佐賀マネージャー陣座談会〈前編〉 規模拡大を続ける佐賀拠点のこれまでの取り組み

2017年、サイゲームスのコンテンツの品質を守る「Cygames 佐賀デバッグセンター(以下、佐賀デバッグ)」の開設によって、サイゲームスの佐賀拠点が誕生。2020年にはサイゲームス初の自社ビルとなる「Cygames佐賀ビル(以下、佐賀ビル)」を設立し、クリエイティブの専門組織として「Cygames 佐賀スタジオ(以下、佐賀スタジオ)」を新設しました。

佐賀拠点は今年で8年目を迎え、現在佐賀デバッグ・佐賀スタジオ合わせて約200名超のスタッフが在籍しています。

本記事では、佐賀拠点を牽引するマネージャー2名と採用に関わるサブマネージャー陣3名、計5名による座談会をお届け。前編では、佐賀拠点の発足経緯や業務内容、組織の成長と変化について、マネージャー陣の話を中心にご紹介します。

Cygames 佐賀デバッグセンター マネージャーマサノリ
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ゲーム会社を経て2013年にサイゲームスへ合流。Cygames 佐賀デバッグセンターの設立に伴い、2017年に佐賀拠点へ部署異動。デバッグリーダーとして複数のゲームタイトルを経験した後、2023年にCygames 佐賀デバッグセンターのマネージャーに就任。佐賀拠点の体制を整え、運用タイトルのデバッグ構築と佐賀デバッグで担当する案件を拡充するため、チームビルディングに奮闘中。
Cygames 佐賀デバッグセンター サブマネージャーショウタ
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デバッグ会社にてデバッグリーダーや拠点統括として多数タイトルを担当した後、2018年にサイゲームスへ合流。Cygames 佐賀デバッグセンターでは稼働中の全案件に関わる他、新規タイトルの初動計画を担当。現在はCygames 佐賀デバッグセンターのサブマネージャーとして、新卒・リーダー・チーフを育成し、組織全体の成長をサポートしている。
Cygames 佐賀デバッグセンター サブマネージャーリュウセイ
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学生アルバイトとして合流後、2018年に新卒入社。Webチームでのデバッグ業務を皮切りに、複数のタイトルでリーダーやチーフを歴任。現在はCygames 佐賀デバッグセンターのサブマネージャーとして、コンシューマータイトルや新規タイトルのデバッグチームを統括する傍ら、組織体制の構築やメンバー育成にも注力している。
Cygames 佐賀スタジオ マネージャーチヒロ
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様々なゲームのイラストやコンテンツ制作に携わった後、2011年合流。2Dイラスト制作・監修を行い、イラストチームのマネージャーを経て2020年にCygames 佐賀スタジオの代表に就任。以降、新人・新規合流者の育成やチームビルドに携わる。
Cygames 佐賀スタジオ サブマネージャーリョウヘイ
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アニメーション制作会社での制作管理、プロデューサーのキャリアを経て、サイゲームスには2020年に合流。現在はCygames 佐賀スタジオのサブマネージャーとして、スタッフのマネジメントや育成に携わっている。

佐賀拠点立ち上げの経緯

まずは佐賀拠点が立ち上がった経緯を教えてください。

マサノリ サイゲームスとして、デバッグのクオリティー強化やコスト削減の観点から、内製を強化したいという思いがありました。そのような中で社長の渡邊の出身地でもある佐賀の土地を調査した際、「佐賀には実直で粘り強い人が多い」という声を多く聞き、それならデバッグという職種と相性が良いのではということで佐賀拠点立ち上げの話が進んでいきました。佐賀デバッグを立ち上げた前任者の薦めで、現在は私がマネージャーを引き継いでいます。

その後佐賀ビルができて、佐賀スタジオも設立されましたね。

チヒロ 佐賀ビルの建設が始まった頃、会社として「東京と大阪の他にデザインを担う拠点を増やしたい」という方針が出てきました。私は長崎出身で将来的に地元に近い場所で働きたいと考えていたこともあり、社長の渡邊から佐賀スタジオ設立の打診を受けました。

決断の前に一度佐賀を訪れ、社長のおすすめの場所などを見て回ったのです。その結果、「住みやすそうだな」という印象を持ち、最終的に佐賀スタジオを設立する決断をしました。社長とは佐賀スタジオでは特に若手育成に力を入れていこうという話もして、このタイミングで佐賀スタジオに異動することになりました。

佐賀デバッグは2025年で設立8年目になります。今はどれくらいのスタッフが集まっているのでしょうか。

マサノリ 最初は13名だったのが、今では160名くらいの規模になりました。未経験のスタッフもいますけど、設立当初に合流した初期メンバーは8年もデバッガーをやっているので、もうベテランです。

リュウセイ 僕は第2期くらいの時期に合流しました。その頃のスタッフは15名程度でしたから、かなり増えましたよね。

佐賀スタジオはどうですか?

チヒロ 設立当初は6名からスタートして、今は30名くらいになりました。

リョウヘイ 最初所属していたのはイラストレーターだけでしたが、次第にUIデザイナーやアニメーションデザイナー、3DCGアーティストが合流し、今では制作管理というサポート系のスタッフまで集まっています。

佐賀デバッグと佐賀スタジオの軌跡

あらためて、佐賀デバッグはどのような業務を担っているのか教えてください。

マサノリ 基本的には運用中や開発中のプロジェクトに参加し、チェックリストを用いてバグを探したり、修正されたバグの修正確認を行っています。最初は運用中のプロジェクトを担当していましたが、人数が増えてスタッフの経験値が上がったことにより、新規プロジェクトやコンシューマーゲームのデバッグも担当するようになりました。

ショウタ その他の細かな業務を挙げるとキリがないですが、ゲームに限らず、Webサイトの検証をするチームもあります。

続いて、佐賀スタジオではどのような業務を担当しているのでしょうか。

チヒロ 運用中のタイトルに関わってデザイン面を担うのが主な業務です。しかし、新規のタイトルに関わる業務や、地元の企業や自治体からいただいている案件にイラストやデザイン面で協力させていただくような業務もあります。

リョウヘイ 佐賀スタジオでは、モバイルアプリからコンシューマーまで幅広いゲーム制作に関わっています。スタッフごとに東京や大阪を主体とする異なるプロジェクトに参加しているため、隣の席の人とまったく別の業務を担当していることも珍しくありません。さらに、ゲーム制作以外にも社内イベント用のデザイン制作や、社外向け講演資料の作成など、スタッフの活躍領域は多岐にわたっています。

地元企業や自治体との取り組みがあるのは、佐賀スタジオ独自の担当領域ですね。

リョウヘイ はい。佐賀県の様々なところで、佐賀スタジオが携わったイラストを見かけるようになりました。この前ショッピングモールに行って佐賀スタジオがデザインした佐賀県警の防犯ポスターが張ってあるのを見たときは、感慨深かったです。

▲佐賀スタジオが制作した佐賀県警の詐欺被害防止ポスター

マサノリ 私もこのポスターをショッピングモール内で見かけました。もっとサイゲームスが手掛けたデザインが佐賀の街にあふれるようになるとうれしいですね。

チヒロ そうですね。すでに『ゾンビランドサガ』のマンホールもありますし、なんの会社かわからなくなっちゃうかもですが(笑)。

組織の転換期とチーム文化の形成

佐賀デバッグは設立から人員がかなり増えました。業務が拡大するきっかけがあったのでしょうか。

リュウセイ 2019年頃、運用中だったスマートフォンゲームのデバッグを佐賀デバッグですべて担えるようになったのが、ターニングポイントだったのではないかと思います。

マサノリ そうですね。ただデバッグのチェックリストに沿って確認していくだけではなく、「バトルのバランスを見てほしい」といった要望がプロジェクトから寄せられるようになりました。Webサイト上のアップデート情報のお知らせがゲーム内の情報と合っているかなど、細かい部分も確認しています。

ショウタ 東京で行っていたWebサイトのデバッグを佐賀が引き継ぐ流れもありましたよね。Webサイト自体が自社制作なのでチェックも自分たちでやっていこうという流れが強まり、Webサイトのチェックをする専門的なチームを作りました。今では、色々な依頼が入ってくるようになりました。

リョウヘイ デバッガーの仕事は想像以上に幅広いですよね。バランス調整やWebサイトのチェックまで、ゲーム以外にもこれほど多岐な業務を担当されているとは入社するまで知りませんでした。

マサノリ 今はちょうど組織の転換期だと感じています。マネージャーの交代と新たなサブマネージャーの配置が行われましたが、特に感慨深いのは2018年に佐賀デバッグ初の新卒として入社したリュウセイさんがサブマネージャーになったことです。また、2019年から2024年までの新卒メンバーも各プロジェクトの中核として成長してきており、組織体制が整ってきていると実感しています。

こうした新卒の成長の陰には、初期に合流した中途採用の経験者たちによる土台作りがあります。彼らのおかげで、今では未経験者でも確実に成長できる環境が整っています。

ショウタ 人材育成の面では、元々研修自体は実施していましたが、研修フローと現場の実態にギャップがあったため準備された研修の題材を進めるだけではなく、質疑応答などのフローを実業務のフローに近づける取り組みを始めました。研修の精度を上げた分、新規合流者がサイゲームスの環境に馴染みやすくなって研修の効率も上がり、より多くの人を受け入れられる体制を作れたことも転機だったと思います。

マサノリ 18~19年新卒の代の研修はまだ手探りの状態でした。現在、育成支援チームのチーフとして佐賀デバッグの研修を担当しているスタッフが、早い段階で研修のやり方を確立してくれたのが大きかったです。未経験でもデバッグのスキルを上げていけるようなサイクルができました。ちなみに、担当してくれていたのは新卒入社したスタッフなんですよ。

チヒロ 自分たちが受けた研修の経験を活かして、より良いものを作り上げていく。このような好循環が生まれていることは、理想的ですね。

ショウタ 佐賀デバッグ立ち上げのタイミングで中途合流した経験者が中堅になっているので、プロジェクトに入った後も現場経験を積みながら、新規合流スタッフに「教える」という経験も積んでもらえるようになりました。次第に「次は育成側に回りたい」という新卒スタッフも増えてきたなという印象があります。

リュウセイ こうして振り返ってみると、佐賀ビルが建ったこともターニングポイントでしたね。佐賀デバッグとして様々な仕事を担っていける基盤が整っていたからこそ、佐賀ビルができたことをきっかけに170人近い規模になれたのかなと僕の目には映りました。

佐賀スタジオは設立から5年が経って、どのような変化が起こっていますか?

チヒロ この5年で大きく変わったのは、新卒スタッフの成長と人数の増加です。新しい代の新卒メンバーが入ることで先輩たちに指導する意識が生まれ、教えることでスタッフ自身も成長しています。

もう一つの転機は、地域との連携です。設立当初は東京や大阪の既存プロジェクトの業務が中心でしたが、地元企業や自治体との協業を通じて「佐賀スタジオ」という名前で独自の実績を作れるようになりました。これにより地域の方々に「佐賀スタジオとしてこのような活動をしています」と具体的に示せるようになったのは大きな進展です。

リョウヘイ 自治体との最初の仕事をきっかけに、佐賀スタジオでも「地元との連携をもっと進めよう」という意識が広がりました。設立当初は東京や大阪の既存プロジェクトとの連携に注力していましたが、地元案件を佐賀スタジオメンバーだけで完遂できたことで、佐賀スタジオの活動範囲が大きく広がりました。今後も「佐賀スタジオに頼めば良いデザインを作ってくれる」という認知を広げていきたいと考えています。

佐賀スタジオでは、独自の勉強会が開かれていますよね?

リョウヘイ そうですね。設立から2~3年で中堅も若手も増えてきて、中堅の人たちがスタジオ内のコミュニケーションが活発になるような施策を自発的に始めてくれました。座学だったり実践的な講座だったり、みんなが自由にやりたいことを提案するサイクルが上手く回っているので、人材育成や交流の場が広がっているなと感じています。

マサノリ 後輩を指導することで先輩自身のスキルも向上しますし、良い循環が生まれますよね。


以上、佐賀拠点のマネージャー陣による座談会の前編をお届けしました。後編はサブマネージャーがサイゲームスに入社したきっかけや、佐賀拠点の働き方、展望についてお届けします。

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