【マネージャーの思考】カスタマーサポートの組織づくり 時代に合わせた対応で「最高のコンテンツ」を支えるチーム

「マネージャーの思考」は、サイゲームスの各部署のマネージャーから、組織づくりの考え方や今後の展望を語ってもらう連載です。今回は、カスタマーサポート(以下、CS)のマネージャー・タツヤにチームの体制やスタッフに求める人物像などを聞きました。

カスタマーサポート マネージャータツヤ
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大学では情報通信を専攻。電機メーカーに勤務した後、第二新卒として2015年にサイゲームスに合流。プランナーとして運用タイトルに携わった後にCSへ異動し、現在はマネージャーとしてチームの体制づくりを進める傍ら、カスタマーサポートの業務にも尽力している。

未経験からゲーム業界へ
プランナーからキャリアをスタート

最初に、これまでのキャリアについて教えてください。

大学では情報通信を勉強し、卒業後はそれを活かして電機メーカーで仕事をしていました。当時からゲームが好きだったのですが、「仕事は仕事でゲームはゲーム」と考えて、趣味と仕事を分けて両立させようとしていました。しかし、だんだんと仕事と趣味で時間の切り分けが難しくなってきたんです。それで、せっかくものづくりを本気でやるんだったら、好きなことをやりたいなと思ってゲーム業界を考え始め、サイゲームスに合流しました。

サイゲームスに合流した理由を教えてください。

転職活動をしていた当時、未経験でゲーム業界に入れる会社は少なく感じていました。その中でもサイゲームスは第二新卒での採用を全面に押し出していて、未経験でもチャンスがありそうだと思いました。また、私自身ゲームが好きで、サイゲームスが運営していたタイトルをよく遊んでいたからですね。当時はコンシューマーやPCのゲームが好きだったんですけど、モバイルゲームでもここまでクオリティーの高いゲームを作れるんだと驚いていました。良いものを作りたいという思いでゲーム業界を志したので、その思いもサイゲームスでなら叶えられると感じ、合流を決めました。

合流後はどのような業務を担当しましたか?

プランナーとして合流し、運用タイトルのプロジェクトに配属されました。ちょうど大型アップデートを控えていた時期で、新しい機能のお知らせを出す業務が最初でした。お知らせの文章そのものを考えるというより、施策を担当している先輩プランナーや、それこそCSのスタッフと連携しながら文章の内容に問題がないか調整したり、掲載作業の段取りをまとめたりといった業務をしていました。

プランナーからスタートしたのですね。それから業務内容はどのように広がっていったのでしょうか。

4コママンガの制作管理や、定期的なアップデートに向けたデータを準備してデバッグにチェックをお願いしたり……業務の枠を広げつつ、企画を出したり機能の実装を担当したりもしていました。

異業種から未経験でゲームプランナーになったわけですが、すんなりゲーム業界になじめましたか?

専門用語も何もわからない状態で合流したので、正直に言うと最初は苦労しましたね(笑)。例えばモバイルゲームだとゲームの情報を伝える生放送をやったりしますよね。その運営のために「環境を用意しておいて」とお願いされて、「そもそも環境ってなんだ……」とわからなくて。それでエンジニアに相談したら「どこに環境を作るのか」と聞かれて「『どこに』ってなんだ……」みたいな調子で(笑)。そもそもゲームがどう作られているのかわからなかったので戸惑いました。大学時代に情報通信を学んでいたのでサーバーやネットワークについての知識はありましたが、業務のフローを含めて全く知識がない分野もあったので、失敗から学ぶこともたくさんありました。ただ、第二新卒ということもあり、トレーナーもついてくれて周りのサポートを受けながら、なんとかやってこられました。

プランナーからCSに異動したきっかけはなんだったのでしょうか。

当時、サイゲームスが会社として大きくなっていくにつれ、バックエンドの部門も強化されていきました。そんな中、所属プロジェクトのプロデューサーから「CSをやってみないか」と声を掛けてもらいました。「いつも真面目にゲーム開発に取り組んでいるからお客さまと直接向き合う存在としても適任だ」と評価していただいたようです。サイゲームスはCSを、さらに言うとユーザーのみなさんのことを一番に考えていますし、プランナーをしながらCSに下支えしてもらって助かったことが多くあったので、二つ返事で異動しました。

時代に合った最高のカスタマーサポートを
考え続ける組織づくり

CSはどのような体制で活動しているのでしょうか。

CSは役割ごとに大きく三つのチームに分かれています。一つめはお問い合わせ対応チームです。基本的には運営しているタイトルごとに専属のチームがあります。それ以外にもタイトルを横断して、決められたルールに基づいて一律の対応を行うチームもあります。例えば、お客さまの携帯が壊れてゲームデータを移行できなかった場合に、運営でデータを復旧する対応などがあります。
二つめはマニュアル管理チームです。未経験の方でも一定以上の質でCSの業務ができるように、マニュアルの整備は重要視しています。三つめは庶務チームです。CS内のメンバーがお問い合わせ対応に注力できるよう、CS内全チームの事務的なサポートを担っています。

どのような経歴を持ったメンバーが在籍していますか?

ゲーム業界未経験の方も多くいます。接客業をしていたスタッフも多い印象ですね。CSはお客さまの対応や開発チームとの連携において、接客の経験を活かせる場面が多々あります。

年齢層や男女比はどうですか?

会社自体の平均年齢が34.3歳(2023年8月31日時点)で、CSも30歳前後が中間層です。男女比は男性が6割、女性が4割くらいです。

CSの組織づくりにおいて大切にしていることを教えてください。

「その時々に合った最高のカスタマーサポートとはどのようなものだろう」と考え続ける組織にすることです。先々でも今のやり方をそのまま流用していくのではなく、その時代ごとに合ったかたちに最適化していかなければいけません。今サイゲームスはコンシューマーゲームにもかなり力を入れて開発していますが、モバイルゲームのCSをそのままコンシューマーゲームのCSに適用できるかというと、そうではない部分もあります。「今までこうだったから」ではなく、コンシューマーゲームのCSにもっと最適な体制を考えていく必要がありますし、同じモバイルゲームでも時間が経てばユーザーのみなさんの考え方やゲームへの向き合い方も変わってくるはずです。必要な部分は引き継ぎつつ、変化には柔軟に対応していきたいと考えています。

また、会社がカスタマーサポートを重要視しているので、マネージャーとしてそのクオリティーを担保し続けていかなければいけないと思っています。新規タイトルを開発するときも、CSが横串になって「他タイトルでこういうお問い合せが多かったから、新しいタイトルではこんな機能があると良いかもしれません」というように、全プロジェクトでユーザーファーストを実現できるよう、バックアップ体制を整えています。

CSの仕事をする上で大切にしていることも教えてください。

本気で取り組むことです。「最高のコンテンツを作る」上で、CSとして何ができるかを考えたとき、お客さま対応には正解がないことが多いんです。対応の方針を決める段階から、絶対にやってはいけないことはあるのですが、できることの中でどの選択肢を採るのか取捨選択が求められます。正解がない中で物事を判断して、少しでも良い対応をしていくために、普段からお客さまに対して真剣に向き合い、サービスやコンテンツに対しても常に理解を深めていなければならないと感じています。

CSを一言で言うと、どんなチームですか?

常に「最高」の対応をするチームです。ユーザーの方々からご意見をいただいたら、そのお困り事の本質が何かをしっかり捉えて、新たな機能が必要であれば開発チームに実装の提案をすることもあります。

例えばモバイルゲームで多いのは、「アイテムをなくしてしまった」というお問い合わせです。それは間違って売却してしまった場合もあれば、UIが少しわかりづらくてアイテムがあるのに気付いていない、というような場面もあります。後者の場合、アイテムの場所をお教えすることが基本の対応ではあるのですが、そのお問い合わせで根本的に求められているのは「大切なものをなくしたくない」ということだとも考えられますよね。目の前のお客さまからのお問い合わせに対応していくことは大事なのですが、そこから見えてくる根本的なものを把握して、ときには必要な機能を開発チームに提案していくのがサイゲームスのCSチームです。

ユーザーファーストの概念が
企業文化として根付いている

CSの展望を教えてください。

今後サイゲームスのコンテンツやサービスの領域が広がっていく中で、「100年経ってもCygamesクオリティーを提供できるCS」を目標に、その時々で最適なカスタマーサポートができるようにしていければと思います。モバイルゲームは長期的に運用しているタイトルも多いので引き続き支えていく必要がありますし、今後コンシューマーで新しいタイトルも出ていきます。さらに海外展開でも最高のサポート体制を準備できるよう、きちんと組織を運用していく。そのために今まで培った経験を活かして、必要な部分はさらにパワーアップしていかなければと考えています。

先ほどCS内でもチームが分かれているという話がありました。今後強化していきたいところはありますか?

たくさんあります。わかりやすいところでいえば、今後はコンシューマーゲームとソーシャルゲームのCSでチームを分けるのも一つの選択肢だと思います。あとは会社として業務の領域が広がって新たな法令に基づいた対応をすることも増えていくので、そのチームを作ったり、ゲームが不正に利用された場合に対応する専門部隊を作ったり……。検討段階ですが、必要な業務に合わせて体制を整備していきたいと考えています。

CSにはどのような人に来てほしいですか?

ゲームが大好きな人に来てほしいですね。一般的に、CSの業務は対象の商材を深く理解することが大切です。ゲーム業界では、まずゲームをやり込むことが大事ということになるので、ゲームが好きな人には向いていると思います。ゲームが大好きで、遊んでいるユーザーのみなさんや開発しているスタッフを支えたいという思いがある人だと、活躍できるのではないかなと。

関連して、提供しているコンテンツをCSのスタッフがさらに理解していくための取り組みはありますか?

月ごとにゲームのテーマを決めて、それに沿ってみんなでプレイするという取り組みをやっています。例えば新しくリリースされたタイトルをピックアップしたり、周年が近いゲームをやり込んだりといった感じですね。ゲームをたくさんプレイして理解を深めていけるようにフォローしています。

最後に、サイゲームスの好きなところを教えてください。

やっぱりお客さまのことを真剣に考えているところだと思います。プランナーだった頃、CSのスタッフが力強く開発現場を支えてくれて、助けてもらっているなと思っていました。自分がCSになってからは、開発チームがユーザーのみなさんのことをしっかり考えているからこそ、CSも開発の現場と密に連携ができているのだと感じています。

スタッフの一人ひとりがゲームやコンテンツに触れてくださっているユーザーのみなさんのことを考えて、「最高のコンテンツ」を提供しようという意思があるからこそ、カスタマーサポートも意識できるんだと思います。ユーザーファーストの概念がCSという部署だけでなく、企業文化として根付いているところが一番好きですね。

以上、CSのマネージャーのインタビューをお届けしました。

現在サイゲームスでは、一緒に働く仲間を募集しています。この記事で興味を持った方は、ぜひ一度こちらをチェックしてみてください。

カスタマーサポートの募集要項

編集後記「マネージャーの横顔」

休日はどんなことをしていますか?

もうすぐ小学生になる子どもと、最近一緒にゲームができるようになりました。あとは昨年の春からトイプードルを飼い始めたので、休日だけじゃなく出勤前に30分くらいかけて犬の散歩に行くのが日課になっています。ただ、なんとなくサイゲームスは猫派のほうが多い気がします(笑)。