2019年6月に配信3周年を迎えたデジタルカードゲーム『Shadowverse(以下、シャドバ)』。スマートフォンで手軽に遊べる、デジタルならではの特徴を持ち、世界各国の選手を招待した優勝賞金1億円超えの大規模オフライン大会の開催やプロリーグの立ち上げなど、eスポーツタイトルとしての展開も積極的に行っている本作。
今回は、そんな『シャドバ』のディレクターに、開発・運用の体制や開発のこだわりなどを聞きました!

デジタルカードゲームならではの強みと難しさ

まずは、『シャドバ』のディレクターとして、どういった業務を担当しているのか簡単に教えてください。

ゲーム全体の方針をプロデューサーとともに決定しています。
具体的には、3か月ごとのカードパックリリースや新規機能の実装、また、オフライン大会の運営方法の設計にも関わっています。他には、「シャドウバーストーナメントナビゲーター」のアプリ設計や、IPコラボの開発進行なども行っています。

ディレクターとして、ゲームに関するさまざまなディレクションを担当する中で、全てに共通して、こだわっていることはありますか?

カードゲームというジャンルは、紙のカードを使ったアナログを発祥としています。今でもアナログのカードゲームは根強い人気がありますが、そこにデジタルカードゲームならではの強みを加えることは、どんな時でも工夫していることですね。

デジタルならではの強み、というと例えばどんなところなのでしょう?

まず、何より対戦相手をすぐに見つけることができる、好きなときに好きなだけ対戦できるというのはデジタルカードゲームの最大の強みだと思います。
逆に言うと、マッチング処理中やオンライン対戦中に処理が重かったり、反応が悪かったりすると、ストレスが溜まるポイントにもなりかねません。そういったストレスや操作における不快感を限界までなくしつつ、一方でゲームとしての面白さや演出のクオリティーを高めるために注力する、その力の掛け方のバランスは『シャドバ』を運営するうえで一番大切にしているところです。

『シャドバ』のディレクターをしていて、一番大変だと感じるのはどういったところですか?

多くのスマートフォンゲームは、プレイしたらプレイした分だけ数値としてキャラが強くなったり、新しいキャラが仲間になったりと、常に「変化」があります。それが楽しかったりやりがいに感じたりする部分なのではと思いますが、『シャドバ』を始めとするカードゲームは、これらとは根本的にゲームのサイクルが異なります。
使えるカードが主に3か月に1回しか変わらない中で、どうやってプレイヤーのみなさんに飽きずにプレイしていただけるかを考えるのが、運用では一番大変ですね。
そのための試みとして、例えば「Gems of Fortune」という、普段とは違う特殊ルールを用意したり、「オールスター2Pick」というお祭りイベントのようなものを開催したり、ゲーム内イベントを工夫しています。

▲9月に開催された「Gems of Fortune Cup」。2枚の専用スペルのみで構築されたデッキでバトルするという特殊なルールでした
▲「オールスター2Pick」は、歴代に登場したカードの中から選定された人気カードが、レアリティに関わらず提示され、それを使ってデッキを組むことができるイベント

3か月ごとの大イベント!
新カードパックがリリースされるまで

新カードパックをリリースする際、膨大な既存カードとのバランス調整をはじめとするカードの企画や開発はどのような流れで行われているのでしょうか?

私を含むプランニングセクションとしては、カードのゲームデザインを専門に行う「TCGプランナー班」と、TCGプランナーのデザインしたものをゲームに落とし込んで実装を進める「バトル班」が新カードパック開発にメインで携わっています。他にも、新規機能の実装を担当する「UI班」、そして会話パートを担当する「ストーリー班」などがいますね。各班が企画立案し、他プランナー班だけでなくデザイナーやエンジニアたちと連携しながら実装までを担当しています。
なかでも、TCGプランナー班というカードのゲームデザインに特化したチームが存在しているのは、サイゲームスの中でも『シャドバ』チームだけの特徴です。

カードのゲームデザインだけを担当する専任のチームが存在するんですね! 3か月ごとに行う大型アップデートは、チーム間でどのように連動して進めているのでしょうか?

まずはTCGプランナー班がカードパックの構想を詰めていき、リリースの3か月くらい前に、TCGプランナーからバトル班に、具体的な形で相談をします。
そこから、バトル班主導で、エフェクトや効果の処理などを含めて、ゲームとしてどう実装するかを検討していきます。開発と並行して、ギリギリまでTCGプランナーがカードのゲームデザインのバランス調整を行います。

▲TCGプランナー班がカードの調整を行う様子。実装前の段階では紙のカードで調整を行います

なるほど。最初の構想部分は、どのくらい前から準備を始めるのでしょうか?

今ちょうど2020年6月のカードパックをどうするか考え始めたところなので、大体リリースの8か月前くらいからですね。

そんなに先のものを……!前もってプランニングを進めていると、最初に考えていた内容と、実装されるものとが大きく変わることもあるのでは?

直前にリリースしたカードパックの状況を見て、カードデザインを調整することもあるので、最終的に固まるのは、どうしてもリリースの直前になります。ですが、カードパックごとに設定しているテーマや、コンセプトとなるスキルなどについては、大きく変わることはありません。

テーマやコンセプトが最初にあって、そこから具体的な企画・開発を進めているんですね。そういった最初期のコンセプトなどはどのように決まるのでしょうか?

テーマやコンセプトが決まるまでの流れには、いろいろな場合があります。例えば9月末に追加した第14弾カードパック「森羅咆哮」の場合は、メインストーリーの「自然鎮魂編」の内容を活かすために、新タイプ「自然」をメインコンセプトとしています。第12弾カードパック「鋼鉄の反逆者(リベリオン)」もメインストーリーの内容を基にしたコンセプトとなっています。

ゲームのシナリオや世界観から実装内容が決まっていくこともあるのですね。カードに関するゲームデザインもディレクターが細かくチェックするのでしょうか。

カードのゲームデザインに関してはTCGプランナーに任せている部分が大きいですが、新しいカードの能力を追加した影響でルールが複雑になり過ぎないように意識して見ています。
新規要素を加える際も、できるだけ既存のバトル画面を変えずに実装することで、久しぶりに『シャドバ』をプレイした方にも、すんなりとゲームに入っていただけるように意識しています。

対人戦だけでなくソロプレイ機能の拡充も
ディレクターとして考える『シャドバ』の今後

ディレクターとして、今後の『シャドバ』で強化していきたいところや展望などはありますでしょうか?

ここ最近の『シャドバ』開発チームは大会を開催するための機能開発を中心に進めてきました。そうした機能開発は引き続き行っていきますが、個人的にはソロプレイの拡充にも今後は力を入れていきたいですね。

ソロプレイとは意外な答えでした!具体的にはどういったことを考えているのでしょう?

まずは、ストーリーパートの充実ですね。
各キャラをより深堀りしたストーリーを用意することで、カード自体の個性ももっと魅力的なものにしたいと考えています。
また、よりストーリーを楽しんでもらえるように、ストーリー機能の改修も予定しています。

『シャドバ』の世界観が好きな方にも喜んでいただけそうな内容ですね。

他には、まだ自分の頭の中にあるだけなのですが、『シャドバ』と同じくサイゲームスで運営・開発している『プリンセスコネクト!Re:Dive』みたいに、期間限定のイベントクエストのようなことをやっても面白いと思っています。
強いボスキャラを用意して討伐を目指すみたいな、「いわゆるRPG」みたいなこともやりたいなと(笑)。

たしかに、他のゲームでは一般的ですが、『シャドバ』としては新しい試みですね!

現状でもメインストーリーで、強大なボスと戦うようなシーンは少なからずありますが、他のプレイヤーとの対戦で勝つ楽しさとは違った「プレイする楽しさ」を感じていただきたいですね。そして、プレイすること自体の楽しさを通して『シャドバ』の世界観にもっと没入していただければと思っています。

最後に、この度『シャドバ』に特化したプランナーの採用セミナーを開催することになったのですが、どのような方に来てほしいでしょうか?

プロジェクト全員が『シャドバ』を大好きなので、やはり『シャドバ』が好きというのは大事かなと思っています。
そして、『シャドバ』のプランナーと言っても、お話ししたように、バトルを担当しているメンバー、新規機能開発を担当しているメンバー、ストーリーを担当しているメンバーで、仕事内容もさまざまです。だからこそ、「バトルはこういう風にした方がいい」「ストーリーがすごく好きだから自分も一緒になって作りたい」「もっとユーザーのみなさんが使いやすいような新機能を入れたい」など、何でも良いので、何か『シャドバ』に関わってやりたいことがある方に来ていただけるとうれしいですね。
『シャドバ』が好きで情熱さえあれば、まずは遠慮なく応募してほしいです!

運営を開始して4年目に入った『シャドバ』ですが、まだまだ積極的に新しいことにチャレンジしているタイトルかなと思っています。プロジェクトのメンバーもみんな、新しいことにチャレンジしていることをとてもポジティブに捉えてくれていて、開発チームの熱量は非常に高いです。
そういった環境に少しでも興味があれば、ぜひセミナーに来ていただければと思います。

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