわかります。
このポートフォリオを提出した新卒社員は、学生時代に制作した複数のゲームでキャラモデラーをしており、制作したゲームごとにUV展開図もまとめていました。

・モーション希望、エフェクト希望の方

モーションやエフェクト希望の方は、紙の資料だけではなく、映像形式でも提出すると良いでしょう。紙面では伝えきれない、人や物の動きの機微や重心移動の仕方が伝わります。それらの繊細な動きを映像資料にすることで、ツールを使いこなすスキルだけでなくご自身の観察力もアピールすることができます。この映像形式の作品からは、重心の変化やそれに対する力の伝わり方/バランスの取り方など普段から何を意識しているのか伝わってきました。

・背景モデラー希望の方

背景モデラー希望の方は、ご自身が作っていきたい世界観が伝わる作品を加えましょう。あなたのイメージする世界が持っている空気感や、その世界を構成する地形、動植物、生物、建築物などの要素が伝わることはもちろん、例えば建築物がどういった経緯で構築されたのか、生物がどのように暮らしている世界なのか、など一歩踏み込んだところまで伝わる作品を採用担当者は期待しています。
また、キャラモデラー希望の方と同様に、UV展開図についてもぜひポートフォリオに加えていただくことをおすすめします。

ポートフォリオにご自身のアピールポイントを散りばめる

ここまでに紹介してきたポートフォリオの例に限らず、3DCGアーティスト希望の学生の方からさまざま作品、ポートフォリオを提出していただいています。
例えば、完成作品だけでなく、ラフ画や失敗作品など完成に至るまでの試行錯誤も含めて作品として提出した新卒社員もいました。作品づくりでの経緯が伝わり、採用担当者の印象に残ったようです。

他にも、限られたポリゴン数で作り上げた作品や、3DCGの最大限の表現力に挑戦した作品など、一定の条件の中でこだわって取り組んだ作品を提出する者もいました。また、キャラモデラー志望の者で、キャラクターだけでなく身に着ける小物、住んでいる家、家具や食器類なども含めて作品としてポートフォリオをまとめた新卒社員もいました。

ここまで、さまざまな事例を基に3DCGアーティストのポートフォリオの考え方についてお届けしました。これもVol.1 イラストレーター編でもお伝えしたことですが、ポートフォリオの形式に明確な決まりはなく、今回挙げたポイントをすべて満たしたポートフォリオが正解というわけではありません。

今はまだ多少技術が拙くても、ゲーム制作に関わりたいという情熱、誰かを驚かせたり楽しませたりすることを仕事にしたいという強い意志、プロのデザイナーになるという覚悟など、作品一つひとつに込められたその想いは採用担当者に必ず伝わります。

あなたしか作れない、型にはまらないこだわりのポートフォリオをお待ちしています!
次回も、他職種のポートフォリオについてお届けする予定です。

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