「私がもっと『シャドバ』を面白くしていきます」 宣言した新卒が身に付けた「健康管理力」と「コミュニケーション能力」

サイゲームスには、新卒・第二新卒のスタッフにキャリア形成及び生活全般のさまざまな悩み相談を行うメンターと業務上必要なスキルを教えるトレーナーが付くメンタートレーナー制度があります。その対象者に、それぞれのコンビで対談していただく連載企画「SJ対談」。
先輩(Senior)と後輩(Junior)、それぞれの立場から見た制度期間中の思い出や成長の軌跡などを話します。

第3回は、『Shadowverse(以下、シャドバ)』の プランナーセクションのSJ対談をお届けします。

トレーナーナオユキ
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2014年中途入社。『Shadowverse』のリードゲームデザイナーとしてゲームデザインを担当。TCGプランナーセクションのマネージャーも務めている。
2017年度新卒ユウイチロウ
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学生時代にTCGプランナーセクションのアルバイトとして活躍後、2017年総合職として新卒入社。研修後、『Shadowverse』のプランナーとして配属され、現職。

「徹底する人」「優秀な人」
お互いの印象

ユウイチロウ ナオユキさんは「何事においても徹底する人」です。具体的には、徹底して身の回りの整頓や心身の健康を心がけていて、ナオユキさんの席にはPCとキーボード以外は何も置かれていない状態が常に保たれています。ナオユキさんの仕事の早さや正確さはそういった心がけから生まれると感じているので、そのストイックさを自分も見習おうと思っています。

ナオユキ 確かに自分に対してストイックなところはあります(笑)。「得になること」が好きで、デスクに関しては「席はきれいな方が仕事をしやすい=自分の得になる」と思っています。また、以前は総会(※)での受賞トロフィーをデスクに飾っていましたが、「自分は会社から賞をもらえるほどの人間だ」と賞に甘えてしまい、今後それが仕事のミスやモチベーションの低下に繋がる可能性があるかもしれないと考え、引き出しに保管するようにしました。
(※)社内優秀者の表彰などが行われる全社集会。半期に1回行われる

ユウイチロウ なるほど……!間近でそういった先輩の姿勢を見ることができるので日々刺激になります。

ナオユキ あらためてそう言われると変な感じですね(笑)。ユウイチロウさんへの印象は「仕事のできる優秀な人」の一言に尽きます。かれこれ、学生アルバイトとして入社する際の面接以来の付き合いになりますね。デジタルTCGの世界大会で上位入賞したことのある経歴を見て驚きました。

ユウイチロウ 面接では『シャドバ』の面白さを話し、最後に「まだまだ面白くできると思うので、私が今よりも面白くしていきます」と宣言した覚えがあります。

ナオユキ そのときに「すごい人材が来てくれた!」と思いました。その後、TCGプランナーとして合流して、初めてお願いした仕事がカードバランス調整班の中核となるような業務でしたね。「最初に任せる仕事としては重いかもしれない」と考えましたが、「承知しました」と即答し、実際に業務をきちんとこなしてくれました。その様子を見て「“できる人”なんだな」と感じました。

ユウイチロウ TCGには詳しくても、カードバランスの調整は初めてだったので緊張しましたが、楽しく仕事を進められました。

ナオユキ それなら良かったです。その後、2017年度新卒として『シャドバ』のプランナー職に配属され、私がトレーナーを任されたときはうれしかったです。優秀なユウイチロウさんなら、数年後にはサイゲームスの大きな戦力となっているはずで、その成長を間近で見られるのはトレーナーの特権ですから。
……あと、ユウイチロウさんが将来的に有名なゲームクリエイターになったときに「彼は私が育てた」と噂が広まったら役得だなと(笑)。

ユウイチロウ 実際にその噂が広まるように頑張ります(笑)。今も巧みにベタ褒めしていただきました通り、ナオユキさんは話の伝え方・盛り上げ方が上手く、いつも勉強になります。
ただ事実を話すのではなく、聞いている・読んでいる人の気持ちが盛り上がったり、「プレイしよう!」とやる気が出たりする言葉選びやタイミングの見つけ方が本当に上手いといつも感じます。実際に、ナオユキさんが書いたゲーム内のお知らせやTwitterの文章は、自分もいちユーザーとしてすごく惹きつけられます。

ナオユキ 人を楽しませるような文章や話をするのはプランナーに必要な技術です。プランナーの仕事は「ユーザーの方々を楽しませること」なので、意識せずとも自然と盛り上がりそうな話の仕方や書き方をするようになりました。あくまで事実をベースにしているので、ユウイチロウさんが優秀なのは本当です。

ユウイチロウ ありがとうございます(笑)。

「3段階の健康ステップアップ」
制度期間中の思い出

ユウイチロウ 制度期間中、最も意識していたのは「健康」でしたね。

ナオユキ そうでしたね。仕事で最も大切なのは「心身の健康」だと思っています。これは僕の信念であり、「健康であれば仕事に集中でき、遅かれ早かれ仕事ができるようになる」と考えています。そのため、約1年の制度期間中のテーマを「健康面でのステップアップ」にしました。

ユウイチロウ 『シャドバ』に配属したときに言われた「昼休憩中は仕事をせず、しっかりと休む」「糖分や炭水化物ばかりを摂らないようにしよう」は印象に残っています。

ナオユキ ある日の昼休憩に、ユウイチロウさんが菓子パンを食べながら仕事をしていました。その様子を見て「これを続けたら体を壊してしまう」と思ってお話しました。その翌日から、ユウイチロウさんはコンビニでちゃんとしたお弁当を昼食に買ってくるようになったんです。すぐに指摘されたことを実践する姿に「なんて素直な人なんだ!」と思いました。

それと同時期に「就寝時間」の話もしました。健康を害する原因の大半は睡眠不足だと思っているので、早寝早起きは健康問題を解決する上で非常に重要です。そこでユウイチロウさんには具体的に「できれば夜12時前には寝よう」と伝えました。
食事と就寝時間は、健康の核心と言えるほど大切だと思うので、「健康ステップアップ初級編」として最初にお話しました。

ユウイチロウ 懐かしい……!

ナオユキ そして「健康ステップアップ中級編」では、「健康の基礎は足元だから、良い靴を履こう」と教えました。おすすめは医学的理論に基づいた開発をしているドイツの靴ブランドのもので、面談時に「1足は持っていた方が良い」と勧めました。するとその週末に3足も購入していて驚きました!

ユウイチロウ ナオユキさんに紹介されるものは非常に魅力的に感じるので(笑)。実際履いてみるととても履き心地が良く、買って良かったです。

ナオユキ それは良かったです。「健康ステップアップ上級編」では、健康において非常に重要な「食物繊維を摂取しましょう!」という話をしました。

ユウイチロウ ありましたね。私は偏食の傾向があって、お肉とご飯以外のものをほとんど食べません。なので、最初は「食物繊維を野菜以外から摂るにはどうしよう……」と思いました。

ナオユキ ユウイチロウさんにとっては、少し難しい課題を出したかなと思いましたね。

ユウイチロウ いえいえ。アドバイスをもらってから、どうすればこの問題を解決できるかを考えました。食物繊維と野菜について調べてみると、海苔は“海の野菜”と呼ばれ、食物繊維が豊富に含まれていることを知りました。海苔なら好き嫌いなく食べられるので、以降は「国産の海苔を毎日4g食べること」に決めました。

ナオユキ この解決方法の調査・提案は、プランナーとして持ってほしい力の1つだったので「プランナーとしてもさらに成長したんだな」と思いました。目の前の問題に対し、独自に解決手段を模索できた経験は必ず業務にも活かせます。

ユウイチロウ そんなところまで、考えてくれていたんですね。制度期間中の1年で「健康はすべての基本」と考えるようになりました。これからも健康に気をつけていきます。

伸びた「文章力」「コミュニケーション力」
業務で成長したポイント

ナオユキ スキル面で言うと、文章力がすごく伸びましたね。アルバイト時代から特に仕事ができる人でしたが、カードバランスのレポートや業務内容の連絡では「相手に伝えるための日本語」として惜しい点がいくつか見受けられました。
私は編集職のキャリアがあったので「この経験を活かして、ユウイチロウさんの文章能力をもっと伸ばしていこう!」と思いました。毎日文章を見ては「読点はここに」「1文が長いから2文に分ける」と教えると、文章力がみるみる改善しました。今では、ユウイチロウさんの書くお知らせに赤字を入れることはありません!

ユウイチロウ 本当に基本的なテクニックから教えてもらいました。自分でも以前よりも文章力を改善できたと実感しています。正確な文章を書けるようになったことで、業務連絡をするときに相手との認識の齟齬も起きにくくなりました。
あと、以前よりも業務がやりやすくなったのは、いろんなメンバーとのコミュニケーションが取りやすくなったからだと思います。アルバイト時代は、業務をこなすことに精一杯で、自分から積極的にコミュニケーションを取ることがあまりありませんでした。新卒としてあらためて会社の一員になってからは、様々な職種やプロジェクトのメンバーに依頼や相談をしに行く機会が増え、次第に業務やプライベートに関しての雑談もするようになりました。
そういったコミュニケーションを増やした結果、相手の人となりや考え方がわかり、より業務を進めやすくなりました。

ナオユキ 1年を通して、たくさんの人から信用を得ることのできる「サイゲームスのプランナー」らしくなりましたね。自力で成長されている部分も多く、そばで見てきた身としてうれしいです。

ユウイチロウ コミュニケーション能力の向上は、ナオユキさんの行動を隣の席でずっと見ているからだと思います。ナオユキさんがいろんな人と話すのをこっそり聞いて「上手く内容を伝えるにはどうすれば良いのか」「話を進めるポイントはどこだろう」と考えていました(笑)。ちなみに、僕が新卒研修を受けていた頃にいただいたナオユキさんのアドバイスが、「話を聞きに行こう」「コミュニケーションを取ろう」と考えるようになったきっかけです。

ナオユキ ユウイチロウさんのトレーナーになる前の話ですね。新卒研修はその年の新卒を対象に4~6月に実施されるのですが、ユウイチロウさんがつまずいていたのはPhotoshopの研修で、それを見ていた私の同僚に「研修課題で苦労しているみたいだからアドバイスしてあげてほしい」と言われたんです。
すぐにユウイチロウさんに社内メッセンジャーからメッセージを送ってランチに誘ってみましたが、「お誘いありがとうございます。ただ、課題の提出期限が迫っているため遠慮させていただきます」と返答が来ました(笑)。

ユウイチロウ 大変失礼しました……!今思うと大分切羽詰まっていましたね。

ナオユキ 私もユウイチロウさんのその返答を見て「これは大分危ない状況だなあ」と思い、その場で簡単なアドバイスをする方法にシフトしました。
具体的には「研修というゲームには攻略法がある」とお伝えしました。研修を「どうしてもクリアしたいゲーム」として捉えてみると、ネットで検索したり、人に聞いたりなど、色々な手段で攻略法を調べると思います。しかし、当時のユウイチロウさんは自力で攻略しようとしていました。研修の課題はあくまで「人を伸ばすためのもの」で、「自分で0から作り出すこと」を求められているわけではありません。そして、デザインを学ぶPhotoshop研修ならデザインのプロに聞くのが最適な攻略法です。

ユウイチロウ このアドバイスをいただいてすぐに、研修の講師の方に研修の不明点やデザインのコツを聞きに行き、なんとか課題をクリアできました。

ナオユキ クリアできたのもユウイチロウさんの素直さがあったからですよ。若手の方には「任された業務や課題はすべて自分の力でやり遂げなければいけない」と考える方が多い印象です。自力で何でもやろうとする努力や姿勢はとても大事ですが、人を頼ることも同じくらい重要です。サイゲームスには様々な分野のプロフェッショナルが大勢いますし、経験や知識を教えるのは先輩の役割なので、若手の方はもっと周囲のスタッフを頼ってみるのが良いと常々思っています。

お互いへのメッセージ

ユウイチロウ ナオユキさんは自分の目標です。いつかナオユキさんに追い付き、追い越せるように精進していきます。これからも引き続きよろしくお願いします。

ナオユキ こちらこそよろしくお願いします!最後の面談でお伝えした通り「僕のプランナー人生に引退勧告をしてくれるのはユウイチロウさんだ」と信じています。私は入社から現在まで、『シャドバ』のリードゲームデザイナーとしてゲームを作ることができています。しかし、もう数年経つと『シャドバ』のメインターゲット層との年齢差がさらに開き、いずれは自分が作りたいゲームとユーザーが求めるゲームにズレが生じてしまうでしょう。

なので、もしユウイチロウさんが「私とユーザーが求めているものに齟齬が出ている」と感じたら、「自分が代わりに面白いものを作りますよ!」と言ってください。そうしたら「遂にこのときが来たか……」とバトンタッチしたいと思います。これが実現したら、トレーナー冥利に尽きます。

ユウイチロウ ……これは難しいお話ですね。

ナオユキ ユウイチロウさんなら大丈夫です!数年後にサイゲームスの主力タイトルを作るのは、ユウイチロウさんをはじめとした若手です。若手のみなさんが活躍するのを心から楽しみにしています!
もちろんまだ身を引くつもりはなく、これから先も今いるユーザーの方々を飽きさせず、かつ新規ユーザーを取り込める施策をどんどん行っていきます。一緒に『シャドバ』を盛り上げていきましょう!

ユウイチロウ はい!1日も早く「後は私に任せてください!」と自信を持って言えるようになります。これからもよろしくお願いします!