メンタートレーナー制度 新人育成のカギは教え方を“教える”“学ぶ”“共有する”にあり

サイゲームスには、新卒・第二新卒(以下、新人)へのサポート制度の1つとしてメンタートレーナー制度があります。これはメンタートレーナーが新人を指導し育てていく制度ではありますが、より良い効果を上げるためには、メンタートレーナーだけでなく会社全体で新人育成の認識を合わせて運営していく必要があります。今回は、本制度の詳細や、どのように運営をしているかについてご紹介します。

新人を支える仕組み
メンタートレーナー制度とは?

メンタートレーナー制度とは、新人が「一人前のサイゲームススタッフ」となるべく成長を促すサポート制度。入社後の1年間、キャリア形成及び生活全般の悩み相談を行うメンターと、業務上必要なスキルを教えるトレーナーが付き、さまざまな面から若手スタッフを支えます。また、所属部署の管轄役員やマネージャーが育成の統括者となり、メンタートレーナーへ直接育成方針やアドバイスを伝える場も設けられています。これにより、育成をする側の成長にも繋がっています。

■メンターの役割とは

新人が困ったときになんでも相談できる先輩、という立ち位置がメンターです。悩みや不安を拾ってあげ、精神的支えになるのが主な役割です。原則として、チームやプロジェクトが違う先輩スタッフが担当することで、業務に関する相談をしやすくしています。具体的には、主に下記を実施しています。

新人との定期的な1on1面談

業務上の悩みはもちろん、社会人としての過ごし方の不安点、プライベートのことなど、気軽に相談できる先輩として定期的な面談を実施します。

・食事を通してのコミュニケーション

メンタートレーナー制度中は、会社から一定額の食事代が補助されます。メンターとマンツーマンでラフに話ができる機会を設ける他、ときにはお互いのチームの他のスタッフをゲストとして招くなど、新人が社内の交流を広げるきっかけにも。さまざまな立場のスタッフと話をすることで、刺激を受けたり、新しい視点を得ることができたりと、新人の成長にも繋がります。

・その他

メンターの立ち位置は上記の通り「なんでも相談できる先輩」です。そのため、日頃から新人とコミュニケーションを取るようにします。席に足を運んだり、在宅勤務であれば雑談通話をしたりと、それぞれのやりやすい方法で、何かあったときにすぐに相談しやすい関係を築きます。

■トレーナーの役割とは

新人がサイゲームスの目指すクオリティーで業務ができるようになることを目標に、OJTを通して実務・技術指導をする先輩です。技術やノウハウの他に、マインド、スケジュールやタスク管理の指導も行います。新人一人ひとりにそれぞれの課題を設定し、適宜PDCAを回すことで成長に繋げています。

・日々の業務指導(OJT)

新人にとって、業務は初めて経験することばかり。そんな新人へ直接業務の指導を行うのがトレーナーです。実際の業務に一緒に入りながら、進め方や技術を新人へ指導します。新人にとっても、相談先が明確であることで、「迷ったときはトレーナーに相談できる」という安心感を持つことができます。

・月1回以上の振り返り面談

日々の業務指導はもちろん、定期的に新人の業務への取り組みを振り返る場を設けます。その月にできたことや、次月に向けての課題点などを振り返り、業務の中での成長を促します。

・課題や成長の認識合わせ、目標振り返り

目の前の業務だけでなく、新人が1年後や3年後に達成したい目標の設定、そしてその目標に向けて何をすれば良いのかといった、中長期的なキャリアを見据えて課題設定やアドバイスなどを行います。

・食事を通してのコミュニケーション

メンターと同じく、食事代の補助を活用してコミュニケーションを取っています。業務の指導をすることも重要ですが、同じチームの先輩としても良い関係を築きます。

メンタートレーナー制度を経験して
2021年新卒の声

ここで、実際に制度を1年間経験した新人の声として、2021年入社の新卒スタッフから集めたアンケート結果をご紹介します。

▲メンタートレーナー制度への満足度。※「非常に満足」「概ね満足」「どちらでもない」「やや不満」「非常に不満」の5択から選択

まず、制度自体の満足度については、全員が「概ね満足」「非常に満足」と答えています。また、具体的にメンタートレーナーとどのくらいの頻度で面談をしていたか聞いたところ……

▲トレーナー面談の開催頻度
▲メンター面談の開催頻度

トレーナーとは、毎日の業務の指導とは別に、月に1度振り返りの面談をしていた新卒のスタッフが多かったようです。一方、メンターとは週に1度面談の時間を設けていたケースが多くありました。定期的な面談以外にも、ランチを一緒に食べながらや作業をしながらの雑談通話、毎朝トレーナーと通話でタスクの確認をしてから業務に入るなど、さまざまな方法でメンタートレーナーとコミュニケーションを取っていたようです。
それでは、メンタートレーナーは新卒スタッフにとってどんな存在だったのでしょうか。制度1年間を通しての感想の一部もご紹介します。

・技術面でも精神面でも頼ることができ、また親身に相談に乗ってもらえ、社内に早く馴染むことができました。すぐ頼っていい人として定義されていることで、「何かあった際にはすぐ相談することができる」という精神面での余裕も生まれました(デザイナー職)。

・在宅勤務だったこともあり、制度として定期的に相談できる機会があって助かりました。また、月1回の振り返りがあったことで、業務上の失敗について再発防止策を講じることができました(技術職)。

・メンターもトレーナーも非常に優しく悩みを聞いてくれました。ご時世的に対面でのランチなどができず非常に残念でしたが、社会人としてのいろはを丁寧に教えていただき、大変心強かったです(総合職)。

・トレーナーの指導が手厚く、それに伴う気持ちや技術の悩みなどを率直にメンターに相談することができたため大変助かりました。制度をきっかけに他のチームの先輩とも交流が広がり、コミュニケーションの機会が増えたという意味でもありがたかったです(デザイナー職)。

上記から、何かあればメンターやトレーナーがサポートに入れる環境は、社会人1年目の新人にとって非常に心強かったと見受けられます。特に、配属後に在宅勤務を続けているスタッフも多い中、定期的にコミュニケーションを取れることが安心感に繋がったようです。制度が終了した現在も、一緒にご飯に行ったり相談相手になってもらったりと、良い関係を続けているという声も多くありました。

メンタートレーナー制度を経験したスタッフのインタビューは、「SJ対談」のシリーズでも紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

制度運営のコツ
不安解決のためのメントレ向けサポート

さて、ここまでメンタートレーナー制度の概要と、実際に制度を体験した新人からのポジティブな意見を紹介してきましたが、運営していく中で不安や悩みももちろんありました。メンタートレーナーを担当するスタッフたちは、指導をすることや後輩の悩みを聞くことについて、最初から心得があったというわけではありません。「トレーナー業務が初めてなのでどう指導したら良いか分からない」「悩んでいる新人へどうアドバイスをすれば良いのだろう」といった不安の声が挙がることは実際にありました。

メンタートレーナーのみにすべてを一任してしまっては、彼らにとっても新人にとってもマイナスに働きかねません。制度を運用する上で大切なことは、メンタートレーナーの役割の明確化と、人事や育成者同士の連携です。メンタートレーナー自身も不安なく動けるよう、サイゲームスでは指導をする立場のスタッフにも学ぶ機会や相談ができる環境を設けています。

その1つが「メンタートレーナー向け研修」です。これはメンタートレーナー自身に受講をしてもらい、育成に役立ててもらうための研修です。これまでの制度の運用では、会社規模が大きくなるにつれて個人由来の指導方法に頼ってしまう部分もありました。この研修は、スタッフの数が多くなったからこそ、改めて新人を育成していくための認識を統一するために2022年から実施をしています。内容は講義編と演習編に分かれています。

講義編では、メンタートレーナーとは?といった基本的な役割の説明に始まり、ほめる・指導をする際のプロセスの紹介などを通して、新人との関わり方や面談時のノウハウについて学びます。その後、制度開始後6か月以内に演習編を実施します。ここでは、実際にメンタートレーナーを担当してみて感じたことや悩みなどを、演習を通じて話し合い、新人との向き合い方を改めて考えます。他のメンタートレーナーとも話し合うことで、そこからの学びも得ることができます。

受講したスタッフの感想の一部を下記に紹介します。

・資料自体も参考になりましたが、グループワークで他のメンタートレーナーが具体的にどういうことを意識しているのかが聞けてとても参考になりました。

・「人に教える」ことについて教わる機会が少なかったので参考になりました。

・講義形式だけではなく、他のメンタートレーナーを交えた実践式での研修となったことで、教材と講師の方から受け取る内容だけではなく、他の方の具体的なやり方から参考にする点、学ぶ点などが出て良かったです。

また、毎月メンタートレーナーと人事、そして新人が所属する部署の育成統括の役員やマネージャーで共有会を開いています。この場では、会社として新人をどのような方向へ育成したいかの認識のすり合わせや、メンタートレーナーが困っていることに対して育成統括が指針を示します。育成に力を入れるサイゲームスでは、スタッフ数3,500名以上の規模でも役員やマネージャーが担当管轄の新人の共有会に参加し、一人ひとりの属性を把握しています。メンタートレーナーにとっても、育成の方向性や新人への接し方を相談できる場でもあり、悩みを抱え込まずに新人を指導することが可能となります。

新人育成はサイゲームス一同で
次世代へ繋げる育成のバトン

サイゲームスでは、新人は会社の中核を担う人材であると考えています。そのためにはメンタートレーナーだけでなく、会社一丸となって育成をしていくことが必要です。そして、この制度は、メンタートレーナー自身にとってもただの「負担」では終わらないと考えています。指導・教育をすることで自分の成長に繋がり、さらに役員と育成について直接話す中で学ぶこともあるでしょう。メンタートレーナー自身が良い指導をできることで新人にも良い影響を与えています。今では、「自身のメンタートレーナーのように新人のサポートをしたい」と、新人だったスタッフが自らメンタートレーナーの担当を申し出ることも。このように次世代に良い育成のサイクルを回していくことができます。

一方で、さらに良い育成制度にするため、新しく始めたメンタートレーナー向けの研修の内容をはじめ、まだまだブラッシュアップしていくべき部分もあります。メンタートレーナーを実際に経験したスタッフの意見も反映しながら改善を繰り返し、新人の育成も、育成に携わるスタッフの成長も促す制度として今後も運用に取り組んでまいります。

編集後記「新卒のある1日」

最後に、メンタートレーナー制度期間中のある日の新卒の1日をご紹介します!

9:45 出社

少し早めの出社。
スケジュールやチャットを確認し、1日の動き方を大まかにイメージします。

10:15 朝会

朝会でスケジュールの確認。直近のリリース、開発スケジュールをチーム内で確認します。
会の終わりに雑談をすることで、先輩方と交流をしています!

12:00 トレーナーとミーティング

現在持っているタスクの状況を確認。
わからないことがあれば、トレーナーに相談をします。

13:00 メンターランチ

待ちに待ったお昼ご飯。会社の近くには美味しいご飯屋さんも多くあり、メンターやトレーナーと一緒に食事することもよくあります。

14:00 メンターと面談

ランチ後には面談。業務の話だけでなく、ハマっているゲームやアイドルなど、色々なことを話して盛り上がります。

16:00 作業時間

仕様書など資料の作成や、開発環境の準備に取りかかります。
何かあったら相談をして、資料の内容や進め方についてフィードバックをもらいます。

17:30 小休憩

社内では無料でドリンクが飲めるので、リフレッシュしたいときによく利用しています!

18:30 トレーナーとの1on1

週に1度、トレーナーと1on1を実施。業務の内容から趣味の話まで、さまざまなことを話します。月末にはひと月の振り返りをし、今後に向けたアドバイスをいただきます。

19:00 終業


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