新卒デザイナー職 魅せるポートフォリオの作り方 Vol.3 アニメーションデザイナー・UIデザイナー編

デザイナー職の選考の際に必ず登場するのが「ポートフォリオ」。
本特集では、サイゲームスへ新卒入社したデザイナーやイラストレーターが、選考で使用した実際のポートフォリオを取り上げながら、ポートフォリオの作り方、採用担当者たちの着眼点やサイゲームスが大切にしていることをお伝えしていきます。
最終回となるVol.3では、アニメーションデザイナー・UIデザイナー編をお届けします。

他職種のポートフォリオはこちらの記事にて紹介しています。
Vol.1 イラストレーター編
Vol.2 3DCGアーティスト編
ポートフォリオに必要な基本情報(制作期間・制作作業時間・使用したツール)と書類形式については、どの職種も共通ですので過去の記事もぜひご覧ください。

サイゲームスでは、アニメーションデザイナーとUIデザイナーの2職種は「インタラクションデザイナーチーム」に所属しています。この部署は、ゲームをわかりやすく魅力的にデザインすることを目的として各種の業務を行うのがミッションです。

本記事では、アニメーションデザイナー・UIデザイナーが担うそれぞれの役割から、新卒のポートフォリオではどこに注目しているのかまでご紹介します。

アニメーションデザイナーの役割
「ゲームに命を吹き込む」

まずはアニメーションデザイナーからご紹介します。
「アニメーション」という言葉は、生命を意味する「アニマ」に由来しています。その由来の通り、アニメーションデザイナーはゲームに命を吹き込む役割を持ち、2Dキャラクターのモーション、エフェクト、画面演出やUIアニメーションなどを作成し、ゲームを彩る役割を担っています。

また、ゲームのわかりやすさを補強したり、何度も操作したくなる心地よさを与えたりすることも大事な役割です。
突き詰めて言えば、ゲームはパラメーターなどの数値の受け渡しと結果の表示があれば成立します。しかし、数値だけを見て面白いと感じられる人はほとんどいません。そこで、ゲームを楽しめるようにゲームらしく「味付け」するのがアニメーションデザイナーの仕事であり、腕の見せどころと言えます。

アニメーションデザイナー採用担当者に聞いた
ポートフォリオの「3つのポイント」

①ゲームを作りたいという想いを伝える

Vol.2の3DCGアーティスト編と同じく、アニメーションと一口に言っても、アニメや広告映像、Webなど、幅広い製作の場があります。その中でも「自分はゲームを作りたい」という想いが伝わるような作品をぜひ加えてください。

例えばこの内定者のポートフォリオの中には「Unity(※ゲーム開発エンジン)」で動かすためのエフェクトや、ゲーム画面を想起させるようなイラストがあった点が、採用担当者の間でも好評でした。

▲Unityで動かすためのエフェクト
▲UIやキャラクターなどゲームをイメージしたイラスト


②こだわりのアニメーションを見せる

アニメーションデザイナーはキャラクターモーションから画面演出などまで幅広い制作を担当しますが、初めから幅広いスキルを求めているわけではありません。まずは自分が作りたいものを見つけ、こだわりを持って作ってほしいです。学校の課題や入門書で学んだアニメーション技術を用いて、何を表現するか、どんな点にこだわって制作しているかに注目しています。

▲動きの抑揚にこだわったアニメーション
▲オリジナリティーのある表現にこだわったアニメーション


③豊富なバリエーションを取り入れる

アニメーションデザイナーは2Dキャラクターのモーション、エフェクト、画面演出やUIアニメーションなど幅広い業務に携わるため、多くの知識が必要になる職種です。そのため、バリエーションに富んだポートフォリオはとても魅力的に映ります。現状のスキルだけを見ているのではなく、「将来幅広い業務にチャレンジできるか」というポテンシャルも見ているからです。

ぜひ、ポートフォリオにはアニメーションだけでなく、イラスト、デッサン、UIなど何でもかまいませんので、今まで挑戦してきたさまざまな作品を取り入れてください。
そして、ただ「やってみた」を超えて、しっかりと自信を持って「挑戦した!」と言える作品をお待ちしています!

▲イラスト、デッサンなど幅広い作品が含まれていた例もありました

アニメーションデザイナー希望の方に
作品づくりで意識して欲しいこと

今までお話しした3つのポイントに加えて、採用担当者は、「制作したアニメーションの違和感に、自分自身で気付いて修正できているか」も見ています。例えば重心移動がおかしくないか、ちゃんと接地しているかどうか、など実際の物理現象に沿った動きを意識できているかといった点です。

そんな「気付き」を養うためには、まず日頃から「観察」することが重要です。例えばジャンプするアニメーションを作るためには、実際の人間の動きを観察したり、自分で実践したものを動画で撮って確認したりすることで、自身が制作した作品について違和感がないかに気付きやすくなります。

また、アニメーションツールを使用した経験がなくても、制作したい想いがあればぜひチャレンジしてください。「After Effects」「Spine」「Live2D」「Animate」などのアニメーション制作ツールは習得のハードルが高いと感じるかもしれません。ただ、新卒採用では現状のスキルと同じかそれ以上にポテンシャルを見ています。制作ツールを上手に使いこなせることはマストではなく、ツールを使ってどのようなアニメーションを作ったのかに注目しています。

UIデザイナーの役割
「美しさと使いやすさの両立」

ここからは、UIデザイナーについてご紹介します。
UIとは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の頭文字で、一般的に、UIデザイナーは、各種の操作や情報の表示、目的の項目へのアクセスなど、ユーザーのみなさんがしたいことをスムーズに達成できるようにするための仕組みを設計する役割を担っています。

UIデザイナーは、企画とグラフィックの中間の業務を行う必要があるため、以下の2軸のスキルが求められると採用担当者たちは考えています。

  • イラストをより魅力的に見せ、世界観に没入できるゲームのパーツを作る
  • ユーザーの方々がストレスを感じることなく、遊び方が自然と理解できる画面を設計する

どちらかが欠けてしまうと最高のUIデザインを目指すことはできません。サイゲームスではこのスキルのポテンシャルを見るために、以下の3つのポイントに注目しています。

UIデザイナー採用担当者に聞いた
ポートフォリオの「3つのポイント」

①ゲームUIデザイナーとしての意欲を伝える

アニメーションデザイナー同様、「ゲームのUIデザインを作りたい!」という想いを伝えましょう。工業製品、Web、紙媒体などのデザインだけでは、その意気込みが伝わりにくいため、既存のゲーム画面の改修や一から企画を考えたUI画面などがあると採用担当者たちにその想いが伝わりやすくなります。

また、ゲームはチームで作ることになるため、チームメンバーと協力して作ることが好き、得意であるといったことを作品紹介や履歴書などに記載いただくことでも、ゲームUIデザイナーへの意欲やポテンシャルが伝わってきます。チームで制作した作品を載せる場合には、作品を正確に評価させていただくため、必ずご自身が担当した箇所を記載しましょう。


②ポートフォリオ全体の「見せ方」を意識して作る

ポートフォリオ自体が1つの作品だと思って作品をまとめましょう。載せる個々の作品にこだわるのはもちろん大切ですが、ポートフォリオ全体を見ると、まとまりがあるか、レイアウトや色、書体などが見やすいかどうかを意識しているかがわかります。自信がある作品を選ぶだけでなく、ポートフォリオ全体を通じて、ご自身の売りが伝わるようにメリハリをつけることも心がけましょう。こうした「見せ方」を通して、UIデザイナーの素養を感じることができると採用担当者は考えています。

▲ポートフォリオ全体でヘッダーなどのUIが統一されていたのが印象的でした


③イラストやデッサンを加える

イラストやデッサンを加えることで、より一層デザインスキルや知識を伝えることができます。特に、UIデザイナーが使用する「Photoshop」や「Illustrator」などのスキルを伝えられる作品が含まれていると好印象です。また、それらのツールを使用した作品に加えて、ご自身のUIデザインの知識やこだわり、作品の意図を文章で記載することもおすすめです。スキルや知識がより具体的に採用担当者へと伝わりやすくなります。

UIデザイナー希望の方に
作品づくりで意識して欲しいこと

今までお話しした3つのポイントの他に、採用担当者の目を引く事例をお伝えします。
例えばサイゲームスのUIデザイナーはロゴを作る機会が多いため、フォントを加工して文字デザインを作ることができるということが伝わる作品があると技術が伝わります。

▲ネガティブワードを、表現の一つとしてポップな記号としてデザイン。

ゲームを作りたいという想いを育み、形にする

サイマガでは、イラストレーター、3DCG、そしてアニメーション・UIと3記事にわたって「魅せるポートフォリオの作り方」を紹介してきました。その中で、どの記事でも共通していたポイントがあります。それは「ゲームを作りたい想いを伝える」という点です。
ポートフォリオは、ご自身のスキルのアピールだけでなく、制作に懸ける想いを表現する作品です。その熱量をかたちにしてください。
この記事が、ポートフォリオ作りをしている方々の悩みを少しでも解消できたらいいなと思います。

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