「迷うよりもやって失敗しろ」イラストチーム2人が語るサイゲームス流チャレンジ精神

サイゲームスには、新卒・第二新卒のスタッフにキャリア形成及び生活全般のさまざまな悩み相談を行うメンターと業務上必要なスキルを教えるトレーナーが付くメンタートレーナー制度があります。その対象者に、それぞれのコンビで対談していただく連載企画「SJ対談」。
先輩(Senior)と後輩(Junior)、それぞれの立場から見た制度期間中の思い出や成長の軌跡などを話します。
第8回は、イラストチームのSJ対談をお届けします。

トレーナーテッペイ
gutenberg-examples
コンシューマー開発、アプリタイトルのアートディレクターを経て、2016年にイラストレーターとして中途入社。イラスト監修及びスタッフの育成に取り組む。
2017年度新卒 ヒロシ
gutenberg-examples
2017年に新卒として入社。新卒研修後、イラストレーターとして、キャラクターデザインやイベントイラスト、3Dカットシーン演出などを担当。

「積極的な姿勢」「縁の下の力持ち」
お互いの印象

テッペイ ヒロシさんは初めて会ったときからハキハキとした話し方と、業務に関して前のめりで「なんでもやります!」という姿勢が印象的でした。新卒研修で業務に対する姿勢や人とのコミュニケーションをしっかり身に付けていたので、プロジェクト合流後のヒロシさんの姿を見て「果たして自分が教えることはあるんだろうか」というのが正直な感想でした。

ヒロシ テッペイさんの印象は「縁の下の力持ち」です。イラストチームメンバーの間を取り持ちながら、裏からチームを支えてくださっているのを日々感じています。チームに必要不可欠な存在で、プロジェクトのメンバー同士を繋ぐ“接着剤”みたいな方だと感じています。

テッペイ そんなことはありませんよ。むしろ、僕の仕事は「属人的にならない業務システムを構築して、誰かがいないからチームの仕事が回らないといった現象が起こらないようにしていくこと」だと思っているので、まだまだ力不足だなと感じています。

ヒロシ テッペイさんが「まだまだ」だとおっしゃるのを聞くと、「それなら自分はもっとまだまだだから、頑張らないと」という気持ちになります。

テッペイ 制度期間中もこういった話をよくしていましたね。2人で面と向かって真面目に話すのは久しぶりですが……だんだん思い出してきた(笑)。

ヒロシ (笑)。

業務・精神面で支えてもらった1年
制度期間中の思い出

ヒロシ 制度期間中は通常業務と総会(※社内優秀者の表彰などが行われる全社集会)の準備との両立であたふたしてしまうことが多く、色々とご迷惑をおかけしました。

テッペイ 総会準備は、多くの新卒入社の方が通常業務との両立に悩む部分ですよね……!ヒロシさんに僕ができたのは、業務の割り振りに気を付けたことぐらいです。2017年秋に総会運営関連で受賞されていて、「ヒロシさんが頑張っていた成果だ」と思いました。

ヒロシ 総会運営で、賞をいただけるぐらい全力で新卒業務に打ち込めたのはテッペイさんのおかげです!業務面のサポート以外にも、トレーナー面談で新卒業務についての話を聞いてくださったり、的確なアドバイスをしていただいたりと非常にありがたかったです。

テッペイ そう言ってもらえて安心しました。ヒロシさんに限らずですが、サイゲームスの新卒は通常業務以外にも、たくさんの仕事を持っていて、いつもすごいなと感じています。

ヒロシ 新卒業務では日頃の業務ではなかなか経験できない仕事にも挑戦できるので、良い経験の場だなというのを感じました。2017年の総会準備では、プロジェクトマネージャーや進行管理といった仕事をしていたのですが、ここでの経験は現在の業務にも活きていると感じています。
あとありがたいなと思ったのが、メンタートレーナーランチでよく「別の方も誘って行きましょう」と提案していただいたことです。このことがそれまでお話する機会がなかった方々と話す良いきっかけになりました。

テッペイ 新卒の最重要課題は「顔を覚えてもらう」「存在を認識してもらう」だと思っています。きっかけづくりになったのなら狙い通りです!それに、プロジェクトの方々と普段から交流を持っていると、通常業務のときにも声をかけやすくなるので、積極的にコミュニケーションを取ってほしいと思っていました。

ヒロシ ありがとうございます!思い出といえば、期間中にテッペイさんとメンターの方と3人で一緒にプラモデルを作ったのも楽しかったです。

テッペイ 各自が好きなプラモデルを買ってきて、それを交換して作りましたね。

ヒロシ 自分では選ばないものだったので作るのが新鮮でした!あのとき作ったプラモデルはずっと私の業務デスクに飾ってあります。

テッペイ あのときは素組みで終わってしまいましたが、色塗りや墨入れ、ツヤ出しまでやっても良かったですね。

ヒロシ 実は塗装用のスプレーはこっそり買っていて、やる気だけはありました。結局なかなか時間が取れませんでしたが……。

テッペイ (笑)。では、次の機会があれば塗装や墨入れまでやってみますか。ヒロシさんのトレーニーとも一緒に作ってみてください。きっと絆が深まりますよ!

ヒロシ それは良いですね!楽しそうです!

「できるようになるまで任せる」
アドバイスで気を付けたこと

テッペイ 前職で指導や納品物の監修の経験をしていましたが、マンツーマンで指導するのは、ヒロシさんが初めてだったので「この教え方で良いのか」と悩むことが多かったです。例えば、イラストの描き方1つとってもさまざまなやり方があって、教えようと思えば線の描き方1本から指導はできます。しかし、その教え方がヒロシさんの成長にとって良いのかどうかはわからなかったので、ヒロシさんの反応や進歩度合を見て、その都度指導方法を選んでいきました。その上で「何かできなかったらできるようになるまで任せる。できていない部分を認識させる」ことを意識していました。ただ、「指導しなくては」と気持ちが先行するあまり厳しくなりすぎて会社が楽しくなくなってしまっては本末転倒なので、努めて穏やかに伝えるように気を付けていました。

ヒロシ 色々考えてくださってありがたいです。テッペイさんのおかげで楽しい社会人1年目を過ごせました!

テッペイ 良かったです。ヒロシさんは制度期間中の1年間で「やりたいことを口に出して実行していく力」がしっかりと付いてきたと感じています。
トレーナーを担当した当初、ヒロシさんの業務はイラストがメインでした。2か月ほど経ったときの面談で将来のビジョンを聞くと「デザイナーとしてゲーム全体の構築にも興味があります」と話してくれました。そこからデザイナーとして力をつけるために「Unity」や3D関係の技術を積極的に習得していきましたね。仕事の進め方も1人で完結させるのではなく、エンジニアやプランナーと積極的に協力していくことで、どんどん周りと一緒に業務を進めていく力が付いていきました。
ヒロシさんの言葉を聞いて、デザイナー系の仕事を振るようにはしていましたが、その成長ぶりには驚きました。そんなヒロシさんだからこそ、現在3Dイラストの調整やゲーム内イベントの演出、イラスト制作と幅広く業務を任せています。

ヒロシ ありがとうございます!テッペイさんが僕のイラスト制作以外の業務についてチーム内で共有してくださったので、色々な業務に気兼ねなく取り組むことができました。

テッペイ ヒロシさんが面談で自分の想いを声に出してくれたから、僕もトレーナーとしてやるべき方向性が定まったんですよ。あの面談で、ヒロシさんが「Unityに興味があります。ゲームデザインに携わりたいです」と言っていなかったら、今とは全然違う業務を担当していたかもしれません。

ヒロシ そうですね。自分の想いを口に出す大切さを実感しました。

テッペイ トレーナーとして、ヒロシさんが自分のやりたいことを表に出せるようになり、実現に向けて自分で方法を見つけ出し、積極的に行動している姿を見るのはとてもうれしいです。この調子で色んなことに挑戦していってください。

「やりたいことにチャレンジする」
印象に残っているアドバイス

ヒロシ 僕がイラストチームの中でイラスト業務をしていくか、Unityの習得といった新しい業務に取り組むかの分かれ道に立っていたときに、テッペイさんからいただいた「ヒロシさんのやりたいことをやりたいようにして良いよ。やってみて大丈夫だよ」という言葉がすごく印象に残っています。

テッペイ そこは意識していましたね。ヒロシさんがチャレンジしたいことに1歩踏み出せるよう、ヒロシさんが何気なく言ったことにも「やってみましょう」と伝えるようにしていました。
新卒や若手の方全般に言えるのかもしれませんが、プロジェクトに配属されて数か月は遠慮がちです。当時のヒロシさんも「こうしたい」「これをやりたい」という意思があるのにそれを口に出せず、目の前の仕事に打ち込んでいたので、少しもったいないと感じていたんです。ですから、ヒロシさんには新卒のこの時期だからこそ興味があることに挑戦してもらおうと考えていました。結果、上手くいって新しい業務を任せられるようになっていますし、もし失敗していてもきっと次へ繋がる経験になったと思います。
社内報で、社長の渡邊(耕一)が「 “サイゲームスが大切にしていること”」として話していましたが、今後も失敗を恐れずにやりたいことにチャレンジし続けてほしいです。

社内報“サイゲームスが大切にしていること”より一部抜粋

何かを始められない人というのは、最初から成功しようと考えすぎていて失敗を恐れ、結果的に動けなくなっている人が多いです。サイゲームスは基本的に「迷っている暇があればやろう」というスタンスで行きたいと思っていて、やればいろんなことがわかるものなのです。例えば10回に1回成功する何かがあるとします。その際、仕事ができない人は「どうすれば1回で成功できるか」ということを考えますが、私なら「どうやって早く9回失敗しよう」と考えます。そしてほとんどのケースで“1回の成功”で迷っている人よりも先に9回失敗しようとしている人の方が早く成功します。

それを象徴する例として、高専時代にロボットを学生だけで一から作ったときの話をします。
夏休み初日にメンバーで集まり「何をしようか」と話し合いをした際、私は工作版に落ちていた鉄のL字を見て「よし、材料はあるから作ろう」と言って実際にロボットを作りました。そしてできたものはロボコンの重量制限が16㎏にもかかわらず30㎏オーバーで、動きもしない鉄の塊でした。そこで初めて私たちは「ロボットは鉄だけじゃ作れない」ということを学びました。
では何の素材で作ればいいのか?調べていくうちに「どうやらアルミが良いらしい」という話を聞いたので、鉄の次はアルミで作ってみました。しかし、何もついていないので当然動きません。ロボットはどうやって動くのか、ビデオを見て「モーターで動いている」ということを学びました。私たちは教授にモーターが売っている場所を教えてもらい、「どのモーターで試そうか」と悩むのではなく、ありったけのモーターを買って全部で試してみました。とにかく、試してみなくては良い物はわからないのです。最終的に8回作り直しをしましたが、完成したときには教授たちが「よく学生たちだけでこんなものを作れたな」と言うほどの物ができました。最初は鉄の塊のスタートでも、とにかくやってみることで新しいことを1つずつ学び、最後には成功を収めることができたのです。

このように、何か物事に当たる際には「よし、失敗しよう」というくらいの意気込みでやる方が「絶対に当てよう→失敗した……」と凹むよりもよっぽど建設的なのです。余談ですが、新卒で入った会社の備品のビデオ端子が古く、通常なら映像と音声がそれぞれ黄色と白で区別されているところ、どちらも白だったことがありました。そしてそれを使う際「どっちが映像でどっちが音声だ」ということを5,6人集まって議論していました。通りすがりにその様子を見た私はただ一言「そんなもの実際に挿してみればわかるじゃないか」と言いました。当たり前のことかもしれませんが、失敗を恐れる人がやっているのはこれと変わりません。やってみればわかること、やれば結果が伴うことが多いのです。


ヒロシ チャレンジ精神を忘れずに頑張っていきます。あと、イラストとゲームデザインのどちらに重きを置きたいかの話をした際、テッペイさんに「ヒロシさんはイラストレーターとしての才能もある。僕としてはイラストも描いてほしい」とも言っていただいたこともよく覚えています。

テッペイ ある程度ゲーム作り寄りの業務を担当するようになったときに、「今でもイラストレーターとして描きたい気持ちもあるんだろうな」とは感じていました。実際、当時、ヒロシさんが担当していたキャラクターイラストがとてもかっこよかったので、そこは欲張って両方ともやってほしいと思っています。

ヒロシ ありがとうございます。サイゲームスのイラストチームのみなさんは業界でトップレベルの方ばかりなので、そこでイラストレーターとして制作を任されるような実力をきちんとつけたいなと考えています。もちろん、3Dの絵作りといった別の分野でも頼りにされる人になります!

テッペイ その意気です!また、頼りにされる人材になるには、新卒の場合は特に存在感を示してこそだと思います。制度期間中、「社内SNSにあるプロジェクトの雑談・お絵かき投稿スレッドにイラストをがんがん投稿してほしい」「他の人が投稿したイラストに“いいね”を押すだけでも、僕はここにいるぞ!と名乗ることになるのでやってほしい」と言っていたのですが……あまり実行していた記憶がないような……(笑)。

ヒロシ ……これからイラストを描いて、社内SNSのチャンネルに投稿していきます!

テッペイ 人の目の触れるところに投稿すると、色々な反応が来て自分のモチベーションが上がりますし、プロジェクトのスレッドが盛り上がることはチーム全体のモチベーションアップにもなります。ぜひ実行していってくださいね。

お互いへのメッセージ

ヒロシ これまでのSJ対談に登場されている方の中には、社内表彰でノミネート・受賞されている方がたくさんいるので、自分も壇上に立てるように頑張ります。
テッペイさんが「ヒロシさんを育てたのは僕だよ!」と胸を張って言えるような人になるので、期待していてください!

テッペイ ヒロシさんの成長を楽しみにしています!
ヒロシさんにはイラストが描けるだけでなく、ゲーム構築もできる人材になってほしいです。イラストレーターの枠に収まらない、広い領域での活躍を期待しています。2Dと3D両方の視点で俯瞰的に見ることができるスキルをどんどん伸ばしていってください。そうしてプロジェクトが新しい挑戦をするときに、先頭を切って提案・実行できるようになってほしいです。持ち前の「周りを巻き込んで流れを作る力」を活かして、サイゲームスのコアになる人材に育っていってくれると信じています!

ヒロシ 期待に応えられるようにがんばります。これからもよろしくお願いします!