スタッフたちが自由な発想で共創する文化 オリジナルイラスト素材「ロボくん」の事例

サイゲームスにはイラスト素材の制作を専門に手掛ける「社内フリーイラストチーム」があります。同チームが生み出した数々の素材の中でも、「ロボくん」は異色の存在です。初めは単なるイラスト素材の一部だったものが、次第に3Dや動画へ活躍の場を広げ進化していったのです。
今回は、「個性を活かす」「まずはやってみる」「チームで最高のコンテンツを作る」といったサイゲームスのカルチャーを象徴する、ロボくんについてご紹介します。

最初は挿し絵の一部だったキャラクターが
クリエイターたちの手によって進化

社内フリーイラストチームは、社内外の様々な講演やイベント用に作られる資料や動画の中に載せる素材を描いています。いわば、サイゲームスのスタッフが自由に使えるフリーのオリジナル素材です。このチームが生み出し、他のクリエイターの手によって思いがけない発展を遂げたのが「ロボくん」です。

社内フリーイラストチームでロボくんを最初に作ったのは、2021年6〜7月頃のこと。ゲーム業界の技術交流会「CEDEC」に登壇するスタッフから、プレゼン資料内で使う「レトロなロボットの画像を描いてほしい」という簡単な依頼を受けたのが始まりでした。なお、発表のテーマは「AIによるゲーム制作効率化に関する事例紹介」でした。

▲『ゲーム制作効率化のためのAIによる画像認識・自然言語処理への取り組み(CEDEC2021講演)』講演資料にロボくんが初登場

このときは後で再利用する予定もなかったので、単体のイラスト素材というよりは挿し絵の一部のようなかたちで描かれました。ただし、プレゼン資料内で複数回描くことがわかっていたため、シンプルで描きやすく、量産しやすいデザインにすることは最初から意識されていました。当初から描きやすさを意識していたこともマルチな活躍に繋がった一因かもしれません。
とはいえ、当時はロボくんが現在のように進化するとは全く想像していませんでした。

社内での認知度が徐々に上がり
活躍の場を広げていったロボくん

その後、ロボくんを気に入ったデザイナー部のスタッフから「ロボくんだけのイラストを作ってほしい」という依頼があり、ロボくんのイラストが再び制作されることに。色々なポーズや表情が描かれ、スタッフが自由に使えるイラスト素材として社内で公開されました。そこから、社内外の様々なイベントで使ってもらえる機会が増え、1〜2年くらいかけて徐々に社内での認知度が上がっていきました。

▲ロボくんのイラストが自由にダウンロードして使えます

これまでロボくんが使用されたのは、誕生のきっかけとなったCEDECをはじめ、社内のエンジニアが集まるミーティング、そしてこの「Cygames Magazine」などです。
最初は2Dのイラストだったロボくんですが、社内のアーティストたちの創造意欲をかき立てたようで、彼らによって様々にアイディアが盛り込まれ、2Dアニメーションや3DCGとして発展していきました。

▲「Cygames Magazine」の連載シリーズ「仕事百科」のイラストにもさり気なく登場しているロボくん

アニメーション化したのは2023年8月頃です。「エンジニア全員が集う『エンジニア総会』のスライド資料の中でロボくんを動かしたい」という依頼があり、イラスト素材制作チームからイラストを渡しました。こんなふうに描いたイラストが一人歩きしていくことはそれまでなかったので、せっかくだから自由な発想で使ってもらおうと考え、表情や動きなどには特にルールを設けませんでした。その結果、アニメーターがとてもクオリティーの高いアニメを作ってくれたとのこと。「ロボくんが動いたらかわいいだろうな」と思ってはいたようですが、イラスト素材制作チームが想像していた以上の仕上がりだったそうです。

▲ロボくんのアニメーション

アニメ化に続き3DCG化へ
2Dのかわいさそのままの仕上がりに

アニメーション化に続いて、3D化の話が上がったのは2023年11月頃。その少し前に、社内フリーイラストチームが所属する部署で3DCGソフトの勉強会が始まっていたこともあり、試しにロボくんが3D化されることになりました。

3D化の際に注意したのは、2Dのロボくんのかわいさをそのまま活かすことです。2Dのキャラクターをそのまま3D化すると無機質な雰囲気に変わってしまいがちなので、2Dのかわいらしさを残すように意識しながら作られました。

3DCG化したら、今度は「立体化したロボくんを使って何かできないか」という話が持ち込まれ、 映像制作室という部署が3Dで映像を作ることに。社内イベントで上映する映像で、そこにロボくん登場させることになったのです。制作作業の効率化を図るため、3Dデータを 別の3DCGソフトにコンバートをして動きを付けた後、モーショングラフィックスソフトで映像化……という工程を経て、ついにロボくんが3Dアニメになりました。

▲資料として映像制作室へ渡した4面図(キャラクターを4方向から見た資料)
▲3DCGで3D化されていくロボくん
▲出来上がったアニメーションがこちら
▲3DCGソフトでモーション化。キャノン砲を持たせることでヒーローメカっぽい感じが加わりました
▲3DCGとなって動き出したロボくん。2Dのときのかわいらしさはそのままに、ダイナミックにアクションします

個性と個性が刺激し合い
新しいものが生まれる文化

こうしてロボくんが進化していく過程は、生み出した社内フリーイラストチームにとってもうれしいことでした。アニメーションや3DCGにしてくれたスタッフたちも制作を楽しみ、アイディアを盛り込んでくれた結果、ロボくんは魅力的なキャラクターとして育ちました。このように部署の垣根を越えて、相乗効果でクオリティーの高いコンテンツが生まれていくプロセスを体験できるのは、サイゲームスで働く醍醐味のひとつだと思います。

社内フリーイラストチームは、「これからも楽しくて使いやすくてかわいいものを作っていきたい」「社内からの様々な依頼に対応して、良いものを作っていきたい」とのこと。今後もチャレンジングなコンテンツが生まれてきそうです。

以上、サイゲームススタッフたちの自由な発想と共創の文化をご紹介しました。


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