CyFreshers ~新卒1年間の成長記録~ Vol.8 カレン/アニメーションデザイナーの場合
サイゲームスには、毎年フレッシュな新卒社員が入社しています。「CyFreshers(サイフレッシャーズ)」は、入社2年目の新人社員に、会社や仕事について語ってもらう連載です。新卒社員がどんな想いを持って入社し、入社後の1年間で何を経験して、どう成長を遂げたのか、そして今どんな夢や目標を持っているのか?率直に語ってもらいました。
- 2020年新卒 アニメーションデザイナーカレン
- 2020年デザイナー職として新卒入社。研修後、『グランブルーファンタジー』のアニメーションデザイナーとして配属され、現職。
ソフトの使い方を学ぶところからスタート
キャラのモーションやエフェクトを担当
現在はどんな業務を担当していますか?
ゲームのUIや2Dアニメーション、エフェクトなどを制作する「インタラクションデザイナーチーム」という部署に所属しており、私はその中でアニメーションのチームに属しています。業務としては『グランブルーファンタジー(以下、グラブル)』でNPC(※)のモーションの他、エフェクト作成をメインに担当しています。
NPCについては、イラストチームからパーツ分けされたイラストをもらって、それをアニメーションで動かせるようにAdobe Animate(以下、Animate)で骨組みを作ったり、待機・攻撃・被弾時などの各種モーションエフェクトを作ったりしています。またエフェクトは、アビリティや奥義を発動したときの演出を作成しています。
※NPC……ノンプレイヤーキャラクターの略で、プレイヤーが操作しないキャラのこと
職場はどのような雰囲気ですか?
優しい人ばかりのチームで、すごく温かいと思います。サイゲームスに入るまでAnimateを触ったことがなく、ゼロからのスタートだったのですが、手取り足取り教えてもらいました。
わからないところを質問したときも、解決策を教えるだけでなく、こちらが納得できるまで何度も説明をしてくれます。また、クリエイティブの話だけでなく、連絡や質問の仕方など業務のことも一から教えてくれるので、先輩たちの面倒見の良さに感謝するばかりです。
メンターを担当してくれた先輩とは、入社後1年でメンタートレーナー制度が終了した今でも連絡を取り合っています。プライベートのちょっとしたお悩み相談から仕事に困ったときまで、なんでも話せるのでとても頼りにしています。すごく人に恵まれた環境だと思いますね。
また、仕事内容についても、新しいことに挑戦をさせてくれる風土があると思っています。現在はNPCのモーションや技のエフェクト作成がメインですが、他にもUIのモーションにも挑戦させてもらっています。また、モーションやエフェクトを作る者としてはやはり、見せ場が多いボスを担当したいので、それも今練習しています。
配属された当初はどんな仕事を任されましたか?
まず配属後1か月程度は練習期間でした。それまでAnimateを触ったことが全くなかったので、最初はAnimateの動作に慣れるところからですね。作ったものを毎日トレーナーに見せてフィードバックをもらい、データの構造として必要なことや、演出を作る上でより良く見せられるノウハウを学びながら、できることを着実に増やしていきました。
その後、実業務として小さい単位の仕事から任せてもらいました。例えば、『グラブル』では装備する武器ごとにエフェクトがあるので、その武器を使う主人公の演出を作るといったことですね。既存のエフェクトを見て学んで、主人公が持つ武器のエフェクト作成の練習をしながら少しずつ慣れていきました。
仕事の進め方はどんな風に覚えていきましたか?
最初の頃はトレーナーと通話しながら制作の仕方を教えてもらい、わからないことがあった場合はすぐに質問してフィードバックをもらっていました。最初は、自分が『グラブル』の仕事をしていると思うと緊張してしまって、監修担当にも「緊張してるね」と言われながら作っていました(笑)。武器エフェクトのあとは奥義演出を半年ほど作って、その後アビリティなどの短いエフェクトと並行して、NPCの演出を任せてもらえるようになりました。
『グラブル』は武器エフェクトだけでも既存のものを含めると何千種類とあるので、制作時はこれまでのエフェクトをよく研究するよう気を付けていました。アイテムによって既存のものを踏襲するパターンと、新規に作るパターンとがあるのですが、どちらにも対応できるように、まずは既存のものをたくさん見るようにしました。『グラブル』は私が入社した時点ですでに7年目だったので、とにかく数が多くて、それらをひたすらインプットしていきました。
働く上で大事にしていることはありますか?
自分が作ったものの「振り返り」をしっかりすることです。最初は作るだけで精いっぱいで振り返る余裕もない状態でした。でも作るだけで終わってしまうと、自分に不足している点を忘れてしまったりすることがあると気付きました。以前指摘されたのと同じフィードバックをもらったときに「しまった!」と思ったんです。
せっかく有益なフィードバックをもらっているのに、身に付けられていないのはもったいないし、自分も辛くなってしまいます。だから自分で復習するきっかけを作って、足りていない部分が少しでも早く身に付くようにしたいと思っています。
具体的に振り返りとしてやっているのは、その日受けたフィードバックをまとめて書き出すことです。そうやって1日単位で小さい振り返りをしつつ、1つの制作が終わった際に全体の振り返りをしています。次の作品に以前の反省点を活かせると、自分が成長できたと実感できるので、その感覚を大事にしています。
学校では3Dの勉強がメインだった
それでも「2Dでゲーム業界を目指す」と決意
学生時代はどんなことを学んでいましたか?
学生時代はアート系の専門学校のCG学部・アニメイラスト学科に通っていました。元々はアニメを描くことを希望していて、アニメ関連の授業もあると聞いて入学したのですが、実際には3Dがメインで、1〜2年生の頃はほとんど3DCGソフトのMayaを学んでいました。正直なところ、想像していたのとちょっと違う……と思いましたが(笑)、3Dで学んだことは2Dでも活かせるだろうと思って取り組みました。
ただ、やはり2Dのアニメのことも勉強しておきたいと思ったので、自主的にゲーム用2Dアニメーション制作に特化したソフトのSpineを触っていました。Spineのことを知っている先輩に基本的なところを教えてもらって、その後は独学です。
今にして思えば、3Dを学んだことはやっぱり現在の業務にも活きていると思います。例えばモーションでも、立体的な動きを想像しながら付けることで説得力が増しますし。今はMayaこそ使いませんが、3Dを学んでおいて良かった部分はたくさんありますね。
どんなきっかけでゲーム業界を志したのでしょうか?
専門学校に入るまでは、アニメを作ることが夢でした。先ほどお話ししたSpineに出会った頃から、ゲーム業界を意識するようになりました。
3Dに関して学んだ専門性を活かす道も考えましたが、Spineでゲームの2Dパーツアニメーション制作の面白さを再認識してからは、ゲーム会社で働くことが自分には向いていそうだと考えるようになりました。
サイゲームスに入ろうと思った理由は何ですか?
元々『グラブル』や『Shadowverse』など、サイゲームスのゲームはよくプレイしていました。ゲーム会社で働くことを意識するようになってからは、好きなゲームを出している会社であり、高いクオリティーを追求しているサイゲームスが良いなと思うようになりました。さらに、3年生のときにインターンに参加して、改めて仕事としてアニメーションを作る意志を固められたことや、実際に働いているスタッフの姿を知り、将来自分が働いている姿を自然と想像できたことが、ここで働きたいと思う大きなきっかけになりました。
サイゲームスで仕事ができるならどこのプロジェクトでも良かったのですが、以前からプレイしていて大好きな『グラブル』に配属されたのはうれしかったですね。配属先を告げられた際、うれしすぎて「はい!」の一言としか言えませんでした(笑)。
就職活動のために学生時代意識していたことはありますか?
情報の共有です。私の周囲にはアニメ業界やゲーム業界を目指す人が多かったので、インターンの情報を交換したり、ポートフォリオを見せ合って少しでも見栄えが良くなるようによく話し合ったりしていました。
ポートフォリオでは3Dと2Dのどちらを主張するか迷いましたが、心残りがないように2D推しの構成にしました。学校で主に学んでいるのは3Dだし、業界的にも3Dのほうがより可能性が開けているかもしれないとは思いましたが、それ以上に、自分がやりたいのはやっぱり2Dだと思ったからです。2Dは独学がメインだったので正直不安だったのですが、サイゲームスのインターンを経験して、「自分は2Dでいく」と決心がつきました。結果的にサイゲームスで採用してもらえたのは幸運だったと思います。
ハロウィンスキンの作成に挑戦
ユーザーの方々の喜びがやりがいに
この1年で一番達成感を得たエピソードを教えてください。
『グラブル』のニオというキャラのハロウィンスキンを作成したことです。『グラブル』はハロウィンキャラもたくさんいるので、他のキャラと並んだときに劣って見えないようにバランスをとるのに苦労しました。期待をしてくださっていたユーザーの方々もいらっしゃったと思うので、喜んでもらえるものを作るという責任も感じました。
また、このスキンでニオの周囲をゾウやうさぎ、ユニコーンのオブジェクトが回るエフェクトを作るのも大変でした。このエフェクトではオブジェクトが円形の軌道で回るのですが、これを実現するのが難しく、試行錯誤して、普段と違うやり方でやっとクリアすることができました。
リリースしたものがバグもなく動作して安心しましたし、好意的にコメントしてくださった方もいたので、一生懸命やって良かったと思いました。
反対に、失敗談や大変な思いをしたエピソードはありますか?
私は一度ミスをすると、気持ちに上手く整理がつけられなくてミスが続いてしまう傾向があって、それが辛い時期がありました。ゲームはチームで作るもので、1人のミスがチームに大きく影響を与えてしまうこともあるので、それを想像して負の連鎖に陥ってしまうというか。特に最初の頃は、わからないことが多すぎて、1つのミスでいっぱいいっぱいになることが多かったですね。
こまめに振り返りをするクセをつけたことで、ミスそのものも徐々に減ってきました。
入社してからの自分を振り返って、成長したと感じる部分はどんなところですか?
入社した頃はAnimateの操作ができないところからのスタートだったので、今は普通にAnimateを使って仕事ができているのは、目に見える成長かなと思います。もちろんアニメーションデザイナーとしてはできて当たり前なのですが、昨日できなかったことが今日はできるようになった、ということが少しずつ増えてきている実感があります。
今後の目標や目指しているものを教えてください。
今はNPCのモーションやアビリティエフェクトの作成が多いですが、ボスの演出だったり絵コンテを描いてみたりと、少しずつ自分のできる分野を増やしてスキルアップしていきたいです。
幅広いスキルを持てば周りに信頼されるようになると思うので、手数を増やして、頼られるアニメーションデザイナーになりたいです。
以上、アニメーションデザイナーのカレンさんへのインタビューをお届けしました。本連載では、今後もフレッシュに活躍する新卒の姿をシリーズでお伝えします。お楽しみに!
また、サイゲームスは2023年新卒採用のエントリーを募集しております。ゲームづくりに熱い気持ちを持つ学生のみなさまのエントリーをお待ちしております!
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