「コンテンツを良くするためには何でもやる」エンジニアとしての情熱を持つことの大切さ

サイゲームスには、新卒・第二新卒のスタッフにキャリア形成及び生活全般のさまざまな悩み相談を行うメンターと業務上必要なスキルを教えるトレーナーが付くメンタートレーナー制度があります。その対象者に、それぞれのコンビで対談していただく連載企画「SJ対談」。
先輩(Senior)と後輩(Junior)、それぞれの立場から見た制度期間中の思い出や成長の軌跡などを話します。

第7回は、新規開発タイトルのクライアントサイドのエンジニアのSJ対談をお届けします。

トレーナー/2014年新卒マサトキ
gutenberg-examples
2014年に新卒として入社。『ちょゲつく』、『近代麻雀オールスターズ 闘牌伝』でクライアントエンジニアを担当。現在は新規タイトルのクライアント開発を行っている。
2017年度新卒レオ
gutenberg-examples
2017年に新卒として入社。新規タイトルの開発チームにクライアントサイドエンジニアとして合流後、3Dモデルの制御やUI開発を行っている。

「情熱がある」「頼もしい先輩」
お互いの印象

マサトキ レオさんの初対面の印象は強かったですね。総会(※)の日に、いきなり声を掛けられて「開発チームに入りたいです!」と言ってきたのを覚えています。

(※)社内優秀者の表彰などが行われる全社集会。

レオ 総会中、クライアントサイドのマネージャーとお話しする機会があって、その話の中で、マサトキさんが新規開発タイトルのエンジニアリーダーを担当されていると知ったんです。入社してからずっと「ぜひ携わりたい!」と思っていたタイトルだったので、そのまま突撃してしまいました!

マサトキ あのときは「情熱のある人が来たな」と思いました。その「熱い」印象は今も変わっていません。

レオ こんな機会はない!と思ったので……。驚かせてしまってすみません(笑)。
マサトキさんは褒めてくださると同時に、ダメな部分はしっかり指摘してくださる頼もしい先輩です。自分はメンタルが強いほうではないと思っているので、普段から褒めて伸ばしていただけたのはありがたかったです。

マサトキ この1年でぐっとメンタルが強くなりましたね。レオさんは業務上、開発チームで活躍している百戦錬磨のデザイナーやエンジニアのみなさんと関わることが多いです。最初は上手くいかないことも多かったですが、今ではエンジニア目線で、みなさんと対等に語り合えているのはすごいなと思います。自分が社会人1年目のときを思うと、そういったスキルもなく、さらに経験できる場もなかったです。正直、うらやましい!

レオ 本当に貴重な体験をさせてもらっていると思いますし、ずっとそばで見てくださっているマサトキさんからそう言っていただけるのはうれしいです!

「お互いに成長した1年」
制度期間中の思い出

マサトキ 制度期間中は、レオさんも私もお互いに、当時開発チームに所属していたシュウイチロウさんやマサルさん(※過去の記事「サイゲームスの“カイゼンおじさん” 会社とコンテンツを支える2大部署の活躍に迫る!」で紹介した現・開発推進室およびプロジェクト共通基盤の両マネージャー)に鍛えられた1年でしたね。お二人をはじめとしたベテランのエンジニアが同じチームにいて、みなさんの一挙一動を見ることで勉強になったなと思います。

レオ 僕は席がマサルさんと隣り合っていたので、毎週計画・実行・振り返りを一緒にさせてもらっていました。すごく贅沢な指導を受けていたと思います。
マサトキさんからもたくさん学ばせていただき、中でも「これは絶対に身に付けよう」と思ったのは「落ち込んでいる様子を見せないこと」です。マサトキさんはメンタルが強いイメージがあり、何か仕事で失敗したときに落ち込んでいる姿を見たことがありません!そういったマサトキさんの姿を見て、プロとして周りに落ち込んでいる姿を見せるべきではないと学びました。

マサトキ 僕は決してメンタルが強いわけではないですよ(笑)。そう見えるのは「コンテンツが良くなることなら、何だってやろう!」という気持ちが前に出ているからだと思います。そしてそれは他の開発スタッフのみなさんの姿勢や熱意から学んだことでもあります。
元々負けず嫌いな性格なので「他のエンジニアに負けたくない!」と思って仕事をしていました。ですが、100人を超える規模のプロジェクトに配属され、それぞれが「コンテンツを良くするためには何でもやる!」という気持ちを持って全力で取り組んでいる姿を見て、自分も「どうすれば作品を良くできるんだろう」とコンテンツを第一に考えられるようになっていきました。そこからたとえ仕事で失敗したり、指摘を受けたりしても「これは作品を良くするためのもの」「落ち込んでいる暇はない」と考えられるようになりました。

レオ なるほど……!

「振り返りをすることが大事」
アドバイスで印象的だったこと

マサトキ 期間中、最初にレオさんに毎週お願いしていたことは、付箋を使ったKPTの振り返りをやってもらうことでしたね。

レオ あれはすごくわかりやすかったです!3枚の付箋にK(KEEP:良かったこと、今後も続けたいこと)、P(PROBLEM:上手くいかなかったこと)、T(TRY:今後実施すること)のそれぞれの項目を書くと、実際に自分がどこまでできたのか、何がいけなかったのか、そして次に何をすべきなのかがわかって役に立ちました。

マサトキ 実は、あれはシュウイチロウさんに教えてもらったものなんです。私自身も、初めてやってみたときは「これは自分のモチベーションを保ちながら問題点を解決できる方法だ!」と感動しました。そこで振り返りの大切さを知り、レオさんのトレーナーになったときに「これは後輩にも教えなければ」とすぐに伝えました。紙ではなく、付箋に書いてボードに残していくほうが、成長具合や時間軸で見た問題点の可視化ができるところが良いなと思います。これからも続けていってください。

レオ はい、続けていきます!振り返りといえば、トレーナー面談で使用している振り返りシートも思い出に残っています。「できなかったこと」の項目に対して「どういう対策を取るのか」「来週からは何をするのか」という項目があり、いつも最後の「来週からは何をするのか」の項目で見当はずれの回答をしていて……。マサトキさんに毎回「それは違うよ」と言われていました。

そもそも「できなかったこと」で挙げた内容は、本来ならば1週間ごとの積み重ねで解決していく課題を書くべきですが、少し意識すればすぐにクリアできるような内容にしていたのがいけなかったと思います。もっと仕事に対する姿勢や考え方といった精神面での「悩み」を意識すべきだったと。

マサトキ そうですね……。「悩むこと」に対する深掘りがもう少しできれば良かったですね。レオさんの反省は技術的な部分が多く、意識したらすぐに直せるような現実的な問題が中心でした。それが悪いわけではなく、そこで出た問題をもっと突き詰めると、レオさんが言う通り「根深い課題」や「抽象的な悩み」が見えたと思います。そういった根っこにある課題は今後仕事をする中でいろんな影響を与える部分です。
この問題はトレーナー面談でもう少し時間をとれば良かったかなと自分も反省しています。ただ、レオさん自身も問題への理解をされているので、これから磨いていけると思います!

レオ 磨いていけるように、今後も悩みを掘り下げていきます!

「問題を理解して取り組む」
エンジニアとしての姿勢

レオ チーム配属後、マサトキさんが最初に業務を振ってくださるときに「何がやりたいのか」「何が得意なのか」を聞いてくださった上で仕事をもらえたのはうれしかったです。

マサトキ 本来、新卒だと一通りいろんな業務をやってから、自分の得意分野を見つけてもらう方式を取った方が良いのかもしれません。ですが、レオさんはすでに自分の得意分野を把握していましたし、何よりやる気がとてもあったので、最初に得意なものを任せてみようと思いました。

レオ 最初に作った仕組みが今でもシステムの各所で使われているのは本当にうれしいです。初めに任せていただいたものをみなさんに使っていただけているという、1つの成功体験をもらえたのは今でも自信や支えになっています。

マサトキ 成功体験を持つのは大切なので、それは良かったです。ですが、あまり成功した例にしがみついてしまうと、次の成長ができなくなってしまうので気を付けましょう!

レオ はい!……それでいうと、入社2年目の春ぐらいにタスクの量を把握しきれずに、いろんな方々にご迷惑をおかけしてしまったことがありました。元々チーム全体で付箋を使ってタスク管理していましたが、管理方法が変わり、付箋を貼る管理の仕方ではなくなりました。それから自分で「付箋がなくても大丈夫!」と作業を進めていたら、元々振られていたタスクの量を把握しきれておらず……。結局、締め切り直前で間に合わないことわかって、周りの方々に迷惑をかけてしまいました。

マサトキ もっと早めに自分からアラートを上げる必要がありましたね。付箋をボードに貼って管理をしていたときは、同じチームのメンバーが「これは1人だと難しい」「ここの人数を減らして、こっちに持って行けば……」といった管理ができていました。それがなくなった今、自分でタスク量を調整し、どうやったら達成できるのかを考えることが大事です。それが早ければ早いほど、周囲のみなさんに相談しやすく、助けを求めることができます。

レオ そのときの失敗を繰り返さないよう、現在ではタスク管理を常に心がけています。

マサトキ あと、レオさんと過ごす中であらためて「言われたことを言われた通りにする」のは当たり前であり、大事なことだなと感じました。ただ、言われた通りにする中で「どうしてだろう」と疑問点がある場合は早めに聞くことも必要だと思っています。中途半端に理解したまま進めていくと、本質とずれてしまい「言われた通り」にできなくなってしまいます。それを避けるためにも、きちんと話を理解して進めることも場合によっては大切ですね。

レオ わかります……!自分が「こういった機能が欲しい」と依頼され、実際に作ってみたけれど、よくよく話を聞いてみたら既存の機能で対応できたことがありました。最初に根本的な目的をヒアリングして、相手の意図を理解することも大事だなと学びました。

マサトキ そうですね。特にエンジニアは「こういった機能やツールがほしい」とお願いされると、作ってしまいたくなる気質を持った人が多い気がします(笑)。何を目的に、実際に使う方はなぜそれが必要なのかといった部分を、お互いに確認していきたいです。

お互いへのメッセージ

レオ スペシャリスト兼ジェネラリストを目指していきたいです!そうなるにはまだまだ自分には足りないところが多いので、マサトキさんや周りの先輩方を見てどんどん吸収していきます。ユーザーのみなさまに良いものを届けるために、自分がやれることを自分から見つけて取り組んでいきます!

マサトキ ぜひ目指してください。制度期間はすごく濃密な時間で、お互いに成長できたと思っています。レオさんにアドバイスすることで、自分も若手の頃の気持ちや業務のやり方などについて振り返ることができました。

レオ メンタートレーナー制度としての関係は終わってしまいましたが、これからもわからないことや困ったときはマサトキさんに相談しに行きますね。そして自分がいずれトレーナーになったら、マサトキさんのアドバイスを使わせてもらえると……!

マサトキ 学んだことを次の人にもぜひ教えてください!
僕からのメッセージは「論理は結局、情熱にかなわない」です。これはプロゲーマー選手の言葉から引用させていただいています。論理で1のものはできるかもしれないけど、1.1や1.2にするのに必要なのは「情熱」です。レオさんは誰よりもコンテンツへの熱い想い、そしてエンジニアとしての情熱を持っています!それを信じてこれからも頑張っていってください。

レオ ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします!