CyFreshers ~新卒1年間の成長記録~ Vol.9 ナオト 大阪サイゲームス コンシューマーエンジニアの場合

サイゲームスには、毎年フレッシュな新卒社員が入社しています。「CyFreshers(サイフレッシャーズ)」は新卒入社で活躍する若手社員に、会社や仕事について語ってもらう連載です。新卒社員がどんな想いを持って入社し、入社後何を経験して、どう成長を遂げたのか、そして今どんな夢や目標を持っているのか?率直に語ってもらいました。

2022年新卒 コンシューマーエンジニアナオト
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2022年新卒入社。研修後、大阪サイゲームスのコンシューマーエンジニアとして『グランブルーファンタジー リリンク』に配属され、現職。

『グランブルーファンタジー リリンク』開発で知った
クオリティーを突き詰める楽しさ

現在はどんな業務を担当していますか?

大阪サイゲームスのコンシューマーエンジニアとして、『グランブルーファンタジーリリンク(以下、リリンク)』のバトルパートに登場するエネミー(敵キャラクター)の作成に携わっています。主な業務内容はアーティストが作ったモーションやエフェクトを組み合わせて動くようにしたり、キャラクターや攻撃ステータスのパラメーター調整ができる仕組みを作成したりすることです。プランナーがそれら諸々を調整するためのツール開発なども担当しています(※)。

※インタビュー当時の内容です(2024年8月23日追記)

『リリンク』のエネミーを作成する際は、まずプランナーがどのような敵にするかの大枠を決めます。その後、プランナーとアーティスト、自分たちエンジニアが相談しながら実装に向けて動き、ブラッシュアップを繰り返して仕上げていく……という流れですね。その過程でエンジニアからより良くするため最後のひとひねりを加えたり、「この仕様を追加したらもっと面白くなるのでは」と提案をしたりすることもあります。

エンジニアとして作業を行うだけでなく、アイディア出しなども行っているんですね。

そうですね。そのため、入社後はエンジニアとしての技術を覚えたり企画のセンスを身に付ける努力をしたり、やることが本当にたくさんありました。

入社当時、技術や企画力を習得するために意識したことはありますか?

技術的なことは自分で研究するのも大事ですが、知っている人に教えてもらうのが何より早いと思ったので、どんどん聞くよう心掛けました。
企画力を培うためにやっていたのは、まず色々なゲームに触れること。あとは、日頃から「何が面白いか」を考えているスタッフが多いので、周りの人からそういった考え方を吸収するよう意識しました。例えば、エネミーの仕様を考える際、過去に担当した人に既存のエネミーをどう強くしていったか話を聞いて、それを参考にした上でアイディアを出したこともありました。

職場はどのような雰囲気ですか?

とても和やかな雰囲気ですね。コミュニケーションが活発でプライベートで遊ぶ人たちも多く、仲が良い職場だと思います。

エンジニアの業務は、「ここからはパソコンに頑張ってもらおう」のような若干の待ち時間がよく発生するので、そういうときに周りのスタッフと会話をしています。軽い雑談をするときもあれば、プロジェクトについてしっかり話す場合もありますが、職場のみんなが「良いものを作ろう」を大前提に仕事をしていて、妥協せずクオリティーを上げるための議論ができるので、モチベーションが高まる環境だなと感じています。

配属された当初はどんな仕事を任されましたか?

配属されてすぐに、先輩から『リリンク』のエネミーの改修作業を引き継ぎました。具体的な業務内容としては、エネミーのブラッシュアップやそれに関連するバグ修正などです。

当時は『リリンク』の開発が発売に向けて仕上げに入っていた時期で、自分も業務の中で何度もやり直しを重ねていました。とはいえ、つらいと感じることはあまりなく、むしろクオリティーを極限まで突き詰めていくのがすごく楽しかったです。上司や周りの人からの「こうしたらもっと良くなる」という提案を受けて改良してみたら本当にすごく面白くなって、「確かに!」と驚いたこともありました。頑張った分、どんどんゲームの面白さが向上していく工程を目の当たりにできて、貴重な体験をさせてもらったと思います。

仕事の進め方はどんな風に覚えましたか?

仕事を始めたばかりの頃は、独自のツールなど学生時代に使ってこなかった技術が多く、プロジェクトのルールなどもよくわからなかったので、少し進めては詰まって先輩に聞く……という感じでしたね。「きちんとやれているだろうか」と不安が常にありました。

あの不安を乗り越えられたのは、先輩方の優しさのおかげだと思います。自分はコロナ禍の入社で、プロジェクト合流後の約2か月はリモート業務だったのですが、社内SNSで先輩スタッフが通話を常に繋いでくれていて、わからなければすぐに聞くことができたんです。しかもその常駐は先輩が自発的に行ってくれていたようで、新入社員へのフォローアップが整っているのを感じました。

リモートを経て出社するようになってからも、周りのスタッフがなんでも答えてくれるので最初はどんどん質問しに行っていたのですが、徐々に聞くタイミングの最適化を意識するようになりました。今は先輩の手をできるだけ止めないようにして適切なタイミングで聞けるようになってきたので、自分自身成長してきたかなと思います。

働く上で大事にしていることはありますか?

エネミーの企画を立てる際などは、一緒に作る人とイメージをすり合わせることが特に大事だと考えています。目指すイメージが合致していると迅速に業務が進みますし、「これが良い」と全員が納得した上で作るものは結果的にクオリティーが高くなります。逆にスタッフそれぞれのイメージが異なったまま進めてしまうと、意見の衝突が起きたり何度も修正が発生したりするリスクがあるので、自分が頭に描くイメージを正確に伝える手段を身に付けた上で、やり取りする相手と共有していかなくてはと思っています。

確かに、仕事をする上でイメージや考えを共有するコミュニケーションは非常に大切ですよね。普段、職場における意思疎通で心掛けていることはありますか?

特に意識しているのは、「配慮はするけど遠慮はしない」ことですね。これは大阪サイゲームスのエンジニアのマネージャーが掲げていたもので、自分も入社してその大切さを学びました。「今これを言ったら、相手に手間をかけてしまうかも」のように躊躇した結果、後々大きなダメージが自分にも相手にも返ってくる……というのは実はよくあることですよね。しかし、伝える際に言葉を選ばないでずけずけ言ってしまうと相手が嫌な気持ちになってしまいかねません。そのため、遠慮せずに情報を密に連携していって、かつお互いが気持ちよく仕事できる配慮を心掛けています。

会社の中にこのマインドが行き渡っているおかげなのか、日頃接している先輩方はコミュニケーションの質が高いです。配慮を忘れない丁寧な情報伝達が社内で徹底されているからこそ、円滑に楽しく仕事ができていますね。

「自分が作ったゲームで遊ぶ人を見たい」
その想いでゲーム業界へ

学生時代はどんなことを学んでいましたか?

大学は理系の学部で、大学院ではゲームのAIについて学んでいました。その分野を選んだきっかけは、高校生の頃に将棋のAIがプロ棋士に勝利したニュースを見て「面白そうだな」と思ったことです。

当時はまだAIが今ほど発達しておらず、自分が大学で研究していたのは「チャットGPT」のような生成AIの一歩手前の段階です。専攻していたテーマは人狼ゲームのAI作成です。プレーヤーと自然に会話してつつがなくゲームが進み、なおかつ楽しく遊べるようなAIの開発に取り組んでいました。

どんなきっかけでゲーム業界を志したのでしょうか?

まず、小さいときからゲームが大好きだったこと。自分でプレイするのはもちろんですが、誰かがゲームをしているところを見るのもすごく好きで、子どもの頃は親がゲームで遊ぶときにそばにいたり、友だちの家で他の人がプレイするのを見ていたりしていました。

就職活動の際に自己分析をして、当時からぼんやりと「人を喜ばせる仕事がしたい」と感じていました。そこからさらに「誰かが喜んでくれて、自分もうれしいのはどんなときだろう?」と考えてみて、「自分が作った面白いゲームで遊んでいる人を見ることができたらきっと楽しいな」と思ったんです。それで、ゲーム業界を目指そうと決めました。

サイゲームスに入ろうと思った理由は何ですか?

多くの人が楽しめるゲームを作るため、人気のあるゲームを生み出していて、かつクオリティーを上げる試みを実践している会社に行きたいと考えたからです。当時、サイゲームスの新卒採用サイトを見たりゲームを実際に遊んでみたりしたときに、いずれも質の高さにこだわっているのがよくわかったので、ゲームを通して最高のクオリティーを届けたいという自分の夢がここでなら実現できるのではと思いました。

大阪サイゲームスを志望したのは、元々実家が関西だったこともあるのですが、コンシューマーゲームの開発拠点であり、パッケージになったゲーム作品を多くの人に届けられる仕事に魅力を感じたからでもありました。

就職活動のために学生時代意識していたことはありますか?

特に意識して行っていたのは、企業分析です。働く場所を考えるにあたって、「この会社にはどういう職種があり、新卒はどこに配属されるだろうか」などまで想定して、「配属された部署でしっかりと働いていけるか」「この部署で働くときに、自分はどんな貢献ができるか」というところまで踏み込んで分析しました。実際の就職活動でも「AIを研究してきたことをゲームバトルの開発に活かせる」のように、受ける企業の配属先でどう自分が働けるかまで考えた上での自己PRを心掛けていましたね。

培ってきたノウハウを活かして
世界にインパクトを与える作品を作りたい

この1年で一番達成感を得たエピソードを教えてください。

『リリンク』開発の中で、かなり強いエネミーの開発に携わったことです。超高難度クエスト「終末のヴィジョン」で登場した”ルシファー”の一部技を担当したのが、まさにその例ですね。強さを出すために、倒すためのアクションやプロセスを複雑化しつつ、なぜ勝てないかの納得感や上手くいったときの達成感などを盛り込みました。完成するまでに約半年かかったのですが、テストプレイをした他の開発者から「すごい。全然倒せない」「その分勝利したときはすごく爽快だった」のような感想を聞けて、大きな充実感がありました。

『リリンク』をプレイしてエネミーと戦ったユーザーのみなさんの反響をネットで見たときも感動がありましたね。感想の声や攻略動画なども見ました。自分が作りながら「遊ぶときに、この行動をしてほしい」「ここで成功したら楽しいだろうな」と想定していたとおりの遊び方をしてくださったユーザーの方もいて、うれしくなりました。

▲ナオトさんが開発に携わったエネミーの一例。ユーザーの方々にとって手応えのあるバトルになるよう、チームメンバー間で連携しブラッシュアップを繰り返しながら実装します

反対に、失敗談や大変な思いをしたエピソードはありますか?

入社したばかりの頃、先輩たちに比べてコミュニケーションのスキルが全然足りていない時期がありました。あるエネミーのブラッシュアップを行うために必要な素材の作成をアーティストに依頼したのですが、自分の伝え方が不明瞭だったため何度かリテイクを発生させてしまったんです。
当時の自分は何かを伝えるときに思ったことをそのまま言葉にしていて、その結果、相手に必要な情報が行き届かず迷惑をかけてしまいました。この失敗を経て「何をしてもらいたいのか」を正確に伝えるため、依頼文を推敲するようになりました。また、推敲することで伝達速度が遅れないよう、連絡文書のテンプレートを作る工夫なども行っています。

入社してからの自分を振り返って、成長したと感じる部分はどんなところですか?

前述した、「イメージを共有する」という部分ですね。誰かと一緒に何かを作る際、自分の考えと相手の考えが合致して、かつ「ちゃんと面白くなっているか?」を意識できるようになってきました。入社して間もない頃はそれこそ自分が書くコードのことだけで頭がいっぱいでしたが、色々な方と仕事をしていく過程の中で「誰かと一緒に作る」ために必要なことを学んで成長してこられたと思います。

今後の目標や目指しているものを教えてください。

目指すのは、今後関わる作品のクオリティーを常に前作より向上させていくこと。次に出す作品で、自分が担当するパートをユーザーのみなさんがより一層喜んでくれるものに仕上げていきたいです。

入社一年目で、たくさんのユーザーの方々に手に取っていただけた『リリンク』に関わることができて、自分は本当に幸運だったと思います。『リリンク』に続く今後のタイトルはさらにクオリティーが高いものにできると信じているので、培ってきたノウハウを活かして世界にインパクトを与える作品を作っていきたいです。


以上、コンシューマーエンジニアのナオトさんへのインタビューをお届けしました。本連載では、今後もフレッシュに活躍する新卒の姿をシリーズでお伝えします。お楽しみに!

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